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第3章 拡散
3 刑事の本分
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浦安は向いに座る沖芝を見つめる。おそらく自分よりも年下だろう。吊り気味の目の下の頬はつやつやと脂が乗っている。言葉の圧は聖蓮女子の校長といい勝負だ。頭の中で二人が舌戦を繰り広げるシーンを思い浮かべる。同時に子どもの頃に観た怪獣映画のワンシーンがオーバーラップし、苦笑して頭を振った。沖芝はそんな浦安を怪訝な目で見つめる。浦安は自分の仕草の不自然さに気づき、さらに大きく首を振って肩を鳴らした。
「失礼。いやあ久々に仮眠室で二時間ほど寝かしてもらったんですが、もう若くないですな。肩が凝って仕方ありません」
「浦安さんはきのうから寝ずに頑張ってくれてるんです」
刑事課長の岩永がすかさずフォローを入れてくれる。役職でなく、二人でいる時と同じように名前で言ってくれたのが嬉しかった。
「それはよくありませんね。刑事といえども睡眠は取らないと。昨夜の事件はこちらで引き継ぎますから、一度家に帰られては?」
沖芝の口調もやや同情的に柔らかくなったが、言っている内容には苦々しい香りがした。浦安はさっきの須田の報告をそのまま伝え、自分が聖蓮女子の生徒や教師たちの聴取の陣頭指揮を取れないかと願い出た。すると、沖芝からは思いもよらぬ答えが返ってくる。
「ご遺族やその関連する関係各所には充分な配慮をするようにとT都の本部から指令を受けています。浦安係長の提案も当然捜査項目として考えてはいますが、まだ時期尚早と判断します」
T都の本部……今回の女子高校連続首無し殺人事件が最初に起こったのはT都の隣りのC県だった。そして続けざまにT都でも首無し遺体が見つかり、その二つの事件は連続殺人と認定された。さらに三軒目はT都から南に300km離れたA県で起こり、四軒目はA県からさらに200km離れたこのH県の禍津町だったのだ。四つの地方に股がって起こったこれらの事件が連続殺人と認定されているのは、四つの遺体にかなり精度の高い司法解剖を施した結果だと聞く。そしてT都を始めC県、A県、H県と広域になった捜査本部をT都が統括することになった。T都には警視庁と警察庁の合同捜査本部が置かれ、各県の捜査本部に指令を出している。
「しかし!速やかな捜査を進めることで一刻も速く犯人を逮捕することがご遺族の無念を晴らすことにも繋がるのではないでしょうか?その為には今回の聴取は欠かせないと考えます!」
一体、自分の内から何が出てきたのか…浦安は激昂した自分の言葉に自分でも驚いた。うら若き女性の遺体を立ち続けに見て、若き日の刑事魂が蘇ったのかもしれない。本部の対応があまりにも温いことに憤りを抑えられなかった。そんな浦安を見て、沖芝は鼻からふうっと息を吐いて口の一端を上げた。嘲笑とも取れる仕草だった。
「今回の事件はかなり特殊です。捜査方法も今までのようなやり方では解決に導けないかもしれません。その為にT都の本部があり、連携をしているんです。何も聴取をしないと言っているのではないのですよ?まだまだやることは多くあり、優先順位を決めて進めているんです。我々はチームで動いていることを忘れないように」
「チーム結構。さっき帰宅して休めと仰って下さいましたね。それならその時間を聴取に当てさせて下さい。そのチームの捜査の足を引っ張ったりしません。私の部下の一チームだけ、いや、一人だけでも構いません。私の補助として付けてくれませんか?お願いします!」
そうねばる浦安を前に、沖芝は今度はあからさまなため息をつく。
「そんな前時代的なことを言わないで下さい。もし今そんな聴取を強行して、PTSDで倒れる子どもが出たらどうするんです?マスコミはこぞってそれを報じ、その結果警察への協力心が薄れたら?捜査の進展の妨げになるとは思いませんか?」
「だったら報道規制をかけたらいいじゃありませんか!」
「犯人をあげれば何をやってもいいというわけではないのですよ?我々は法を遵守する為に法を侵した者を捕まえますが、法は生きている者の為にあるんです。法の遵守が生きている者の心を蝕んでは、本末転倒もいいところです!」
沖芝も言っているうちに感情が乗ってくる。二人はしばらく睨み合い、見兼ねた岩永が口を挟んだ。
「まあまあ、浦安さんは普段こんなに言葉を荒げる人ではないんです。きっと疲れてるんでしょう。浦安さん、管理官の仰るように一度家に帰られてゆっくり休んでは」
「俺は疲れてない!必要なことを必要だと言ってるだけだ!」
上司である岩永に昔のような上からの物言いをしてしまいハッとする。確かにこんなに感情が高ぶるのは疲れているせいもあるのかもしれない。ここは一度引き下がった方がいいかもしれないと思った時、大会議室の上座側の戸口からパンパンと手を打つ音が耳をついた。見るといつの間にか入ってきた公安調査庁の室町が、こちらにニンマリとした笑みを向けて大袈裟に拍手する仕草をしていた。
「いやあ、まるでドラマを観ているようでしたよ。警察ではそういう熱いやり取りが今でも行われるんですねえ」
口調は感心しているが、銀縁眼鏡の奥からは嘲りの色が伺える。
「いえ、見苦しいものをお見せしました」
沖芝はバツが悪そうに頬の筋肉を緩め、取り繕うように言った。その見苦しいという言葉にカチンとし、浦安の引きかけた気持ちがまた高ぶる。が、浦安がまた何かを言う前にこちらに近づいてきた室町が言葉を継いだ。
「どうやら管理官とその上司の方々は衆目を必要以上に気にされているようだ。どうです?その聴取はうちが引き受けるというのは。実は私も聖蓮女子への聴取を提案しようと思っていたのですよ。係長、あなたの配下のひとチームをお貸しいただければこちらで進めますよ?」
思わぬ所からの援護射撃に、浦安の狭まっていた眉間が広くなる。だが沖芝がすぐに割って入った。
「何も聴取しないとは言ってません。室町室長が強行させると仰るなら、警察庁からも人員を割り振らせていただきます」
「強行などと大袈裟な。T都の本部にお伺いを立てなくてもいいんですか?」
「そのくらいの指揮権は私も持ってます!」
慇懃無礼な室町の言葉に、最後は沖芝も声を荒げた。警察庁は内務省の管轄であり、公安調査庁は法務省の管轄だ。そういった異なる省庁間の軋轢を、浦安は垣間見た気がした。
さて、管理官との多少のぶつかりはあったが、結果的には浦安の当初の思惑どおり事が運んだ。K署の強行犯係から須田のチームが、須田のチームと行動を共にしていた警察庁捜査一課殺人捜査係の一チームと共に聖蓮女子への聴取に当たることとなった。公安調査庁の配下の者もそこに加わったのは余計だったが…。
今やっている捜査の引き継ぎもあるので聴取は翌日からになった。聖蓮女子の校長には浦安自らが交渉した。今回被害に遭った渚や、現在行方不明の唯の素行の問題を突くと、案の定校長はあくまで内密にという条件付きで聴取を許可し、さらには渚たちのクラスの生徒に関しては随時登校するように手配してくれると言う。浦安も明日から立ち会うつもりで、その日は管理官の言葉に甘えて早々に帰宅することにした。
だが中途半端に仮眠を取ったので頭は冴えいる。そのまま真っ直ぐ帰る気にはなれず、ふと思い立って昨夜の現場にもう一度立ち寄ることにした。渚が殺されたマンションはK署から南に歩いて15分というところだった。
グランシャングリラK…徒歩で五分ほど離れているJRと私鉄の駅のちょうど中間にあるこの高級分譲マンションからは都会へも30分で行くことができ、人気の物件で売り出して間もなくほとんどの部屋は埋まったと聞く。浦安は署から炎天下をこのマンション目指して歩いてきたが、15階建ての高さは平屋の多いK市にあってはよく目立っていて、特に道順を考えなくとも難なく着くことが出来た。アスファルトから立ち昇る陽炎に立ち眩みを覚え、マンションから百メートルほど離れた所で立ち止まってマンションを見上げる。渚の家は10階にあり、地上から何者かが登ったとは到底思えない。となるとやはり犯人は飛んできたか、近場から移動したと見るのが妥当だ。浦安自身、直接その経路を探りたくてここまで来た。
マンションの影に入って見上げると、まだ新しい白い壁が周囲の一戸建てのくすんだ壁や山の稜線の緑にそぐわず浮き立って見える。ふと、屋上に人影がちらついたのが目に入った。あろうことか明らかにフェンスの外側に出ているその人影に、捜査員が捜査の一貫で何かをしているのだろうかと目を凝らす。瞬間、真夏の眩しい青空をバックに焦げたように真っ黒に見えるその影の足がふっと浮き上がった。
「やめろ!!」
浦安が怒鳴るのと同時だった。影はそのまま放物線を描き、自由落下に身を任せた。
「失礼。いやあ久々に仮眠室で二時間ほど寝かしてもらったんですが、もう若くないですな。肩が凝って仕方ありません」
「浦安さんはきのうから寝ずに頑張ってくれてるんです」
刑事課長の岩永がすかさずフォローを入れてくれる。役職でなく、二人でいる時と同じように名前で言ってくれたのが嬉しかった。
「それはよくありませんね。刑事といえども睡眠は取らないと。昨夜の事件はこちらで引き継ぎますから、一度家に帰られては?」
沖芝の口調もやや同情的に柔らかくなったが、言っている内容には苦々しい香りがした。浦安はさっきの須田の報告をそのまま伝え、自分が聖蓮女子の生徒や教師たちの聴取の陣頭指揮を取れないかと願い出た。すると、沖芝からは思いもよらぬ答えが返ってくる。
「ご遺族やその関連する関係各所には充分な配慮をするようにとT都の本部から指令を受けています。浦安係長の提案も当然捜査項目として考えてはいますが、まだ時期尚早と判断します」
T都の本部……今回の女子高校連続首無し殺人事件が最初に起こったのはT都の隣りのC県だった。そして続けざまにT都でも首無し遺体が見つかり、その二つの事件は連続殺人と認定された。さらに三軒目はT都から南に300km離れたA県で起こり、四軒目はA県からさらに200km離れたこのH県の禍津町だったのだ。四つの地方に股がって起こったこれらの事件が連続殺人と認定されているのは、四つの遺体にかなり精度の高い司法解剖を施した結果だと聞く。そしてT都を始めC県、A県、H県と広域になった捜査本部をT都が統括することになった。T都には警視庁と警察庁の合同捜査本部が置かれ、各県の捜査本部に指令を出している。
「しかし!速やかな捜査を進めることで一刻も速く犯人を逮捕することがご遺族の無念を晴らすことにも繋がるのではないでしょうか?その為には今回の聴取は欠かせないと考えます!」
一体、自分の内から何が出てきたのか…浦安は激昂した自分の言葉に自分でも驚いた。うら若き女性の遺体を立ち続けに見て、若き日の刑事魂が蘇ったのかもしれない。本部の対応があまりにも温いことに憤りを抑えられなかった。そんな浦安を見て、沖芝は鼻からふうっと息を吐いて口の一端を上げた。嘲笑とも取れる仕草だった。
「今回の事件はかなり特殊です。捜査方法も今までのようなやり方では解決に導けないかもしれません。その為にT都の本部があり、連携をしているんです。何も聴取をしないと言っているのではないのですよ?まだまだやることは多くあり、優先順位を決めて進めているんです。我々はチームで動いていることを忘れないように」
「チーム結構。さっき帰宅して休めと仰って下さいましたね。それならその時間を聴取に当てさせて下さい。そのチームの捜査の足を引っ張ったりしません。私の部下の一チームだけ、いや、一人だけでも構いません。私の補助として付けてくれませんか?お願いします!」
そうねばる浦安を前に、沖芝は今度はあからさまなため息をつく。
「そんな前時代的なことを言わないで下さい。もし今そんな聴取を強行して、PTSDで倒れる子どもが出たらどうするんです?マスコミはこぞってそれを報じ、その結果警察への協力心が薄れたら?捜査の進展の妨げになるとは思いませんか?」
「だったら報道規制をかけたらいいじゃありませんか!」
「犯人をあげれば何をやってもいいというわけではないのですよ?我々は法を遵守する為に法を侵した者を捕まえますが、法は生きている者の為にあるんです。法の遵守が生きている者の心を蝕んでは、本末転倒もいいところです!」
沖芝も言っているうちに感情が乗ってくる。二人はしばらく睨み合い、見兼ねた岩永が口を挟んだ。
「まあまあ、浦安さんは普段こんなに言葉を荒げる人ではないんです。きっと疲れてるんでしょう。浦安さん、管理官の仰るように一度家に帰られてゆっくり休んでは」
「俺は疲れてない!必要なことを必要だと言ってるだけだ!」
上司である岩永に昔のような上からの物言いをしてしまいハッとする。確かにこんなに感情が高ぶるのは疲れているせいもあるのかもしれない。ここは一度引き下がった方がいいかもしれないと思った時、大会議室の上座側の戸口からパンパンと手を打つ音が耳をついた。見るといつの間にか入ってきた公安調査庁の室町が、こちらにニンマリとした笑みを向けて大袈裟に拍手する仕草をしていた。
「いやあ、まるでドラマを観ているようでしたよ。警察ではそういう熱いやり取りが今でも行われるんですねえ」
口調は感心しているが、銀縁眼鏡の奥からは嘲りの色が伺える。
「いえ、見苦しいものをお見せしました」
沖芝はバツが悪そうに頬の筋肉を緩め、取り繕うように言った。その見苦しいという言葉にカチンとし、浦安の引きかけた気持ちがまた高ぶる。が、浦安がまた何かを言う前にこちらに近づいてきた室町が言葉を継いだ。
「どうやら管理官とその上司の方々は衆目を必要以上に気にされているようだ。どうです?その聴取はうちが引き受けるというのは。実は私も聖蓮女子への聴取を提案しようと思っていたのですよ。係長、あなたの配下のひとチームをお貸しいただければこちらで進めますよ?」
思わぬ所からの援護射撃に、浦安の狭まっていた眉間が広くなる。だが沖芝がすぐに割って入った。
「何も聴取しないとは言ってません。室町室長が強行させると仰るなら、警察庁からも人員を割り振らせていただきます」
「強行などと大袈裟な。T都の本部にお伺いを立てなくてもいいんですか?」
「そのくらいの指揮権は私も持ってます!」
慇懃無礼な室町の言葉に、最後は沖芝も声を荒げた。警察庁は内務省の管轄であり、公安調査庁は法務省の管轄だ。そういった異なる省庁間の軋轢を、浦安は垣間見た気がした。
さて、管理官との多少のぶつかりはあったが、結果的には浦安の当初の思惑どおり事が運んだ。K署の強行犯係から須田のチームが、須田のチームと行動を共にしていた警察庁捜査一課殺人捜査係の一チームと共に聖蓮女子への聴取に当たることとなった。公安調査庁の配下の者もそこに加わったのは余計だったが…。
今やっている捜査の引き継ぎもあるので聴取は翌日からになった。聖蓮女子の校長には浦安自らが交渉した。今回被害に遭った渚や、現在行方不明の唯の素行の問題を突くと、案の定校長はあくまで内密にという条件付きで聴取を許可し、さらには渚たちのクラスの生徒に関しては随時登校するように手配してくれると言う。浦安も明日から立ち会うつもりで、その日は管理官の言葉に甘えて早々に帰宅することにした。
だが中途半端に仮眠を取ったので頭は冴えいる。そのまま真っ直ぐ帰る気にはなれず、ふと思い立って昨夜の現場にもう一度立ち寄ることにした。渚が殺されたマンションはK署から南に歩いて15分というところだった。
グランシャングリラK…徒歩で五分ほど離れているJRと私鉄の駅のちょうど中間にあるこの高級分譲マンションからは都会へも30分で行くことができ、人気の物件で売り出して間もなくほとんどの部屋は埋まったと聞く。浦安は署から炎天下をこのマンション目指して歩いてきたが、15階建ての高さは平屋の多いK市にあってはよく目立っていて、特に道順を考えなくとも難なく着くことが出来た。アスファルトから立ち昇る陽炎に立ち眩みを覚え、マンションから百メートルほど離れた所で立ち止まってマンションを見上げる。渚の家は10階にあり、地上から何者かが登ったとは到底思えない。となるとやはり犯人は飛んできたか、近場から移動したと見るのが妥当だ。浦安自身、直接その経路を探りたくてここまで来た。
マンションの影に入って見上げると、まだ新しい白い壁が周囲の一戸建てのくすんだ壁や山の稜線の緑にそぐわず浮き立って見える。ふと、屋上に人影がちらついたのが目に入った。あろうことか明らかにフェンスの外側に出ているその人影に、捜査員が捜査の一貫で何かをしているのだろうかと目を凝らす。瞬間、真夏の眩しい青空をバックに焦げたように真っ黒に見えるその影の足がふっと浮き上がった。
「やめろ!!」
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