3 / 4
3話
しおりを挟む「おい.....お前。なんでここに居るんだ」
塾から帰り、自室に戻るとそこにはつい数時間前に見た顔があった。というかデジャヴを感じる
「おかえりうみくん。布団、温めておいたよ♡」
「余計なお世話すぎる」
俺のベットにゴロゴロと転がりながらスマホをいじる坂木唯人。
「というかお前、なんで居んの。」
「あー。おばさんに通してもらった。うみくんに勉強教えるって言ったら喜んで入れてくれたよ。」
最悪だ、どうやら母は坂木の味方らしい。
親を恨んでいると、急に坂木が接近してきた
「今日さ、なんで置いてったの・・・?凄く悲しかったよ」
恐らく飲食店でのことを言っているのだろう
「おまえめそめそ泣いてただろう、高校生男子のマジ泣きはキツイすぎ。正直隣にいたくなかった」
「ひどい」
「というか、お前はいつまでここに居るんだ。」
そろそろ帰れ、と念を送っていたら急に ふ、と坂木の表情が変わった。それも一瞬のことで、直ぐにあの気に食わないいつもの顔に戻った。
「そうそう!すっかり忘れてたよ。うみくんの大学の話。僕ホントに何も聞いてなかったんだよ。うみくん、どのに行くの?」
行く気満々なのが怖い。
「大学の名前なんて言うわけないだろ。ついでに親にも口止めしてるから、諦めろ」
「.........」
泣いた
「おま、お前なあ、そんなんで泣くなよ。言っとくけど上京の原因はお前のせいだからな。いつもうみくんうみくんうみくんうみくんうみくん!正直うっざい。うみくんノイローゼになりそうだよ!」
「ふえっ.・・・・・・・僕のせい?」
「..........ああ、お前のせいだ」
「・・・・・そっかあ...えへへ、僕のせいかあ」
急にニヤニヤしだした
「いだっ 何するの!!」
「いや......気色悪すぎてつい...」
涙目になりながら頭を押さえる姿もあざとく見えて余計キモさが増す
暴力反対!と泣きながら訴える坂木を無視して俺は自分の椅子に腰をかけた。
「え....うみくん.....?またまお話終わってませんけど...」
信じられないというような目をしてらこちらを見つけてくる坂木。信じられないのはこちらだ
「いやもう終わっただろ.....この話はおしまい。俺はとにかく都会の方の大学行くから、お前は地元で女の子たちとキャッキャウフフしてろ。顔は良いんだから」
「ありがとう....じゃなくて!」
必死に訴える姿を横目で見ながら俺は塾の復習をしようとテキストを開いた
「さあ、帰った帰った」
動物を追っ払うようにしっしっと手をやると坂木はじとっとした目をしながら渋々帰ってった
坂木が帰っていき、自室はしんとした空気になる。
めちゃくちゃ落ち着く
❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥
(ああもうクソ...油断してた。まさか諦めていなかったなんて。大丈夫だようみくん、僕たちはずっと一緒だからね....♡)
21
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説


蔑まれ王子と愛され王子
あぎ
BL
蔑まれ王子と愛され王子
蔑まれ王子
顔が醜いからと城の別邸に幽閉されている。
基本的なことは1人でできる。
父と母にここ何年もあっていない
愛され王子
顔が美しく、次の国大使。
全属性を使える。光魔法も抜かりなく使える
兄として弟のために頑張らないと!と頑張っていたが弟がいなくなっていて病んだ
父と母はこの世界でいちばん大嫌い
※pixiv掲載小説※
自身の掲載小説のため、オリジナルです

悪役令息は断罪を利用されました。
いお
BL
レオン・ディーウィンド 受
18歳 身長174cm
(悪役令息、灰色の髪に黒色の目の平凡貴族、アダム・ウェアリダとは幼い頃から婚約者として共に居た
アダム・ウェアリダ 攻
19歳 身長182cm
(国の第2王子、腰まで長い白髪に赤目の美形、王座には興味が無く、彼の興味を引くのはただ1人しか居ない。

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する
知世
BL
大輝は悩んでいた。
完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。
自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは?
自分は聖の邪魔なのでは?
ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。
幼なじみ離れをしよう、と。
一方で、聖もまた、悩んでいた。
彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。
自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。
心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。
大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。
だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。
それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。
小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました)
受けと攻め、交互に視点が変わります。
受けは現在、攻めは過去から現在の話です。
拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。


それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「本当に可愛い。」
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」

平凡くんと【特別】だらけの王道学園
蜂蜜
BL
自分以外の家族全員が美形という家庭に生まれ育った平凡顔な主人公(ぼっち拗らせて表情筋死んでる)が【自分】を見てくれる人を求めて家族から逃げた先の男子校(全寮制)での話。
王道の転校生や生徒会、風紀委員、不良に振り回されながら愛されていきます。
※今のところは主人公総受予定。

嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる