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運び屋

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「はぁー、何でこうなったんだろう」

私こと長谷川白龍はせがわはくや35歳は今、刑務所にいる。

なぜ刑務所にいるかって?
それはこういう理由さ。
私が言うのは説得力がないかもしれないが仕事はちゃんとした会社を選べよ。
      ◇
2年前

私は運送業をしている。最近簡単な仕事で荷物を運ぶだけで他の会社より倍の月収が!という案内のチラシが自宅のポストに入っていたから、今働いている四台運送したいうんそうに入社した。

何か特殊なものを運ぶとチラシの下の方に小さく書いてあったが気にしなかった。

上司から最新のマネキンを港の倉庫に運ぶ単純作業だと知らされた。

最初はリアルなマネキンだと驚いたが、中にはちょっと動いた感じがしたマネキンもあったが、何体も運んで行くうちに何とも思わなくなっていった。

数ヶ月したら、ちょっと焦った表情の社長が今日で会社は廃業だと言われた。

君に最後のマネキンを港に運んでくれと言われ、いつも通り倉庫に運ぼうとトラックにマネキンを載せて、倉庫に向かった。

倉庫に着くと、パトカーが何台も止まっていた。
「なんかあったんすか?」
私が警察官に訊いてみると

「君!トラックに四台運送したいうんそうと書いてあるが社員なのか?」

「あっ、はい!そうですが‥」

「そうか、ちょっと署に来て貰おうか」

「えっ!何でですか?」と驚く私。

「君、何にも知らないでこの会社で働いているのかい?」

「はい、給料が良かったから‥」

「本当に?嘘ついていない?」

「はい、荷物を運んでいるだけです」

その後、その場でいろいろと聴かされた。
そこで、初めて勤めている会社がヤバい会社だったことを知った。


あなたの運んでいたのは、人体実験に使われている【本物の人】ですよと。
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