527 / 562
第十章 嬉しい悲鳴をあげた大森林
15.ドワーフの族長
しおりを挟む
ドワーフの集落で最初に会った少年ジジル。その父親である親父さんがジゼルで、母親である女将さんをシンディー。
連れてこられたシャロの父親はシド、母親はジェリーンと言うのだそうだ。
新しい出会いとは得てしてこうだろうが、一度に知り合いが増えると名前を覚えるのも大変。
王都で参加した社交会や、カナリッジでのティナとの結婚披露のパーティーなどに比べたら遥かに人数は少ないものの、俺の苦手とする分野には変わりがない。
一度会った相手なら名前と顔が一致するどころか、どんな話をしたかまで記憶に留めるサラは凄いどころの騒ぎではなく、自分の婚約者ながらも尊敬を通り越して崇拝してもいいレベルだ。
「シャロが人間界で元気さすとる!?」
俺には到底分からないのだが、剣や槍、アクセサリーに至るまで、物を造る際に込められた魔力は何年経とうが痕跡が残っているらしい。
それを識別出来るドワーフ達にはシュネーゼやフォランツェ、朔羅を造ったのがシドとジェリーンの娘であるシャーロットなのだと分かると言うのだ。
それを理解した上で王都サルグレッドでシャロが暮らしている事を伝えれば、母親であるジェリーンは顔を押さえて泣き崩れてしまった。
まだ残っていたシフォンケーキを十一人で突つきながら昔話を聞けば「まじか……」と思わず漏れ出てしまう心当たりのある人物が登場したのには驚いたが『あの人ならばあり得る』とは思ったものの空気を読んで口には出さなかった。
──簡単に話すなら、こんな感じだ
百五十年程前に村に現れた小さな魔女は「森の外は楽しい事がいっぱいよ?私と一緒に行ってみない?」などと子供達を誘惑した。
「えっ!本当?行く行く!!」
当時数人しか居なかった子供達は『面白そうではあるがちょっと怖い』『村から出るのが面倒』と難色を示す中「行く!」と二つ返事したのは、その時既に三十代後半だったシャーロットなのだと言う。
唖然とする両親を尻目に「行ってくる」と軽い挨拶を告げると、引き止めようとする村人の目の前で魔女と共に姿を消した……らしい。
その魔女というのが魔族の癖にドワーフ達と変わらない背格好。腰まで伸びる手入れのされていない銀の髪が特徴的で、切れ長の目の奥には濃紫の瞳が見えていたと言うではないか。
その説明からすると我等が大先生と特徴がほぼ一致し、村の中を移動する時も空を飛んでいたというから十中八九間違いない。 人攫いとか何を考えてると文句の一つも言いたいところだが、ルミアの事だ、何か考えがあったのだろう。
一つ気になる事があるとすれば、その出来事が百五十年も昔の話しだとという事と、当時ですらシャロは四十近かったという事。
ドワーフは人間に比べてかなり長命な種族のようだが、つまり……いやこれ以上の詮索は止めておこう──人は見かけによらない、つまりそういう事だ。
「シャロが健在なのにも驚いだげんども、まぁさが心が宿るような物を造れるどは恐れ入ったど。
お前さん達の目的はうちの族長さ会うごどだっぺな? ええど、おらが紹介すてやんべ」
シャロの父親であるシドに連れられてドワーフの集落を歩けば、どの家も二階建て家屋に平家をくっ付けた同じ形をしているのに疑問を感じてぶつけてみる。
「ジゼルのどごで見ねがっただか? 二本立っとる煙突の細い方が料理用のかまどのやづ、太い方は工房にある仕事用のだべ」
シャロが見せてくれたように、土魔法の得意なドワーフは鍛冶をする際にも魔法でササっと造るものだとばかり思っていた。
でも実際は人間と同じように素材に熱を加えて叩いて伸ばしてとするらしい。ただ、その際に加える土魔力が人間と比較して遥かに多いのでドワーフの方が遥かに良質な物を造れるのだそうだが、俺としては意外だった。
そして驚いたのが、獣人を中心に大森林フェルニアに住む他の種族と取引があるだけでなく、森の外にいる人間とも交流があり、造った物を食料や酒などと交換しているのだと言う。
もちろん極限られた信用ある人間としか会う事はないらしいのだが、それにしても驚きだ。
「オラ達は三つのグループさ分がれで仕事さすとるだ。
一つ目は鉱山での穴掘り、鉱物の採掘班だべ。二つ目は拾ってぎだ鉱物を加工すやすいよう素材毎さ分けて纏める精製班。三つ目は物を造るオラ達作製班だべ」
意外なことに採掘班の仕事場は地下。そこは行きたくないというので見せてはもらえなかったが、地下鉱山は村の地中に蟻の巣のように張り巡らされているらしい。
自宅が作業場となる作製班の家には二本の煙突があり、この辺りは作製班が住む地区だから見る家全てが同じ形をしているのだそうだ。
そして、見てきたドワーフの家を十建くっ付けたような大きな建物は、壁一面が赤茶色のレンガで覆われ、白い煙を モクモク 上げる太い煙突が四本も生えている。
そこが精製班の工房らしいのだが、内は建物中が熱気に包まれとても暑いから嫌いなのだとシドは漏らした。自分の工房でも火は使うが、炉の前が暑いだけなので全然違うのだと言う。
黄土色のレンガに覆われた似たようなでっかい工房を過ぎれば、青々と葉を付ける背の低い木の壁に囲まれた、他の家の三倍の敷地を使った大きな平家が存在を主張していた。
「ここが族長の家だべ。おいっ!ジジィっ!生ぎてっかぁ!? ジジィっ、ゼノ!!」
「朝から騒ぐんじゃねぇべさ!ガキンチョじゃあるめーし、うっせぇなぁ、もぉ」
家の中から拳を振り上げ走って来たのは、これ以上は無理だろうという程に丸々とした体型の初老の男。
顔はギルベルトのように渋い中年の男なのだが、如何せん、最初に目につくのがあの巨漢兎アルミロに匹敵するほど大きな腹で、奴をぷちゅっと潰して背を低くした姿形は丸いボールに短い手足をくっ付けたようにさえ見え、腕に抱く雪が咄嗟に手を当てたものの思わず吹き出してしまったとて俺達に非は無いだろう。
「あぁっ!?」
不機嫌そうに眉をひそめて雪を睨み付けるが、ツボに入ったらしくそれだけでは笑いが止まらなかったようだ。
俺の胸に顔を押しつけて声を殺そうとするものの、堪えきれない笑いがゼノと呼ばれた族長まで届く。
「てめぇ……おいっシド!これは一体どだなこった!!おんめぇまさか、族長の座欲すくて傭兵なんぞ雇って殴り込みにぎだんじゃねぇっぺか!?」
「まてコラ、くそジジィ。誰が族長なんで七面倒臭えもん寄越せなんで言うべがっ!んなもん盗るぐれぇならお前さどごある酒樽奪って行くべさ。
じゃなくでよ、族長のおめさにラブリヴァから遣いに来たっちゅうがら案内すてけだんだ」
「はぁぁ?ラブリヴァがらの遣いだどぉお?一体全体、何の用だべ?」
俺が渡したアリシアからの手紙をスルスル読み終えると一言「面倒ぐせぇっぺなぁ」と呟き、僅かにしか届かない腕を組んで何かを考える素振りをしながらも眉間に皺を寄せた。
連れてこられたシャロの父親はシド、母親はジェリーンと言うのだそうだ。
新しい出会いとは得てしてこうだろうが、一度に知り合いが増えると名前を覚えるのも大変。
王都で参加した社交会や、カナリッジでのティナとの結婚披露のパーティーなどに比べたら遥かに人数は少ないものの、俺の苦手とする分野には変わりがない。
一度会った相手なら名前と顔が一致するどころか、どんな話をしたかまで記憶に留めるサラは凄いどころの騒ぎではなく、自分の婚約者ながらも尊敬を通り越して崇拝してもいいレベルだ。
「シャロが人間界で元気さすとる!?」
俺には到底分からないのだが、剣や槍、アクセサリーに至るまで、物を造る際に込められた魔力は何年経とうが痕跡が残っているらしい。
それを識別出来るドワーフ達にはシュネーゼやフォランツェ、朔羅を造ったのがシドとジェリーンの娘であるシャーロットなのだと分かると言うのだ。
それを理解した上で王都サルグレッドでシャロが暮らしている事を伝えれば、母親であるジェリーンは顔を押さえて泣き崩れてしまった。
まだ残っていたシフォンケーキを十一人で突つきながら昔話を聞けば「まじか……」と思わず漏れ出てしまう心当たりのある人物が登場したのには驚いたが『あの人ならばあり得る』とは思ったものの空気を読んで口には出さなかった。
──簡単に話すなら、こんな感じだ
百五十年程前に村に現れた小さな魔女は「森の外は楽しい事がいっぱいよ?私と一緒に行ってみない?」などと子供達を誘惑した。
「えっ!本当?行く行く!!」
当時数人しか居なかった子供達は『面白そうではあるがちょっと怖い』『村から出るのが面倒』と難色を示す中「行く!」と二つ返事したのは、その時既に三十代後半だったシャーロットなのだと言う。
唖然とする両親を尻目に「行ってくる」と軽い挨拶を告げると、引き止めようとする村人の目の前で魔女と共に姿を消した……らしい。
その魔女というのが魔族の癖にドワーフ達と変わらない背格好。腰まで伸びる手入れのされていない銀の髪が特徴的で、切れ長の目の奥には濃紫の瞳が見えていたと言うではないか。
その説明からすると我等が大先生と特徴がほぼ一致し、村の中を移動する時も空を飛んでいたというから十中八九間違いない。 人攫いとか何を考えてると文句の一つも言いたいところだが、ルミアの事だ、何か考えがあったのだろう。
一つ気になる事があるとすれば、その出来事が百五十年も昔の話しだとという事と、当時ですらシャロは四十近かったという事。
ドワーフは人間に比べてかなり長命な種族のようだが、つまり……いやこれ以上の詮索は止めておこう──人は見かけによらない、つまりそういう事だ。
「シャロが健在なのにも驚いだげんども、まぁさが心が宿るような物を造れるどは恐れ入ったど。
お前さん達の目的はうちの族長さ会うごどだっぺな? ええど、おらが紹介すてやんべ」
シャロの父親であるシドに連れられてドワーフの集落を歩けば、どの家も二階建て家屋に平家をくっ付けた同じ形をしているのに疑問を感じてぶつけてみる。
「ジゼルのどごで見ねがっただか? 二本立っとる煙突の細い方が料理用のかまどのやづ、太い方は工房にある仕事用のだべ」
シャロが見せてくれたように、土魔法の得意なドワーフは鍛冶をする際にも魔法でササっと造るものだとばかり思っていた。
でも実際は人間と同じように素材に熱を加えて叩いて伸ばしてとするらしい。ただ、その際に加える土魔力が人間と比較して遥かに多いのでドワーフの方が遥かに良質な物を造れるのだそうだが、俺としては意外だった。
そして驚いたのが、獣人を中心に大森林フェルニアに住む他の種族と取引があるだけでなく、森の外にいる人間とも交流があり、造った物を食料や酒などと交換しているのだと言う。
もちろん極限られた信用ある人間としか会う事はないらしいのだが、それにしても驚きだ。
「オラ達は三つのグループさ分がれで仕事さすとるだ。
一つ目は鉱山での穴掘り、鉱物の採掘班だべ。二つ目は拾ってぎだ鉱物を加工すやすいよう素材毎さ分けて纏める精製班。三つ目は物を造るオラ達作製班だべ」
意外なことに採掘班の仕事場は地下。そこは行きたくないというので見せてはもらえなかったが、地下鉱山は村の地中に蟻の巣のように張り巡らされているらしい。
自宅が作業場となる作製班の家には二本の煙突があり、この辺りは作製班が住む地区だから見る家全てが同じ形をしているのだそうだ。
そして、見てきたドワーフの家を十建くっ付けたような大きな建物は、壁一面が赤茶色のレンガで覆われ、白い煙を モクモク 上げる太い煙突が四本も生えている。
そこが精製班の工房らしいのだが、内は建物中が熱気に包まれとても暑いから嫌いなのだとシドは漏らした。自分の工房でも火は使うが、炉の前が暑いだけなので全然違うのだと言う。
黄土色のレンガに覆われた似たようなでっかい工房を過ぎれば、青々と葉を付ける背の低い木の壁に囲まれた、他の家の三倍の敷地を使った大きな平家が存在を主張していた。
「ここが族長の家だべ。おいっ!ジジィっ!生ぎてっかぁ!? ジジィっ、ゼノ!!」
「朝から騒ぐんじゃねぇべさ!ガキンチョじゃあるめーし、うっせぇなぁ、もぉ」
家の中から拳を振り上げ走って来たのは、これ以上は無理だろうという程に丸々とした体型の初老の男。
顔はギルベルトのように渋い中年の男なのだが、如何せん、最初に目につくのがあの巨漢兎アルミロに匹敵するほど大きな腹で、奴をぷちゅっと潰して背を低くした姿形は丸いボールに短い手足をくっ付けたようにさえ見え、腕に抱く雪が咄嗟に手を当てたものの思わず吹き出してしまったとて俺達に非は無いだろう。
「あぁっ!?」
不機嫌そうに眉をひそめて雪を睨み付けるが、ツボに入ったらしくそれだけでは笑いが止まらなかったようだ。
俺の胸に顔を押しつけて声を殺そうとするものの、堪えきれない笑いがゼノと呼ばれた族長まで届く。
「てめぇ……おいっシド!これは一体どだなこった!!おんめぇまさか、族長の座欲すくて傭兵なんぞ雇って殴り込みにぎだんじゃねぇっぺか!?」
「まてコラ、くそジジィ。誰が族長なんで七面倒臭えもん寄越せなんで言うべがっ!んなもん盗るぐれぇならお前さどごある酒樽奪って行くべさ。
じゃなくでよ、族長のおめさにラブリヴァから遣いに来たっちゅうがら案内すてけだんだ」
「はぁぁ?ラブリヴァがらの遣いだどぉお?一体全体、何の用だべ?」
俺が渡したアリシアからの手紙をスルスル読み終えると一言「面倒ぐせぇっぺなぁ」と呟き、僅かにしか届かない腕を組んで何かを考える素振りをしながらも眉間に皺を寄せた。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる