日本語教師日誌

藤堂Máquina

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6月10日

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6月10日

今日の授業は二つ。
お昼過ぎに一コマと夜に一コマである。
学生と話したのはこの合計150分間なのだが、学生からメッセージが来たため、チャットでの会話はもう一人いる。
この学生は過去に三度ほど私の授業を受けている学生であり、ここしばらくの予約はなかった。
どうやら病が収束に向かったため、仕事が忙しくなったのが理由のようだ。
確か東南アジアの方の学生であり、日本人が比較的多い地域らしい。
それ故に、日本語を勉強して彼らとコミュニケーションをとりたいというのが動機のようで、病で仕事が減った折に勉強を始めたらしい。
大学生の時に数ヶ月だけ日本語を勉強したことがあるらしく、まったく話せない訳ではないらしいのだが、忘れている部分も多く、会話に自信がないために、私の授業を受けていたと聞いている。
今回すごく久しぶりにメッセージが来たところをみると、まだ継続するつもりらしい。
私は去るもの追わずのスタイルのため、予約をしなくなった学生にメッセージを送ることは滅多にない。
強要している感じがして好きではないのだ。
私の使用しているプラットフォームでは、登録前に「2週間ほど予約のない学生にはメッセージを送って様子を見るのが継続させるために必要である」との説明があったが、私は概ねそれを守っていない。
もっと気軽にやめて、気軽に来られる場の方がこちらとしてもやりやすいのだ。
だからこうやって再び来てくれるのはありがたいことであり、ある意味私の意図でもある。
今日の授業は二人、確か二人ともフロリダの学生であり、どちらもそれなりのレベルを有しているため、難しいことはなかった。
お昼過ぎの学生はフリートークをして、私はそれをノートして、最後に添削するだけだった。
と言っても今日は学生からの質問が多かったため、ノートはいつもより少ない。
学生に話した内容を一つ、せっかくなので私がコロンビアで生活している上での工夫を話そう。
私は外に出る際にはいつも日本の五円玉を
持ち歩いている。
日本を出る前に多めに持ってきたのだ。
理由は三つほどある。
一つに友人へのプレゼントである。
「名刺がわり」と言うほどのものではないが、日本のお金、海外のお金をもらって嬉しい人は結構多い。
特に五円玉は穴が開いている珍しいタイプの硬貨であり、金色なので高級感がある。
そして安価で私でもこちらにあまり問題がない。
この「安価」というのが二つ目でもある。
時々、こちらで買い物をすると、特に市場に行くと日本のお金を欲しいという人がいる。
本当にほしいのか、換金するつもりなのか意図はわからないが、安価なこの硬貨を渡すことによって穏便に済ますことができる。
三つ目は乞食やホームレス対策である。
五円玉を差し出すことによって、日本円しか持っていないと言うアピールができるため、こちらも穏便に済ませることが多い。
さて、これはどれにでも言えることだが、五円玉を選んだ理由として「数字が書いていない」ということがある。
五円玉には漢数字しかないのだ。
それ故に大抵の人には読むことが出来ず、価値がわからないため、誰に渡しても問題になりにくい。
質問されたらさもスペイン語が分からないように振る舞えばいいのだ。
何も持っていないよりは問題が起こりにくいことはまず間違いはないし、タクシーの運転手に渡しても喜ばれるため、無駄と言えば無駄なのだが、表向きいい感じにはなる。
さて、大分話が逸れてしまったが、旅行の際は是非試して見てほしい。
今日も他に述べるようなことはないため、ここまでにする。
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