吾輩は駒である

意味を理解すると怖い話

第十一話「プロジェクター」

結婚して５年

子宝には未だ恵まれないが

夫婦で仲良く暮らしていた



仕事の都合でとある街に引っ越す事に

都心へのベッドタウン

多くのマンションが乱立していて

私たちが住むマンションは

隣接するマンションとの境目が狭い



家具、家電は最初から備わっていて

意外とリーズナブルな価格だった



ある日

ベッドルームにてあるツールを見つけた



「プロジェクター」



壁に画面が投影される仕組み

早速レンタルして来たサスペンス物のDVDをセット



「あなた！浮気したわね！」

「誤解だよ誤解」

「許さない！」



凄い迫力だな



・・・

？終わった？

ん？あれ？

プロジェクターは電源が入ってなくて

映像が映っていた壁には大きな窓

その窓からは隣のマンションの

部屋が見えていた