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第1部 VS のっぺらぼう 第1章 美麗で美しい転校生
子どもと違うんかい!
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「セリ!大丈夫ぅ!?」
部屋の中に入ると、アンナとヒヨリが声をかけてきた。どうやらこの部屋はダイニングキッチンのようで、部屋の奥にはキッチンスペースがあり、入った扉のすぐ横には大型テレビが床に直接置かれている。そしてそのテレビを囲むように三人掛けのソファがコの字型に置かれ、ヒヨリとアンナはテレビと真向かいの側のソファに並んで座っていた。ハナミに手を引かれ、ヒヨリたちと同じソファに座る。ハナミが一番端に座ったので、セリはアンナとハナミに挟まれる形になった。三人掛けだったが、細身の四人がピッタリと体を付けると無理なく座れた。
「体調、大丈夫なの?」
反対側の端から、ヒヨリが前屈みで聞いてくる。
「うん、ばいびょうぶ」
鼻が垂れていたので変な発音になる。キッチン側のソファには小学生くらいだろうか…いってても中学一年生くらいの年の女の子が座っていて、その子がポンとティッシュの箱をセリの前に投げてきた。ここの住人の一人だろうか、おかっぱ頭のその女の子は一見して普通で、異型のものには全く見えない。部屋の中も南面の掃き出し窓からたっぷり陽の光が差してきていて、その明るさに安堵感が増してきた。
「ぶぁりがとうごじゃいまず」
女の子に頭を下げてティッシュを取り、鼻をかむ。言い方が変になって面白かったのか、ハナミがプッと吹いてまたセリの頭を撫でた。
「何かね、あたしらの首が伸びてびっくりして失神してしまったんだって」
ハナミの言葉で思い出したのか、アンナがああ~っと大きな声を出してセリを指差す。
「ひどいよセリぃ~あたしの方を指差して悲鳴上げるんだもん。あたしの方がびっくりしたっちゅ~の!」
「うんうん、だったねー。首が伸びたってさ、一体どんな風にあたしらのこと見えてたのよ」
アンナに次いでヒヨリも避難気味な目を向ける。彼女らの表情からは、変異的な要素は全く感じられなかった。だが確かに、彼女らの首が伸びているのを見た。セリは回考しながら、自分の見たものが錯覚などではなかったはずだという認識を強めた。そもそもそんなホラーな光景を見間違えるはずがない。眉根を寄せ、身を固まらせて黙ってしまったセリを見て、さっきの目付きの鋭い男が口を挟む。男は入り口のドアの前のソファに一人でどっかりと座っていた。
「まあまあ、そんな攻めてあげなさんなって。実はこのマンションを初めて訪れた者は、たま~に変な幻覚を見るんだよ」
男はそう言いながら、向かいのおかっぱの女の子を睨んだ。女の子はと見ると、首を竦めるような仕草をしている。その仕草はまるでイタズラを叱られた子どものようだった。
「え、ここってマンションなんですかあ?」
アンナが見当違いなところで素っ頓狂な声を上げる。
「ああ、そうだぜ?メゾン・ド・ノワール、それがここの名前だ」
男がドヤ顔でそう言い、アンナはほえ~と感心とも呆れとも取れない声を出す。彼女の顔から、そんな洒落た名前はここに似合わないだろうと思っているのが伝わってきた。セリも館に足を踏み入れた時の禍々しさを思い出し、男のドヤ顔が的外れに思えた。だが今はそんなことはどうでもいい。そもそもセリは男に幻覚と言われたことに不満を感じていた。幻覚なんかじゃない、そう声を大にして言いたいが、それはこの場のくつろいだ雰囲気を壊すことだ。友人たちの反応から、これ以上主張したところで自分が変なことを言っていると詰められるだけだとも思われた。
ぐっと次の言葉を飲み込んでいると、ふいに、気を失う直前にゴーンゴーンという鐘の音が鳴ったのを思い出す。
「そうだ!鐘の音!この建物って真ん中に尖塔があって、そこに釣鐘が吊るされてますよね?あれ、あたしたちがここに来た時に鳴りませんでした?」
セリは身を乗り出して男に聞く。男はその質問にわずかに目を潜めると、
「あいつ、不用意に移動しやがって…」
と呟いた。そこでおかっぱの女の子がこれ見よがしに、んんっと喉を鳴らす。そして女子四人に向き、
「話が途中になってるよ。ちゃんと、ここへやって来た理由を話さなきゃ」
と、諌めるように言った。それはあからさまな話題転換のさせ方だったが、ヒヨリがそうだったそうだったと、またセリの方へ身を乗り出す。
「何とねえ、ここにいるダンジョウさんが探偵さんだったのよ!」
ヒヨリは目付きの鋭い男を指差して言う。
「おう、そうだぜ。ていってもまあ、何でも屋みたいなもんだけどな」
ギザギザの歯を剥き出しにしてガハハと笑う。ダンジョウと呼ばれた男を改めてよく見ると、酒の一升瓶を自分の前にドンと置いて昼間から酒を飲んでいる。上下のスエットを着てくつろぐその姿は休日のぐうたら親父そのものだったが、そんな彼が探偵事務所の所長だとなると、あまり仕事は繁盛していないという推測が立つ。セリがじっと見ていることに男は気づき、お!っと思い出したように声を上げた。
「そうだそうだ、玄関で騒がしいから起こされて出てみたら嬢ちゃんが倒れたってんで人心地つくまで中に案内してやったが、俺のお客ってんなら話は別だ。おいノア、お客様にもグラスをお出ししてくれ」
「何でボクが」
「いやいいじゃねーか堅いこと言うな。お前が一番キッチンに近いんだからよ」
ノアと呼ばれた女の子は、男にそう言い切られて渋々といった感じでソファからキッチンへ向かう。そして来客用なのか、同じ形のグラスを食器棚から四つ取り、セリたち四人の前に置いていった。男が一升瓶を取り、まずは一番手前のハナミの方へ口を向ける。
「安酒だがよ、なかなかいけるぜ」
一升瓶を差し出されたハナミは慌てて手を振る。
「いや、あたしらまだ未成年ですから」
「お?最近成人年齢は下がったんだろ?まあそう堅いこと言うな」
「いえいえ、確かに去年から成人年齢は18歳からに引き下げられましたけど、飲酒は二十歳以上のままですし、そもそもあたしらみんな、まだ16の年なんで」
「け!何言ってやがる。俺なんざこんな時から飲んでるぜ」
頑なに断るハナミを鼻で笑い、男は自分の膝の位置に手をかざす。あの高さを背丈と見るなら、男は3歳くらいから酒を飲んでいることになるが……
て、そんなことはどうでもいい!そもそも自分は酒が欲しくて男を見ていたわけじゃない!
「あの!鐘の話がまだ終わってないんですけど?」
バシッとテーブルに手を付き、セリはまた男の方へ身を乗り出した。が、その言葉を遮るように、女の子がセリたちの座るソファの後ろを通って男の方へ回り、空中で差口が止まっていた一升瓶をぶんどった。そして元の席に戻り、自分のグラスに注ぐ。
て、あんたも飲んでたんかい!
女の子の前を見ると、つまみとして食べているのか、酢の物のタコの足が袋から出て散乱していた。
館に入った時の酸っぱい匂いはこれだったんかい!
心の中で連続で突っ込まされたセリは、乗り出した体をそのまま女の子に向けた。
「あなたまだ子どもでしょ?お酒なんか飲んだらだめでしょ!」
セリがそう叫び気味に突っ込みを入れると、女の子はあからさまに不機嫌そうに眉を寄せてセリを睨んだ。
「ぶー!ボク、もう二十歳超えてるんだよ!」
そう言われて一瞬、女の子の顔をまじまじと見る。ひょっとして男の子?と思いかけたが、それよりも…
「あたしらより年上だったんかい!」
セリの心の中で連発していた突っ込みが、いつしか口を突いて出ていた。
部屋の中に入ると、アンナとヒヨリが声をかけてきた。どうやらこの部屋はダイニングキッチンのようで、部屋の奥にはキッチンスペースがあり、入った扉のすぐ横には大型テレビが床に直接置かれている。そしてそのテレビを囲むように三人掛けのソファがコの字型に置かれ、ヒヨリとアンナはテレビと真向かいの側のソファに並んで座っていた。ハナミに手を引かれ、ヒヨリたちと同じソファに座る。ハナミが一番端に座ったので、セリはアンナとハナミに挟まれる形になった。三人掛けだったが、細身の四人がピッタリと体を付けると無理なく座れた。
「体調、大丈夫なの?」
反対側の端から、ヒヨリが前屈みで聞いてくる。
「うん、ばいびょうぶ」
鼻が垂れていたので変な発音になる。キッチン側のソファには小学生くらいだろうか…いってても中学一年生くらいの年の女の子が座っていて、その子がポンとティッシュの箱をセリの前に投げてきた。ここの住人の一人だろうか、おかっぱ頭のその女の子は一見して普通で、異型のものには全く見えない。部屋の中も南面の掃き出し窓からたっぷり陽の光が差してきていて、その明るさに安堵感が増してきた。
「ぶぁりがとうごじゃいまず」
女の子に頭を下げてティッシュを取り、鼻をかむ。言い方が変になって面白かったのか、ハナミがプッと吹いてまたセリの頭を撫でた。
「何かね、あたしらの首が伸びてびっくりして失神してしまったんだって」
ハナミの言葉で思い出したのか、アンナがああ~っと大きな声を出してセリを指差す。
「ひどいよセリぃ~あたしの方を指差して悲鳴上げるんだもん。あたしの方がびっくりしたっちゅ~の!」
「うんうん、だったねー。首が伸びたってさ、一体どんな風にあたしらのこと見えてたのよ」
アンナに次いでヒヨリも避難気味な目を向ける。彼女らの表情からは、変異的な要素は全く感じられなかった。だが確かに、彼女らの首が伸びているのを見た。セリは回考しながら、自分の見たものが錯覚などではなかったはずだという認識を強めた。そもそもそんなホラーな光景を見間違えるはずがない。眉根を寄せ、身を固まらせて黙ってしまったセリを見て、さっきの目付きの鋭い男が口を挟む。男は入り口のドアの前のソファに一人でどっかりと座っていた。
「まあまあ、そんな攻めてあげなさんなって。実はこのマンションを初めて訪れた者は、たま~に変な幻覚を見るんだよ」
男はそう言いながら、向かいのおかっぱの女の子を睨んだ。女の子はと見ると、首を竦めるような仕草をしている。その仕草はまるでイタズラを叱られた子どものようだった。
「え、ここってマンションなんですかあ?」
アンナが見当違いなところで素っ頓狂な声を上げる。
「ああ、そうだぜ?メゾン・ド・ノワール、それがここの名前だ」
男がドヤ顔でそう言い、アンナはほえ~と感心とも呆れとも取れない声を出す。彼女の顔から、そんな洒落た名前はここに似合わないだろうと思っているのが伝わってきた。セリも館に足を踏み入れた時の禍々しさを思い出し、男のドヤ顔が的外れに思えた。だが今はそんなことはどうでもいい。そもそもセリは男に幻覚と言われたことに不満を感じていた。幻覚なんかじゃない、そう声を大にして言いたいが、それはこの場のくつろいだ雰囲気を壊すことだ。友人たちの反応から、これ以上主張したところで自分が変なことを言っていると詰められるだけだとも思われた。
ぐっと次の言葉を飲み込んでいると、ふいに、気を失う直前にゴーンゴーンという鐘の音が鳴ったのを思い出す。
「そうだ!鐘の音!この建物って真ん中に尖塔があって、そこに釣鐘が吊るされてますよね?あれ、あたしたちがここに来た時に鳴りませんでした?」
セリは身を乗り出して男に聞く。男はその質問にわずかに目を潜めると、
「あいつ、不用意に移動しやがって…」
と呟いた。そこでおかっぱの女の子がこれ見よがしに、んんっと喉を鳴らす。そして女子四人に向き、
「話が途中になってるよ。ちゃんと、ここへやって来た理由を話さなきゃ」
と、諌めるように言った。それはあからさまな話題転換のさせ方だったが、ヒヨリがそうだったそうだったと、またセリの方へ身を乗り出す。
「何とねえ、ここにいるダンジョウさんが探偵さんだったのよ!」
ヒヨリは目付きの鋭い男を指差して言う。
「おう、そうだぜ。ていってもまあ、何でも屋みたいなもんだけどな」
ギザギザの歯を剥き出しにしてガハハと笑う。ダンジョウと呼ばれた男を改めてよく見ると、酒の一升瓶を自分の前にドンと置いて昼間から酒を飲んでいる。上下のスエットを着てくつろぐその姿は休日のぐうたら親父そのものだったが、そんな彼が探偵事務所の所長だとなると、あまり仕事は繁盛していないという推測が立つ。セリがじっと見ていることに男は気づき、お!っと思い出したように声を上げた。
「そうだそうだ、玄関で騒がしいから起こされて出てみたら嬢ちゃんが倒れたってんで人心地つくまで中に案内してやったが、俺のお客ってんなら話は別だ。おいノア、お客様にもグラスをお出ししてくれ」
「何でボクが」
「いやいいじゃねーか堅いこと言うな。お前が一番キッチンに近いんだからよ」
ノアと呼ばれた女の子は、男にそう言い切られて渋々といった感じでソファからキッチンへ向かう。そして来客用なのか、同じ形のグラスを食器棚から四つ取り、セリたち四人の前に置いていった。男が一升瓶を取り、まずは一番手前のハナミの方へ口を向ける。
「安酒だがよ、なかなかいけるぜ」
一升瓶を差し出されたハナミは慌てて手を振る。
「いや、あたしらまだ未成年ですから」
「お?最近成人年齢は下がったんだろ?まあそう堅いこと言うな」
「いえいえ、確かに去年から成人年齢は18歳からに引き下げられましたけど、飲酒は二十歳以上のままですし、そもそもあたしらみんな、まだ16の年なんで」
「け!何言ってやがる。俺なんざこんな時から飲んでるぜ」
頑なに断るハナミを鼻で笑い、男は自分の膝の位置に手をかざす。あの高さを背丈と見るなら、男は3歳くらいから酒を飲んでいることになるが……
て、そんなことはどうでもいい!そもそも自分は酒が欲しくて男を見ていたわけじゃない!
「あの!鐘の話がまだ終わってないんですけど?」
バシッとテーブルに手を付き、セリはまた男の方へ身を乗り出した。が、その言葉を遮るように、女の子がセリたちの座るソファの後ろを通って男の方へ回り、空中で差口が止まっていた一升瓶をぶんどった。そして元の席に戻り、自分のグラスに注ぐ。
て、あんたも飲んでたんかい!
女の子の前を見ると、つまみとして食べているのか、酢の物のタコの足が袋から出て散乱していた。
館に入った時の酸っぱい匂いはこれだったんかい!
心の中で連続で突っ込まされたセリは、乗り出した体をそのまま女の子に向けた。
「あなたまだ子どもでしょ?お酒なんか飲んだらだめでしょ!」
セリがそう叫び気味に突っ込みを入れると、女の子はあからさまに不機嫌そうに眉を寄せてセリを睨んだ。
「ぶー!ボク、もう二十歳超えてるんだよ!」
そう言われて一瞬、女の子の顔をまじまじと見る。ひょっとして男の子?と思いかけたが、それよりも…
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