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Episode⑤ 女の勝ち組/女の負け組
産業保健師 里菜の勉強ノート㉝ 【人間ドック】/【自費診療(自由診療)】/【診療報酬】/【医療ツーリズム】
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【人間ドック】
個人が自分の意思で受けることができる健康診断のことで、法的な義務はない。人間ドックには健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担となる。日本の企業では、一定以上の年齢に達した社員に対して人間ドック費用の補助を出しているケースが多い。人間ドックで実施した内容が「健康診断の法定項目(産業保健師 里菜の勉強ノート㉛参照)」を満たせば、人間ドックの結果を提出することで一般健康診断の代用にできる。“ドック”という言葉は、船の定期検査が由来。犬を意味する「dog=ドッグ」とは違うので注意しよう。
【自費診療(自由診療)】
日本は国民皆保険制度を採用している。全国民に公的医療保険への加入が義務付けられており、公的医療保険が適用されれば診療費の1~3割が自己負担となり、残りは公費から支出される。一方、「自費診療(自由診療)」とは、公的医療保険を用いない診療のことで、かかる費用はすべてが患者負担(=10割自己負担)になる。健康保険証を提出できない場合や、国が定める「保険診療」の対象外となる治療方法を用いた場合には、自費診療扱いになる。
公的医療保険では、所得に応じた負担金額となるため、生活保護受給者の医療費は無料。「高額療養費制度」もあるため、収入があっても医療費の上限負担金額が設けられている。また、受診先や回数の制限もない。貧富の差によらずフリーアクセス医療が受けられる日本の公的医療保険制度は、世界的に見ても大変恵まれたものである。
しかし一部の先進医療や不妊治療・美容医療・インプラント・精神カウンセリングなどは保険適応外のため、それらを希望する患者は全額自己負担となり治療費の負担上限も設けられていない。
カウンセリングで公的医療保険が適用されるのは、「精神科・心療内科などの医療機関で病気と認定され、医師が医療行為としてカウンセリングを行った場合」などで、実施時間等に複数の制約がある。公認心理師(心理職の国家資格)による個人カウンセリングも、一部の例外はあるものの、基本的に保険診療とはならず、ほぼ自費診療扱い。
➢関連ワード「混合診療」
※不妊治療の保険適応については後述の予定あり
【診療報酬】
診療報酬とは、医療機関等が行う診療行為やサービスへの対価として公的医療保険から支払われるお金。医療行為の項目ごとに細かく保険点数が定められており、日本全国津々浦々、どの病院でどの医師から治療を受けても点数は変わらず、1点10円と計算される。診療報酬は2年に1回改定される。改定による保険適応範囲変更や点数の見直しが医療機関へ与える影響はきわめて大きく、ときに厚生労働省と関係団体のせめぎ合いが起きるとも。
【医療ツーリズム】
外国に行って治療や医療サービスを受けること。必ずしも観光を伴わない。わざわざ他国に行って医療を受ける目的はさまざまで、観光を兼ねての人間ドック、最先端の医療技術や腕の良い執刀医へのニーズ、(臓器移植含む)待機時間の解消、治療費の節約などがある。世界全体の医療ツーリズム市場は十数兆円の規模があると試算されている。
医療ツーリズムは日本でもインバウンド推進施策の一つとして掲げられ、2011年には最長6カ月滞在が可能で3年以内なら何度でも入国が出来る医療滞在査証(医療ビザ)が発行されるようになった。しかし医師不足や医療の公共性担保の観点から、日本医師会はどちらかというと医療ツーリズムに消極的な立場をとっているほか、言語の壁などもあり、今のところ日本の医療ツーリズム受入数は世界的にみて多くはない(アジア圏で人気の医療ツーリズム受入国は、シンガポール・タイ・マレーシア・インド・韓国等である)。日本はCT・MRI・PETの検査機器所有台数が世界トップクラスに多い国であり、がん等の早期発見に優位性を持つことは特筆すべき点で、都市部の富裕層向け健診機関では医療ツーリズムの外国人を前向きに受け入れているところが多い。
医療ツーリズムのため渡航してくる外国人は当然だが日本の公的医療保険の対象外で、すべて自費診療扱いであり、支払う金額は医療機関の提示する価格次第となる。
個人が自分の意思で受けることができる健康診断のことで、法的な義務はない。人間ドックには健康保険が適用されないため、費用は全額自己負担となる。日本の企業では、一定以上の年齢に達した社員に対して人間ドック費用の補助を出しているケースが多い。人間ドックで実施した内容が「健康診断の法定項目(産業保健師 里菜の勉強ノート㉛参照)」を満たせば、人間ドックの結果を提出することで一般健康診断の代用にできる。“ドック”という言葉は、船の定期検査が由来。犬を意味する「dog=ドッグ」とは違うので注意しよう。
【自費診療(自由診療)】
日本は国民皆保険制度を採用している。全国民に公的医療保険への加入が義務付けられており、公的医療保険が適用されれば診療費の1~3割が自己負担となり、残りは公費から支出される。一方、「自費診療(自由診療)」とは、公的医療保険を用いない診療のことで、かかる費用はすべてが患者負担(=10割自己負担)になる。健康保険証を提出できない場合や、国が定める「保険診療」の対象外となる治療方法を用いた場合には、自費診療扱いになる。
公的医療保険では、所得に応じた負担金額となるため、生活保護受給者の医療費は無料。「高額療養費制度」もあるため、収入があっても医療費の上限負担金額が設けられている。また、受診先や回数の制限もない。貧富の差によらずフリーアクセス医療が受けられる日本の公的医療保険制度は、世界的に見ても大変恵まれたものである。
しかし一部の先進医療や不妊治療・美容医療・インプラント・精神カウンセリングなどは保険適応外のため、それらを希望する患者は全額自己負担となり治療費の負担上限も設けられていない。
カウンセリングで公的医療保険が適用されるのは、「精神科・心療内科などの医療機関で病気と認定され、医師が医療行為としてカウンセリングを行った場合」などで、実施時間等に複数の制約がある。公認心理師(心理職の国家資格)による個人カウンセリングも、一部の例外はあるものの、基本的に保険診療とはならず、ほぼ自費診療扱い。
➢関連ワード「混合診療」
※不妊治療の保険適応については後述の予定あり
【診療報酬】
診療報酬とは、医療機関等が行う診療行為やサービスへの対価として公的医療保険から支払われるお金。医療行為の項目ごとに細かく保険点数が定められており、日本全国津々浦々、どの病院でどの医師から治療を受けても点数は変わらず、1点10円と計算される。診療報酬は2年に1回改定される。改定による保険適応範囲変更や点数の見直しが医療機関へ与える影響はきわめて大きく、ときに厚生労働省と関係団体のせめぎ合いが起きるとも。
【医療ツーリズム】
外国に行って治療や医療サービスを受けること。必ずしも観光を伴わない。わざわざ他国に行って医療を受ける目的はさまざまで、観光を兼ねての人間ドック、最先端の医療技術や腕の良い執刀医へのニーズ、(臓器移植含む)待機時間の解消、治療費の節約などがある。世界全体の医療ツーリズム市場は十数兆円の規模があると試算されている。
医療ツーリズムは日本でもインバウンド推進施策の一つとして掲げられ、2011年には最長6カ月滞在が可能で3年以内なら何度でも入国が出来る医療滞在査証(医療ビザ)が発行されるようになった。しかし医師不足や医療の公共性担保の観点から、日本医師会はどちらかというと医療ツーリズムに消極的な立場をとっているほか、言語の壁などもあり、今のところ日本の医療ツーリズム受入数は世界的にみて多くはない(アジア圏で人気の医療ツーリズム受入国は、シンガポール・タイ・マレーシア・インド・韓国等である)。日本はCT・MRI・PETの検査機器所有台数が世界トップクラスに多い国であり、がん等の早期発見に優位性を持つことは特筆すべき点で、都市部の富裕層向け健診機関では医療ツーリズムの外国人を前向きに受け入れているところが多い。
医療ツーリズムのため渡航してくる外国人は当然だが日本の公的医療保険の対象外で、すべて自費診療扱いであり、支払う金額は医療機関の提示する価格次第となる。
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