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揺蕩う
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「時間」というそのものを計る尺度を我々は持ち合わせていない。
「時を計る」と書いて時間を等分することはできても月日を対等に並べることはできないのだ。
だから誰がいつどこで誰と何をしてようがそれを「人生」という言葉でまとめることはできてもそれを細分化することはできないのだ。
時計という機械に見られる一見平等な時間の区切りの中にいる我々はあたかも生きているようで生かされているのだ。
ある時から私も「生かされる人生」ではなく「流される人生」に憧れを抱くようになった。
その存在を知って以来の私はというと未来に期待を抱く他なかった。
たった一度でも取り憑かれてしまえば、どうして心に留めておくことを許さないのだろうか。
口に出さなくても行動に現れるようで私を見る私を含めた人々は好奇心を通した目で私を見るのであった。
それから私は最低限食いつなぐことだけができる程度の仕事を探すと早々に移ることにした。
私が今ここでできることは大抵どんな人にだってできるであろう。
私という立場はこれ以上私が留まる必要もないだろうから誰かに譲れば良い。
私は新たな立場を立ち上げて、それを私とすることにしよう。
そうすることが「流される人生」の始まりなのである。
「時を計る」と書いて時間を等分することはできても月日を対等に並べることはできないのだ。
だから誰がいつどこで誰と何をしてようがそれを「人生」という言葉でまとめることはできてもそれを細分化することはできないのだ。
時計という機械に見られる一見平等な時間の区切りの中にいる我々はあたかも生きているようで生かされているのだ。
ある時から私も「生かされる人生」ではなく「流される人生」に憧れを抱くようになった。
その存在を知って以来の私はというと未来に期待を抱く他なかった。
たった一度でも取り憑かれてしまえば、どうして心に留めておくことを許さないのだろうか。
口に出さなくても行動に現れるようで私を見る私を含めた人々は好奇心を通した目で私を見るのであった。
それから私は最低限食いつなぐことだけができる程度の仕事を探すと早々に移ることにした。
私が今ここでできることは大抵どんな人にだってできるであろう。
私という立場はこれ以上私が留まる必要もないだろうから誰かに譲れば良い。
私は新たな立場を立ち上げて、それを私とすることにしよう。
そうすることが「流される人生」の始まりなのである。
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