日本語教師日誌2

藤堂Máquina

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9月12日(土)

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9月12日(土)

翌日記
この日の授業は4つ。
午前にプライベートが2つ。
午後に現地の学校が2つという内訳で、計5時間半である。
朝の一つめは9時からで、ノルウェーの学生である。
時々自分で日本語の勉強をしているようで、最近「私必要か?」とも思ってきているのだが、学生が予約をくれる以上、こちらも100%の授業をしなければならない。
この日のテーマは読解で『浦島太郎』を一緒に読んだ。
これは読解教材の中から選んだものであり、比較的簡単な語彙からなるものである。
過去に私も御伽草子から簡単な現代語訳し、和歌などを省いたものを作成したが、それよりもはるかに簡単なものである。
簡単ゆえに最後は私の知っているものとは違っていたが、伝承など変わっていくもののためそれについては問題ない。
元の資料は現存されており、国会図書館のホームページでも閲覧できるためよかったら読んでみると良い。
学生に読んでもらい、分からない語彙を解説する形で授業を進めたが、いくつかの単語と固有名詞を除いては止まらずによめた。
大したものである。
元々日本に行き、なんとなく日本語や語彙はわかるものの、教科書は初めの数課しかやっていないため、文法的には難しいと思っていた。
そうは言ってもどこかしらで文法をかじっているのだろう。
私とて、スペインに関して文法の教科書は見るだけみたのでなんとなく理解できる。
しかし、語彙が少なかったりするため、子供向けの物語でもスムーズに読むことができない。
そういう点で学生の読解は優れているように思えた。
学生の感想としては、まず亀を虐めている子供たちが嫌いということだった。
非常にシンプルである。
更に次のページで浦島太郎が亀を助けた時には非常に嬉しそうで、あたかも物語が終わったかのような安堵であった。
んな訳ない。
物語が終わってどうする。
まだ3ページか4ページ目である。
ここで終わったら竜宮城で待っている乙姫様やご馳走に申し訳ない。
そのためその先もしっかり読むように言った。
それから他の感想としては、なぜ竜宮城で100年も経ってしまったかというところである。
そんなことはこっちだって知りたい。
説としては「竜宮城のあるところが宇宙で時間の進みが違った」とか「亀がタイムマシンだった」とかいくらでも考えられるが、真相は知らない。
ファンタジーだと捉えていただくほかない。
飽くまで物語なのだ。
どちらかと言うと、断りもなく家族を残して数日でも竜宮城に滞在してしまった浦島太郎の神経の方を疑うが、それにも触れないでおく。
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