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Episode19
快感と代償
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月夜に照らされる戦士像。
その脇を暗闇に紛れて通り過ぎる。
街灯の薄明かりが私たちの存在を周りに知らせているようだった。
今からやろうとしていることは本当に正しいのか? 今更になって自分の行動に疑問を持ち始める。
余計なことは考えないにしよう。やらなければならないのだ。
そう自分に言い聞かせた。
屋根へと伸びる梯子を街灯の光が照らしつけるのを見て、一気に不安感に襲われた。
周囲の家の窓からは明かりが漏れている。これでは〝見つけて下さい〟と言っているようなものだ。
カトリーネは落ち着きなさそうに辺りを見回している。
この一本の梯子が、私たちの未来を分けるのだ。極度の緊張で鼓動が早くなり、息苦しさを覚える。
冷たい梯子に手をかけ、一段、また一段とゆっくりと登る。周囲に目を凝らしながら、音を立てないように細心の注意を払った。
屋根へ到達し、下に居るジャヌに手で合図を送ろうとしたが、そこにジャヌの姿はなかった。
カトリーネもいつの間にか消えたジャヌに戸惑いを隠せない様子で右往左往している。
その時、背後から私の肩を誰かが掴んだ。
――終わった―…。
盗みまではいかなくとも、不法侵入には変わりない。言い訳をしたところで、他人の家の屋根でなにをしているのかという話だ。
カトリーネは私の異変に気付き、足早に木の陰に身を隠した。
私は抵抗することなく、振り向いた。
「驚いたか?」
私はその相手を本気で殴ってやりたいと思った。
クスクスと笑いながら私の絶望に満ちた顔を見ているジャヌの姿を今すぐ消し去りたいと願った。
「ふざけんな……それになんで俺より早くここにいるんだよ……」
状況が呑み込めず理解ができないうえに、心臓が普通の何倍も速く脈打っている。
今にも昇天してしまいそうな勢いだった。
突然現れ、突然消える……いつものことだ。それよりも今はジャヌが裏切らなかったことに感謝しなくてはならないのか。
「お前らのような低能と同じにするなよ。 瞬間移動でもなんでもやってやるさ。 それにしてもお前の顔、笑える」
ケラケラと不気味に笑うジャヌを見て、顔面に一発お見舞いしてやろうかと思ったのは言うまでもない。
驚きに荒れる呼吸を落ち着かせ、目立たぬよう姿勢を低くし、屋根を慎重に見て回る。足でも滑らせればそれこそ〝本当の終わり〟だ。
時折ジャヌに視線を移す。まだ唇を三日月に緩めている。不気味だ……。
人の不幸が楽しいのだろう。質の悪い性格だ。
屋根から直接の入口はない。屋根の直下にある、狭い窓から入るしかなさそうだ。
私はジャヌにこちらへ来るよう手招きをした。
壁沿いの縁に足をかけ、慎重に足場を確認しながら窓へと近づく。この時ばかりは重力がとてつもなく大きな脅威に感じた。
普段当たり前のように感じているものが、その時々の状況によって大きく変化する。世界そのものが猛威を振るう瞬間だ。
片手で身体を支えながら、無理やり窓へと手を伸ばす。
その時、手をかけていた縁が崩れ落ち、私は真っ逆さまに地面へと落ちていった。
顔を照らすパソコンの眩しい光――。
窓から冷えた夜風――。
水面の波紋のように広がる頭に響く痛みを堪えながら立ち上がり、窓へと近づいた。
カーテンを開け、道路を行き交う車を眺める。
ヘッドライトの明かりが目への刺激となり、頭痛を一層に引き立てる。
懐かしさを感じる現実の空気を大きく吸い込んだ。
「……汚れてる」
夢のような、新鮮で透き通った空気が、たまらなく愛おしかった。
付きっぱなしのパソコンの前へ、再び身体を戻し、椅子に力なく座り込みながら天井を見上げ考えた。
夢で私がやろうとしていたことは、誰かの人生を壊してしまう行為。人の人生に傷を付けてまで自分の求める答えが欲しいのか。
人が逆らうことのできない〝欲〟に飲み込まれて、間違った道を進むのが本当に正しいのか。現実に引き戻された今は、夢の中の考えが間違いだったと不思議なくらい強く認識させられる。罪の意識が、あの世界では欠損していたと感じた。
世界が違えば、これほど思考も変わるのかと、身をもって体験させられた。
ふと時計に目をやると、針は深夜0時を指していた。
私はスマートフォンを手に取り、友人へ発信した。
しばらく呼び出し音が続いたあと、眠そうな声で相手から応答があった。
「遅くにごめん。今から会える?」
深夜にも関わらず、友人は私と会ってくれることになった。
「俺のとこに来てくれるか? 出たくないんだ」
「もちろん」着替えを済ませ、私は友人宅へと車を走らせた。
友人宅――。
懐かしく感じる友人の顔に、私は心が落ち着いた。
――斎条 優二。
私の人生の中で最も信頼できる親友で、十数年来の付き合いだ。
バーベキューや登山、海水浴、キャンプ、ドライブ、旅行……色々なことを共にやってきた。
そんな優二は私の人生の一部だった。
友人が淹れてくれたコーヒーの良い香りが脳を刺激する。
「それで、なにがあった?」
私の表情からなにかを察したのか、コーヒーをすすりながら呟いた。
「ちょっと、色々あってね」ため息混じりに私は言った。
「長い付き合いなんだ。その悩みが単純か複雑かくらい、お前の顔見れば分かる。どうしたんだよ?」
優二の問いに、今体験していることを打ち明けるべきか悩んだ。
長年付き合いのある親友にも打ち明けられない理由があった。
私は幼い頃から、人には見えない何かが見えていた。人から言わせればそれは〝霊感〟と言うのだろうが、私にとってそれはごく当たり前のことだった。ひとりで遊びながら見えない誰かとよく会話をしていたと、母親からよく聞かされたものだ。
だが、それが普段の日常であっても、それらが見えない人間にとっては普通ではない。
人とは違う私に疑念を抱き、責め立て、あげく精神病院へ入れとまで言われたのだ。
そのような環境で何年も過ごしてきた私は、人を信用することができなくなっていた。
そんな自分を理解し、受け入れてくれた優二だが、夢と現実を行き来しているなどといった話を真剣に聞いてくれるのか不安だった。
私はコーヒーをすすり、深呼吸をし、口を開いた。
「夢が……その、夢がもうひとつの現実なんてこと、あり得ると思うか?」
優二は言葉に困ったような顔をした。
「あー……、正夢ってことか?」
「少し違うんだよな……。夢と現実が両方存在していて……」
自分の身に起こっていることを優二に説明する。
「つまり……夢がもうひとつの現実で、お前はその世界を旅していると、そういうことか?」
私は頷き、右腕に残る傷を見せた。
まじまじとその傷を見る優二はなにを考えているのか。
証明や確認のしようがない世界の話など、誰が信じるか。信心深い人間ならば、精神世界や死後の世界……地獄や天国なども信じるだろう。
だが優二はそういった人間ではなく、別世界などの存在には関心がない。
私が優二の立場だったら、簡単は信じられないだろう。
その時、なにかに喜びを感じているかのように、優二の口元が緩んだ。
「いい傷だな」
優二の言葉の意味が分からない。〝いい傷〟とはどういう意味か。
「早く戻ってこないと手遅れになるぞ?」
「おい……なに言ってるんだ」
明らかに様子のおかしい優二は、私の言葉を無視して話し続ける。
「ここでくつろいでいる暇なんてお前には無い。早く戻ってこい」
優二の言葉と共に身体が強張り、見えない力でベランダへと引き寄せられる。必死に抵抗しようとするが、身体が反応しない。
「やめろ、やめろ……」
自由の利かない身体はベランダへの引き戸を開き、手すりから身を乗り出した。
「戻ってこい……!」
その声に抵抗できず、私は4階から身を投げた。
その脇を暗闇に紛れて通り過ぎる。
街灯の薄明かりが私たちの存在を周りに知らせているようだった。
今からやろうとしていることは本当に正しいのか? 今更になって自分の行動に疑問を持ち始める。
余計なことは考えないにしよう。やらなければならないのだ。
そう自分に言い聞かせた。
屋根へと伸びる梯子を街灯の光が照らしつけるのを見て、一気に不安感に襲われた。
周囲の家の窓からは明かりが漏れている。これでは〝見つけて下さい〟と言っているようなものだ。
カトリーネは落ち着きなさそうに辺りを見回している。
この一本の梯子が、私たちの未来を分けるのだ。極度の緊張で鼓動が早くなり、息苦しさを覚える。
冷たい梯子に手をかけ、一段、また一段とゆっくりと登る。周囲に目を凝らしながら、音を立てないように細心の注意を払った。
屋根へ到達し、下に居るジャヌに手で合図を送ろうとしたが、そこにジャヌの姿はなかった。
カトリーネもいつの間にか消えたジャヌに戸惑いを隠せない様子で右往左往している。
その時、背後から私の肩を誰かが掴んだ。
――終わった―…。
盗みまではいかなくとも、不法侵入には変わりない。言い訳をしたところで、他人の家の屋根でなにをしているのかという話だ。
カトリーネは私の異変に気付き、足早に木の陰に身を隠した。
私は抵抗することなく、振り向いた。
「驚いたか?」
私はその相手を本気で殴ってやりたいと思った。
クスクスと笑いながら私の絶望に満ちた顔を見ているジャヌの姿を今すぐ消し去りたいと願った。
「ふざけんな……それになんで俺より早くここにいるんだよ……」
状況が呑み込めず理解ができないうえに、心臓が普通の何倍も速く脈打っている。
今にも昇天してしまいそうな勢いだった。
突然現れ、突然消える……いつものことだ。それよりも今はジャヌが裏切らなかったことに感謝しなくてはならないのか。
「お前らのような低能と同じにするなよ。 瞬間移動でもなんでもやってやるさ。 それにしてもお前の顔、笑える」
ケラケラと不気味に笑うジャヌを見て、顔面に一発お見舞いしてやろうかと思ったのは言うまでもない。
驚きに荒れる呼吸を落ち着かせ、目立たぬよう姿勢を低くし、屋根を慎重に見て回る。足でも滑らせればそれこそ〝本当の終わり〟だ。
時折ジャヌに視線を移す。まだ唇を三日月に緩めている。不気味だ……。
人の不幸が楽しいのだろう。質の悪い性格だ。
屋根から直接の入口はない。屋根の直下にある、狭い窓から入るしかなさそうだ。
私はジャヌにこちらへ来るよう手招きをした。
壁沿いの縁に足をかけ、慎重に足場を確認しながら窓へと近づく。この時ばかりは重力がとてつもなく大きな脅威に感じた。
普段当たり前のように感じているものが、その時々の状況によって大きく変化する。世界そのものが猛威を振るう瞬間だ。
片手で身体を支えながら、無理やり窓へと手を伸ばす。
その時、手をかけていた縁が崩れ落ち、私は真っ逆さまに地面へと落ちていった。
顔を照らすパソコンの眩しい光――。
窓から冷えた夜風――。
水面の波紋のように広がる頭に響く痛みを堪えながら立ち上がり、窓へと近づいた。
カーテンを開け、道路を行き交う車を眺める。
ヘッドライトの明かりが目への刺激となり、頭痛を一層に引き立てる。
懐かしさを感じる現実の空気を大きく吸い込んだ。
「……汚れてる」
夢のような、新鮮で透き通った空気が、たまらなく愛おしかった。
付きっぱなしのパソコンの前へ、再び身体を戻し、椅子に力なく座り込みながら天井を見上げ考えた。
夢で私がやろうとしていたことは、誰かの人生を壊してしまう行為。人の人生に傷を付けてまで自分の求める答えが欲しいのか。
人が逆らうことのできない〝欲〟に飲み込まれて、間違った道を進むのが本当に正しいのか。現実に引き戻された今は、夢の中の考えが間違いだったと不思議なくらい強く認識させられる。罪の意識が、あの世界では欠損していたと感じた。
世界が違えば、これほど思考も変わるのかと、身をもって体験させられた。
ふと時計に目をやると、針は深夜0時を指していた。
私はスマートフォンを手に取り、友人へ発信した。
しばらく呼び出し音が続いたあと、眠そうな声で相手から応答があった。
「遅くにごめん。今から会える?」
深夜にも関わらず、友人は私と会ってくれることになった。
「俺のとこに来てくれるか? 出たくないんだ」
「もちろん」着替えを済ませ、私は友人宅へと車を走らせた。
友人宅――。
懐かしく感じる友人の顔に、私は心が落ち着いた。
――斎条 優二。
私の人生の中で最も信頼できる親友で、十数年来の付き合いだ。
バーベキューや登山、海水浴、キャンプ、ドライブ、旅行……色々なことを共にやってきた。
そんな優二は私の人生の一部だった。
友人が淹れてくれたコーヒーの良い香りが脳を刺激する。
「それで、なにがあった?」
私の表情からなにかを察したのか、コーヒーをすすりながら呟いた。
「ちょっと、色々あってね」ため息混じりに私は言った。
「長い付き合いなんだ。その悩みが単純か複雑かくらい、お前の顔見れば分かる。どうしたんだよ?」
優二の問いに、今体験していることを打ち明けるべきか悩んだ。
長年付き合いのある親友にも打ち明けられない理由があった。
私は幼い頃から、人には見えない何かが見えていた。人から言わせればそれは〝霊感〟と言うのだろうが、私にとってそれはごく当たり前のことだった。ひとりで遊びながら見えない誰かとよく会話をしていたと、母親からよく聞かされたものだ。
だが、それが普段の日常であっても、それらが見えない人間にとっては普通ではない。
人とは違う私に疑念を抱き、責め立て、あげく精神病院へ入れとまで言われたのだ。
そのような環境で何年も過ごしてきた私は、人を信用することができなくなっていた。
そんな自分を理解し、受け入れてくれた優二だが、夢と現実を行き来しているなどといった話を真剣に聞いてくれるのか不安だった。
私はコーヒーをすすり、深呼吸をし、口を開いた。
「夢が……その、夢がもうひとつの現実なんてこと、あり得ると思うか?」
優二は言葉に困ったような顔をした。
「あー……、正夢ってことか?」
「少し違うんだよな……。夢と現実が両方存在していて……」
自分の身に起こっていることを優二に説明する。
「つまり……夢がもうひとつの現実で、お前はその世界を旅していると、そういうことか?」
私は頷き、右腕に残る傷を見せた。
まじまじとその傷を見る優二はなにを考えているのか。
証明や確認のしようがない世界の話など、誰が信じるか。信心深い人間ならば、精神世界や死後の世界……地獄や天国なども信じるだろう。
だが優二はそういった人間ではなく、別世界などの存在には関心がない。
私が優二の立場だったら、簡単は信じられないだろう。
その時、なにかに喜びを感じているかのように、優二の口元が緩んだ。
「いい傷だな」
優二の言葉の意味が分からない。〝いい傷〟とはどういう意味か。
「早く戻ってこないと手遅れになるぞ?」
「おい……なに言ってるんだ」
明らかに様子のおかしい優二は、私の言葉を無視して話し続ける。
「ここでくつろいでいる暇なんてお前には無い。早く戻ってこい」
優二の言葉と共に身体が強張り、見えない力でベランダへと引き寄せられる。必死に抵抗しようとするが、身体が反応しない。
「やめろ、やめろ……」
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