57 / 119
第三章 紡がれた詩
3-2.仲良くしようよ!
しおりを挟む
夕食を終えた足でシャワーを浴び、首にかけたタオルで髪を拭きながら自室を出たルイス。リビングで飲み物を調達し何気なしに足を向けたミネルバ内の工房では、奥の方の一角にだけ照明が灯いていた。
「……ニナちゃん?」
以前見た外装の無い魔攻機装を前にして熱心に作業を続けるニナは、ゆったりと近付くルイスには気付かない。
せっかく集中しているのならとそれ以上は何も言うことなく近くに座り、机に拡げられた図面を見てみるも専門知識のないルイスにとっては何が何だかさっぱり分からない。
しかし、あちらこちらにと動き回るニナの姿を何となく見ていたい気分になったルイスは再びリビングを訪れ、飲み物のお代わりを持ってニナが作業する横の机に居座っていた。
「!?」
それから一時間ほどが経った頃、瓶詰めにされた三本目のエールが殻になると同時に振り返ったニナは、居るはずもない人物を目の当たりにしてビクリ!と身を震わせ動きを止める。
「な、なっ……」
「お疲れ。ニナちゃんの分、緩くなっちゃったけど……飲む?」
ニナ用にと気を利かせて持ってきたのは彼女が口にすると知っている果実を原材料にしたお酒。冷蔵庫から出して随分経つが、せっかくなのでと聞いてみたのだ。
しかし、驚愕を見せたニナはすぐに平静を取り戻すも、不機嫌そうな雰囲気を纏いつつもルイスの隣へと腰を下ろし膝を突き合わせる。
「何で……いつからですか?」
差し出されたまま引っ込みの付かなかっただろうルイスの握る酒瓶。それを受け取り、何処からか取り出した栓抜きで蓋を開けると口を付ける。
思わぬ近距離にドギマギするも、目を閉じ、酒を喉に通す姿に見惚れながら『不味った?』と自分の至らなかった部分を探すが思い付かず、お叱りを受ける覚悟で白状する。
「結構前、かな?……ごめん、ダメだった?」
「こんな場所でやってるんですからダメなはずはありません。けど、声くらい掛けてくれても……」
「ご、ごめん。一応声は掛けたんだよ?でも集中してたっぽいから気付くまで再度の声掛けは遠慮したんだ」
無言で流れる時間。気不味くなったルイスが席を外した方がいいのかと思い至り、腰を上げる一歩手前で疑問を投げかけるニナ。不機嫌そうな雰囲気を放ちつつもその実、最近、事あれば目の行ってしまうルイスと二人きりだという環境にどうして良いのか分からないでいた。
「貴方は何故、魔攻機装を使うのですか?」
「えっ?」
自分がレーンと共に旅をする目的は一番新しい仲間であるシェリル達も共有すること。今更投げかけられた疑問の意図が読めず何を答えればいいのか分からない。
だが、目の前のニナの顔は真剣であり、逃げを打つことは許されない感じがした。
「これは誰にも話していないんだけどね……」
そう切り出したルイスはアリキティス事件の惨劇を語り始める。
毎日夢に見る幼馴染と父親の死、それを行った黒き厄災を殺す事こそが自分の本当の目的なのだ、と。
「今ではだいぶ落ち着いたつもり。けど、俺がアンジェラスを駆るのはどう言い繕っても復讐のためなんだ、これがニナちゃんの質問に対する答えだよ」
殆ど感情が現れない事もあり、エルフ、それも一際の美貌を持つ王族だと判明したニナは一切の歪みの見当たらないお人形のような容姿。
可愛さの中に綺麗さも入り混じる、何処か非現実さを感じさせる女の子に無言で見つめられるルイスは『正直に話したんだけど……』と、責められているような圧迫感を感じつつも逃げるわけにもいかず、磨かれた黄金のように綺麗な金色の瞳を見返す他なかった。
「私のを見たんですから、貴方のも見せて下さい」
「…………んんっ!?」
『何を』と主語のない言葉は誤解を生み、顔を赤らめたルイスを見て小首を傾げるニナ。
夜も更けた時間で二人きり、膝を突き合わせる距離で見つめ合っての一言。『ニナちゃんの目、綺麗だな』などと惚けていたところに投げられた石が、どの様な波紋をルイスに投げかけたかは想像にお任せしよう。
「アンジェラスを見せてください」
「あ、あ、あ、アンジェラスね!良いよっ!」
自分のプライベートである未完成な魔攻機装を見たのだから、ルイスの魔攻機装も見たい。
それは、姉であり整備士としての先生たるディアナですら魔力を通したことのないルイスのプライベートを自分だけには見せて欲しいというニナなりの距離の詰め方。
しかしそれは、魔攻機装しかない世界で生きてきたニナには精一杯の努力でも、一般的には説明されないと理解し難いもの。
当然、テンパるルイスに理解することなど出来なかったのだが、アンジェラスを纏ったルイスの周りをちょこまかと動き回るニナの姿はこの後三時間に渡り見ることができた。
▲▼▲▼
右手に嵌る白い腕輪を通して流される魔力。整備士としての能力は魔導具の解析にも発揮されるのだが、机に置かれた黒い手錠からは何の情報も得られないでいた。
「だめか?」
「ぜんっぜんダメね」
それは紅月家襲撃の際に帝国兵が投げつけて来た物体。見た目がそっくりなのでどちらかは見分けが付かないが、二つの内の一つはオゥフェンの魔力障壁を侵食したのだ。これが武器として採用されれば、厄介極まりないことは想像に難しくない。
帝国の持つ技術が魔攻機装の根底を覆す。知らないのならまだしも現物が目の前に有る以上、見て見ぬふりが出来るほどお気楽ウサギではない。ディアナが解析に乗り出したのも当然の流れだが、整備士の魔力が通らない以上全くもってお手上げ状態である。
「師匠達は貰った魔石を使ったギミック開発に没頭してるし、【サンタ・サ・スケス】に着くまでお預けって感じね」
「帝国の開発した物がドワーフに分かるのか?」
「魔導具開発はドワーフの専売特許だって知ってるでしょ?いくら進んでる帝国の開発チームっていっても、残念ながら技術力ではドワーフの方が上だわ」
「それほど進んだ技術がありながら、世界を獲らなかったのが不思議だな」
「生粋の技術者集団ってのは師匠達を見てれば分かるでしょ?それに彼等は世界の覇権より、今飲めるお酒があれば満足なのよ」
「あと、女か?」
「そうね」
「そうなると世界を獲った方が好きなものが好きなだけ手に入る気がするが?」
「そんな先を見れないのがドワーフって種族なのよ」
「フッ、それもそうか」
物を作ることが何よりも好きなドワーフ。それと対を成すのは酒なのだが、それはそれである。
魔攻機装本体の技術は各国の方が高い現在だが、その付属品たるギミックや武具に関してはドワーフの方が多彩で良いものを開発している。
それを仕入れて新たなものを研究開発する人間ではあるが、所詮後追いでありドワーフには追い付けていない。それと似た状況なのが魔導具であり、最高級、もしくは目新しい物を求めるのであればドワーフの国【サンタ・サ・スケス】を訪れる必要がある。
「それよりもソレ、早く捨てない?」
ディアナが指指すのは机にちょこんと座る黒髪の人形。マジックバッグに付けられたソレは『マジカル・キララ人形』であり、キアラが取り付けた発信機だ。レーンには似合わない可愛らしい人形でありながら特に気にする素振りもなく付けられたままになっている。
発信機としては十キロ圏内でないと居所など分からない。つまり同じ町でもない限り使えない代物なのだが、ディアナが言いたいのは『関係を切れ』ということであり、珍しい物言いにレーンの口角が吊り上がった。
「あんなに仲良くしてたのに、どうした?」
「なっ!?……アレは人生最大の汚点だわ」
あの夜、ベロベロに酔っ払ったディアナとキアラはレーンと共に会場を後にしたのだが、一足先に自我を取り戻したキアラの策略に嵌り二人に可愛がられる事となる。
翌朝、裸で眠る三人の姿に朧げながらの記憶が真実であることを理解させられたディアナ。出立の見送りに来たカルレがぶすくれる彼女を見て笑い転げたのは記憶に新しい。
「安心しろ。俺の一番はお前だ、ディアナ」
「そっ、そんなの……ズルい……」
頬に手を当て真顔で囁くレーン。告げられたディアナは顔を赤くし、純情なる乙女と化していた。
「なぁ、ルイス」
「なんですか?」
「俺は今夜、女を買いに走るぜ。一緒に行くだろ?」
「いやいや、そんな誘い要りませんって」
「連れねぇ童貞だな、おい」
「それとこれとは関係ないでしょ!」
甘々な空気に当てられ不純な決意をしたグルカは、例え町泊でなくとも魔導具バイクを借り受け大人のお店へと急ぐ事だろう。
純愛を良しとし、不特定多数の女性と関係を持ちたがるグルカとは同類だと認識されたくないルイス。盛大に二歩後退りビシッ!と音の立つほどの勢いで指を指すが、その瞬間を狙ったかのように床から突き上げるような衝撃が全員を襲う。
「ん!?」
「なにっ!?」
「おわっっ!!」
続けざまに感じる浮遊感、バランスを崩して床に投げ出される面々。
何がなんだか分からない現状に緊張感が走るもののその直後、場に似つかわしくない間延びした放送が緊急を要する状況を告げた。
『あははっ、てきしゅ~だよぉ~、キャハハハハハハハッ』
「……ニナちゃん?」
以前見た外装の無い魔攻機装を前にして熱心に作業を続けるニナは、ゆったりと近付くルイスには気付かない。
せっかく集中しているのならとそれ以上は何も言うことなく近くに座り、机に拡げられた図面を見てみるも専門知識のないルイスにとっては何が何だかさっぱり分からない。
しかし、あちらこちらにと動き回るニナの姿を何となく見ていたい気分になったルイスは再びリビングを訪れ、飲み物のお代わりを持ってニナが作業する横の机に居座っていた。
「!?」
それから一時間ほどが経った頃、瓶詰めにされた三本目のエールが殻になると同時に振り返ったニナは、居るはずもない人物を目の当たりにしてビクリ!と身を震わせ動きを止める。
「な、なっ……」
「お疲れ。ニナちゃんの分、緩くなっちゃったけど……飲む?」
ニナ用にと気を利かせて持ってきたのは彼女が口にすると知っている果実を原材料にしたお酒。冷蔵庫から出して随分経つが、せっかくなのでと聞いてみたのだ。
しかし、驚愕を見せたニナはすぐに平静を取り戻すも、不機嫌そうな雰囲気を纏いつつもルイスの隣へと腰を下ろし膝を突き合わせる。
「何で……いつからですか?」
差し出されたまま引っ込みの付かなかっただろうルイスの握る酒瓶。それを受け取り、何処からか取り出した栓抜きで蓋を開けると口を付ける。
思わぬ近距離にドギマギするも、目を閉じ、酒を喉に通す姿に見惚れながら『不味った?』と自分の至らなかった部分を探すが思い付かず、お叱りを受ける覚悟で白状する。
「結構前、かな?……ごめん、ダメだった?」
「こんな場所でやってるんですからダメなはずはありません。けど、声くらい掛けてくれても……」
「ご、ごめん。一応声は掛けたんだよ?でも集中してたっぽいから気付くまで再度の声掛けは遠慮したんだ」
無言で流れる時間。気不味くなったルイスが席を外した方がいいのかと思い至り、腰を上げる一歩手前で疑問を投げかけるニナ。不機嫌そうな雰囲気を放ちつつもその実、最近、事あれば目の行ってしまうルイスと二人きりだという環境にどうして良いのか分からないでいた。
「貴方は何故、魔攻機装を使うのですか?」
「えっ?」
自分がレーンと共に旅をする目的は一番新しい仲間であるシェリル達も共有すること。今更投げかけられた疑問の意図が読めず何を答えればいいのか分からない。
だが、目の前のニナの顔は真剣であり、逃げを打つことは許されない感じがした。
「これは誰にも話していないんだけどね……」
そう切り出したルイスはアリキティス事件の惨劇を語り始める。
毎日夢に見る幼馴染と父親の死、それを行った黒き厄災を殺す事こそが自分の本当の目的なのだ、と。
「今ではだいぶ落ち着いたつもり。けど、俺がアンジェラスを駆るのはどう言い繕っても復讐のためなんだ、これがニナちゃんの質問に対する答えだよ」
殆ど感情が現れない事もあり、エルフ、それも一際の美貌を持つ王族だと判明したニナは一切の歪みの見当たらないお人形のような容姿。
可愛さの中に綺麗さも入り混じる、何処か非現実さを感じさせる女の子に無言で見つめられるルイスは『正直に話したんだけど……』と、責められているような圧迫感を感じつつも逃げるわけにもいかず、磨かれた黄金のように綺麗な金色の瞳を見返す他なかった。
「私のを見たんですから、貴方のも見せて下さい」
「…………んんっ!?」
『何を』と主語のない言葉は誤解を生み、顔を赤らめたルイスを見て小首を傾げるニナ。
夜も更けた時間で二人きり、膝を突き合わせる距離で見つめ合っての一言。『ニナちゃんの目、綺麗だな』などと惚けていたところに投げられた石が、どの様な波紋をルイスに投げかけたかは想像にお任せしよう。
「アンジェラスを見せてください」
「あ、あ、あ、アンジェラスね!良いよっ!」
自分のプライベートである未完成な魔攻機装を見たのだから、ルイスの魔攻機装も見たい。
それは、姉であり整備士としての先生たるディアナですら魔力を通したことのないルイスのプライベートを自分だけには見せて欲しいというニナなりの距離の詰め方。
しかしそれは、魔攻機装しかない世界で生きてきたニナには精一杯の努力でも、一般的には説明されないと理解し難いもの。
当然、テンパるルイスに理解することなど出来なかったのだが、アンジェラスを纏ったルイスの周りをちょこまかと動き回るニナの姿はこの後三時間に渡り見ることができた。
▲▼▲▼
右手に嵌る白い腕輪を通して流される魔力。整備士としての能力は魔導具の解析にも発揮されるのだが、机に置かれた黒い手錠からは何の情報も得られないでいた。
「だめか?」
「ぜんっぜんダメね」
それは紅月家襲撃の際に帝国兵が投げつけて来た物体。見た目がそっくりなのでどちらかは見分けが付かないが、二つの内の一つはオゥフェンの魔力障壁を侵食したのだ。これが武器として採用されれば、厄介極まりないことは想像に難しくない。
帝国の持つ技術が魔攻機装の根底を覆す。知らないのならまだしも現物が目の前に有る以上、見て見ぬふりが出来るほどお気楽ウサギではない。ディアナが解析に乗り出したのも当然の流れだが、整備士の魔力が通らない以上全くもってお手上げ状態である。
「師匠達は貰った魔石を使ったギミック開発に没頭してるし、【サンタ・サ・スケス】に着くまでお預けって感じね」
「帝国の開発した物がドワーフに分かるのか?」
「魔導具開発はドワーフの専売特許だって知ってるでしょ?いくら進んでる帝国の開発チームっていっても、残念ながら技術力ではドワーフの方が上だわ」
「それほど進んだ技術がありながら、世界を獲らなかったのが不思議だな」
「生粋の技術者集団ってのは師匠達を見てれば分かるでしょ?それに彼等は世界の覇権より、今飲めるお酒があれば満足なのよ」
「あと、女か?」
「そうね」
「そうなると世界を獲った方が好きなものが好きなだけ手に入る気がするが?」
「そんな先を見れないのがドワーフって種族なのよ」
「フッ、それもそうか」
物を作ることが何よりも好きなドワーフ。それと対を成すのは酒なのだが、それはそれである。
魔攻機装本体の技術は各国の方が高い現在だが、その付属品たるギミックや武具に関してはドワーフの方が多彩で良いものを開発している。
それを仕入れて新たなものを研究開発する人間ではあるが、所詮後追いでありドワーフには追い付けていない。それと似た状況なのが魔導具であり、最高級、もしくは目新しい物を求めるのであればドワーフの国【サンタ・サ・スケス】を訪れる必要がある。
「それよりもソレ、早く捨てない?」
ディアナが指指すのは机にちょこんと座る黒髪の人形。マジックバッグに付けられたソレは『マジカル・キララ人形』であり、キアラが取り付けた発信機だ。レーンには似合わない可愛らしい人形でありながら特に気にする素振りもなく付けられたままになっている。
発信機としては十キロ圏内でないと居所など分からない。つまり同じ町でもない限り使えない代物なのだが、ディアナが言いたいのは『関係を切れ』ということであり、珍しい物言いにレーンの口角が吊り上がった。
「あんなに仲良くしてたのに、どうした?」
「なっ!?……アレは人生最大の汚点だわ」
あの夜、ベロベロに酔っ払ったディアナとキアラはレーンと共に会場を後にしたのだが、一足先に自我を取り戻したキアラの策略に嵌り二人に可愛がられる事となる。
翌朝、裸で眠る三人の姿に朧げながらの記憶が真実であることを理解させられたディアナ。出立の見送りに来たカルレがぶすくれる彼女を見て笑い転げたのは記憶に新しい。
「安心しろ。俺の一番はお前だ、ディアナ」
「そっ、そんなの……ズルい……」
頬に手を当て真顔で囁くレーン。告げられたディアナは顔を赤くし、純情なる乙女と化していた。
「なぁ、ルイス」
「なんですか?」
「俺は今夜、女を買いに走るぜ。一緒に行くだろ?」
「いやいや、そんな誘い要りませんって」
「連れねぇ童貞だな、おい」
「それとこれとは関係ないでしょ!」
甘々な空気に当てられ不純な決意をしたグルカは、例え町泊でなくとも魔導具バイクを借り受け大人のお店へと急ぐ事だろう。
純愛を良しとし、不特定多数の女性と関係を持ちたがるグルカとは同類だと認識されたくないルイス。盛大に二歩後退りビシッ!と音の立つほどの勢いで指を指すが、その瞬間を狙ったかのように床から突き上げるような衝撃が全員を襲う。
「ん!?」
「なにっ!?」
「おわっっ!!」
続けざまに感じる浮遊感、バランスを崩して床に投げ出される面々。
何がなんだか分からない現状に緊張感が走るもののその直後、場に似つかわしくない間延びした放送が緊急を要する状況を告げた。
『あははっ、てきしゅ~だよぉ~、キャハハハハハハハッ』
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる