異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう

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#86 身バレの危機

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「なるほど、なるほど。それなりの実績を持っている者ばかりということか。それならどうしてまたあんな真似を……まあ事情は聞かないでおこう。おっと、部屋だったなぁ。ついてきな」

 プルマ副長は歩き出す。
 奥の方には同じような隊舎があと五つ並んでいる。

「この第一傭兵大隊は第一小隊から第六小隊まであってね。それぞれの小隊はそれぞれ六班に分かれている。班は六名で構成され、部屋も一緒だ。メリアンたちは第一小隊第五班だ。最近ちょうど四名欠員が出てね。ちなみに、大隊隊長に挑戦する権利があるのは、第一傭兵大隊第一小隊の各班長六名だけだ」

 一班六名で一小隊は三十名、十進だと小隊は三十六名で大隊は二百十六名か。
 それがどのくらいの規模なのかわからないが、その「隊長に挑戦する権利」ってのは何だろう。

「なんで挑戦するかって顔だね? ここの傭兵大隊はね、戦争の噂がしょっちゅう出るものの実際に戦争が勃発することは滅多にない。その息抜きだとでも思ってくれ。魔獣が出ればその討伐の任が与えられるが、そうしょっちゅう出てきてくれるものでもない。まあ、格が上がれば給金も上がるし、定期的な実戦を参加することで勘も鈍らせずに済む。ただし、大隊隊長とは言っても、戦術的な指示は私が行うがな」

 実戦?
 今、実戦って言いました?
 一気に不安が膨らんでゆく。

「そうそう。名前はどうすんだ? ラビツとかロブストとか名乗るのは自由だが、もし変えるんなら班に参加する前にしてくれよ、メリアン?」

「なんだい。そんなメリアンって呼びたいのかい。それならあたしはメリアンでいいよ」

 メリアンの答えにプルマ副長はなんだか嬉しそうだ。推しを見る目ってやつ。
 二つ名を持つような傭兵だと、固定ファンが居るんだな。

「さて。ここが君らが所属する第一小隊の隊舎だ」

 六つある隊舎の、門から一番遠いのが第一小隊用。
 入り口の扉を開けると真正面に伸びる廊下。
 廊下には左右に扉が三つずつ。

「突き当りは便所になっている。ここでは男女は別れていないが、揉め事が起きても決着は強い方が正しい。これは覚えておけ」

 傭兵部隊ってそういうものなの?
 メリアンとラビツたちからの直前傭兵研修は主に実践的な技術ばかりで情報的なものは全くなかったな。
 軍隊とか傭兵とか、そもそもそういう事前の知識がないので、とりあえずはここのルールを覚えていくしかない。

「で、ここが第五小隊だ」

 プルマ副長が立ち止まったのは、通路左側の一番奥の扉。
 トイレが近いせいか、ここでもけっこう臭う。掃除の行き届いていない公衆便所臭というか。

「第一小隊第五班、入るぞ!」

 プルマ副長が扉を開けると、中では白い頭の二人が立って待っていた。

「よっ。俺はパリオロムだ。よろしくな」

 一人は、猫種バステトッの先祖返り。
 毛並みは真っ白くてスノドロッフ村の人々を思い出すが、目は赤くない。
 まさかこの人もアルバスで、契約したレムールで赤目を隠していたり?

「ボクはオストレア」

 「牡蠣オストレア」――食材の名前を人の名前として付けるってのはリテルの記憶の中にも見つからない。
 ということは二つ名なのかな?
 見た目は鳥種ホルスッの先祖返り――真っ白いフクロウ顔。つぶらな黒目がち――なんだけど何か引っかかる。
 パリオロムもオストレアも、感情や行動を見せない偽装の渦イルージオを使っているからなのかもしれないが。

「あたしはメリアンだ。よろしく」

「あっしはファウンでやす」

「俺はテル。よろしく」

「僕はハトです!」

 偽名可ということで一瞬、トシテルと名乗りそうになったが、ルブルムとレムにしか教えていない名前を晒すのもアレかなと踏みとどまった。
 でもってリテルの名前をそのまま告げるってのもなんかリテルに申し訳ないし、かといって縁もゆかりも無い名前を名乗ったらとっさに反応できなさそうだし、リテルの後半部分だけ取って名乗ってみた。
 マドハトまでとっさに合わせてきたのには驚いたけど。
 どうにも見た目でペット感覚で接してしまっているが、マドハトの実年齢はリテルと同い年。
 消費命パーの扱いを練習をするようになってからはちゃんと色々な思考を巡らせるようになったみたいで、今みたいに「侮ってしまってゴメン」みたいな想いを抱くことが少なくない。
 そういや前にちらりと「ゴブリンだったときより頭がたくさん回るようになった」とは言っていたっけ。

「メリアンたちは入団試験を受けてないから、明日はその実力を見せてもらう。明日の夜明け頃に大きな鐘の音が鳴ったら、準備をして隊舎前に集合だ。集合時には班員六名揃っていること」

 俺とマドハトだけ「はい!」で、他の皆は「了解!」で答える。

「食料は各自配給されたものを工夫して食べるように。週に一度は大隊単位で揃って顔を合わせて食堂で食べるが、それ以外は部屋でな……ということで誰か二名……そうだな。メリアン、ハト、君ら分の食料を配るから取りに来てくれ」

「了解!」

 今度はマドハトも了解と答える。
 頼もしい。



「なぁ、あんたらヴォールパール自警団を名乗ったって本当か?」

 三人が出ていってすぐ、パリオロムが話しかけてきた。
 やっぱり気になるのはそこか。

「いや、俺は後から知ったんだよ。名前書いたのはメリアンだったからな」

 と答えるように、言われていた。

「メリアンで牛種モレクッの半返りであの筋肉と迫力って……噛み千切る壁だよな。本物か?」

「メリアンだけは本物だよ」

 それも言っていいことになっている。

「本当かよ! なんだい、噛み千切る壁の一流らしい冗談かい。それならそれで面白いな。しかもそのメリアンが仲間だなんて、いいねぇ。そしたら一班、二班も夢じゃないな」

「隊長だけじゃなく班にも入れ替わりがあるのか?」

 メリアンから敬語っぽい表現は使わないようにとも言われている。
 戦場ではまだるっこしいやりとりをしている間に戦局が動く。なるべく手短に、簡潔に、と。
 あと、敬称付けて呼んでくる奴は、その「面倒臭さ」が抜けるまで無視されるのが普通だと。

「ああ、新入りには説明しておかないとな。戦場に出ていないときは毎月末に模擬戦が行われる。ほら、明日ちょうど星の月、月夜週の最終日だろ。そこで各班の班長同士が模擬戦で戦い、入れ替わりが発生する。五班と六班が便所近くの部屋だ。さっき聞いた通り、飯は部屋で食うことが多いし、臭くて眠れないときもある。日々を快適に過ごすには模擬戦はけっこう重要なんだ」

「今の班長は、パリオロムとオストレアのどっちだい?」

「うーん。それはまあ……」

 パリオロムが苦笑する。
 すると、オストレアが俺に近づいてきた。

「前の班長を含む四人は、ボクを襲おうとしたから返り討ちにした。あいつらの棒を削ぎ落としてやったら、寿命提出して辞めていったよ」

 ボクとは言っているが、その体はめちゃくちゃスタイルがいい女性そのもの。顔は白フクロウだけど。
 いや、先祖返りへの言及は差別心とかじゃなく、おかげでより紳士でいられるというか。
 それに、やっぱりそういう輩が居るのか。
 レムやルブルムが傭兵にならなくて良かったなってホッとする。

「あはは。あんた、テルだっけ。すごいねぇ。今の表情、怯えるどころかホッとしたようにさえ見えたぜ?」

「そうでやすよ。テルの兄貴はあっしの自慢の兄貴でさぁ!」

「いやだからファウン、俺のこと兄貴って呼ぶのはやめてくれって」

「あはは。いいなぁ。テルは子分までいるのか。じゃあ、打ち解けたってことで二つ名を教えてくれるかい?」

 パリオロムはけっこうぐいぐい来る。
 が、真っ白い猫な顔に近づかれるのは思ったよりも悪くない。
 ハッタを飼っていたから犬は大好きなんだけど、実は猫も嫌いじゃない。
 俺をじっと見つめる瞳、レムールで偽装しているのかな。
 『アニマ感知』を使えばわかるだろうけど、ここで魔法を使ってもいいかどうかはまだ確認していないし、向こうが隠していることを暴こうとするのもよくないだろう。

(チガウ)

 ポーが俺に伝えてきた。
 そうか。レムールじゃないのか……となると、あの目は本物で、パリオロムはアルバスではないってことか。

「なぁなぁ、もったいぶらずにさぁ、テルぅ」

「二つ名持ちはメリアンだけだ」

「そうなのかい? 実力ありそうに見えるけどねぇ。ま、そのへんはおいおい……で、リテルは装備見ると、弓と斧? 狩人っぽい感じだね」

「兄貴を外見で判断しちゃいけませんや。なんせ兄貴はあのルージャグを」

「ルージャグってあのルージャグかい?」

 静観していたオストレアが話に加わってきた。

「あっしの得物えものは短剣で、ルージャグ相手には逃げるしかなかったんですがね、兄貴の弓は貫いたんでやすよ……もっともあっしはそこで意識を失って、そこから先は見ていないんですがね」

 カウダの麻痺毒は、体の自由はすぐに奪うが、意識が遠のくまでにはちょっと時間があったっけ。
 まあそのおかげで俺が毒を撃たれたときは『カウダの毒消し』を自分にかけることができたんだけど。

「ルージャグの硬い皮膚を貫く弓術か……それはすごいな」

 オストレアが普通に感心してくれる。
 この人、悪い人じゃない気がする。
 ただ、あんまり俺への期待が高まるのもアレだし、実績紋への登録した内容の通り、最終的にはメリアンやハトマドハトと協力して倒したのだと説明――しているところに、その二人、メリアンとマドハトが戻ってきた。
 だがマドハトが珍しく少し元気がなさげ。

「ハト、どうしたんだ?」

「テル様、臭いがすごいです。『うんちが鼻につく』をかけられたみたいです」

 ああ、犬種アヌビスッの先祖返りは、本物の犬には遠く及ばないものの普通の獣種に比べて鼻が利くんだっけ。

「明日、入れ替え戦で一班から四班のどこかに勝てば、便所から離れた部屋に替われるみたいだよ」

 あえてスルーしたが、語感からして『うんちが鼻につく』はゴブリン魔法っぽいな。
 しかし、オストレアは聞き逃してはくれなかった。

「かけられた、ってことは、魔術師との戦闘経験もあるってことか?」

「あるよ」

 メリアンが答える。

「それはありがたい。一班と二班には魔術師が居てね、団体戦になるといつも苦戦するんだ」

「団体戦になるとってぇこたぁ、個人戦になる場合もあるってことでやす?」

「あるある。大抵は班長同士の一騎打ちになるけどね。そういや、うちの班長はどうする? 噛み千切る壁が引き受けてくれたりするのかい?」

 パリオロムが期待に満ちた目でメリアンを見つめる。

「この臭いの中で飯を食わずに済むってんなら、班長とやらをやってもいいぜ」

 臭いについては、ロープとかで円を描いて『森の平穏』を使えば、臭いはそこを通り抜けては来ないのだが、この部屋みたいにすでに臭いがこもっている場合はいったん空気を入れ替えないといけないから面倒だな。
 それに今はまだ魔法を使えることを秘密にしておきたいし。

「臭いがきつかったら、訓練場に逃げるって手もあるぜ」

 パリオロムが苦笑いを浮かべる。

「テル、ハト、戦場で敵をぶった切るとな、腸もその中身も辺りにぶちまけるんだ。この程度の臭いには慣れといた方がいい」

 メリアンがそう言うものだから、俺もマドハトもその臭いの中で食事を取った。
 贅沢に燻製肉が挟んであるパンと、リンゴ。
 あえて鼻をつままずに食べたが――これはなんとしても勝ち上がりたいという気持ちが強まるな。

「弓の腕前、見せてもらいたいが、可能か?」

 食事が終わりかけた頃、オストレアが突然、俺に話しかけてきた。
 これは同じ班員として受けておいた方がいいのか?

「あっしも見たいでやす!」

「僕も見たいです!」

 ということで食後、なぜか全員で訓練場へと向かうことになった。



 訓練場とはいっても、利照おれが通っていた高校のグラウンドぐらいの広さの草原が一つ、その横にはそれよりもう少し広そうなこんもりとした森。
 既にとっぷりと暮れているので、森の方は真っ暗だ。
 双子月は昨日が新月だからか、本当に薄っぺらい三日月。
 草原にしたって、向こう側にある白壁の建物の屋上に篝火かがりびが焚かれてなかったら、広さすらわからなかっただろう。

「あの建物が大食堂だ。そして、草原のあちこちに立て札が立っているのは見えるか?」

 目を凝らしてみると、風に揺れる草原のおもてに篝火の光を隠すものがちらほらとある。

「幾つか、なら」

「あれ、狙えるか?」

 オストレアが指したのは、ここから七アブス約二十一メートルほどの距離にある立て札。
 生物ならば寿命の渦で明るいのだが、この暗さだとリテルの腕をもってしても自信がない。

「昼間なら」

「一射くらい試してくれよ。普通の矢で構わないから」

 普通の、というのはルージャグを倒したやつでなくていい、ってことだろう。
 ここで変に空気を読まずに辞退したら今後の傭兵生活に支障をきたすかもしれない。
 まずは腰を落として移動し、篝火を利用して影となる立て札の高さを把握して元の場所へと戻り、弓に矢を一本つがえる。
 弓を引き絞り、『魔力感知』を前方向へ絞り、感度を上げる――立て札があるであろう周囲だけ草が刈られているのを感じる。そこだけぽっかりと、草の寿命の渦コスモスが感じられないから。
 高さと距離はつかめた。草の揺れ方で風も把握した。
 あとは何度も『テレパシー』で復習した成功イメージを思い起こして、そしてリテルが日々鍛えてきた努力を信じて――放つ。
 矢が弧を描いて闇を裂く。
 トン、と軽い音がした。
 マドハトとファウンが競うように大きな音で拍手してくれる。

「へぇ、安心したよ」

 安心したのを偽装の渦イルージオには出さないように平然として、草原の中へ足を踏み入れ――ようとした俺の前にオストレアがスッと先を行く。

「ここには罠も仕掛けられている」

「ああ、だからところどころ草が刈り込んであるんだね」

 訓練場ってことは、何らかの障害が設置されていてもおかしくはない。
 生物的なものならば『魔力感知』で発見できるけど、機械的な罠とかだとちょっとわからない。
 それでも草の寿命の渦コスモスが極端に少ない部分に「何かありそう」ってとこまでは感知できる。

「なんだ、気付いてないわけじゃないんだね。でもまあ初日だ。ボクのあとをついてきて」

 俺に続こうとしていたマドハトに待つよう伝えてから、オストレアのあとを追う。
 その道すがら、草原の中に寿命の渦コスモスが少ない場所がちらほらと見える。
 立て札がない場所については、なんだろう。落とし穴でもあるのだろうか。

「『魔力感知』か『気配感知』かどちらかわからないけど、ちゃんとよく見ているね」

 オストレアが小さな声で語りかけてくる。
 他の人たちには聞かれたくないのか?
 ちょっとカマをかけてみようかな。

「こういう手段を取ったということは、他の人に聞かれたくない話でもあるのか?」

 俺も小さな声で。

「話が早くて助かるよ。さすがレムールを宿しているだけのことはある」

 さっき感じた違和感。
 オストレアは俺の左手を気にしていた。だからもしかしたらポーが見えているかもとは思った。
 ということは、もしかしてレムールとの契約者?

(イナイ)

 ポーの回答は「イナイ」。ただ、さっきのパリオロムのときの「チガウ」とは異なる表現ってのがちょっと気になった。

(カツテ、イタ)

 なんらかの痕跡をポーは感知できているのか。

(ケイヤクガ、ノコッテイル)

 レムールが地界クリープタに帰っちゃったってこと?

(マダイル。チカクニイナイダケ)

 訳ありなのは間違いないか。

「オストレアは見えているんだね」

「まぁ、ちょっとね」

 オストレアの寿命の渦コスモスは普通の鳥種ホルスッではあるが、感情や動きが反映されていないあたり偽装の渦イルージオだというのは間違いない。
 ただ今までの経験から、魔術師と戦士とでは偽装の渦イルージオが違うということはなんとなく感じていて、魔術師の偽装の渦イルージオの方が無駄に細かいというか、あえて例えるならば戦士の偽装の渦イルージオは粘土細工でイメージの形へうまくまとめているのに対し、魔術師のはフィギュアみたいにそれぞれの部位を作り込んで関節でつなげ、動くときにはその関節部分で動かしている、といった感じ。
 オストレアとパリオロムは魔術師っぽい偽装の渦イルージオに感じるんだよね。

 オストレアは比較的速度を抑えて草原の中を先行する。
 矢を当てた立て札はもう近い。
 となると多分余計な話をしている暇がない。
 集中して思考しろ。
 会ったその日にアクションを起こしたということ、さっきから色々と観察してきていること、そもそも食いついてきたきっかけがルージャグ討伐の話をした後だということ――となると、オストレアは何かしらの条件に合う者をずっと待っていた可能性がある。
 本来ならばそこまでわかった所でこちらから首を突っ込んだりなんてしないのだが、ただまあレムールを見ることができるってとこには引っかかるよね。

「そういや俺、オストレアと同じようにレムールを見ることができる人に会ったことがるよ」

 俺がそう言ったのは、フラマさんを思い出していたから。
 フラマさんは魔人の血が入っているからレムールを見れるのだと言っていた。
 だとしたら、オストレアも同様に?
 『虫の牙』を持つディナ先輩の仇敵につながる情報を持っている可能性がある。

 オストレアが突然、立ち止まる。
 俺の言葉に反応したからなのかどうかはわからない。
 彼女の前には草の寿命の渦コスモスが薄い場所があるから。

「ああ、そうだよ。そこに落とし穴がある」

 わっ、びっくりした。
 オストレアの突如大きめの声よりも、体の向きはそのままで頭だけ振り返ったことに。
 そういやフクロウが頭だけ後ろ向けるっていうの、元の世界でも見たことあったな――知識としては知っていても、急に目の前でやられるとかなりホラー。

「その人って鳥種ホルスッの半返りの女性?」

 続けて小声で尋ねてきた。
 オストレアの挙げた特徴は、フラマさんと一致する。
 魔人ハーフという存在のレアさを考えると知り合いじゃない方が不自然な気もするが、それでもオストレアとフラマさんが敵対している可能性も考えなくちゃいけない。
 言葉は選ばなくちゃいけないだろうけど、嘘だけはつかないでおこう。

「そうだ」

 フゥと溜息をつかれる。

「まったく……男ってのはどいつもこいつも……で、姉さんから何を聞いた?」

 姉さん?
 知り合いどころか身内か。
 この反応だと仲は良くないかもだけど、少なくとも敵対関係じゃなさげ。

「『虫の牙』を持つ者は父の仇だから、見つけたら教えてほしい、と」

「ベッドの上で?」

 それはボカしておこう。

「いや、牢屋で。入れられた場所が隣同士でね」

 オストレアが目を細める。
 もしかして笑っているのか?

「姉さん、何やってんの」

 オストレアは頭を戻し、再び歩き出す。
 俺も周囲に気を配りながら、後をついてゆく。

「それだけだよ。詳しいことは知らないんだ……姉さんっていうことは、オストレアにとっても『虫の牙』の奴は仇なのかい?」

「レムールを宿しているのだから、あんたも……テルもそうなんじゃないの?」

 オストレアは否定も肯定もせず振り向きもせず、前へと進み続ける。
 この揺さぶりには慎重になるべきだろう。
 俺と『契約』する前のポーがまだ名前なきレムールだった頃、『虫の牙』から実際に傷として受けたのはディナ先輩だ。
 個人的には、俺にどうこうできる相手であれば仇を取ってあげたいという思いはあるが、俺の失敗からディナ先輩につながってしまうような事態は絶対に避けなくてはならない。

「俺は、その『虫の牙』というのを見たことがないんだ」

「なるほど。『契約』で入手したレムールということか」

「随分、尋ねるじゃないか」

「わかってて入隊したわけじゃないのか?」

「わかっててって?」

 何かあるのか?

「『虫の牙』を所持しているのが、第一傭兵大隊隊長タールだよ。あいつは『虫の牙』で召喚したレムールについては識別できるっぽいんだ」

 マジか――大隊の隊長って。
 え、ちょっと待って。じゃあ、会ったら即バレるってこと?
 背筋がひゅっとする。

「だから私のレムールは姉さんに預けてあるんだ」

「そ、そうなんだ」

 いやいや落ち着け、俺。
 こういう時こそ思考を手放すな。
 まず状況を整理して、バレた場合の言い訳を用意する。
 ポーとして『契約』する前のレムールは、呪詛が組み込まれていた。
 俺が試しに作ってみた魔法『同じ皮膚』は、呪詛と干渉しなかったものだったらしく、呪詛と一体化したレムールは、ディナ先輩から俺の皮膚上へと移った――そして、俺の魔術特異症で呪詛が変異して、結果としてその変異のおかげで不完全になった呪詛は、スノドロッフの『契約』を実行した際にポーを縛ることがなくなり、現在は形骸化している。
 『虫の牙』の呪詛は、移せも壊せもする。
 だとしたら、誰かが俺に押し付けた、という設定も可能じゃないか?
 それに部隊からの脱走はけっこうな重罪だ。
 できる限り、ここに残る方向性で考えていきたい――となると。
 ここは判断を、タールに対する態度を、先延ばしにするべきじゃない。

「俺は共闘するに値しそうか?」

 オストレアはまた頭だけこちらへと向ける。
 俺のことをじっと見つめているようだが。

「訳ありではあるということか。大隊隊長へ挑戦する話って、把握しているか?」

 そういやプルマ副長がなんか言ってたな。

「挑戦する権利が……第一大隊第一小隊の各班長六名だけ……それ以外は特には」

「挑戦試合は毎月の月末日、つまり明日行われる。通常は班長が代表して戦い、勝てば班ごと上に上がれる。そのとき、第一小隊の班長だけは、上の班じゃなく大隊隊長本人に直接挑戦できる。規則的には、勝てばそいつが大隊隊長に、タールは入れ替わり班長に、ということだ。万が一入れ替わりが発生したところで、部隊の指揮はプルマ副長が行うから問題ないらしい。それに残念ながら、あいつが今まで負けた所は一度も見ていないし、過去にもないらしい」

 そんなに強いのか。

「タールはどうしてそんなことを?」

「戦うことが好きだと言っているがね……負けた方は酷いもんだよ。五体満足だった者は見たことがない。挑戦試合で大隊隊長に挑んで負けた奴は、勇気除隊と言って寿命提出なしで傭兵契約を解除できるのだが、寿命を提出しといた方が長生きできるのではと言われるくらいだ」

 嫌なことを聞いてしまった。

「前にも居たんだ。『虫の牙』の呪詛傷を宿した者が。そいつはボクより強かったが、タールに挑み、四肢を切り落とされた。最期まで諦めなかったが、そのまま事切れた」

 さらに嫌なことを聞いてしまった。
 オストレアだって、五班とはいえ第一小隊の隊長含む四人を返り討ちにしたくらいの腕前なんだろう?

「そういえば前の班長たちって……それも挑戦試合で?」

「いや、殺しさえしなければ私闘は認められている」

「認められているっ?」

 ずいぶんフリーダムなんだな。
 傭兵部隊とはいえ、そんなんで大丈夫なのか。

「複数人数で一人に襲いかかって返り討ちになるような連中は居なくなった方が部隊のためにもなる。ちなみにこの敷地内は、ギルフォドの外壁内で唯一、自由に魔法の使用が認められている……君も魔法を使うんだろ? その弓でルージャグを倒せるとは、申し訳ないが信じ難い」

 ギルフォドは隣国への最前線の城塞都市だけあって、通常の都市よりも壁の数も敷地の広さも三倍くらいある。
 一番外側にある外壁と二番目の中壁との間は「外壁内」と呼び、主に畑や、騎乗用動物の飼育場、傭兵隊の隊舎などがある。

「自分の手の内をすぐに明かすような者が、生き残れる場所なのかい? ここは」

 ディナ先輩の言葉を思い出し、ここはいったん引いてみる。
 オストレアは顔をまた前の方へと戻し、立ち止まる。
 矢の刺さった看板にたどり着いたようだ――良かった。俺の放った矢はちゃんと看板に刺さっている。
 俺はオストレアと入れ替わり、矢を抜く。

「さっきの質問にまだ答えてなかったな。テルのことは信用できると感じる。だがそれと共闘とは別だ。ボクとテルと二人がかりでも恐らくタールには勝てない」

 頭の中に、マドハトとメリアンの顔がよぎる。
 オストレアがここまで明かしたのは、暗に他のメンバーが共闘に加わるかどうか探っているのだろう。
 そりゃ俺だってメリアンが居てくれれば心強い。
 それでもメリアンは本来ならば無関係なのだ。結婚だって控えている。
 巻き込むわけにはいかないだろう。
 マドハトだって、せっかくゴブリンの体から元の体へと戻れたんだ。
 戻った当初よりはかなり体も丈夫になってきたようだが、それでもずっと旅に付き合ってもらって、傭兵部隊にまで入隊してもらって、その上、命の危険がある戦いにまで巻き込めないよ。

「……強いんだな」

 オストレアとのひそひそ話はそこで終わり、俺たちは皆のもとへ戻った。





● 主な登場者

有主ありす利照としてる/リテル
 猿種マンッ、十五歳。リテルの体と記憶、利照としてるの自意識と記憶とを持つ。魔術師見習い。
 ゴブリン用呪詛と『虫の牙』の呪詛と二つの呪詛に感染。レムールのポーとも契約。傭兵部隊ではテルと名乗る。

・ケティ
 リテルの幼馴染の女子。猿種マンッ、十六歳。黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。
 リテルとは両想い。フォーリーから合流したがリテルたちの足を引っ張りたくないと引き返した。ディナ先輩への荷物を託してある。

・ラビツ
 イケメンではないが大人の色気があり強者感を出している鼠種ラタトスクッの兎亜種。
 高名な傭兵集団「ヴォールパール自警団」に所属する傭兵。二つ名は「胸漁り」。現在は謝罪行脚中。

・マドハト
 ゴブリン魔法『取り替え子』の被害者。ゴド村の住人。取り戻した犬種アヌビスッの体は最近は丈夫に。
 元の世界で飼っていたコーギーのハッタに似ている。ゴブリン魔法を使える。傭兵部隊ではハトと名乗る。

・ルブルム
 魔女様の弟子である赤髪の少女。整った顔立ちのクールビューティー。華奢な猿種マンッ
 魔法も戦闘もレベルが高く、知的好奇心も旺盛。親しい人を傷つけてしまっていると自分を責めがち。

・アルブム
 魔女様の弟子である白髪に銀の瞳の少女。鼠種ラタトスクッの兎亜種。
 外見はリテルよりも二、三歳若い。知的好奇心が旺盛。

・カエルレウム
 寄らずの森の魔女様。深い青のストレートロングの髪が膝くらいまである猿種マンッ
 ルブルムとアルブムをホムンクルスとして生み出し、リテルの魔法の師匠となった。『解呪の呪詛』を作成中。

・ディナ
 カエルレウムの弟子。ルブルムの先輩にあたる。重度で極度の男嫌い。壮絶な過去がある。
 アールヴを母に持ち、猿種マンッを父に持つ。精霊と契約している。トシテルをようやく信用してくれた。

・ウェス
 ディナに仕えており、御者の他、幅広く仕事をこなす。肌は浅黒く、ショートカットのお姉さん。蝙蝠種カマソッソッ
 魔法を使えないときのためにと麻痺毒の入った金属製の筒をくれた。

・タール
 ギルフォド第一傭兵大隊隊長。キカイー白爵レウコン・クラティアの館に居た警備兵。『虫の牙』でディナに呪詛の傷を付けた。『虫の牙』で召喚したレムールを識別できる。フラマとオストレアの父の仇でもある。

・メリアン
 ディナ先輩が手配した護衛。リテルたちを鍛える依頼も同時に受けている。ラビツとは傭兵仲間で婚約者。
 ものすごい筋肉と角と副乳とを持つ牛種モレクッの半返りの女傭兵。知識も豊富で頼れる。二つ名は「噛み千切る壁」。

・レム
 爬虫種セベクッ。胸が大きい。バータフラ世代の五人目の生き残り。不本意ながら盗賊団に加担していた。
 同じく仕方なく加担していたミンを殺したウォルラースを憎んでいる。トシテルの心の妹。現在、護衛として同行。

・ウォルラース
 キカイーがディナたちに興味を示すよう唆した張本人。過去にディナを拉致しようとした。金のためならば平気で人を殺す。
 ダイクの作った盗賊団に一枚噛んだが、逃走。海象種ターサスッの半返り。

・ナイト
 初老の馬種エポナッ。地球では親の工場で働いていた日本人、喜多山キタヤマ馬吉ウマキチ
 2016年、四十五歳の誕生日にこちらへ転生してきた。今は発明家として過ごしているが、ナイト商会のトップである。

・モクタトル
 カエルレウムを尊敬する魔術師。ホムンクルスの材料となる精を提供したため、ルブルムを娘のように大切にしている。
 スキンヘッドの精悍な中年男性で、眉毛は赤い猿種マンッ。なぜか亀の甲羅のようなものを背負っている。

・トリニティ
 モクタトルと使い魔契約をしているグリュプス。人なら三人くらい乗せて飛べる。

・ロブスト
 「ヴォールパール自警団」に属する赤毛の猫種バステトッ先祖返り。二つ名は「流水」。

・パンス
 「ヴォールパール自警団」に属する猿種マンッ。二つ名は「流星」。ロブストと異父兄弟。

・オール
 「ヴォールパール自警団」に属する猿種マンッ。二つ名は「夜爪」。細かい所まで気が回る。

・ファウン
 ルージャグから逃げたクーラ村の子供たちを襲った山羊種パーンッ三人組といっとき行動を共にしていた山羊種パーンッ
 リテルを兄貴と呼び、ギルフォドまで追いかけてきた。偽ヴォールパール自警団作戦に参加して傭兵部隊に。

・プルマ
 第一傭兵大隊の万年副長である羊種クヌムッの女性。全体的にがっしりとした筋肉体型で拳で会話する主義。
 美人だが鼻梁には目につく一文字の傷がある。メリアンのファン。

・パリオロム
 第一傭兵大隊第一小隊第五班の先輩。猫種バステトッの先祖返り。
 毛並みは真っ白いがアルバスではなく瞳が黒い。気さく。

・フラマ
 おっぱいで有名な娼婦。鳥種ホルスッの半返り。淡いピンク色の長髪はなめらかにウェーブ。瞳は黒で口元にホクロ。
 胸の大きさや美しさが際立つ痴女っぽい服装だが、所作は綺麗。父親が地界クリープタ出身の魔人。

・オストレア
 鳥種ホルスッの先祖返りで頭はメンフクロウ。スタイルはとてもいい。フラマの妹。
 父の仇であるタールの部下として傭兵部隊に留まりつつ、共闘できる仲間を探している。

・レムール
 レムールは単数形で、複数形はレムルースとなる。地界クリープタに生息する、肉体を持たず精神だけの種族。
 自身の能力を提供することにより肉体を持つ生命体と共生する。『虫の牙』による呪詛傷は、強制召喚されたレムールだった。

・ショゴウキ号
 ナイト(キタヤマ)がリテルに貸し出した特別な馬車ゥラエダ。「ショゴちゃん」と呼ばれる。現在はルブルムが使用。
 板バネのサスペンション、藁クッション付き椅子、つり革、床下隠し収納等々便利機能の他、魔法的機能まで搭載。

・ドラコ
 古い表現ではドラコーン。魔術師や王侯貴族に大人気の、いわゆるドラゴン。その卵を現在、リテルが所持。
 卵は手のひらよりちょっと大きいくらいで、孵化に必要な魔法代償プレチウムを与えられるまで、石のような状態を維持する。


■ はみ出しコラム【ネーミングの由来 その二】
 #68 のはみ出しコラム【ネーミングの由来 その一】で紹介したのは、ルイス・キャロル関連のリアルな人物名や地名などから頂戴したものについてだが、今回はルイス・キャロルの作品内から頂戴したネーミング由来について記載する。
 今回は、『不思議の国のアリス』より。

・ラビツ:呪詛を広める原因となった傭兵
→ 時計を持った白ウサギより

・ディナ先輩:カエルレウムを尊敬するリテルの姉弟子
→ アリスの猫「ダイナ」より

(・エイダ:グリニーの命の片割れ)
→ アリスの同い年の、とっても長い巻き毛の子

・ドード六世:ラトウィヂ王国、国王
→ ドードー。涙の池から上がったとき広場に集まっていた動物たちの一匹

・マウスー:チェッシャーの仲間
→ 話と尻尾が長いネズミ

・メリアン:頼もしい傭兵
→ 白ウサギの家の女中、メアリー・アン

・ビルルー:チェッシャーの仲間
→ 白ウサギの家の使用人、煙突から入ってきたトカゲのビル

・マウルタシュ・クスフォード虹爵イーリス・クラティア
→ テニエルは画家マチスの「醜い公爵夫人」をモデル公爵夫人の挿絵を描いたが、この婦人は歴史上最も醜いとされていたマルガレーテ公爵夫人だといわれている。そのティロル女伯マルガレーテのあだ名が「大口マウルタシュ」。
 ちなみにマウルタシュの子供(長女マル、長男ガレーテ)は、マルガレーテより。このへんは【ネーミングの由来 その一】に載せるか迷った。

・チェッシャー:リテルに助けられ、告白してきた少女
→ チェシャ猫

・ヘイヤ:リテルが初めて殺した人
→ 三月うさぎ(March Hare)より。ちなみに、「rabbit」はアナウサギ、「hare」はノウサギという違いがある

・ドマース:ヘイヤと共にリテル勧誘に失敗した
→ ヤマネ(Dormouse)より

・ハッタ:かつて有主家で飼われていた犬(コーギー)
→ 帽子屋(Hatter)より

・マドハト:リテルに恩義を感じている仲間
→ きちがい帽子屋(Mad Hatter)より

・エルーシ:リテルたちを逆恨みするフォーリーの娼館の若者
→ ヤマネの話に登場する三人姉妹の名前、エルシーより
 ちなみに、エルーシの仲間であるレイーシは同じくレイシーより、ティーリは同じくティリーより

・クロケ・ボートー:キングー・ボートー紅爵夫人
→ 赤の女王が公爵夫人を招待しようとしたクロケー(クロケット)より。ただ、イメージは赤の女王

・ジャック・ボートー:キングー・ボートー紅爵の息子
→ 赤の女王の部下である、ハートのジャックより

・キングー・ボートー紅爵:領都アイシスを含むボートー紅爵領を治める
→ 王様(King)より

・フラマ:アイシスにおいておっぱいで最も有名な高級娼婦
→ クロケットでマレット役のフラミンゴ

・エリナ:エクシと一緒に店を開くことを夢見る娼婦
→ クロケットで玉役のハリネズミ。ハリネズミはラテン語で erinaceus(エリナケウス)なので

・モクタトル:ルブルム誕生のために精液を提供した魔術師
→ にせウミガメ(Mock Turtle)より。作中にて語られなかった彼の背中の甲羅は、グリュプスの背に乗って飛行するとき、空気抵抗を下げ、体温を保護するための実用的な道具。決して亀仙人ではないが、偉大な鳥山明先生まで亡くなられてしまい、悲しみしかありません。

・グリュプス:モクタトルが使い魔契約しているグリュプス
→ 本編にも登場しているグリフォンさん

・ロブスト:「ヴォールパール自警団」に属する赤毛の猫種バステトッ先祖返り、「流水」
→ にせウミガメの話に登場するロブスターより

・パンス:「ヴォールパール自警団」に属する猿種マンッ、「流水」
→ グリフォンの話に出てくるヒョウ(Panther)より

・オール:「ヴォールパール自警団」に属する猿種マンッ、「夜爪」
→ グリフォンの話に出てくるオウム(Owl)より
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