ひと夏の思い出

もっちゃん

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第二話

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夏休み中なので、渋滞しているかと思ったが、すんなりと自然生態園についた。

「ついたぞ」と言った瞬間、息子はいち早く虫取り網と虫籠むしかごを持って車から飛び出して行った。

駐車場から園内に入ると、いままで車で通り過ぎた街並みと別世界が広がっていた。

園の横に神社があるかもしれないが、空気も山奥に来たような風景で、草原や湿地帯や川、森があり日本人の原風景がここにはあった。


「パパ、早く行こう」

息子が私の手を握ってきた。

「はいはい、今日は何匹捕まえる?」

「いっぱいー」

笑顔でいい返してきたので、いい笑顔いただきましたーと思わず写真を撮ってしまった。

「パパ、まだ何も捕まえてないのに写真撮るの早いよ」

息子にツッコミを入れられてしまった。

蝉の鳴き声も聞こえる中、気の幹にカブトムシやクワガタなどが結構いて、他の子供たちも捕まえていた。

私はちょっと離れた所で、息子を見ていたが、汗をかきながら必死になってなんとか、カブトムシ一匹捕まえたのが見えた。

「おー捕まえられたかー」

「うん、なんとかちょっと小さいけど」

残念なそうな顔で私に近付いて来た。

私は捕まえた記念に写真を撮りたかったが、笑顔じゃなかったのでまたの機会にしよう。

「どうするザリガニ釣りもできるけど」

「いい、ワークハウスいく!」

かけだして行くので、私も小走りでに向かった。

ワークハウスは小さくても立派なログハウス的な建物で、中に入ると、昆虫の標本や昆虫についての本がいろいろあって、息子が昆虫の本を一生懸命に読んでいた。

そういえば、妻がおにぎりを2人分作ってくれたを忘れていた。

「お昼ご飯ママが作ったけどどうする?」


「わかった、今食べるよ」

読んでいた本を棚にしまって、どこで食べようかなと2人で話していた。

園内で東屋があったが、見に行くと他の家族で満員だったので、外は暑いので車の中で食べることにした。

おにぎりは、私はサケで息子は昆布だ。
さすが妻は2人の好物をよくわかっている。私も息子も美味しくいただいた。

「そろそろ帰るか?」

「うん、今日は楽しかった、また来たいなー」

嬉しそうに捕まえたカブトムシを眺めていた。

帰り道、車を運転していたらさっきまで後ろで、声がしていたのに急にしなくなったと思ったら、いつのまにか息子がすやすや寝ていた。

今日はいっぱい動いたからなーと、ルームミラーから目を離すと目の前に大型トラックが‥‥‥

 「えっ!」

『ドーーーーーン』

すごい爆音とともに意識を失った。

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