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4話
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ふたりは馬車に乗り込む。
前には獣人の馬車、後ろにはミウたちの馬車という順で進み出す。
ガタガタと険しい道を馬車は進んでいく。
最初は
「わぁ楽しみ~」
なんてワクワクしてたハオだったが、
揺られるうちに顔が青くなってきた。
それを見たミウは明らかに具合が悪いハオに
「大丈夫?」
と声をかけた。
「うん⋯」
と答えるハオはとても苦しそうで、明るさが一切ない。
「1回止めてもらおう?」
「でも⋯」
遠慮したハオだが、このままでは辛そうで可哀想だと、
「あの、すみません」
と御者(馬車を操縦する人)にミウは声をかけた。
もちろん御者も王族の馬車なので、しっかりとした護衛の獣人だ。
その御者の獣人は嫌そうな顔で
「なんだ?」
とミウに問う。
「ハオが⋯、馬車で酔ってしまって⋯具体が悪くて⋯」
と言うと、その獣人は近くに馬に乗り護衛している者に
「ハオさまの体調が悪い。王子に伝えてくれ」
と声をかけてくれ、ミウはほっとした。
するとその護衛はアルンに伝言した。
アルンは布から顔をのぞかせ、
「ハオは大丈夫か?」
「すみません、馬車に酔ってしまったようで」
「それは心配だ。日が暮れてきたし、今日はあそこに泊まろう」
と言い、近くの洞窟で野宿することとなった。
馬車から降りる時、前に乗っていたエリルがすぐにミウたちの馬車に近寄ってきた。
「気をつけろよ」
「⋯⋯ありがとう」
エリルは獣人用と高く設定されている馬車はハオには降りずらいだろうと考えたのか、手を差し出し降りるのを手伝った。
「ふふ、エリルやるな」
それを見てラランはからかう。
「うるせぇ」
といいながらもエリルはハオを介抱し
「ここに座れ」
と優しく声をかけていた。
対してミウに対してはなにもなかった。
ミウはそのことに対して「ハオは具合が悪いから」となにも思わなかった。
ミウの身長はハオより少しだが低いため、降りるのが怖かった。が降りないといけないと頑張って降り、足を少し痛めた。
だがミウに興味のないみなはそんなこと知りもしない。
ハオが介抱されている時、ミウはなにをしたらいいのかと考えていた。
護衛の者たちが食事の支度をしていたので、ミウは「これだ」と思った。
「なにか手伝えることはございませんか?」
と聞くと、また嫌そうな顔で
「なにもない」
と言われる。
だがなにもしない訳にはいかず
「なんでもいいんです」
と言うと、
「あそこの奥に湖がある。水を組んでこい」
と桶を渡された。
ミウの身体では、その桶はとても大きかったが自分に出来ることがあると嬉しくなった。
前には獣人の馬車、後ろにはミウたちの馬車という順で進み出す。
ガタガタと険しい道を馬車は進んでいく。
最初は
「わぁ楽しみ~」
なんてワクワクしてたハオだったが、
揺られるうちに顔が青くなってきた。
それを見たミウは明らかに具合が悪いハオに
「大丈夫?」
と声をかけた。
「うん⋯」
と答えるハオはとても苦しそうで、明るさが一切ない。
「1回止めてもらおう?」
「でも⋯」
遠慮したハオだが、このままでは辛そうで可哀想だと、
「あの、すみません」
と御者(馬車を操縦する人)にミウは声をかけた。
もちろん御者も王族の馬車なので、しっかりとした護衛の獣人だ。
その御者の獣人は嫌そうな顔で
「なんだ?」
とミウに問う。
「ハオが⋯、馬車で酔ってしまって⋯具体が悪くて⋯」
と言うと、その獣人は近くに馬に乗り護衛している者に
「ハオさまの体調が悪い。王子に伝えてくれ」
と声をかけてくれ、ミウはほっとした。
するとその護衛はアルンに伝言した。
アルンは布から顔をのぞかせ、
「ハオは大丈夫か?」
「すみません、馬車に酔ってしまったようで」
「それは心配だ。日が暮れてきたし、今日はあそこに泊まろう」
と言い、近くの洞窟で野宿することとなった。
馬車から降りる時、前に乗っていたエリルがすぐにミウたちの馬車に近寄ってきた。
「気をつけろよ」
「⋯⋯ありがとう」
エリルは獣人用と高く設定されている馬車はハオには降りずらいだろうと考えたのか、手を差し出し降りるのを手伝った。
「ふふ、エリルやるな」
それを見てラランはからかう。
「うるせぇ」
といいながらもエリルはハオを介抱し
「ここに座れ」
と優しく声をかけていた。
対してミウに対してはなにもなかった。
ミウはそのことに対して「ハオは具合が悪いから」となにも思わなかった。
ミウの身長はハオより少しだが低いため、降りるのが怖かった。が降りないといけないと頑張って降り、足を少し痛めた。
だがミウに興味のないみなはそんなこと知りもしない。
ハオが介抱されている時、ミウはなにをしたらいいのかと考えていた。
護衛の者たちが食事の支度をしていたので、ミウは「これだ」と思った。
「なにか手伝えることはございませんか?」
と聞くと、また嫌そうな顔で
「なにもない」
と言われる。
だがなにもしない訳にはいかず
「なんでもいいんです」
と言うと、
「あそこの奥に湖がある。水を組んでこい」
と桶を渡された。
ミウの身体では、その桶はとても大きかったが自分に出来ることがあると嬉しくなった。
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