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第1部 高級クラブのお仕事
閉ざされた部屋
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萌未がアメリカに出張中と言っていたお姉さんはすでに亡くなっている…!?
刑事が告げた内容は、涼平の知っている萌未の輪郭を完全に崩壊させた。
では…?
一体彼女はどこに帰っていた?
あのマンションの鍵のかかった部屋は、一体誰の部屋?
暗礁から必死に岸に戻ろうとする難破船のように、涼平はデスクに手をついて身を乗り出した。
「お姉さんが亡くなっているって…それは、どんな……!?」
「協力してもらって悪いけど…」
そんな涼平に、年配の刑事が首を振る。
「これから私らは絹川さんのことを捜査しないといけない。でも、今は個人情報を保護しないといけないって立場から、君に教えてあげられへんのです」
それから、彼女がもし帰ってきたら連絡欲しい、と、若い方の刑事が担当部署と携帯の番号を書いた名刺を渡された。
「悲しい出来事やったのに、こんなとこに来てもらってごめんね。助かりました」
年配の刑事が頭を下げ、若い方の刑事がそれに倣う。
「あ!あの…車で飛び込んだって…それってどんな車やったんですか?せめてそれだけでも!」
椅子から立ち上がった涼平の質問に、年配の刑事がまた、書類に目を落とす。
「え~と、紺のSUVタイプで、宮本拓也さんの名義やね。ガードを越えて突っ込んだところを見ていた人からすぐに通報があり、早急に引き上げたんやけど、間に合わんかった。ホンマに、残念なことをしました」
紺のSUV…美伽とホテルで過ごしたときに見た車…
いろんなことが繋がっては、深い謎に包まれる。
あのとき、通り過ぎたのが萌未だったとしたら、一体なぜ!?
「表にはちょっと人が集まってるから、裏口まで案内します」
若い刑事に誘導されて、警察署の外に出ると、玄関には報道のために駆けつけたカメラマンやレポーターらしき人だかりが出来ていた。
今回のことがニュースで流されるのだろう。
報道陣の横をすり抜け、警察署の外に出ると、涼平はそこからすぐ南に流れる堂島川の方へと歩を進めた。
淀川から分岐した大川はJR北新地駅の東隣りの南森町駅の南で堂島川と土佐堀川に別れ、二つの川は下流で再び合流して安治川となり、大阪湾に注ぐ。
警察署から出た涼平はすぐ南に流れる堂島川に平行して作られた公園のベンチに腰を下ろし、その緩やかなせせらぎを眺めた。
この少し東に位置する大川の底に、数時間前、美伽は沈んでいたのだ。
数日前、涼平は萌未と電話で話ながら、寂寞とした気分でこの川の冷たく、暗い川面を眺めていた。
今、冬の朝の柔らかな光に煌めくその川面に、美伽の少し首を傾けて笑う顔が浮かび上がり、また、涼平はむせび泣いた。
(涼平に出会えてよかったって思ってる)
最後に言葉を交わしたときの萌未の言葉…なぜあの時、彼女はあんなことを言ったのか…?
一頻り泣いた後、涼平はもう一度、刑事から知らされた事実を整理してみることにした。
美伽はフジケン興業の社長の娘で、その会社の専務である宮本と婚約していた。
萌未はフジケン社長と宮本のクラブ若名での口座であり、宮本と最近まで一緒に住んでいた。
萌未と美伽は同じ大学の同級生であり、1週間程前、涼平は2人が新地に向かって歩いている姿を見ている。
萌未と美伽はいつから面識があったのか?
涼平はまた、一つの光景が思い浮かび、ハッとした。
萌未と初めて一夜を共にし、大学へ一緒に行った日、二人が向かったカフェで美伽とその彼氏が食事をしているのを見た。
あのときの広い背中、あれは宮本だったのだ。
そして、萌未があのとき凝視していたのは、美伽ではなく、きっと宮本だったのだ。
そう考えると、あのあと急に怒り出した萌未の感情の変化も説明がつく。
美伽に、嫉妬していたのだ。
涼平はまた、別の悲しみに襲われた。
───俺に嫉妬してじゃない…
萌未はやっぱり宮本さんのことが、相当好きだったのだ。
だとすると…
そこから導き出せる今回の事件の真相は……
萌未が殺した───
(あほな!絶対それはない!)
涼平は激しく首を振り、自らの思考の帰着を打ち消した。
そもそもこれは殺人とは考えにくい。死因は車で川に突っ込んだことによる溺死なのだ。
だが──
人間関係を整理してみると、美伽と宮本が死んだ背景には必ず萌未がいる。
しかも、美伽の持っていたバッグは萌未の物だった。
警察は萌未を探し出して事情を聞くだろう。
何とか萌未に会えないのか…
会って、直接事情が聞きたい。
そして、もし彼女が何らかの形で巻き込まれているなら…助けてやりたい。
何とか萌未とコンタクト取れないものかと考えを巡らし、一つのことを思いつく。
そうだ!
部屋…あの、マンションの鍵がかかった部屋!
萌未の居所が見つからなければ、警察は必ずマンションに捜索に来るだろう。
その前に、何とかあの部屋から手掛かりを見つけられないだろうか?
そう考えつくや否や、涼平は急いでタクシーを拾い、マンションへと戻った。
ベッドの置いてある引き戸の隣に、その鍵のかかった開き戸がある。
木製のドアは蹴破れば簡単に開きそうだった。
何度か蹴ると、バタンと、扉は開いた。
中には箪笥や家具や机が並べられており、ほこりがたたないように布が被せてある。
生活感の無さに、この部屋が一切の生活から切り離されていたのが伺えた。
しかし、萌未が言うように出張でいない間保存しておくなら分かるが、刑事はお姉さんは亡くなっていると言う。
それなら、なぜこの部屋を使わずに残すのだろうか?
箪笥の中の女性ものの衣類にはクリーニング仕立てのビニールが掛かったままで、部屋に置かれた本棚の本や箪笥の中の小物、そしてベッドに至るまで、まるでこの部屋に住む人の生活をそのまま保存するように、大切に布やビニールシートが掛けられている。
奥に収納の引き戸があり、派手な衣類が掛かっている。ホステスが着る衣装のようだが、萌未の趣味とは違う感じだ。萌未はワンピースやキャミソールを好んで着ているが、そこに掛けられているのは、ドレスやスーツが多かった。服装の趣味も落ち着いた色合いのものが多く、萌未とは趣味が違うように思われた。
(やっぱりここってお姉さんの部屋なんじやないかな?そして、お姉さんもホステスやったんかな?)
部屋を見回すと、角に腰くらいの高さの金庫が置かれているのを見つける。
きっと、その金庫の中に、涼平の知りたいような個人情報が入っているに違いない。
そう思ったが、業者でも呼ばない限り、それは簡単に開きそうもなかった。
何としてもその金庫を開けて見たかったが、今の時点で、涼平にはそこまでする権限はないように思われた。
次に、萌未の居場所を知っていそうな人間を考えてみる。
思い当たるのは、クラブ若名の窓口である黒田と、萌未を若名に紹介した夏美だ。
特に黒田は宮本の同級生でもあり、きのうの晩は宮本の結婚前祝いパーティーを企画していた。
(そうだ!結婚祝いパーティー!)
涼平は由奈とのゴタゴタがあって結局顔を見せられなかったが、パーティー自体は無事に行われ、萌未や宮本は参加していたのだろうか?
早速黒田に電話してみるが出ない。
夏美にもかけてみたが出なかった。
時刻は朝の10時過ぎ。
水商売の人間に取ってはちょうど熟睡中の時間だ。
涼平もきのうからほとんど寝ていなかったが、神経が高ぶり、全く眠る気になれなかった。
5年間想いを寄せた女性がこの世にいない…
そのことを思うとまた感情が込み上げる。
泣いている場合ではないとその感情を打ち払い、他に何か手掛かりになるものはないかと思考を巡らせる。
そして一つ、大切なことを忘れているのに気づく。
宮本の手には、涼平の名刺が握られていたと刑事から聞いた。
一体、何のために!?
ひょっとして、ダイイングメッセージ…!?
全身から血の気が引くのを感じた。
二人が川に飛び込んだと思われる時間帯、涼平は救急病院で由奈の手を握っていた。
つまり、由奈が倒れていなければ、涼平にはアリバイが証明出来なかったかもしれないのだ。
だとすると…あのまま警察署からすんなり帰してもらえなかっただろう。
涼平にアリバイが無い場合、もし殺人事件だとしたら間違いなく容疑者リストの筆頭に上がるだろう。
1ヶ月半前に美伽に告白しているにも関わらず、今は萌未の部屋に住んでいる。
さらには数週間前には美伽とホテルで一泊している。
涼平がどう弁解しようが、他人から見たら、痴情のもつれと思われることに十分なくらいの状況証拠がある。
それを狙って誰かが仕組んだ!?
ぞわり、と背筋に冷たいものが走った。
もし美伽と宮本が誰かに殺されたのだとすると、その犯人は涼平を陥れようとしていることになる。
俺は由奈に助けられたのだ!
涼平はそのことに胸を撫で下ろすとともに、さらに思考を巡らせる。
涼平の名刺を簡単に手に入れられ、涼平の背後の人間関係に詳しい人物……
そこには、一人の顔しか思い浮かばない。
自分が美伽のことを想っていた事実は、思いつく限り一人しか知らないのだ!
(いや…待て!それは違う。そう考えたらあかん。とにかく、萌未に直接会うのが先決や。何か方法はないか…)
名刺入れに宮本の名刺があったのを思い出し、取り出して見た。
フジケン興行、専務
業種は不動産業だ。
本社は市内だが、宮本が所長を兼任しているモデルルームのある住所が涼平の目を引いた。
それは、涼平と美伽が出会った中学のある街だったからだ。
涼平は、部屋でじっといる気にもなれず、そこに行けば何か掴めるかも、と思い、宮本の勤めるモデルルームに向かうことにした。
刑事が告げた内容は、涼平の知っている萌未の輪郭を完全に崩壊させた。
では…?
一体彼女はどこに帰っていた?
あのマンションの鍵のかかった部屋は、一体誰の部屋?
暗礁から必死に岸に戻ろうとする難破船のように、涼平はデスクに手をついて身を乗り出した。
「お姉さんが亡くなっているって…それは、どんな……!?」
「協力してもらって悪いけど…」
そんな涼平に、年配の刑事が首を振る。
「これから私らは絹川さんのことを捜査しないといけない。でも、今は個人情報を保護しないといけないって立場から、君に教えてあげられへんのです」
それから、彼女がもし帰ってきたら連絡欲しい、と、若い方の刑事が担当部署と携帯の番号を書いた名刺を渡された。
「悲しい出来事やったのに、こんなとこに来てもらってごめんね。助かりました」
年配の刑事が頭を下げ、若い方の刑事がそれに倣う。
「あ!あの…車で飛び込んだって…それってどんな車やったんですか?せめてそれだけでも!」
椅子から立ち上がった涼平の質問に、年配の刑事がまた、書類に目を落とす。
「え~と、紺のSUVタイプで、宮本拓也さんの名義やね。ガードを越えて突っ込んだところを見ていた人からすぐに通報があり、早急に引き上げたんやけど、間に合わんかった。ホンマに、残念なことをしました」
紺のSUV…美伽とホテルで過ごしたときに見た車…
いろんなことが繋がっては、深い謎に包まれる。
あのとき、通り過ぎたのが萌未だったとしたら、一体なぜ!?
「表にはちょっと人が集まってるから、裏口まで案内します」
若い刑事に誘導されて、警察署の外に出ると、玄関には報道のために駆けつけたカメラマンやレポーターらしき人だかりが出来ていた。
今回のことがニュースで流されるのだろう。
報道陣の横をすり抜け、警察署の外に出ると、涼平はそこからすぐ南に流れる堂島川の方へと歩を進めた。
淀川から分岐した大川はJR北新地駅の東隣りの南森町駅の南で堂島川と土佐堀川に別れ、二つの川は下流で再び合流して安治川となり、大阪湾に注ぐ。
警察署から出た涼平はすぐ南に流れる堂島川に平行して作られた公園のベンチに腰を下ろし、その緩やかなせせらぎを眺めた。
この少し東に位置する大川の底に、数時間前、美伽は沈んでいたのだ。
数日前、涼平は萌未と電話で話ながら、寂寞とした気分でこの川の冷たく、暗い川面を眺めていた。
今、冬の朝の柔らかな光に煌めくその川面に、美伽の少し首を傾けて笑う顔が浮かび上がり、また、涼平はむせび泣いた。
(涼平に出会えてよかったって思ってる)
最後に言葉を交わしたときの萌未の言葉…なぜあの時、彼女はあんなことを言ったのか…?
一頻り泣いた後、涼平はもう一度、刑事から知らされた事実を整理してみることにした。
美伽はフジケン興業の社長の娘で、その会社の専務である宮本と婚約していた。
萌未はフジケン社長と宮本のクラブ若名での口座であり、宮本と最近まで一緒に住んでいた。
萌未と美伽は同じ大学の同級生であり、1週間程前、涼平は2人が新地に向かって歩いている姿を見ている。
萌未と美伽はいつから面識があったのか?
涼平はまた、一つの光景が思い浮かび、ハッとした。
萌未と初めて一夜を共にし、大学へ一緒に行った日、二人が向かったカフェで美伽とその彼氏が食事をしているのを見た。
あのときの広い背中、あれは宮本だったのだ。
そして、萌未があのとき凝視していたのは、美伽ではなく、きっと宮本だったのだ。
そう考えると、あのあと急に怒り出した萌未の感情の変化も説明がつく。
美伽に、嫉妬していたのだ。
涼平はまた、別の悲しみに襲われた。
───俺に嫉妬してじゃない…
萌未はやっぱり宮本さんのことが、相当好きだったのだ。
だとすると…
そこから導き出せる今回の事件の真相は……
萌未が殺した───
(あほな!絶対それはない!)
涼平は激しく首を振り、自らの思考の帰着を打ち消した。
そもそもこれは殺人とは考えにくい。死因は車で川に突っ込んだことによる溺死なのだ。
だが──
人間関係を整理してみると、美伽と宮本が死んだ背景には必ず萌未がいる。
しかも、美伽の持っていたバッグは萌未の物だった。
警察は萌未を探し出して事情を聞くだろう。
何とか萌未に会えないのか…
会って、直接事情が聞きたい。
そして、もし彼女が何らかの形で巻き込まれているなら…助けてやりたい。
何とか萌未とコンタクト取れないものかと考えを巡らし、一つのことを思いつく。
そうだ!
部屋…あの、マンションの鍵がかかった部屋!
萌未の居所が見つからなければ、警察は必ずマンションに捜索に来るだろう。
その前に、何とかあの部屋から手掛かりを見つけられないだろうか?
そう考えつくや否や、涼平は急いでタクシーを拾い、マンションへと戻った。
ベッドの置いてある引き戸の隣に、その鍵のかかった開き戸がある。
木製のドアは蹴破れば簡単に開きそうだった。
何度か蹴ると、バタンと、扉は開いた。
中には箪笥や家具や机が並べられており、ほこりがたたないように布が被せてある。
生活感の無さに、この部屋が一切の生活から切り離されていたのが伺えた。
しかし、萌未が言うように出張でいない間保存しておくなら分かるが、刑事はお姉さんは亡くなっていると言う。
それなら、なぜこの部屋を使わずに残すのだろうか?
箪笥の中の女性ものの衣類にはクリーニング仕立てのビニールが掛かったままで、部屋に置かれた本棚の本や箪笥の中の小物、そしてベッドに至るまで、まるでこの部屋に住む人の生活をそのまま保存するように、大切に布やビニールシートが掛けられている。
奥に収納の引き戸があり、派手な衣類が掛かっている。ホステスが着る衣装のようだが、萌未の趣味とは違う感じだ。萌未はワンピースやキャミソールを好んで着ているが、そこに掛けられているのは、ドレスやスーツが多かった。服装の趣味も落ち着いた色合いのものが多く、萌未とは趣味が違うように思われた。
(やっぱりここってお姉さんの部屋なんじやないかな?そして、お姉さんもホステスやったんかな?)
部屋を見回すと、角に腰くらいの高さの金庫が置かれているのを見つける。
きっと、その金庫の中に、涼平の知りたいような個人情報が入っているに違いない。
そう思ったが、業者でも呼ばない限り、それは簡単に開きそうもなかった。
何としてもその金庫を開けて見たかったが、今の時点で、涼平にはそこまでする権限はないように思われた。
次に、萌未の居場所を知っていそうな人間を考えてみる。
思い当たるのは、クラブ若名の窓口である黒田と、萌未を若名に紹介した夏美だ。
特に黒田は宮本の同級生でもあり、きのうの晩は宮本の結婚前祝いパーティーを企画していた。
(そうだ!結婚祝いパーティー!)
涼平は由奈とのゴタゴタがあって結局顔を見せられなかったが、パーティー自体は無事に行われ、萌未や宮本は参加していたのだろうか?
早速黒田に電話してみるが出ない。
夏美にもかけてみたが出なかった。
時刻は朝の10時過ぎ。
水商売の人間に取ってはちょうど熟睡中の時間だ。
涼平もきのうからほとんど寝ていなかったが、神経が高ぶり、全く眠る気になれなかった。
5年間想いを寄せた女性がこの世にいない…
そのことを思うとまた感情が込み上げる。
泣いている場合ではないとその感情を打ち払い、他に何か手掛かりになるものはないかと思考を巡らせる。
そして一つ、大切なことを忘れているのに気づく。
宮本の手には、涼平の名刺が握られていたと刑事から聞いた。
一体、何のために!?
ひょっとして、ダイイングメッセージ…!?
全身から血の気が引くのを感じた。
二人が川に飛び込んだと思われる時間帯、涼平は救急病院で由奈の手を握っていた。
つまり、由奈が倒れていなければ、涼平にはアリバイが証明出来なかったかもしれないのだ。
だとすると…あのまま警察署からすんなり帰してもらえなかっただろう。
涼平にアリバイが無い場合、もし殺人事件だとしたら間違いなく容疑者リストの筆頭に上がるだろう。
1ヶ月半前に美伽に告白しているにも関わらず、今は萌未の部屋に住んでいる。
さらには数週間前には美伽とホテルで一泊している。
涼平がどう弁解しようが、他人から見たら、痴情のもつれと思われることに十分なくらいの状況証拠がある。
それを狙って誰かが仕組んだ!?
ぞわり、と背筋に冷たいものが走った。
もし美伽と宮本が誰かに殺されたのだとすると、その犯人は涼平を陥れようとしていることになる。
俺は由奈に助けられたのだ!
涼平はそのことに胸を撫で下ろすとともに、さらに思考を巡らせる。
涼平の名刺を簡単に手に入れられ、涼平の背後の人間関係に詳しい人物……
そこには、一人の顔しか思い浮かばない。
自分が美伽のことを想っていた事実は、思いつく限り一人しか知らないのだ!
(いや…待て!それは違う。そう考えたらあかん。とにかく、萌未に直接会うのが先決や。何か方法はないか…)
名刺入れに宮本の名刺があったのを思い出し、取り出して見た。
フジケン興行、専務
業種は不動産業だ。
本社は市内だが、宮本が所長を兼任しているモデルルームのある住所が涼平の目を引いた。
それは、涼平と美伽が出会った中学のある街だったからだ。
涼平は、部屋でじっといる気にもなれず、そこに行けば何か掴めるかも、と思い、宮本の勤めるモデルルームに向かうことにした。
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