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第十章 嬉しい悲鳴をあげた大森林
21.嫉妬
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エルフ達の集落跡地に佇む木造の家は丁寧な造りで、いつ放棄されたものか知らないが何も問題無く使えそうな感じではあった。
しかし残念ながら自前のテントの方が良いと満場一致で即決され、いつも通りにテントを設置すれば、初めて見たアリサが驚いていたのは言うまでもないだろう。
「レイ、時間があるのなら魔法の練習をするわよ」
何を思ったか背中に貼り付いたサクラはそのままに、四つ目のテントを張り終えて一息ついたタイミングを狙い、ずっとその様子を見ていたアリサが口を開く。
「じゃあ私も!」
興味を示したエレナが名乗りを挙げれば、アリサとはまだ打ち解けた様子のないモニカも静かに寄って来て俺に背を預けた。
「モニカもやるのか?」
「うん……お兄ちゃんが練習するのは光の魔力をどう使うか、でしょ? 私も光の魔力を扱えるから聞いておいた方が身になるかなぁって思ったの、ダメ?」
向上心を持つのがイケナイ事の筈がない。「そうか」と頬にキスをして頭を撫でてやれば、嬉しそうな顔で寄って来た雪を抱き上げたので雪の頬にもキスをしてやると、アリサを先生とする魔法の勉強会が始まった。
二種類の魔力を無理なく扱えるようになれば、それはもう中堅の冒険者を名乗ってもおかしくは無い。
更に上達して剣などの物に魔法を付与出来るようになれば身体強化まではあと一歩であり、そこをクリアすれば上級冒険者だ。
俺達がやろうとしているのは、お湯などのように二種類の魔力を混ぜ合わせて魔法とする混合魔法……ではなく、分かりやすく言えば、既に魔法として発動している水に別属性である火の魔力を後から混ぜ合わせるという難度の高い技。
もちろん顕現させた水をお湯に変える、もしくは温度を下げて氷にすることは出来るのだが、問題なのは必要となる火魔力の量。
魔力に魔力を混ぜるのは感覚さえ掴めばさして問題なく出来ることでも、既に魔法の事象として存在する水に百の火魔力を加えた場合、今の俺で言えば十にも満たないほどしか混ぜることが出来ていない。
しかし、光の魔力とは極めて優秀な魔力で、微量でも混ぜ合わせられれば元となる魔法の威力を飛躍的に向上してくれるのだ。
では何が問題なのか、それは扱える光の魔力量が四属性の魔力に比べ極めて少ないということ。
あまりの少なさから、全ての人間が扱える魔力だというのに『自分には扱えない』と認識してしまっている人間がほとんどだとは以前、ルミアの講義で教えられた。
それは “適性がある” と言われ、他の人より使える魔力量が多い俺やモニカにしても言えることで、一しか魔力を使わない生活魔法などの弱い魔法に対して十の光魔力を注ぎ一が付与出来たとすれば、その割合は一対一となり目に見えて凄まじい効果が感じられることだろう。
しかし、百の魔力を使う高威力の魔法に対してたったの一程度の光魔力を付与したとて、魔法の威力が二倍や三倍になることはない。
そこで、ネックとなる光魔力の溶け合う割合を増やそうという話になるのだ。
俺達が目指すのは、使用した十の光魔力が一切の無駄とならず完全に溶け込む状態。 これが出来さえすれば、例え初歩的な火玉や風玉といえども必殺の魔法となり得るほど強力になる……はず!
しかし、魔法という事象と化してしまった魔力は、水と油のように混ざり合おうとしないので頭を悩ませる。
「なぁ、十の光魔法に一の火の魔力を加えたら超絶火魔法が……」
「インチキしようとしないの。 光魔法に火の魔力をエンチャントしても大した効果は無いわよ。光の魔力はあくまでサブ、メインとなる魔法に光の魔力を加える事で絶大な威力の魔法が出来上がるのよ?
魔法とは体内に溢れる魔力を触媒に精霊に現象を行使させたもの、魔法と魔力を正しく理解なさい。
それと、一の火魔法に十の光魔力を混ぜることができれば、それはもう、想像を絶する魔法が顕現するでしょうね。けど、二割三割の光の魔力ですら合わせる事の出来ない貴方には割合の逆転など難しいのではなくって?」
二属性の魔力を混ぜ合わせて魔法とする混合魔法は、その二種類の割合に応じて異なる魔法と化す。
しかし魔法に魔力を付与することに関しては、元の魔法が変化はすれど、魔法そのものの属性まで変化することは無い。
通常、元となる魔法を使うために消費された魔力を、付与した魔力が上回ることは理論上あり得ないらしいのだが、こと光の魔力に関しては “魔法のブースター” という性質上それが当てはまらないらしい。
しかし、一対一の状態で魔力が飽和状態となるため、それ以上を混ぜるのは至難の業らしく、長き時をかけて魔法を研究し続けてきたアリサでも『出来る』とは知っていても、どのような結果になるのは分からないのだと言う。
夜まで続いた勉強会は夕食で一旦休憩となり、珍しく修練に参加したコレットさんはたった何時間かでかなりの上達を見せた。
サラと同じく多少ではあるものの、光の魔力が扱えるのを内緒にしていた事をネタに虐めてやろうと二人の夜を楽しみにしていたのに、完全復活……と、言うより、心の枷が外れたコレットさんには以前の遠慮が無くなっており、逆に俺の方が “ゴメンナサイ” をする羽目になったのは嬉しいのだが苦い思い出となった。
▲▼▲▼
翌る日もエルフ達が戻るまでやれる事がない俺達は、アリサ先生のスパルタ指導の元、魔法の修練に明け暮れていた。
もっとも、光の魔力を扱えないエレナは最初から別メニューで、カンの良過ぎるコレットさんはさっさと合格。モニカはどうやらコツを掴んだようでメキメキと上達しているのでスパルタな指導をされているのは実質俺だけなのだが……。
「ヒィィィヒヒヒヒヒヒィッッ!」
馬の嘶きに顔を上げれば、何も無い空を駆ける翼の生えた三頭の白い馬の姿。大きく螺旋を描きながら徐々に高度を下げると、俺達のキャンプの前に降り立った。
「自前のテントか。家は使って構わないと言ったと思ったが……」
全員が下馬したところでエルフの一人が近寄って来ると、両手を胸の前で合わせたエレナがいつになく率先して前に出る。
自分の任された仕事を頑張るつもりかと思いきや キラキラ と輝きを放つ目はハートマークになっており、だらし無く半開きとなっている口の端には涎が光っているではないか……。
──てめぇ、そんな堂々と浮気かよ!
見た目は確かに女性ともとれそうな程に美しい容姿はしている。だが残念なことに戻って来た五人が五人共同じ顔にしか見えず、それを見ただけでは昨日会話を交わしたのが今近寄って来ている奴かどうかも区別がつかない。
ただ助かる事に、リーダーの証か何か知らないが、赤い宝石の嵌まった十字架のネックレスを付けているので唯一その男だけは区別がつく。
「慣れ親しんだ物の方が落ち着くので、折角のご好意を無駄にしてすみません」
「なるほど、そう言う事でしたらお気になさらず」
「それで、族長さんの許可は下りたのでしょうか?」
「ええ、最初は否応無しに拒絶されたのですが、エレナ嬢が見目麗しい方だと報告したら掌を返されましてね……折角足を運んでくださったので返事はどうであれ会うだけは会うと言われました。
ですので、早速で申し訳ないですが、族長の気の変わらない内に我等の集落へと向かいましょう」
「美しいとか、そんな……やっだもぉっ!」
頬を押さえて やいのやいの するエレナに手を差し伸べると、乗っていたペガサスへとエスコートして行くネックレス男。
流れるような華麗な動きで白い馬体へ乗った後、お姫様でも乗せるように馬上から手を伸ばしてエレナを引っ張り上げた。
「お、お兄ちゃん? 顔、怖いよ?」
「レイシュア、嫉妬?ねぇ、嫉妬だよね? プククッ」
いつの間にか引き攣っていた左右の頬をモニカとサクラが ツンツン と突ついてくる。 言われるまで気が付かなかったが、どうやら俺はネックレス男を “敵” だと認識したらしい。
「徒歩だと三、四日はかかる。急ぎましょう」
言外に “お供は歩け” と言われて余計に腹が立ち、キレそうになりながらも風の絨毯で皆を持ち上げゆっくりと空に浮かび上がった。
「何だあれは!まさか人間の作り出した魔導具なのか!?」
「いえ、あれはレイさんの魔法です」
「あれが魔法ですと!?」
「たぶんこの子より早く進みますよ。私達も空へ行きましょう!」
ワクワクを押さえきれない楽しげな顔のまま、これ幸いとネックレス男にしがみ付く様子に『後でお仕置きだ!』と拳を握り締めれば、アリサが俺達に重力魔法をかけてくれる。
「レイ……ただ馬に乗せてもらってるだけでそんなに怒るのはみっともないわよ?」
「怒ってないよ?全然、全く、少しも、これっぽっちも」
「そう? それなら良いけど」
勢い良く空に上がると、垂直に移動した俺達とは違い、ペガサスは坂道でも登るように何もない空を斜めに駆け上がって来る。
そのまま東に向かって高度を上げると、遥か先にそびえるテンダール山脈に向けて移動を始めた。
「ヤッホーーィッ!凄い凄い!早いんですね、ペガサスって!!きーもち良い~っ!」
デレデレしているのにも飽きたのか、ネックレス男の背中を堪能したエレナは右に左にと身体を動かして風を感じ、両手放しで喜ぶものだから逆に気が気ではない様子のネックレス男。
エレナはそう言う女だ、ざまぁ見ろ!
しかし残念ながら自前のテントの方が良いと満場一致で即決され、いつも通りにテントを設置すれば、初めて見たアリサが驚いていたのは言うまでもないだろう。
「レイ、時間があるのなら魔法の練習をするわよ」
何を思ったか背中に貼り付いたサクラはそのままに、四つ目のテントを張り終えて一息ついたタイミングを狙い、ずっとその様子を見ていたアリサが口を開く。
「じゃあ私も!」
興味を示したエレナが名乗りを挙げれば、アリサとはまだ打ち解けた様子のないモニカも静かに寄って来て俺に背を預けた。
「モニカもやるのか?」
「うん……お兄ちゃんが練習するのは光の魔力をどう使うか、でしょ? 私も光の魔力を扱えるから聞いておいた方が身になるかなぁって思ったの、ダメ?」
向上心を持つのがイケナイ事の筈がない。「そうか」と頬にキスをして頭を撫でてやれば、嬉しそうな顔で寄って来た雪を抱き上げたので雪の頬にもキスをしてやると、アリサを先生とする魔法の勉強会が始まった。
二種類の魔力を無理なく扱えるようになれば、それはもう中堅の冒険者を名乗ってもおかしくは無い。
更に上達して剣などの物に魔法を付与出来るようになれば身体強化まではあと一歩であり、そこをクリアすれば上級冒険者だ。
俺達がやろうとしているのは、お湯などのように二種類の魔力を混ぜ合わせて魔法とする混合魔法……ではなく、分かりやすく言えば、既に魔法として発動している水に別属性である火の魔力を後から混ぜ合わせるという難度の高い技。
もちろん顕現させた水をお湯に変える、もしくは温度を下げて氷にすることは出来るのだが、問題なのは必要となる火魔力の量。
魔力に魔力を混ぜるのは感覚さえ掴めばさして問題なく出来ることでも、既に魔法の事象として存在する水に百の火魔力を加えた場合、今の俺で言えば十にも満たないほどしか混ぜることが出来ていない。
しかし、光の魔力とは極めて優秀な魔力で、微量でも混ぜ合わせられれば元となる魔法の威力を飛躍的に向上してくれるのだ。
では何が問題なのか、それは扱える光の魔力量が四属性の魔力に比べ極めて少ないということ。
あまりの少なさから、全ての人間が扱える魔力だというのに『自分には扱えない』と認識してしまっている人間がほとんどだとは以前、ルミアの講義で教えられた。
それは “適性がある” と言われ、他の人より使える魔力量が多い俺やモニカにしても言えることで、一しか魔力を使わない生活魔法などの弱い魔法に対して十の光魔力を注ぎ一が付与出来たとすれば、その割合は一対一となり目に見えて凄まじい効果が感じられることだろう。
しかし、百の魔力を使う高威力の魔法に対してたったの一程度の光魔力を付与したとて、魔法の威力が二倍や三倍になることはない。
そこで、ネックとなる光魔力の溶け合う割合を増やそうという話になるのだ。
俺達が目指すのは、使用した十の光魔力が一切の無駄とならず完全に溶け込む状態。 これが出来さえすれば、例え初歩的な火玉や風玉といえども必殺の魔法となり得るほど強力になる……はず!
しかし、魔法という事象と化してしまった魔力は、水と油のように混ざり合おうとしないので頭を悩ませる。
「なぁ、十の光魔法に一の火の魔力を加えたら超絶火魔法が……」
「インチキしようとしないの。 光魔法に火の魔力をエンチャントしても大した効果は無いわよ。光の魔力はあくまでサブ、メインとなる魔法に光の魔力を加える事で絶大な威力の魔法が出来上がるのよ?
魔法とは体内に溢れる魔力を触媒に精霊に現象を行使させたもの、魔法と魔力を正しく理解なさい。
それと、一の火魔法に十の光魔力を混ぜることができれば、それはもう、想像を絶する魔法が顕現するでしょうね。けど、二割三割の光の魔力ですら合わせる事の出来ない貴方には割合の逆転など難しいのではなくって?」
二属性の魔力を混ぜ合わせて魔法とする混合魔法は、その二種類の割合に応じて異なる魔法と化す。
しかし魔法に魔力を付与することに関しては、元の魔法が変化はすれど、魔法そのものの属性まで変化することは無い。
通常、元となる魔法を使うために消費された魔力を、付与した魔力が上回ることは理論上あり得ないらしいのだが、こと光の魔力に関しては “魔法のブースター” という性質上それが当てはまらないらしい。
しかし、一対一の状態で魔力が飽和状態となるため、それ以上を混ぜるのは至難の業らしく、長き時をかけて魔法を研究し続けてきたアリサでも『出来る』とは知っていても、どのような結果になるのは分からないのだと言う。
夜まで続いた勉強会は夕食で一旦休憩となり、珍しく修練に参加したコレットさんはたった何時間かでかなりの上達を見せた。
サラと同じく多少ではあるものの、光の魔力が扱えるのを内緒にしていた事をネタに虐めてやろうと二人の夜を楽しみにしていたのに、完全復活……と、言うより、心の枷が外れたコレットさんには以前の遠慮が無くなっており、逆に俺の方が “ゴメンナサイ” をする羽目になったのは嬉しいのだが苦い思い出となった。
▲▼▲▼
翌る日もエルフ達が戻るまでやれる事がない俺達は、アリサ先生のスパルタ指導の元、魔法の修練に明け暮れていた。
もっとも、光の魔力を扱えないエレナは最初から別メニューで、カンの良過ぎるコレットさんはさっさと合格。モニカはどうやらコツを掴んだようでメキメキと上達しているのでスパルタな指導をされているのは実質俺だけなのだが……。
「ヒィィィヒヒヒヒヒヒィッッ!」
馬の嘶きに顔を上げれば、何も無い空を駆ける翼の生えた三頭の白い馬の姿。大きく螺旋を描きながら徐々に高度を下げると、俺達のキャンプの前に降り立った。
「自前のテントか。家は使って構わないと言ったと思ったが……」
全員が下馬したところでエルフの一人が近寄って来ると、両手を胸の前で合わせたエレナがいつになく率先して前に出る。
自分の任された仕事を頑張るつもりかと思いきや キラキラ と輝きを放つ目はハートマークになっており、だらし無く半開きとなっている口の端には涎が光っているではないか……。
──てめぇ、そんな堂々と浮気かよ!
見た目は確かに女性ともとれそうな程に美しい容姿はしている。だが残念なことに戻って来た五人が五人共同じ顔にしか見えず、それを見ただけでは昨日会話を交わしたのが今近寄って来ている奴かどうかも区別がつかない。
ただ助かる事に、リーダーの証か何か知らないが、赤い宝石の嵌まった十字架のネックレスを付けているので唯一その男だけは区別がつく。
「慣れ親しんだ物の方が落ち着くので、折角のご好意を無駄にしてすみません」
「なるほど、そう言う事でしたらお気になさらず」
「それで、族長さんの許可は下りたのでしょうか?」
「ええ、最初は否応無しに拒絶されたのですが、エレナ嬢が見目麗しい方だと報告したら掌を返されましてね……折角足を運んでくださったので返事はどうであれ会うだけは会うと言われました。
ですので、早速で申し訳ないですが、族長の気の変わらない内に我等の集落へと向かいましょう」
「美しいとか、そんな……やっだもぉっ!」
頬を押さえて やいのやいの するエレナに手を差し伸べると、乗っていたペガサスへとエスコートして行くネックレス男。
流れるような華麗な動きで白い馬体へ乗った後、お姫様でも乗せるように馬上から手を伸ばしてエレナを引っ張り上げた。
「お、お兄ちゃん? 顔、怖いよ?」
「レイシュア、嫉妬?ねぇ、嫉妬だよね? プククッ」
いつの間にか引き攣っていた左右の頬をモニカとサクラが ツンツン と突ついてくる。 言われるまで気が付かなかったが、どうやら俺はネックレス男を “敵” だと認識したらしい。
「徒歩だと三、四日はかかる。急ぎましょう」
言外に “お供は歩け” と言われて余計に腹が立ち、キレそうになりながらも風の絨毯で皆を持ち上げゆっくりと空に浮かび上がった。
「何だあれは!まさか人間の作り出した魔導具なのか!?」
「いえ、あれはレイさんの魔法です」
「あれが魔法ですと!?」
「たぶんこの子より早く進みますよ。私達も空へ行きましょう!」
ワクワクを押さえきれない楽しげな顔のまま、これ幸いとネックレス男にしがみ付く様子に『後でお仕置きだ!』と拳を握り締めれば、アリサが俺達に重力魔法をかけてくれる。
「レイ……ただ馬に乗せてもらってるだけでそんなに怒るのはみっともないわよ?」
「怒ってないよ?全然、全く、少しも、これっぽっちも」
「そう? それなら良いけど」
勢い良く空に上がると、垂直に移動した俺達とは違い、ペガサスは坂道でも登るように何もない空を斜めに駆け上がって来る。
そのまま東に向かって高度を上げると、遥か先にそびえるテンダール山脈に向けて移動を始めた。
「ヤッホーーィッ!凄い凄い!早いんですね、ペガサスって!!きーもち良い~っ!」
デレデレしているのにも飽きたのか、ネックレス男の背中を堪能したエレナは右に左にと身体を動かして風を感じ、両手放しで喜ぶものだから逆に気が気ではない様子のネックレス男。
エレナはそう言う女だ、ざまぁ見ろ!
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