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2.河の水国ガンダダ
SS ある人物
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時は少しだけ戻り
ー????ー
ある日の出来事、亡き恋人に似ている少女。歳は違えど何故か似ていると思った少女を偶然見つけてしまった。
恋人に似ていたせいかほっておけなくてつい施しをしてしまった。
「あ…ありがとう…ございます」
驚いたことに声も掠れていてもわかった。似ていると
それからの数日は貯蓄は既になかったので大切な物を売って会う勇気はないのでその子がねぐらにしている場所に置いて去る事にした
何をやっているのか。でも、恋人に似ていた少女に会ったおかげか夢で恋人に出会った。
無謀なバカだった頃の…いやいまもか馬鹿な俺のちょっと若い頃の夢を見たんだ
「やっぱり、あんたは勇者だよ」
「やめろよ、勇者なんて柄でもないぜ?」
「ううん、勇者だよ…みんながビビッて足がすくんでるのにあんたが声を張り上げて先を行く、とっても勇敢で勇気ある行動、まさに勇者だ!」
「そっそうか?」
「そうだよ、勇者様」
そう言われて悪い気分ではない、彼女とは自然といつも一緒にいてやがて恋人になったが、馬鹿な俺は調子に乗っていた。そして最愛の恋人を失う
「なんでっどうして庇った!」
単純なミスだった死んだふりをした敵にバカみたいに引っかかった。今以上に自分が馬鹿だと思う事は無いだろう
深い傷口から血が溢れて、止まらない。段々と冷たくなる彼女を抱きしめて泣くだけ魔力が低く才能がない俺は回復魔法なんか使えない
出来ることを考えても助からない事しかわからない…
彼女を亡くしたばかりの頃は頻繁に見ていた悪夢それを久々に見た
「クソッ、目覚めから気分が悪いぜ!」
『コンコン』
「誰だ?」
こんな俺に誰が訪ねてくる?
1年ほど前のあいつを亡くしたばかりの頃はいろんなやつが来たが今は誰も来なくなっていた。クズになった俺に、誰が訪ねてくる?
「あなたから施しを受けたものです」
言葉の内容ではなく声で分かったあの子だと
「なんのようだ?」
「入っても?」
「……いいぜ」
ああ、なんてことだ
「良き人に会い、住み込みで雇ってもらえることになったのでお礼とお別れの挨拶に来ました」
前見た姿と違い、いつの間に健康的な状態になった?
彼女は成長したらまず間違いなくそっくりに成長するだろうそう思えるほど似ていた。見たことは無いがまるで彼女の幼い頃の姿と思える姿だった
「お礼、お別れ?意味がわからないな」
「…そうですか、では勝手にまずはこちらを受け取ってください」
布に巻かれた剣ほどの長さのあるものを差し出してきた
「これは?」
そう言いつつも受けってみた瞬間分かったこれは剣だ
「あなたが質屋に売った剣です買い戻しました」
「は?何やってやがるその金は自分のために使えよ、なんの為に俺が…」
「やはりあなただったんですね」
1度目以降はチビッ子がねぐらにしている場所に本人が居ないうちに水とパンを置いて去っていた
「…ちっ」
俺は椅子に座頭を掻く
「そうだよ、俺だよ。で、なんのようですかね!」
俺は情けなくチビッ子にあたる
「先程も言いましたが、良き人に会って住み込みで雇ってもらえたのでお礼と別れの挨拶をしに来ました」
「そうですかっ、受け取りましたのでお帰りを」
「いえ、あと一つ何かをさせてもらえませんか?」
「はぁ?」
何いってんだこいつ?
「亡き母に借りは返す様にと言われました。ですが自分の出来ることは少ないです。その剣とあと1つ何かできることで、勝手で申し訳ありませんが借りを返したとさせてもらいます」
「あーあー、勝手にしろ」
しっかしこの剣良いものの筈なのに誰にも買われなかったのかよ
「僭越ながら質屋の方に私があなたの彼女さんにとても似ていると聞きました」
「似てねぇよ!」
違うとても似ているだが似ているからこそ何も言わないでほしい
「その質屋からある物もお預かりしておりますし、ある手紙も読みました。ゆえにこれで借りを返したとさせてもらいます」
「はあ?」
何を?
「…すぅ……いつまでもうだうだしてんじゃねぇ!!!」
『バチンッ!』
いきなり頬を叩かれ驚く
「勇者、しっかりしろ!」
胸ぐらを掴まれて正面から見つめられる
「私が好きになった人はこんなヘタレ男じゃない、涙を飲み悔しさをバネに前に進める勇者様だ!」
「勝手なことを言うな!」
「私が好きになったままのカッコいいあなたでいてよ!」
「くっ」
「勇者様でいてよ、他の誰かを好きになってもいいし、冒険者じゃなくなってもいい、でも何かから逃げまどい生きることを辞めるのだけは許せない、理由が欲しいならあげるから…」
「理由?」
「死後に、私に勇者の生き様、伝説を聞かせて」
「…そうか」
俺がポツリと言葉を漏らすとチビっ子は離れる
「……以上です。この手紙に書かれた内容そのものでしたあなたの言葉も」
そう言ってチビッ子は紙を渡してくる。手紙で中を開くと懐かしい文字がそこにはあった。お互い下手だったが依頼書を読むために、勉強して覚え。問題を出し合ったから知り尽くしているクセがそこにあった
「ああっ……ああ……ああああああああああ!」
溢れる涙、口から勝手に出る嗚咽、今も忘れることのできない好きな人。想いが溢れる
「失礼しました、今まで施しをありがとうございました。決してご恩は忘れません…願わくば生きる気力を見つけられますように」
「あああ…………ああぁ……」
チビッ子は去っていったが俺は泣き続けていつの間にか寝ていた様で
真っ白な夢の空間にいた
「何をしている、私の勇者!」
夢の空間でいつの間にかいた彼女は拳を突き出し俺の胸突きつける
「俺は…」
この夢はなんだろう
「なっさけないなー、今のアンタは私が好きになった勇者じゃない!」
「それは…」
「私が好きになった人は、命をかけて守った人は、今のアンタじゃない!」
「そ…れは」
「立てよ勇者、もう1年だ十分だろ?」
その言葉に俯き首を横に振る
「なんでさ、十分でしょ?」
「ダメなんだ君がいない…」
「くよくよするな!」
彼女が俺の胸ぐらを掴み真っ直ぐ見てくる
「そんな、情ないやつの為に庇ったわけじゃない!」
「…」
「私だって死にたかった訳じゃない!」
「俺だって、死なせたかった訳じゃない俺が馬鹿だったのがいけないんだ!」
「違う、違うよ。君の勇気は必要なことなの!」
「最愛の人を失ってまで必要な勇気なんかいらない!」
「馬鹿!」
「ああ、馬鹿だよ俺は馬鹿なんだよ」
「じゃあ馬鹿は馬鹿なりに突き進んでよ!」
「だから…」
「考えるなっ!、私が好きだったあんたを突き通してよ!」
「……突き通せないよ」
「じゃあ、なんで生きている!?」
「………」
「屍のように生きているぐらいなら誰かのために時間を使いなよ、そうすればまた自分の生き方を見つけられるかもしれないじゃない!」
「生き方…」
「ねぇ、勇者」
「…」
「こんな偶然、またとないから言いうけど」
「…」
「私の為に生きてみない?」
「どういうことだ?」
「私が死んだことがショックでそんなふうになったのなら、私の為に今度は私に恥ずかしくない勇者になってよ」
「お前に恥ずかしくない勇者?」
「今のあなたは、私が好きだったあなたじゃない。私が好きなのは勇敢で勇気がありどんな敵にも逃げも隠れもしない勇者」
「…」
「怯えないで…」
「今更…前のようになんて」
「じゃあ私に顔向けできるの?」
「……出来ない」
今でも真っ直ぐ見るなんて出来なくて視線を反らしているんだ、無理だ
「死人がこういうのも酷いと思うけど頑張ってよ」
「……」
「君が来るまで待ってるから」
「今更」
「今更じゃないよ」
顔を上げる
「何度でも立ち止まってもいい、休憩は必要だ」
「立ち止まったらもう歩けない」
「勇気があれば歩きだせるよ」
「歩き出せるのか、今更」
俯き涙を流す俺に、両手を頬に当てて正面を向かせる彼女
「どんなタイミングでも前に出れればいい」
笑う彼女、力をもらえた彼女の笑顔
「一歩が怖い」
それに俺は泣き言を言う
「大丈夫、かつて君は、誰よりも一歩を踏み出せていた」
「後悔は……もうしたくない」
「だからこそ人は学ぶんだ大切なものをの失ってもね」
「君が…いない」
「だから、あの世で待っているよ。もう失うものはないんじゃない?」
酷いことを言う、失ったもの、それが一番つらいのに
泣きながら笑う、話しているうちに俺は決心が着く
「君の言うとおり屍のように生きているぐらいなら……………土産話ができるようにする」
「じゃあ、どうする?」
「顔向け出来るように、頑張る」
俺がそう言うと彼女はニコット笑い拳の甲の部分でポンと俺の胸を軽く叩くと離れて
「そっか、じゃあ頑張れ、私の勇者!」
「ああ、そうだな勇者は勇者でも君の勇者として頑張ろう!」
「うん、頑張ってね私の勇者!」
「ああ、頑張る!」
『ドオンッ!』
目覚めは大きな音と揺れ
「タイミングはいいんだか悪いんだか」
いつ寝ていたか分からないが体を起こし身なりを整える
外に異様な大きな気配を感じるが身だしなみは整えなきゃならない
「これでいいかぁ、なあ聖女様」
あいつが俺を勇者と呼ぶんだ、ならあいつを聖女と言ったって文句はないだろ
「さて剣は、あの子のおかげで戻ってきた。問題はブランクだが、小さな敵の気配も感じる」
サビ落としブランクによる体の衰えを確認するには丁度いい
「見てろ、お前の勇者が町に現れた魔物を倒しに行くぞ」
飛び出し確認する街は見事なほどに大混乱大きな気配に向かう途中にいる敵を斬って斬って斬りまくる!
「ハハッ大丈夫だなんとかなるもんだ!」
そして大きな気配のもとに来たが他の冒険者達がいるだけで気配の主はいない
「あなたは!」
俺を覚えているやつがいるのかそれは驚きだ
「おう、敵は?」
「いえ、まだいません」
「兵士は見たか?」
俺はここに来るまでに姿を見ていない
「いえ、俺は見てません」
一人に聞いたが、そいつは他のやつにも聞いて回ってくれた
「どうやら誰も見ていないようです」
なんてこった。この国もうダメかもしれん
いや、元々だめだったか
そう思っているとすぐ近くで大きば音が鳴り、大きな魔力を感じる。
「嫌な予感しかしないな」
それでも行かねばならない
大きな気配の場所についたが気配の主を…その姿を見た者は皆固まった。全く見たことのない肉の塊だった
「ギャアアアアアアアア!?」
その声はおかしな話だが、目の前の大きな肉の塊から発せられた
「……」
だが、誰一人として反応ができない、動くことができないままだ
「ああああああ!?」
肉の塊がこちらにズリズリと地面を擦りながら振り向く
「ーっ!」
思わず一歩足を引く
「あ、あああ」
「うぅ、あぁぁぁ」
近くにいる者たちの声ならぬ声よりも俺は、自分が一歩足を引いてしまったことにショックを受けていた
(何をしている俺!?)
思い出すのは夢の中のアイツへの誓いだアイツのために生きると顔向け出来るように生きると決めたのに、俺は、俺は何をしている!!!!
「…ぉぉぉおおおおおおおおおおおお!」
怯えを振り払うように出ない声を無理やり出し恐怖を振り払う!
「奮い立て、自分の大切なものを守るために今武器を持っているものよ!」
「「「「!」」」」
「怯むな、生きるために自らの魔力を高めているものよ!」
「「「「!」」」」
「この国の兵士や王侯貴族が役に立たぬ今、国を人々を守れるのは俺達だけだ!」
「「「「「!!!!」」」」」
「声を上げろ、恐怖を振り払え!」
俺は剣を掲げる
「未知の敵であろうと立ち向かうのだ!」
俺は敵に突っ込む
「うおおおおおおおおおおおお!」
「ああああああああああああAh!?」
肉の塊の敵は人間の様な声を上げて反撃をしてくる
攻撃方法は何だ?
どう来る?
側面の段々になっている肉の隙間から、肌色の植物の様な蔦がこちらに向かって十数本向かってくる
「ちぃ」
避けきれるか!?
「「「「ああああああ」」」」
よかった皆動けるようになったか!
「支援魔法、アーマーいきます!」
前衛のみんなに魔力の鎧が付く、これなら多少無理もできる
「弱点は何処だ!」
何度か突っ込んでは間合いを取り体制を立て直したりと何度もそれを繰り返すうちにこちらが段々と追い込まれていく
「あああああAhあぁぁぁああああ!?」
「くそっ」
「はぁ…はあ……はぁ」
相手は怪物、体力がどれだけあるかわからないし皆そろそろ体力の限界が近づいてくるそれ故に長引かせるわけにはいかない
「だあ!」
誰かが斬った場所の奥に魔物にある核が見えた
「核があったぞ、みんな援護してくれ!」
「「「「了解!」」」」
俺も体力の限界が近い、最後の突撃とするぞ!
「いくぞおおおおぉぉぉぉぉ!」
「があああぁaaaぁAhあああああああ!?」
向かい来る攻撃を最小限で避けつつ核があった場所へと走る!
「俺の最後の魔法です頼みます!」
ああ、必ず倒す!
「私の全力です!」
走る足に力が漲ってより早く走れる。ありがたい!
「Ahああああがあああああ!?」
1番太い触手が向かってくる
「俺が防ぎます行ってください!」
『ドオン!』
「感謝する!」
それからもいくつもいくつも攻撃が来たがみんなが防いでくれる
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
貫けええええええええ!
誰かの魔法が核までの肉を吹き飛ばし晒してくれる
誰だか知らんが感謝する!
「ああAhあ□◇あぁ○ぁ△ああ@!?」
開いた道が急速に塞がる、不味い自己再生か!?
「とどけえええええええ!!!」
『ギュム!』
止められた!?畜生がああああ!!!!
剣先はあと少しのはずだ誰か押してくれ、いや俺ごと吹き飛ばしてでも剣を…核に!
アイツがいればここで押してくれるんだが
アイツがいれば、アイツが!
願いが届いたのか一陣の風が吹きグンッと体が押され体と腕が近づく
「せい、やっあああああああ!」
力一杯に、全力で剣を突きだす
『バキンッ!』
「ああがああだあああAAAaaaaaあhあああ!!!!」
壮大な叫び声と共に魔力の気配が消える
「やっ…た」
誰かがそんな声をだすとみんな喜びの声を上げる
俺はアイツを死なせたときの様に油断はしない気を張り続けるし何よりまだ終わったわけじゃないまだこれからやることがたくさんある
だが、油断せずに俺も歓声を上げてもいいだろう
「やったぞおおおおおおおおお!」
「「「わあああああああああ」」」
見ていたか、見ていなかったら土産話として盛大に盛って話してやるからな
これからもずっと見れるんなら見ていろ聖女、俺の生き様を…お前に恥じないように監視してサボったら叱ってくれ
な…俺の聖女様
ー????ー
ある日の出来事、亡き恋人に似ている少女。歳は違えど何故か似ていると思った少女を偶然見つけてしまった。
恋人に似ていたせいかほっておけなくてつい施しをしてしまった。
「あ…ありがとう…ございます」
驚いたことに声も掠れていてもわかった。似ていると
それからの数日は貯蓄は既になかったので大切な物を売って会う勇気はないのでその子がねぐらにしている場所に置いて去る事にした
何をやっているのか。でも、恋人に似ていた少女に会ったおかげか夢で恋人に出会った。
無謀なバカだった頃の…いやいまもか馬鹿な俺のちょっと若い頃の夢を見たんだ
「やっぱり、あんたは勇者だよ」
「やめろよ、勇者なんて柄でもないぜ?」
「ううん、勇者だよ…みんながビビッて足がすくんでるのにあんたが声を張り上げて先を行く、とっても勇敢で勇気ある行動、まさに勇者だ!」
「そっそうか?」
「そうだよ、勇者様」
そう言われて悪い気分ではない、彼女とは自然といつも一緒にいてやがて恋人になったが、馬鹿な俺は調子に乗っていた。そして最愛の恋人を失う
「なんでっどうして庇った!」
単純なミスだった死んだふりをした敵にバカみたいに引っかかった。今以上に自分が馬鹿だと思う事は無いだろう
深い傷口から血が溢れて、止まらない。段々と冷たくなる彼女を抱きしめて泣くだけ魔力が低く才能がない俺は回復魔法なんか使えない
出来ることを考えても助からない事しかわからない…
彼女を亡くしたばかりの頃は頻繁に見ていた悪夢それを久々に見た
「クソッ、目覚めから気分が悪いぜ!」
『コンコン』
「誰だ?」
こんな俺に誰が訪ねてくる?
1年ほど前のあいつを亡くしたばかりの頃はいろんなやつが来たが今は誰も来なくなっていた。クズになった俺に、誰が訪ねてくる?
「あなたから施しを受けたものです」
言葉の内容ではなく声で分かったあの子だと
「なんのようだ?」
「入っても?」
「……いいぜ」
ああ、なんてことだ
「良き人に会い、住み込みで雇ってもらえることになったのでお礼とお別れの挨拶に来ました」
前見た姿と違い、いつの間に健康的な状態になった?
彼女は成長したらまず間違いなくそっくりに成長するだろうそう思えるほど似ていた。見たことは無いがまるで彼女の幼い頃の姿と思える姿だった
「お礼、お別れ?意味がわからないな」
「…そうですか、では勝手にまずはこちらを受け取ってください」
布に巻かれた剣ほどの長さのあるものを差し出してきた
「これは?」
そう言いつつも受けってみた瞬間分かったこれは剣だ
「あなたが質屋に売った剣です買い戻しました」
「は?何やってやがるその金は自分のために使えよ、なんの為に俺が…」
「やはりあなただったんですね」
1度目以降はチビッ子がねぐらにしている場所に本人が居ないうちに水とパンを置いて去っていた
「…ちっ」
俺は椅子に座頭を掻く
「そうだよ、俺だよ。で、なんのようですかね!」
俺は情けなくチビッ子にあたる
「先程も言いましたが、良き人に会って住み込みで雇ってもらえたのでお礼と別れの挨拶をしに来ました」
「そうですかっ、受け取りましたのでお帰りを」
「いえ、あと一つ何かをさせてもらえませんか?」
「はぁ?」
何いってんだこいつ?
「亡き母に借りは返す様にと言われました。ですが自分の出来ることは少ないです。その剣とあと1つ何かできることで、勝手で申し訳ありませんが借りを返したとさせてもらいます」
「あーあー、勝手にしろ」
しっかしこの剣良いものの筈なのに誰にも買われなかったのかよ
「僭越ながら質屋の方に私があなたの彼女さんにとても似ていると聞きました」
「似てねぇよ!」
違うとても似ているだが似ているからこそ何も言わないでほしい
「その質屋からある物もお預かりしておりますし、ある手紙も読みました。ゆえにこれで借りを返したとさせてもらいます」
「はあ?」
何を?
「…すぅ……いつまでもうだうだしてんじゃねぇ!!!」
『バチンッ!』
いきなり頬を叩かれ驚く
「勇者、しっかりしろ!」
胸ぐらを掴まれて正面から見つめられる
「私が好きになった人はこんなヘタレ男じゃない、涙を飲み悔しさをバネに前に進める勇者様だ!」
「勝手なことを言うな!」
「私が好きになったままのカッコいいあなたでいてよ!」
「くっ」
「勇者様でいてよ、他の誰かを好きになってもいいし、冒険者じゃなくなってもいい、でも何かから逃げまどい生きることを辞めるのだけは許せない、理由が欲しいならあげるから…」
「理由?」
「死後に、私に勇者の生き様、伝説を聞かせて」
「…そうか」
俺がポツリと言葉を漏らすとチビっ子は離れる
「……以上です。この手紙に書かれた内容そのものでしたあなたの言葉も」
そう言ってチビッ子は紙を渡してくる。手紙で中を開くと懐かしい文字がそこにはあった。お互い下手だったが依頼書を読むために、勉強して覚え。問題を出し合ったから知り尽くしているクセがそこにあった
「ああっ……ああ……ああああああああああ!」
溢れる涙、口から勝手に出る嗚咽、今も忘れることのできない好きな人。想いが溢れる
「失礼しました、今まで施しをありがとうございました。決してご恩は忘れません…願わくば生きる気力を見つけられますように」
「あああ…………ああぁ……」
チビッ子は去っていったが俺は泣き続けていつの間にか寝ていた様で
真っ白な夢の空間にいた
「何をしている、私の勇者!」
夢の空間でいつの間にかいた彼女は拳を突き出し俺の胸突きつける
「俺は…」
この夢はなんだろう
「なっさけないなー、今のアンタは私が好きになった勇者じゃない!」
「それは…」
「私が好きになった人は、命をかけて守った人は、今のアンタじゃない!」
「そ…れは」
「立てよ勇者、もう1年だ十分だろ?」
その言葉に俯き首を横に振る
「なんでさ、十分でしょ?」
「ダメなんだ君がいない…」
「くよくよするな!」
彼女が俺の胸ぐらを掴み真っ直ぐ見てくる
「そんな、情ないやつの為に庇ったわけじゃない!」
「…」
「私だって死にたかった訳じゃない!」
「俺だって、死なせたかった訳じゃない俺が馬鹿だったのがいけないんだ!」
「違う、違うよ。君の勇気は必要なことなの!」
「最愛の人を失ってまで必要な勇気なんかいらない!」
「馬鹿!」
「ああ、馬鹿だよ俺は馬鹿なんだよ」
「じゃあ馬鹿は馬鹿なりに突き進んでよ!」
「だから…」
「考えるなっ!、私が好きだったあんたを突き通してよ!」
「……突き通せないよ」
「じゃあ、なんで生きている!?」
「………」
「屍のように生きているぐらいなら誰かのために時間を使いなよ、そうすればまた自分の生き方を見つけられるかもしれないじゃない!」
「生き方…」
「ねぇ、勇者」
「…」
「こんな偶然、またとないから言いうけど」
「…」
「私の為に生きてみない?」
「どういうことだ?」
「私が死んだことがショックでそんなふうになったのなら、私の為に今度は私に恥ずかしくない勇者になってよ」
「お前に恥ずかしくない勇者?」
「今のあなたは、私が好きだったあなたじゃない。私が好きなのは勇敢で勇気がありどんな敵にも逃げも隠れもしない勇者」
「…」
「怯えないで…」
「今更…前のようになんて」
「じゃあ私に顔向けできるの?」
「……出来ない」
今でも真っ直ぐ見るなんて出来なくて視線を反らしているんだ、無理だ
「死人がこういうのも酷いと思うけど頑張ってよ」
「……」
「君が来るまで待ってるから」
「今更」
「今更じゃないよ」
顔を上げる
「何度でも立ち止まってもいい、休憩は必要だ」
「立ち止まったらもう歩けない」
「勇気があれば歩きだせるよ」
「歩き出せるのか、今更」
俯き涙を流す俺に、両手を頬に当てて正面を向かせる彼女
「どんなタイミングでも前に出れればいい」
笑う彼女、力をもらえた彼女の笑顔
「一歩が怖い」
それに俺は泣き言を言う
「大丈夫、かつて君は、誰よりも一歩を踏み出せていた」
「後悔は……もうしたくない」
「だからこそ人は学ぶんだ大切なものをの失ってもね」
「君が…いない」
「だから、あの世で待っているよ。もう失うものはないんじゃない?」
酷いことを言う、失ったもの、それが一番つらいのに
泣きながら笑う、話しているうちに俺は決心が着く
「君の言うとおり屍のように生きているぐらいなら……………土産話ができるようにする」
「じゃあ、どうする?」
「顔向け出来るように、頑張る」
俺がそう言うと彼女はニコット笑い拳の甲の部分でポンと俺の胸を軽く叩くと離れて
「そっか、じゃあ頑張れ、私の勇者!」
「ああ、そうだな勇者は勇者でも君の勇者として頑張ろう!」
「うん、頑張ってね私の勇者!」
「ああ、頑張る!」
『ドオンッ!』
目覚めは大きな音と揺れ
「タイミングはいいんだか悪いんだか」
いつ寝ていたか分からないが体を起こし身なりを整える
外に異様な大きな気配を感じるが身だしなみは整えなきゃならない
「これでいいかぁ、なあ聖女様」
あいつが俺を勇者と呼ぶんだ、ならあいつを聖女と言ったって文句はないだろ
「さて剣は、あの子のおかげで戻ってきた。問題はブランクだが、小さな敵の気配も感じる」
サビ落としブランクによる体の衰えを確認するには丁度いい
「見てろ、お前の勇者が町に現れた魔物を倒しに行くぞ」
飛び出し確認する街は見事なほどに大混乱大きな気配に向かう途中にいる敵を斬って斬って斬りまくる!
「ハハッ大丈夫だなんとかなるもんだ!」
そして大きな気配のもとに来たが他の冒険者達がいるだけで気配の主はいない
「あなたは!」
俺を覚えているやつがいるのかそれは驚きだ
「おう、敵は?」
「いえ、まだいません」
「兵士は見たか?」
俺はここに来るまでに姿を見ていない
「いえ、俺は見てません」
一人に聞いたが、そいつは他のやつにも聞いて回ってくれた
「どうやら誰も見ていないようです」
なんてこった。この国もうダメかもしれん
いや、元々だめだったか
そう思っているとすぐ近くで大きば音が鳴り、大きな魔力を感じる。
「嫌な予感しかしないな」
それでも行かねばならない
大きな気配の場所についたが気配の主を…その姿を見た者は皆固まった。全く見たことのない肉の塊だった
「ギャアアアアアアアア!?」
その声はおかしな話だが、目の前の大きな肉の塊から発せられた
「……」
だが、誰一人として反応ができない、動くことができないままだ
「ああああああ!?」
肉の塊がこちらにズリズリと地面を擦りながら振り向く
「ーっ!」
思わず一歩足を引く
「あ、あああ」
「うぅ、あぁぁぁ」
近くにいる者たちの声ならぬ声よりも俺は、自分が一歩足を引いてしまったことにショックを受けていた
(何をしている俺!?)
思い出すのは夢の中のアイツへの誓いだアイツのために生きると顔向け出来るように生きると決めたのに、俺は、俺は何をしている!!!!
「…ぉぉぉおおおおおおおおおおおお!」
怯えを振り払うように出ない声を無理やり出し恐怖を振り払う!
「奮い立て、自分の大切なものを守るために今武器を持っているものよ!」
「「「「!」」」」
「怯むな、生きるために自らの魔力を高めているものよ!」
「「「「!」」」」
「この国の兵士や王侯貴族が役に立たぬ今、国を人々を守れるのは俺達だけだ!」
「「「「「!!!!」」」」」
「声を上げろ、恐怖を振り払え!」
俺は剣を掲げる
「未知の敵であろうと立ち向かうのだ!」
俺は敵に突っ込む
「うおおおおおおおおおおおお!」
「ああああああああああああAh!?」
肉の塊の敵は人間の様な声を上げて反撃をしてくる
攻撃方法は何だ?
どう来る?
側面の段々になっている肉の隙間から、肌色の植物の様な蔦がこちらに向かって十数本向かってくる
「ちぃ」
避けきれるか!?
「「「「ああああああ」」」」
よかった皆動けるようになったか!
「支援魔法、アーマーいきます!」
前衛のみんなに魔力の鎧が付く、これなら多少無理もできる
「弱点は何処だ!」
何度か突っ込んでは間合いを取り体制を立て直したりと何度もそれを繰り返すうちにこちらが段々と追い込まれていく
「あああああAhあぁぁぁああああ!?」
「くそっ」
「はぁ…はあ……はぁ」
相手は怪物、体力がどれだけあるかわからないし皆そろそろ体力の限界が近づいてくるそれ故に長引かせるわけにはいかない
「だあ!」
誰かが斬った場所の奥に魔物にある核が見えた
「核があったぞ、みんな援護してくれ!」
「「「「了解!」」」」
俺も体力の限界が近い、最後の突撃とするぞ!
「いくぞおおおおぉぉぉぉぉ!」
「があああぁaaaぁAhあああああああ!?」
向かい来る攻撃を最小限で避けつつ核があった場所へと走る!
「俺の最後の魔法です頼みます!」
ああ、必ず倒す!
「私の全力です!」
走る足に力が漲ってより早く走れる。ありがたい!
「Ahああああがあああああ!?」
1番太い触手が向かってくる
「俺が防ぎます行ってください!」
『ドオン!』
「感謝する!」
それからもいくつもいくつも攻撃が来たがみんなが防いでくれる
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
貫けええええええええ!
誰かの魔法が核までの肉を吹き飛ばし晒してくれる
誰だか知らんが感謝する!
「ああAhあ□◇あぁ○ぁ△ああ@!?」
開いた道が急速に塞がる、不味い自己再生か!?
「とどけえええええええ!!!」
『ギュム!』
止められた!?畜生がああああ!!!!
剣先はあと少しのはずだ誰か押してくれ、いや俺ごと吹き飛ばしてでも剣を…核に!
アイツがいればここで押してくれるんだが
アイツがいれば、アイツが!
願いが届いたのか一陣の風が吹きグンッと体が押され体と腕が近づく
「せい、やっあああああああ!」
力一杯に、全力で剣を突きだす
『バキンッ!』
「ああがああだあああAAAaaaaaあhあああ!!!!」
壮大な叫び声と共に魔力の気配が消える
「やっ…た」
誰かがそんな声をだすとみんな喜びの声を上げる
俺はアイツを死なせたときの様に油断はしない気を張り続けるし何よりまだ終わったわけじゃないまだこれからやることがたくさんある
だが、油断せずに俺も歓声を上げてもいいだろう
「やったぞおおおおおおおおお!」
「「「わあああああああああ」」」
見ていたか、見ていなかったら土産話として盛大に盛って話してやるからな
これからもずっと見れるんなら見ていろ聖女、俺の生き様を…お前に恥じないように監視してサボったら叱ってくれ
な…俺の聖女様
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