異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう

文字の大きさ
上 下
1 / 103

#1 初対面の幼馴染との約束

しおりを挟む
「んっんっ」

 鼻にかかる甘い声を出しながら、得体の知れない痴女みたいなその何かは俺の体の形をまさぐっている。
 暗闇の中、毒だろうか体は動かせない。俺はここで殺されるのか?
 一瞬、ここで死んだら元の世界に戻れるのかなんて考えが脳裏をよぎる――いやダメだろ。だってこれはとしてるの体じゃない。リテルのものなんだから。
 俺が魔法なんか習おうとしなければ、リテルはこんな目に遭ったりしなかったはずなんだ。



 魔法の存在する世界。
 俺が今居るこの世界ホルトゥスを「異世界」だと認識したのは、今朝のことだった。

 目覚めた時の俺は魔法どころか何もわからず、一晩うなされていた熱が下がったのを感じていた。
 だるさが残るなか瞼を開き、枕元のスマホを探した……けど、見つからない。
 スマホとLEDライトスタンド、目覚まし時計とを乗せたサイドテーブルが、あるべき場所にない。
 眠い目をこすりつつ、ベッドから起き上がり、辺りを見回して二度見、いや三度見した。

 ここどこ?

 それが最初の感想。
 部屋の大きさ自体は俺の部屋と変わらない。だけどまるで違う部屋だった。
 まず、床は地面だ。壁は白いんだけど、床の近くは茶色く汚れている。床の土がはねたのか?
 出入り口としては木製の扉が一つと、壁に空いた小さめの穴――窓だ。穴は人の頭も通らないくらいの狭さなのに、木製の格子がはめ込んであり、寒い時には木製の蓋で塞ぐ感じ。見ただけで使い方がわかる。
 それ以外には粗末なベッドが二つと――このベッド、木枠に藁を敷き詰めてあるだけだ。
 他には、木製のカラーボックスサイズの木箱が二つ。俺のベッドに近い木箱の上には、短剣と手斧と矢筒が置いてあり、その傍らに立て掛けてある弓も含めて俺の――俺の?

 なんだか俺、混乱してるな。
 目を閉じて、昨晩のことをもう一度、頭の中に思い返してみる。
 十五歳の誕生日の夜、俺以外の家族四人が海外に行っているという状況。俺は一人でコンビニ弁当とケーキ代わりのメロンパンとを買って帰り、広いダイニングで一人でそれを食べ、テレビも見ずに自分の部屋へ戻り、そこで突然頭が痛くなって強烈な寒気がして、風呂に入るどころか体温計を探しに行くのもしんどいくらいだったから、そのまま布団にくるまって……。

 その記憶の続きが今この状況だとしたら、変な夢を見ているとしか思えない。
 自分に触れてみて、つねってみて、声を出してみて――声は俺の声、だと思う。
 妙なリアリティは明晰夢ってやつなのか?

 もう一度、弓を見る。
 単一の材質で削り出して作った弓――削り出したのは俺――狩人でもあるマクミラ師匠に教わりながら――俺が?
 いや、リテルが。
 視界のモノのそれぞれに意識を集中すると、それらに対するリテルの記憶が蘇る。まるでヘルプ機能だな。
 記憶も同じ。思い出そうとすれば、俺自身の記憶として蘇る。

 いや、待てよ。俺は誰なんだ?
 俺は有主ありす利照としてる。日本に暮らす十五歳。そしてリテルは、このストウ村に棲む十五歳――え、違う。この世界では普通に使われるのは十進数じゃなく十二進数だから、実質十七歳だ。
 家族は両親と祖母一人、兄が一人と双子の弟妹――顔や名前ばかりか、彼らと一緒に過ごしてきた時間、感情、エピソード、いろんなことを思い出せる。としてるのこともまるで前世の記憶みたいに――前世?
 俺、元の世界で熱出して寝込んで、そのまま死んだのか?
 あまりにも唐突過ぎて現実味がない。それにどうもリテルが利照の記憶を取り戻したって感じじゃなくて、あくまでも自意識はとしてるの側なんだよな。

「リテル! もう起きて大丈夫なの?」

 そして今、あの扉から勢いよく入ってきたのは、幼馴染のケティ。
 隣に住んでいる鍛冶屋の一人娘で、俺やリテルの一つ年上の十六歳――だから実際には十八歳か。混乱するな。この世界の単位に慣れるため、なるべく十二進数で考えるようにしよう。

「大丈夫」

 と答えた言葉も、ケティの話した言葉も、耳馴染みが日本語じゃない。
 でもリテルが十七年間ずっと使ってきた言葉だから、としてるも理解できるし、話せもする。
 俺が日本語でした思考を言葉として発しようとすると、リテルがこっちの言葉で話してくれるみたいな?

「本当?」

 ケティは心配そうな表情で扉を静かに閉め、小走りで俺の方へ。
 見るからに発育の良い胸が無造作に揺れる。
 揺れるのも無理はない。ブラジャーなんてないから。そもそも下着という概念がない。
 ストウ村の住人は、肌の上に直接、麻製のTシャツみたいなのと、膝上短パンみたいなのを着ている。短パンはそのままだとずり下がってしまうので、紐で腰骨のあたりを縛って留める。この格好で家の中や近所をうろうろするから、この格好は「普段着」って……ケティ?

 ケティはベッドの縁に腰掛けた。
 ベッドの長方形の木枠はそんな厚さがあるものではない。少なくとも人間が腰掛けるほどの厚みはない。
 寝藁はそれなりに敷き詰めてあるが、木枠からはみ出るほどではない。すると必然的にケティのお尻はベッドの内側に沈み込み、結果的にベッドの中央であぐらをかいている俺に対して前のめりに顔が近づく。
 シャツの首周りが比較的ゆるいせいか、ケティの胸の谷間がやけに目につく。ケティの近さにビクついた俺はケティとリテルとの記憶を慌てて思い出す。
 ――二人は付き合っているわけじゃない――っと、いや待て。おいおいリテル!
 リテルが過去にケティに向かって思わせぶりなこと言っていた記憶が蘇る。二年前の新年の朝に伝えた言葉を。

『俺が十五歳になったら……ケティ、伝えたいことがあるんだ』

 十五歳っていつ? あ、昨日か! リテルも昨日が誕生日なのか!
 だがリテルは熱を出して寝込んでしまい、ずっと抱えてきたケティへの想いをまだ伝えられてない。
 じっと俺を見つめるケティの顔が近い。
 おい、リテル?
 起きろよ。お前の大好きなケティが、リテルの言葉を待っているんだぞ?
 おい! リテルっ!
 脳内でリテルの名を幾度となく呼んでみるが、反応はない。記憶としては幾らでも思い出せるのに、肝心のリテルの自意識が、深い眠りについたように、一向に目覚める気配がないのだ。

「リテル……どこ見てるの?」

 そう言われたとき、俺の視線の先はケティの胸元にあった。
 リテルの好きな人になんてことを。俺は慌てて窓を見つめる。小さい窓はここからじゃ外の景色は見えない。
 リテルからケティへの尊い想いを思い出すたび、胸がぐっと締め付けられる。もちろんとしてるの胸が。

「リテル、こっち見て」

 ケティが両手で俺の頬をつかみ、自身の方へと向かせる。じょ、女子に触られて、間近で顔を見つめさせられて――緊張する。
 ケティの黒い瞳は近くで見るとほんのり茶色がかっている。髪色も黒、肌は日に焼けて薄い褐色。中東の方の美人といった感じだが、記憶の中のケティはいつも元気で、美人というより可愛いといった言葉の方が似合う。いやこれ身近にいたらリテルじゃなくても好きになるだろ。
 美人の顔が近いこと、リテルのケティへの想い、そんな人の胸元をガン見していた恥ずかしさ。様々な想いが俺の中でショートして頬を熱くする。
 リテル、どうしてお前、起きないんだよ?
 俺の意識が目覚めてしまったからなのか?

 昔から姉弟みたいに育ったケティに対し、リテルの「好き」は始めは家族のような「好き」だった。年齢が上なこともあってかケティはいつでもなんでもリテルより秀でていたし。
 プリクスさん――ケティのお父さんの鍛冶仕事を手伝ってもいたケティは腕力も強く、腕相撲では一度も勝てていないんだよな。だからリテルにとっては頼れるかっこいいお姉ちゃんだった。
 そんな憧れが、好意が、恋へと変わったのは二年半前。村の門番の一人、テニール兄貴がお嫁さんを連れて町から戻ってきた時。

 結婚式を村であげたんだ。
 テニール兄貴の連れてきたお嫁さんが着ているドレスを見たケティのうっとりとした表情を見て、そのときリテルは初めて魂を揺さぶられる感情を覚えた。
 ケティがあんな衣装を着る時、その横にはリテルが居たいって思ったんだ。

 だからその後すぐ、村で唯一の狩人、マクミラ師匠に弟子入りした。
 うちは農民ではあったけれど、土地を持っていて村の中では裕福な方。でも継ぐのは長男のビンスン兄ちゃんだ。自分リテルは次男だからいずれ家を出る。雇われ農民になる未来よりも、腕さえ良ければもっと稼げる狩人になろうと思ったんだ。
 狩りに出られる日は領主さまに決められているから、狩りのない日は門番をしたりもする。それでテニール兄貴とも仲良くなった。
 テニール兄貴はリテルが一生懸命体を鍛えているのを見て、素手や武器での格闘戦を教えてくれた。森には魔物も出るし、戦い方を覚えておいて損はないって。

 それからは自分を鍛えることに夢中になった。ケティよりもたくましくなってから告白したかったから。
 脈はあると思っていた。ケティが「最近一緒にいられないね」なんて言ってきたことがあったから。それが二年前の新年。だから約束した。十五歳になったら、ケティに伝えたいことがあるって。とっても大事なことだって。
 なのに。
 どうしてリテル、お前は眠っているんだ? 俺のせいなのか?

「ね。何か言うことあるんじゃなかったっけ?」

 そ、そうです!

「……」

 ある、って答えたはずなのに、俺の口からはカヒューとかすれた音が漏れただけ。
 元の世界で彼女なし、女子とも普段口をきかないとしてるには、こんなシチュエーションでリテルの想いを代弁するのは荷が重すぎる。

「聞こえない」

 ケティがぐっと身を寄せてきた。ケティの柔らかさを俺の胸板で受け止める。
 これはリテルの体なのに、友達の想い人にイヤラシイことをしてしまっている罪悪感が湧き、意識を胸から必死に外そうとする。そう。リテルは鍛えているだけあって、元の世界のとしてるよりもずっと胸板厚いのな――ダメだ。服越しとはいえ、人生初の生おっぱいに理性も思考も持っていかれる。しかも何このいい匂い。ケティの匂い?

「リテルの……ドキドキしているの、伝わってくるよ」

 何か言わないと……言葉を発しようとして、唇を噛む。
 リテルの想い、としてるが勝手に伝えていいことなのか?

「私、けっこうモテるんだよ?」

 ケティは俺の手を取り、自分の心臓の上へと当てる。手のひらに伝わる体温と柔らかさ、そして鼓動。

「私もドキドキしてるの。リテルだからだよ? ……あっ」

 俺の股間が反応しまくっていることに、ケティの膝が気付いた。





● 主な登場者

有主ありす 利照としてる/リテル
 利照として日本で生き、十五歳の誕生日に熱が出て意識を失うまでの記憶を、同様に十五歳の誕生日に熱を出して寝込んでいたリテルとして取り戻す。
 体はリテルだが、自意識は利照のまま。想いを巡らすだけでリテルの記憶を思い出せる。

・ケティ
 リテルの幼馴染の女子。十六歳。リテルが十五歳になったら伝えたいことがあるという二年前の約束を待ち望んでいた。
 黒い瞳に黒髪、肌は日焼けで薄い褐色の美人。胸も大きい。どうやら両想い。

・マクミラ師匠。
 ストウ村の住人。リテルにとって狩人の師匠。

・プリクスさん
 ストウ村の住人。ケティの父。鍛冶屋。

・テニール兄貴
 ストウ村の門番。傭兵経験があり、リテルにとって素手や武器での近接戦闘を教えてくれる兄貴分。

・ビンスン兄ちゃん
 ストウ村の住人。リテルの兄であり長男。



■ はみ出しコラム【十二進数】
 この世界において一般的に使われているのは十二進数である。
1から9までは普通に数え、その後「クエイン」と「ミンクー」を経て10(十進数では12)である「ラスタ」へと至る。
 ちなみに他の数字は以下の通り。
1:ミン
2:アッタ
3:ネルデー
4:カンタ
5:レムペー
6:エンクー
7:オツォ
8:トルド
9:ネルテー
20:ユラスタ(十進数だと24に相当)
30:ネレラスタ(十進数だと36に相当)
31:ミン ネレラスタ(十進数だと37に相当。低い桁から先に発する)
50:レペラスタ(十進数だと60に相当)
100:ツクサ(十進数だと144に相当)
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!? これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。 日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。

調香師・フェオドーラの事件簿 ~香りのパレット~

鶯埜 餡
ファンタジー
 この世界における調香師とは、『香り』を扱うことができる資格を持つ人のこと。医師や法曹三資格以上に難関だとされるこの資格を持つ人は少ない。  エルスオング大公国の調香師、フェオドーラ・ラススヴェーテは四年前に引き継いだ調香店『ステルラ』で今日も客人を迎え、様々な悩みを解決する。  同時に彼女は初代店主であり、失踪した伯母エリザベータが彼女に遺した『香り』を探していた。  彼女と幼馴染であるミール(ミロン)はエリザベータの遺した『香り』を見つけることができるのか。そして、共同生活を送っている彼らの関係に起こる―――― ※作中に出てくる用語については一部、フィクションですが、アロマの効果・効能、アロマクラフトの作成方法・使用方法、エッセンシャルオイルの効果・使用法などについてはほぼノンフィクションです。  ただし、全8章中、6~8章に出てくる使用方法は絶対にマネしないでください。  また、ノンフィクション部分(特に後書きのレシピや補足説明など)については、主婦の友社『アロマテラピー図鑑』などを参考文献として使用しております(詳しくは後書きにまとめます)。 ※同名タイトルで小説家になろう、ノベルアップ+、LINEノベル、にも掲載しております。 ※表紙イラストはJUNE様に描いていただきました。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生王子はダラけたい

朝比奈 和
ファンタジー
 大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。  束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!  と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!  ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!  ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり! ※2016年11月。第1巻  2017年 4月。第2巻  2017年 9月。第3巻  2017年12月。第4巻  2018年 3月。第5巻  2018年 8月。第6巻  2018年12月。第7巻  2019年 5月。第8巻  2019年10月。第9巻  2020年 6月。第10巻  2020年12月。第11巻 出版しました。  PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。  投稿継続中です。よろしくお願いします!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

処理中です...