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4月14日
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4月14日
今日の授業は三つ。
一つはお昼過ぎのクラスでアメリカ人の方。一つは夕方のコロンビア人。もう一つはアメリカ人の学生で、夜の授業だった。
いずれの授業も会話の授業であり、細かい文法の説明はあまりなかった。
アメリカ人に関して言えばどちらの学生も、もう何回か受講してくれているだけあって勝手もわかっている。
コロンビア人はN4の学生であり、敬語の練習が基本であった。
準備にそれほど時間は必要ないため比較的楽であった。
夜の授業の学生には、前回の授業の際に「某動画配信サイトの中で日本語を勉強するのにオススメのアニメはあるか」という質問を受けていた。
他に仕事はなかったため、サイトの中のアニメの会話のシーンを抜粋して、紹介するに相応しい作品を探した。
基準となるのは「固有名詞が多くないか」「インフォーマルな言葉を使い過ぎていないか」「方言が強くないか」という点である。
他の日本語学習者の手を借りながら、ちょうどいい作品を探したのだが、思った以上に探すのは困難だった。
「子供向けの作品が良いのではないか」と思われがちではあるが、子供向けの作品もインフォーマルな言葉や独特な終助詞、過度なオノマトペ、キャラクターの書き分けに使われる癖などがある場合もあり、一筋縄ではいかない。
結局紹介することにしたのは、日本人なら誰もが知っている森のお化け、某トロルの出てくる作品であった。
理由は主要キャラの話し方が、妹向けに優しいことが多く、彼女らのお父さんも、娘たちに優しい言葉を使う。
固有名詞も三種類のお化けに関するものだけであり、探した中ではずば抜けて良いものであった。
しいて言えば、おばあちゃんの話し方に癖があったため、できれば黙っていてもらいたいと思ったが、それは無理なお願いである。
おばあちゃんはあの作品においての重要なスパイスであり、日本文化を知るためにも必要な存在だろう。
そういうわけで授業の時にそれを紹介した。
さて、他の生徒についても少し話すが、敬語の授業を実施した。
尊敬語と謙譲語の違いを簡単に説明し、場面ごとに使うべき形を選択してもらう。
「日本人はいつ敬語を勉強するのか」という質問をされたため、「記憶している限り、学校で教わった覚えはない」と伝えた。
地域差や、学校、先生によっても違うだろうが、飽くまでも私の経験である。
就職活動をする前に、自分で勉強することがあるとも伝えたが、就職活動らしい就職活動をしていない私からすると、その真偽は定かではない。
毎回敬語を教える時は、それを日本人も使いこなせていないことを伝え、先生の尊厳のために、私は大丈夫ということを伝えるのだが、正直なところ、私も不安は多い。
さて、千字を超えてしまったので、今日はこのあたりにしておく。
学生との会話は発見だらけで楽しいものである。
今日の授業は三つ。
一つはお昼過ぎのクラスでアメリカ人の方。一つは夕方のコロンビア人。もう一つはアメリカ人の学生で、夜の授業だった。
いずれの授業も会話の授業であり、細かい文法の説明はあまりなかった。
アメリカ人に関して言えばどちらの学生も、もう何回か受講してくれているだけあって勝手もわかっている。
コロンビア人はN4の学生であり、敬語の練習が基本であった。
準備にそれほど時間は必要ないため比較的楽であった。
夜の授業の学生には、前回の授業の際に「某動画配信サイトの中で日本語を勉強するのにオススメのアニメはあるか」という質問を受けていた。
他に仕事はなかったため、サイトの中のアニメの会話のシーンを抜粋して、紹介するに相応しい作品を探した。
基準となるのは「固有名詞が多くないか」「インフォーマルな言葉を使い過ぎていないか」「方言が強くないか」という点である。
他の日本語学習者の手を借りながら、ちょうどいい作品を探したのだが、思った以上に探すのは困難だった。
「子供向けの作品が良いのではないか」と思われがちではあるが、子供向けの作品もインフォーマルな言葉や独特な終助詞、過度なオノマトペ、キャラクターの書き分けに使われる癖などがある場合もあり、一筋縄ではいかない。
結局紹介することにしたのは、日本人なら誰もが知っている森のお化け、某トロルの出てくる作品であった。
理由は主要キャラの話し方が、妹向けに優しいことが多く、彼女らのお父さんも、娘たちに優しい言葉を使う。
固有名詞も三種類のお化けに関するものだけであり、探した中ではずば抜けて良いものであった。
しいて言えば、おばあちゃんの話し方に癖があったため、できれば黙っていてもらいたいと思ったが、それは無理なお願いである。
おばあちゃんはあの作品においての重要なスパイスであり、日本文化を知るためにも必要な存在だろう。
そういうわけで授業の時にそれを紹介した。
さて、他の生徒についても少し話すが、敬語の授業を実施した。
尊敬語と謙譲語の違いを簡単に説明し、場面ごとに使うべき形を選択してもらう。
「日本人はいつ敬語を勉強するのか」という質問をされたため、「記憶している限り、学校で教わった覚えはない」と伝えた。
地域差や、学校、先生によっても違うだろうが、飽くまでも私の経験である。
就職活動をする前に、自分で勉強することがあるとも伝えたが、就職活動らしい就職活動をしていない私からすると、その真偽は定かではない。
毎回敬語を教える時は、それを日本人も使いこなせていないことを伝え、先生の尊厳のために、私は大丈夫ということを伝えるのだが、正直なところ、私も不安は多い。
さて、千字を超えてしまったので、今日はこのあたりにしておく。
学生との会話は発見だらけで楽しいものである。
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