呟怖千夜一夜

だんぞう

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#0244 月が見ていた

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月が見ていた。
急峻な雪の斜面を滑る男を。

月が見ていた。
男が体勢を崩してクレバスに落ちる様を。

月が見ていた。
男の靴から外れたスキー板が風に煽られ、新雪の上に花を描く様を。

月が見ていた。
男の、あの花を好きな恋人が、自分のものになるかもと助けるのを躊躇ってしまった俺を。
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感想 1

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