23 / 25
ひねくれもの23
しおりを挟む
翌朝の私は思ったよりは元気だった。
私の感情は殆ど一過性で、大抵のことは一晩眠るとリセットできる。
昨日の震えも収まり、約束の刻限までに会社に行った。
私は社長室まで通され話をした。
諸悪の根源はこの社長の横暴である。
勿論それに従ってきたコロンビア社員や反抗してこなかった日本人たちにも問題はあると思っている。
だが彼らにも生活があることを考えると、割り切って働いている彼らを悪者にはできない。
私が社長室にいたのは30分程度である。
全て録音を残しているため私が来たことも、私が正式に辞めたことも証拠として残っている。
おかしな主張をされた時には自分で弁護士のところへ行けばいいと、そう臨んでここにいる。
もっとも社長の声を聴くだけで私の体にはストレスがたまるような、寒気がするような、アレルギー反応のようなものが起こるため、二度と再生したいとは思っていない。
話し合いはまず私の退職届の提出から入った。
思いのほかすんなり受け入れられた。
多分私がもう思い通りに動かないと知ってあきらめたのだろう。
それからビザを停止させるからできるだけ早く国から出るように言われた。
もう停止させた後らしい。
私は早めに航空券をとるが最短でも一週間後であると伝えた。
そこで何も言われなかったために実際のところ停止させているのかはわからない。
後になって大使館で聞いたところ、そう簡単に停止できるものではないとは言われたが、そこのところは大使館でも詳しくはわからないそうだ。
それから私の持っている携帯を返却するように言われた。
携帯は給料の支払いから引いてもらう約束で、自分のもののはずだったが、渡すように言われた。
ここで余計な揉め事を起こしてもしょうがないと思い、それは素直に渡すことにした。
その時に数えてはいないものの、まあまあな金額を渡されたため、中古で売ったことにして割り切った。
その時のその月のそれまでの給料も渡された。
その代わりに私にかけられていた保険代を払うように言われた。
確かに私は何回も病院へ行き、注射や点滴なども受けたが、それは会社の給料から支払われていたはずだった。
私は書類を見ると、確かに私の名前が印刷されていたが私のサインはなかった。
多分私の許可なしに勝手に加入したものなのだろう。
私は書類だけ受け取るとそこで形式的なものは終わった。
「他に何かいうことはないか」と言われ、何もないのもおかしいと考えて、あまり他の社員をいじめるなと伝えた。
すると社長は泣きながら「私たちのしていることは正しい、仕事は困っている人たちのためにしている、周りに頑張っている人がいるのにちょっと辛いからって辞めるのはおかしい、あなたのような人はきっとどこに行っても仕事が続かない、私はあなたを許さない」と言われた。
社長はコロンビア人で、日本語はカタコトの部分があるもののほとんどそのようなことを言った。
私は呆れて何も言えなかったが、本当に頭がおかしいことだけはわかった。
それから出て行けと言われるとおりに出ていくとそこで全て終わった。
終わりにできたのは私の力かもしれないし、そうでないのかもしれない。
しかしその時は結果に安堵していたためにどっちでもよかったのかもしれない。
私の感情は殆ど一過性で、大抵のことは一晩眠るとリセットできる。
昨日の震えも収まり、約束の刻限までに会社に行った。
私は社長室まで通され話をした。
諸悪の根源はこの社長の横暴である。
勿論それに従ってきたコロンビア社員や反抗してこなかった日本人たちにも問題はあると思っている。
だが彼らにも生活があることを考えると、割り切って働いている彼らを悪者にはできない。
私が社長室にいたのは30分程度である。
全て録音を残しているため私が来たことも、私が正式に辞めたことも証拠として残っている。
おかしな主張をされた時には自分で弁護士のところへ行けばいいと、そう臨んでここにいる。
もっとも社長の声を聴くだけで私の体にはストレスがたまるような、寒気がするような、アレルギー反応のようなものが起こるため、二度と再生したいとは思っていない。
話し合いはまず私の退職届の提出から入った。
思いのほかすんなり受け入れられた。
多分私がもう思い通りに動かないと知ってあきらめたのだろう。
それからビザを停止させるからできるだけ早く国から出るように言われた。
もう停止させた後らしい。
私は早めに航空券をとるが最短でも一週間後であると伝えた。
そこで何も言われなかったために実際のところ停止させているのかはわからない。
後になって大使館で聞いたところ、そう簡単に停止できるものではないとは言われたが、そこのところは大使館でも詳しくはわからないそうだ。
それから私の持っている携帯を返却するように言われた。
携帯は給料の支払いから引いてもらう約束で、自分のもののはずだったが、渡すように言われた。
ここで余計な揉め事を起こしてもしょうがないと思い、それは素直に渡すことにした。
その時に数えてはいないものの、まあまあな金額を渡されたため、中古で売ったことにして割り切った。
その時のその月のそれまでの給料も渡された。
その代わりに私にかけられていた保険代を払うように言われた。
確かに私は何回も病院へ行き、注射や点滴なども受けたが、それは会社の給料から支払われていたはずだった。
私は書類を見ると、確かに私の名前が印刷されていたが私のサインはなかった。
多分私の許可なしに勝手に加入したものなのだろう。
私は書類だけ受け取るとそこで形式的なものは終わった。
「他に何かいうことはないか」と言われ、何もないのもおかしいと考えて、あまり他の社員をいじめるなと伝えた。
すると社長は泣きながら「私たちのしていることは正しい、仕事は困っている人たちのためにしている、周りに頑張っている人がいるのにちょっと辛いからって辞めるのはおかしい、あなたのような人はきっとどこに行っても仕事が続かない、私はあなたを許さない」と言われた。
社長はコロンビア人で、日本語はカタコトの部分があるもののほとんどそのようなことを言った。
私は呆れて何も言えなかったが、本当に頭がおかしいことだけはわかった。
それから出て行けと言われるとおりに出ていくとそこで全て終わった。
終わりにできたのは私の力かもしれないし、そうでないのかもしれない。
しかしその時は結果に安堵していたためにどっちでもよかったのかもしれない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
先日、恋人が好きじゃなくなりました。
さとう たなか
エッセイ・ノンフィクション
同性の恋人にふられた作者が、相手に振られた直後PCやノートに打ち殴り書いた文章です。
なぜだか語り口調です。
記憶がないので理由が説明できません(笑)
最近、我を取り戻し見直してみた所、相当病んでいたのか、大量に文章があったので、これはもったいないなと、思ったのでメモとして残すことにしました。
相手の名前は伏せて、その時書いたものをそのままにしております。
情緒不安定でイタい仕上がりになっておりますがご了承ください。
~私の恋愛記録~ 私ってロマンティック・アセクシャルですか??
はに
エッセイ・ノンフィクション
※再投稿中※
毎日更新
※全てのロマンティック・アセクシャルの方が同じように感じているわけではありません、
こういうパターンの人もいるんだなぁという感じで読んでいただけると嬉しいです。
私は、恋愛感情はあるけど性欲がありません、
もしかして、ロマンティック・アセクシャル?
気づくまでと、気づいてからの、恋愛記のようなもの。
"人と違うのは仕方ない"
とある少年の入院記録
Cazh
エッセイ・ノンフィクション
高校二年の秋——うつ病の僕は入院することとなった。
この日記は、僕の高校生活の中にある空白の三週間を埋めるピースである。
アイコン画像提供
http://www.flickr.com/photos/armyengineersnorfolk/4703000338/ by norfolkdistrict (modified by あやえも研究所)
is licensed under a Creative Commons license:
http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/deed.en
猫を救え! ~死神と守神の可憐な子猫争奪戦~
冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
まだ生後3か月の月ちゃんが、猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症しました。
防ぐことも治すことも困難な、致死率100%の病気として愛猫家に恐れられてきたFIP。
診断後の生存期間中央値は、わずか9日間…。
これでもかと月ちゃんに迫りくる死神。
なんのと立て続けの奇跡を起こしてくれる神様。
どういう確率でこんなことが起きるんだという、ものすごい経過を経て、
FIPの猫を寛解させた実績のある動物病院に辿り着きました。
最善は尽くしました。
あと、飼い主にできることは、高額な治療費を工面し、祈ることのみ――
依存性薬物乱用人生転落砂風奇譚~二次元を胸に抱きながら幽体離脱に励む男が薬物に手を出し依存に陥り断薬を決意するに至るまで~
砂風
エッセイ・ノンフィクション
未だに咳止め薬を手放せない、薬物依存症人間である私ーー砂風(すなかぜ)は、いったいどのような理由で薬物乱用を始めるに至ったのか、どういう経緯でイリーガルドラッグに足を踏み入れたのか、そして、なにがあって断薬を決意し、病院に通うと決めたのか。
その流れを小説のように綴った体験談である。
とはいえ、エッセイの側面も強く、少々癖の強いものとなっているため読みにくいかもしれない。どうか許してほしい。
少しでも多くの方に薬物の真の怖さが伝わるよう祈っている。
※事前知識として、あるていど単語の説明をする章を挟みます。また、書いた期間が空いているため、小説内表記や自称がぶれています。ご容赦いただけると助かります(例/ルナ→瑠奈、僕→私など)。
プリキュア語り デリシャスパーティ♡プリキュア
九情承太郎
エッセイ・ノンフィクション
「デリシャスパーティ♡プリキュア」を視聴した感想を、ゆるくまったりとエッセイします。
※他の投稿サイトでも公開しています
表紙は、画像生成AIで出力したイラストです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる