19 / 33
19話
しおりを挟む
ミウはそれから毎日、暇さえあればずっとオルゴールを眺めていた。
見ながら考えるのはオルガのこと。
オルガは「今なにをしているのか?」「なにが好きなのか」「なんの仕事をしているのか」色々なことが気になってくる。
(こんなに誰かのことを考えるのは初めてだな)
ハオのことはいつも気にかけなくてはいけない存在だった。
だが、オルガのことは自然と考えてしまう。
ミウはこんな感情が初めてでソワソワした。
「オルガさま、おはようございます」
「ふぁ、おはようミウ」
朝ご飯の時間。
いつもは自分で起きてくるオルガが、まだ起きてこないので起こしに行くと、オルガはまだ眠そうにあくびをしてミウに挨拶を返した。
「お疲れですね⋯、大丈夫ですか?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ」
安心させるようにオルガはミウに優しくそう返した。
食事を終えた後、オルガは仕事を、セシルは洗濯、ミウは裏庭の掃除と花の水やりを頼まれた。
「お水、美味しいかな」
ミウは花に話しかけた。
なんとなく、水を与えたら喜んでいる気がする。
ガザガサ
急に向こうの草花からそんな音が聞こえた。
「な、なんだろう⋯」
ミウはそっとそちらに向かう。
「キャンッ」
するとそこにはエメラルドの瞳でクリーム色の可愛い犬ような狼のような動物がいた。
「どうしたの?こんなところに⋯、迷子かな?」
よく見ると足を怪我をしていた。
ミウが抱き上げようとすると、「ガウゥ」と威嚇をした。
「大丈夫だよ」
そう言いながら治療するために触ろうとすると、ミウの手に爪を立てた。
「いてっ」
ミウの手から血が出てきた。
自分も少し痛かったが、「この子はもっと痛い」とミウはなにをされても治療すること決心した。
暴れるその子をミウは痛いながらも抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だからね」
優しく身体を撫でると、だんだんその子は落ち着いてきて、「クゥン」とミウの傷ついた手をペロペロと舐めた。
「んふふ、くすぐったいよ」
その子が心を許してくれたことがミウはとても嬉しかった。
「セシルさーん、救急箱ってどこですか?」
「救急箱ー?どこだったかしら」
少し遠くから呼びかけるとすぐにセシルはミウに寄ってきた。
「あらぁ可愛い子。⋯まぁ!ミウちゃんもこの子も怪我してるじゃないっ!」
セシルはふたりが傷ついていることに慌てた。
「そこに座ってて!」
椅子を指し、走って救急箱を探しにいった。
ミウはその子を抱えたまま、椅子に座る。
「君はどこから来たの?不思議」
そう言うとその子は「ワウッ」と鳴いた。
見ながら考えるのはオルガのこと。
オルガは「今なにをしているのか?」「なにが好きなのか」「なんの仕事をしているのか」色々なことが気になってくる。
(こんなに誰かのことを考えるのは初めてだな)
ハオのことはいつも気にかけなくてはいけない存在だった。
だが、オルガのことは自然と考えてしまう。
ミウはこんな感情が初めてでソワソワした。
「オルガさま、おはようございます」
「ふぁ、おはようミウ」
朝ご飯の時間。
いつもは自分で起きてくるオルガが、まだ起きてこないので起こしに行くと、オルガはまだ眠そうにあくびをしてミウに挨拶を返した。
「お疲れですね⋯、大丈夫ですか?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ」
安心させるようにオルガはミウに優しくそう返した。
食事を終えた後、オルガは仕事を、セシルは洗濯、ミウは裏庭の掃除と花の水やりを頼まれた。
「お水、美味しいかな」
ミウは花に話しかけた。
なんとなく、水を与えたら喜んでいる気がする。
ガザガサ
急に向こうの草花からそんな音が聞こえた。
「な、なんだろう⋯」
ミウはそっとそちらに向かう。
「キャンッ」
するとそこにはエメラルドの瞳でクリーム色の可愛い犬ような狼のような動物がいた。
「どうしたの?こんなところに⋯、迷子かな?」
よく見ると足を怪我をしていた。
ミウが抱き上げようとすると、「ガウゥ」と威嚇をした。
「大丈夫だよ」
そう言いながら治療するために触ろうとすると、ミウの手に爪を立てた。
「いてっ」
ミウの手から血が出てきた。
自分も少し痛かったが、「この子はもっと痛い」とミウはなにをされても治療すること決心した。
暴れるその子をミウは痛いながらも抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だからね」
優しく身体を撫でると、だんだんその子は落ち着いてきて、「クゥン」とミウの傷ついた手をペロペロと舐めた。
「んふふ、くすぐったいよ」
その子が心を許してくれたことがミウはとても嬉しかった。
「セシルさーん、救急箱ってどこですか?」
「救急箱ー?どこだったかしら」
少し遠くから呼びかけるとすぐにセシルはミウに寄ってきた。
「あらぁ可愛い子。⋯まぁ!ミウちゃんもこの子も怪我してるじゃないっ!」
セシルはふたりが傷ついていることに慌てた。
「そこに座ってて!」
椅子を指し、走って救急箱を探しにいった。
ミウはその子を抱えたまま、椅子に座る。
「君はどこから来たの?不思議」
そう言うとその子は「ワウッ」と鳴いた。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
24
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる