放浪記-ラドラダ

藤堂Máquina

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2日目

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2日目

この日の起床は7時半頃。
うっすらとは起きていたものの、起こされる形だった。
うっすらと起きていたのは理由があって、それは別に暑かったからという訳ではなくて、早朝に猫が騒いだからである。
あれは多分6時くらいのことである。
ここの家族の何人かは起きていて、それで作業をしていたのだ。
その作業というのはこの猫が関係しており、猫が悲鳴を上げたのだ。
回りくどく書いてもしょうがないので、シンプルに書き記すと、要するに猫にシャワーを浴びさせたのだ。
そりゃ騒ぐだろう。
昨今の疫病のせいで、猫まで清潔を強いられていると言う訳だ。
別に家にいる分にはシャワーなんてなくてもいいのだが、時折抜け出すことがある。
こう状況になる前は、自由に外に出ていたらしいのだが、最近はドアを開けたままにせず、基本的には敷地から出ないようにしている。
今回は前日の夜、我々が買い物に出た際、車を入れるほんの一瞬の隙をついて外へ出たのだ。
それで今朝シャワーを浴びさせられていたと言う訳である。
可哀想だが、家族の方針だ、仕方ないことである。
たとえそれが望んで家族になった訳ではなくても、ご飯をもらって生活している以上はきっと我慢しなければならない部分もあるのだ。
それで朝からニャーニャーニャーニャー悲鳴をあげていたのだ。
前日に聞かされていたことのため、薄々気づいていたが、私が起きたところでどうにもならないため、猫には悪いが私はそのまま8時まで寝続けた。
それからその時間に起こされるまでは時に何も起こっていない。
8時になるとみんなが起きているため、私も起きる。
まだ寝ている家族もいるらしいが、余所者は規則に従わなければならない。
私は朝食をいただくと、2回の一部を借りて仕事を始めた。
この日は日本語教師として、オンラインの授業が2つあったため、少し早めに準備をしたかったのだ。
ここの家にもWi-Fiはあるが、回線の速度や授業に適した場所を探したかったのだ。
当然パワーポイントは作ってあるため、改めて準備することはない。
仮に今日の分を忘れていても、進んでいるクラスの時に作ったものを引っ張ってくればいいだけだ。
それぐらいには準備は周到である。
因みに次の火曜日の分もできているため、多少のトラブルは問題なくこなせるようになっている。
書き忘れていたが、到着したのが金曜日で、帰る予定は火曜日の昼間のようだ。
これを書いているのが日曜日だから予定では明後日である。
ここに来たからと言って、生活がそれほどに変わる訳ではない。
授業を火曜日の現地のものまで入れていないため、のんびりしているのは事実だが、別に前から他人の家にいるため、振る舞いとしてはあまり変わっていない。
昨日の日記にも書いたが、スペイン語を使う機会は増えたため、嫌でも上達しているとは思う。
特に小さい女の子が時々一生懸命話しかけてくるため、分からないと申し訳なくなってくる。
そのためいつもの数倍頭が働いているような気すらする。
夜に気温が少し下がり、その延長で午前もそれほど気温が上がらなかったため、ついでに先のパワーポイントを少し作った。
と言ってもあと1ヶ月でその学校は辞めるのだ。
どのくらい役に立つのかは知らない。
12月に入ったら今までの復習に力を入れたいと思っている。
授業の準備をしていると中庭から声がした。
覗き込むと下で私を呼ぶ声がする。
なにかと思いそこへ行くと、どうやらバーベキュー的なものをするらしい。
炭を焼いたり、台を拭いたりと、色々準備をしている。
そうなれば私も何かしなければならない。
私は手順等をよく知らないため、とりあえず飲み物を準備したり、皿を並べたりと雑用をこなした。何時から準備を始めたかは覚えていないが、1時を過ぎても食べ始めることができなかったため、少し困った。
というのも授業が2時から始まるのだ。
それは前日に伝えてあり、家の人も了承済みであった。
それで肉が焼き上がるとはじめに多くいただいた。
それから肉を焼くのを手伝ったり、なんやかんやしているとあっという間に2時に近いた。
それで私はすぐに予定の場所に戻ると授業を開始した。
授業はボゴタでするよりもずっとやりにくかった。
30分の休みがあるものの、2コマ各2時間だ。
暑い中で疲れない訳がない。
涼しくても疲れるのだ。
終わる頃には喉が渇き切っていた。
冷房のある部屋を使わせてもらっていたが、音がうるさかったので切ったのだ。
それにそもそも冷房はあまり好きではない。
不便な体である。
終了時間は6時半だったのだが、1コマ目にトラブルがあった。
多分日本語とスペイン語の解釈の違いであり、私としては大きな問題ではないと思ったが、学生がオープンのところで話したため、それを見た学校側が大事にした。
次の授業で話し合えばいいと言ったのだが、学校がそれを許さなかった。
私の経験上、第三者が関与して、良くなったことなどない。
むしろ話がこじれて面倒くさくなってばかりである。
それで嫌だったのだが、私の2コマ目が終わった後にミーティングをするようなことを言っていた。
私の2コマ目が終わる時間にしたのは私の参加を促す意味があったのだろうが、私は参加しなかった。
もちろん直接的な参加要請が来れば仕方なく参加したのだが、私に向けて書かれたものが見当たらなかったため、私はそれに関わらなかった。
授業の問題は授業で解決するべきだと思うのだ。
それが「言語学」ではなく「日本語教育」という所以だと思う。
そのクラスの授業はあと3回のため、仮に嫌な印象を持たれても仕方ないかとは思う。
嫌な気持ちのまま終わるのは私も嫌だが、腹は括らなくてはならない。
嫌なことを考えているのも嫌なので私は寝ることにした。
晩御飯を食べなかったため、翌日の朝は空腹で少し大変だったが、それは明日の分に書くことにする。
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