捻くれ者

藤堂Máquina

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ひねくれもの20

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また次の祝日もそうだ。
六月の最後の週の月曜日、祝日があった。
その日は職場の元スタッフのAという日本人に誘われて遊びに出かけた。
以前から日本語を勉強しているコロンビア人と日本人の交流があったらしく、そこに参加させていただく形であった。
集まったのは昼頃、韓国人の年配の女性がオーナーをしているお店であり、アジア系の料理を提供していた。
集合すると既に五人ほど集まっていた。
私はラーメンを頼んで席に着くと、そこにいた人たちに自己紹介をした。
初めて会う人たちばかりだったがお気楽で気のいい連中だった。
皮肉を言った訳ではない。
そのくらい私がおかしかったのだ。
ラーメンは注文してからかなりの時間を要してから届いた。
時間がかかったのにインスタントで、多分日本じゃ売り物にはならないようなものであった。
各々が注文したものを食べ終わると近くのショッピングモールのような複合施設に移動した。
目的は最上階のボーリング場であった。
歩いて15分ほど、小雨が降っていたが、気にする者は誰もいなかった。
それから一時間半ほど予定通りそこにいたのだと思う。
最初にご飯を食べたメンバーよりもずっと人数が増えていたために結局何人いたのかはわからない。
5,6人ずつに分かれ、それぞれのレーンでボーリングをした。
私はそれが得意という訳ではなかったが、コロンビア人の中には初めての人もいたために緩く楽しくプレーできた。
それが終わると帰る人と残る人に分かれ、残った人はバーでサッカーの試合を観た。
その日はちょうど日本とエクアドルの一戦があった。
残ったメンバーは皆日本を応援していたのだが、後から聞いた話では世間のコロンビア人の多くがエクアドルを応援していたそうだ。
理由は簡単でエクアドルの監督がコロンビア人だったためである。
それは理由としては当然で、外国のチームの監督を日本人がしていたらなんとなく応援してしまうだろう。
ナショナリズムというやつだろうか。
それでも私の周りの人々は暖かかった。
試合が終わると解散し、私は再び翌日からの仕事に備えるだけであった。
確かに友人は増えたのかもしれないがそれもいいことばかりではないような予感も確かにしていた。
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