今度こそ幼なじみから逃げられると思ったのに!

枝豆

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3話

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「おい.....お前。なんでここに居るんだ」

塾から帰り、自室に戻るとそこにはつい数時間前に見た顔があった。というかデジャヴを感じる

「おかえりうみくん。布団、温めておいたよ♡」

「余計なお世話すぎる」

俺のベットにゴロゴロと転がりながらスマホをいじる坂木唯人。

「というかお前、なんで居んの。」

「あー。おばさんに通してもらった。うみくんに勉強教えるって言ったら喜んで入れてくれたよ。」

最悪だ、どうやら母は坂木の味方らしい。
親を恨んでいると、急に坂木が接近してきた

「今日さ、なんで置いてったの・・・?凄く悲しかったよ」

恐らく飲食店でのことを言っているのだろう

「おまえめそめそ泣いてただろう、高校生男子のマジ泣きはキツイすぎ。正直隣にいたくなかった」

「ひどい」

「というか、お前はいつまでここに居るんだ。」

そろそろ帰れ、と念を送っていたら急に ふ、と坂木の表情が変わった。それも一瞬のことで、直ぐにあの気に食わないいつもの顔に戻った。

「そうそう!すっかり忘れてたよ。うみくんの大学の話。僕ホントに何も聞いてなかったんだよ。うみくん、どのに行くの?」

行く気満々なのが怖い。

「大学の名前なんて言うわけないだろ。ついでに親にも口止めしてるから、諦めろ」

「.........」

泣いた

「おま、お前なあ、そんなんで泣くなよ。言っとくけど上京の原因はお前のせいだからな。いつもうみくんうみくんうみくんうみくんうみくん!正直うっざい。うみくんノイローゼになりそうだよ!」

「ふえっ.・・・・・・・僕のせい?」

「..........ああ、お前のせいだ」

「・・・・・そっかあ...えへへ、僕のせいかあ」

急にニヤニヤしだした

「いだっ 何するの!!」

「いや......気色悪すぎてつい...」

涙目になりながら頭を押さえる姿もあざとく見えて余計キモさが増す
暴力反対!と泣きながら訴える坂木を無視して俺は自分の椅子に腰をかけた。

「え....うみくん.....?またまお話終わってませんけど...」

信じられないというような目をしてらこちらを見つけてくる坂木。信じられないのはこちらだ

「いやもう終わっただろ.....この話はおしまい。俺はとにかく都会の方の大学行くから、お前は地元で女の子たちとキャッキャウフフしてろ。顔は良いんだから」

「ありがとう....じゃなくて!」

必死に訴える姿を横目で見ながら俺は塾の復習をしようとテキストを開いた

「さあ、帰った帰った」

動物を追っ払うようにしっしっと手をやると坂木はじとっとした目をしながら渋々帰ってった
坂木が帰っていき、自室はしんとした空気になる。


めちゃくちゃ落ち着く




❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥




 
(ああもうクソ...油断してた。まさか諦めていなかったなんて。大丈夫だようみくん、僕たちはずっと一緒だからね....♡)
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