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第7章 因果
12 日本を守るために
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天冥がリモコンを操作し、冷気を吐き出すゴーという音が弱まった。境内が広いからか、セミの声は遠い。遵奉住職と栗原町長を見送った浦安は、まずは天冥に頼んで空調を弱めてもらった。部屋の中は冷蔵庫かというくらい冷えていて、身体の芯からくる熱で何とか耐えていた。番場は住職たちを見送った後、そのまま酒井田と合流すると言う。町長との橋渡しは済んだわけだし、確かに別行動を取った方が効率もいいので、その申し出を許可した。なので、このダイニングキッチンには今、天冥と二人きりだ。天冥がキッチン側に座を取っていたので、浦安はさっきまで町長がいた天冥の向かいに移動した。
「お腹、空いてませんか?カレーでよければありますけど」
席に戻った天冥はそんな気遣いをしてくれた。思えば今日はまだ何も食べていない。いや、部下たちとの報告会件慰労会から数々の出来事を経由してからこっち何も食べていないどころか一睡もしていない。頭の奥では疲労を訴えかけているが、ザワザワとした胸のざわめきが眠気を抑えつけてくれていた。住職たちの話も消化不良気味で、今は物を食べる気にもなれない。天冥に礼を言い、話の続きを促した。
凛とした美形の前に座し、その真っ直ぐな視線に気恥ずかしさを覚えた。直角に座っていた方がよかったかもと若干の後悔が胸を掠めるのを感じながら、天冥の鼻先に目線を落し、彼女の言葉を受けた。
「将門が、結界を壊しているんです」
「え?将門って、あの将門の乱の?」
彼女の唐突な言葉に、浦安は戸惑った。天冥はそんな浦安を見据えながら、静かに頷く。
「なぜ、とか、どうやって、とかの疑問はこの際後回しにして下さい。今はまず、起こっていることを出来るだけ正確に把握することに集中して。さっき住職が仰ったように、この禍津町には将門の怨霊から逃れるための結界が張られています。しかしそれらはこの千年の間に破られてはその都度、陰陽師らの手によって復活させてきました。ですが現在、二つの結界が破られたままになっています。一つは源の鳥居の奥にあるはずの神社。これは完全に山に埋もれ、再建の目処さえ立ってません。もう一つは七星妙見。ここも二年前に宮司の一家が惨殺され、跡を継ぐ者が見つからない状態です。そして現在、別の二つの結界が攻撃されています。一つは聖蓮女子高校、一つはノワールです。生徒たちや住人が次々に殺されているのはご存知でしょう?それは、そういうことなのです」
浦安は大きく目を見開いた。言われてみれば確かに事件は結界のある場所を中心に起こっている。残る三つはと思い巡らしたとき、一つのことに思い当たる。
「あ!ひょっとして、工場の爆発はこの寺を狙っていた?」
天冥の目が細まり、また静かに頷いた。
「おそらく、ここの本殿を狙ってのことだったのでしょう。ですがここの結界は強く、何とか守られています」
「もし、全部破られたとしたら、どうなると言うんです?」
いろいろ疑問が湧いてくるが、まずは天冥の話に沿って聞いてみる。天冥の目に、力がこもる。
「全部破られたら、将門が乗り込んできます」
「いや、さっき、なぜ、は後回しにしろと言われたが、ここは聞かせて欲しい。なぜ、この町なんです?そして将門がやって来て、その後どうなるって言うんです?」
天冥が浦安を睨むように見る。その舌鋒が鋭くなる。
「将門の狙いはこの世界を黄泉の世界に取り込むこと。黄泉とは一般に死者が行く世界と思われていますが、この場合は将門のいる次元の世界と考えて下さい。ひとえに黄泉といってもその層は厚く、将門がいるのはその最奥の深淵です。私たちが住む世界とは幾層もの隔たりがあり、その隔たりはグラデーションになっています。ですが今はその構造的なことを正確に把握して頂いている時間がありません。ここで大切なことは、将門がこちらの世界に来るのではなく、人々が将門のいる深淵へ引き寄せられているということです。目から血を流す、それがその兆候です」
天冥のその言葉に、浦安の目にも光が帯びる。
「つまり、流血現象は人々が将門のいる黄泉に引き寄せられている結果だと?」
「結果…というよりも、始まりと言った方がいいでしょう。すでにあなたも遭遇されたようですが、次の段階に入ると、人の形が変わります。ある者は首が伸び、さらに深いところへ行った者は首を飛ばします。そして長い時間首が身体から離れた者は首だけの存在、すなわちモノノケとなり、そこまで行った者はもう黄泉の住人になったと言ってもいいでしょう。人間に戻ることはもうありません」
戦慄する内容だったが、あなたも遭遇したと言われた時、浦安はハッとした。四條畷が死んだことを彼女は知っているのだろうか?その考えに至った浦安の頭の中を読んだように、天冥は視線を細め、言葉を次いだ。
「傑が亡くなったことは草太から聞きました。惜しいことをしました。ですが今手を打たなければ、まだまだ死者は出ます。モノノケとなる者も増えていきます」
凛とした天冥からは悲しみの表情は読み取れなかった。いろいろと突っ込みどころは多かったが、取り敢えず彼女の話の流れに乗って最後まで聞くことにする。
「モノノケ…というのはお化けのことですよね?人間が化け物になると?」
「モノノケとは、死霊や鬼、天狗、狐などの、劣位の超自然的存在が発する気のことです。先程も言ったように詳しく構造的なことを述べるのは控えますが、それは私たちとは違う次元の世界へ行くということで、そこでは私たちの世界の物理法則は通用しません」
そうだ、確か四條畷が目から血を流すという症状についてシステム的なことを語っていた。細胞間を行き来する微小な粒子が介在して身体を構成する組織に変異をもたらすとか…もう少しちゃんと話を聞いておくべきだったと後悔の念が湧く。本当に惜しい人物を亡くしたのかもしれない。天冥がまた何かを読み取ったようにじっと浦安の表情を伺ったが、特に言及することなく話を続けた。
「人がモノノケになるきっかけはささいなことです。人には喜び、恐れ、悲しみ、嫌悪、怒りなどの感情がありますが、黄泉への誘導は負の感情の揺らぎから始まります。落ち込んだ時に風邪をひきやすくなるというように、負の感情の揺らぎが大きい者から変化が訪れます。もちろん平時なら感情が揺らいだくらいで人がモノノケになるなんてことは起きません。状況が変わってきたのはここ数年のこと。この世界自体の気が変化しているのです。媒介しているのは細菌でもウイルスでもなく、黄泉からの波動です。結界はその波動を弱めるために張るのです。もしその結界が破られれば、この地を起点として世界に負のエネルギーが充満するでしょう。それは怒りや悲しみが支配する阿鼻叫喚の世界となることを意味します」
観念的で分かりにくい話だが、世界が悲しみで満ちるというのは阻止したい。
「そうならないためにはどうしたらいいと?」
「気を強く持つことですが、簡単なことではありません。ここ十数年でSNSが大きく普及し、さらに新型ウイルスによるパンデミックにおける非常事態宣言下での巣ごもり需要によってSNSとの関わり方も深化しました。インターネットの世界では感情が剥き出しになりやすく、人の感情が怒りや悲しみに浸ることが容易になっています。正義感を持つことは大切ですが、それにより怒りの感情を強めてしまうと、黄泉からの波動を受けやすくなってしまいます。喜怒哀楽、どの感情も同じです。強め過ぎると、その反動で負のエネルギーに引き寄せられやすくなります。光が強まれば、影もまた濃くなるのです」
「そんな!それだと、人間らしく生きることがダメだということになりませんか?」
「だから、難しいのです。根本である将門自体を止めなければ、遅かれ早かれこの世界は黄泉の世界の中に埋没してしまうでしょう。先程、なぜこの禍津の地なのかと問われました。それは、将門に取って大切なものがこの地にあるからです。将門は黄泉から波動を送って引き寄せていると言いましたが、将門がさらに強い力を得るために、一度だけこの地に顕現します。その時がチャンスなのです。その時に、着実に将門を討たなければなりません。妖化というその現象を打ち止め、この禍津町を、ひいてはこの日本を守るために。わたしはその前に少しでも将門の力が弱まるように二週間の祈祷に入りますが、あなたには、わたしの周りの警護をお願いしたいのです」
天冥のまぶたが首肯するように動く。よく見なければ分からないくらいに、口の端が上がった。
「警護…と言われましても、何をどのようにすればいいのか…」
「この寺の中心に祭壇を設けています。その祭壇に少しでも近づこうとする者があれば、遠ざけていただきたいのです。それが例え、どんな人物であろうと。妖化した人間は見た目には区別がつきません。しかしその者の脳は将門と繋がっていて、将門はその人間を操ることが出来ます。祭壇に近づく人間は皆、妖化し、将門に操作されていると見なして下さい。周囲に策を設けますので、その策の内側に入ろうとする者を阻止していただければ、それで充分です」
将門に操られる…そんなことが可能なのかと訝ってしまうが、もし髙瀬が工場を爆破させたのが結界であるこの寺を潰すためだったとして、髙瀬が将門に操られていたとすれば確かに辻褄が合う。
「わ、分かりました。あと一つ、その警護のためにも聞いておきたいんですが、その、将門にとって大切な物とは何なのですか?」
それを聞いた時、天冥は右の拳を顎に当ててしばらく逡巡し、やがて浦安を強い眼光で見つめながら、きっぱりとした口調で言った。
「それはお教え出来ません。あなたが二週間の間、妖化しないとは限りませんから」
クーラーは緩めてもらったはずなのに、浦安の全身から鳥肌が立った。
「お腹、空いてませんか?カレーでよければありますけど」
席に戻った天冥はそんな気遣いをしてくれた。思えば今日はまだ何も食べていない。いや、部下たちとの報告会件慰労会から数々の出来事を経由してからこっち何も食べていないどころか一睡もしていない。頭の奥では疲労を訴えかけているが、ザワザワとした胸のざわめきが眠気を抑えつけてくれていた。住職たちの話も消化不良気味で、今は物を食べる気にもなれない。天冥に礼を言い、話の続きを促した。
凛とした美形の前に座し、その真っ直ぐな視線に気恥ずかしさを覚えた。直角に座っていた方がよかったかもと若干の後悔が胸を掠めるのを感じながら、天冥の鼻先に目線を落し、彼女の言葉を受けた。
「将門が、結界を壊しているんです」
「え?将門って、あの将門の乱の?」
彼女の唐突な言葉に、浦安は戸惑った。天冥はそんな浦安を見据えながら、静かに頷く。
「なぜ、とか、どうやって、とかの疑問はこの際後回しにして下さい。今はまず、起こっていることを出来るだけ正確に把握することに集中して。さっき住職が仰ったように、この禍津町には将門の怨霊から逃れるための結界が張られています。しかしそれらはこの千年の間に破られてはその都度、陰陽師らの手によって復活させてきました。ですが現在、二つの結界が破られたままになっています。一つは源の鳥居の奥にあるはずの神社。これは完全に山に埋もれ、再建の目処さえ立ってません。もう一つは七星妙見。ここも二年前に宮司の一家が惨殺され、跡を継ぐ者が見つからない状態です。そして現在、別の二つの結界が攻撃されています。一つは聖蓮女子高校、一つはノワールです。生徒たちや住人が次々に殺されているのはご存知でしょう?それは、そういうことなのです」
浦安は大きく目を見開いた。言われてみれば確かに事件は結界のある場所を中心に起こっている。残る三つはと思い巡らしたとき、一つのことに思い当たる。
「あ!ひょっとして、工場の爆発はこの寺を狙っていた?」
天冥の目が細まり、また静かに頷いた。
「おそらく、ここの本殿を狙ってのことだったのでしょう。ですがここの結界は強く、何とか守られています」
「もし、全部破られたとしたら、どうなると言うんです?」
いろいろ疑問が湧いてくるが、まずは天冥の話に沿って聞いてみる。天冥の目に、力がこもる。
「全部破られたら、将門が乗り込んできます」
「いや、さっき、なぜ、は後回しにしろと言われたが、ここは聞かせて欲しい。なぜ、この町なんです?そして将門がやって来て、その後どうなるって言うんです?」
天冥が浦安を睨むように見る。その舌鋒が鋭くなる。
「将門の狙いはこの世界を黄泉の世界に取り込むこと。黄泉とは一般に死者が行く世界と思われていますが、この場合は将門のいる次元の世界と考えて下さい。ひとえに黄泉といってもその層は厚く、将門がいるのはその最奥の深淵です。私たちが住む世界とは幾層もの隔たりがあり、その隔たりはグラデーションになっています。ですが今はその構造的なことを正確に把握して頂いている時間がありません。ここで大切なことは、将門がこちらの世界に来るのではなく、人々が将門のいる深淵へ引き寄せられているということです。目から血を流す、それがその兆候です」
天冥のその言葉に、浦安の目にも光が帯びる。
「つまり、流血現象は人々が将門のいる黄泉に引き寄せられている結果だと?」
「結果…というよりも、始まりと言った方がいいでしょう。すでにあなたも遭遇されたようですが、次の段階に入ると、人の形が変わります。ある者は首が伸び、さらに深いところへ行った者は首を飛ばします。そして長い時間首が身体から離れた者は首だけの存在、すなわちモノノケとなり、そこまで行った者はもう黄泉の住人になったと言ってもいいでしょう。人間に戻ることはもうありません」
戦慄する内容だったが、あなたも遭遇したと言われた時、浦安はハッとした。四條畷が死んだことを彼女は知っているのだろうか?その考えに至った浦安の頭の中を読んだように、天冥は視線を細め、言葉を次いだ。
「傑が亡くなったことは草太から聞きました。惜しいことをしました。ですが今手を打たなければ、まだまだ死者は出ます。モノノケとなる者も増えていきます」
凛とした天冥からは悲しみの表情は読み取れなかった。いろいろと突っ込みどころは多かったが、取り敢えず彼女の話の流れに乗って最後まで聞くことにする。
「モノノケ…というのはお化けのことですよね?人間が化け物になると?」
「モノノケとは、死霊や鬼、天狗、狐などの、劣位の超自然的存在が発する気のことです。先程も言ったように詳しく構造的なことを述べるのは控えますが、それは私たちとは違う次元の世界へ行くということで、そこでは私たちの世界の物理法則は通用しません」
そうだ、確か四條畷が目から血を流すという症状についてシステム的なことを語っていた。細胞間を行き来する微小な粒子が介在して身体を構成する組織に変異をもたらすとか…もう少しちゃんと話を聞いておくべきだったと後悔の念が湧く。本当に惜しい人物を亡くしたのかもしれない。天冥がまた何かを読み取ったようにじっと浦安の表情を伺ったが、特に言及することなく話を続けた。
「人がモノノケになるきっかけはささいなことです。人には喜び、恐れ、悲しみ、嫌悪、怒りなどの感情がありますが、黄泉への誘導は負の感情の揺らぎから始まります。落ち込んだ時に風邪をひきやすくなるというように、負の感情の揺らぎが大きい者から変化が訪れます。もちろん平時なら感情が揺らいだくらいで人がモノノケになるなんてことは起きません。状況が変わってきたのはここ数年のこと。この世界自体の気が変化しているのです。媒介しているのは細菌でもウイルスでもなく、黄泉からの波動です。結界はその波動を弱めるために張るのです。もしその結界が破られれば、この地を起点として世界に負のエネルギーが充満するでしょう。それは怒りや悲しみが支配する阿鼻叫喚の世界となることを意味します」
観念的で分かりにくい話だが、世界が悲しみで満ちるというのは阻止したい。
「そうならないためにはどうしたらいいと?」
「気を強く持つことですが、簡単なことではありません。ここ十数年でSNSが大きく普及し、さらに新型ウイルスによるパンデミックにおける非常事態宣言下での巣ごもり需要によってSNSとの関わり方も深化しました。インターネットの世界では感情が剥き出しになりやすく、人の感情が怒りや悲しみに浸ることが容易になっています。正義感を持つことは大切ですが、それにより怒りの感情を強めてしまうと、黄泉からの波動を受けやすくなってしまいます。喜怒哀楽、どの感情も同じです。強め過ぎると、その反動で負のエネルギーに引き寄せられやすくなります。光が強まれば、影もまた濃くなるのです」
「そんな!それだと、人間らしく生きることがダメだということになりませんか?」
「だから、難しいのです。根本である将門自体を止めなければ、遅かれ早かれこの世界は黄泉の世界の中に埋没してしまうでしょう。先程、なぜこの禍津の地なのかと問われました。それは、将門に取って大切なものがこの地にあるからです。将門は黄泉から波動を送って引き寄せていると言いましたが、将門がさらに強い力を得るために、一度だけこの地に顕現します。その時がチャンスなのです。その時に、着実に将門を討たなければなりません。妖化というその現象を打ち止め、この禍津町を、ひいてはこの日本を守るために。わたしはその前に少しでも将門の力が弱まるように二週間の祈祷に入りますが、あなたには、わたしの周りの警護をお願いしたいのです」
天冥のまぶたが首肯するように動く。よく見なければ分からないくらいに、口の端が上がった。
「警護…と言われましても、何をどのようにすればいいのか…」
「この寺の中心に祭壇を設けています。その祭壇に少しでも近づこうとする者があれば、遠ざけていただきたいのです。それが例え、どんな人物であろうと。妖化した人間は見た目には区別がつきません。しかしその者の脳は将門と繋がっていて、将門はその人間を操ることが出来ます。祭壇に近づく人間は皆、妖化し、将門に操作されていると見なして下さい。周囲に策を設けますので、その策の内側に入ろうとする者を阻止していただければ、それで充分です」
将門に操られる…そんなことが可能なのかと訝ってしまうが、もし髙瀬が工場を爆破させたのが結界であるこの寺を潰すためだったとして、髙瀬が将門に操られていたとすれば確かに辻褄が合う。
「わ、分かりました。あと一つ、その警護のためにも聞いておきたいんですが、その、将門にとって大切な物とは何なのですか?」
それを聞いた時、天冥は右の拳を顎に当ててしばらく逡巡し、やがて浦安を強い眼光で見つめながら、きっぱりとした口調で言った。
「それはお教え出来ません。あなたが二週間の間、妖化しないとは限りませんから」
クーラーは緩めてもらったはずなのに、浦安の全身から鳥肌が立った。
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