493 / 562
第九章 大森林に咲く一輪の花
34.星空の下で
しおりを挟む
雲の無い空を独占する満月に照らされた大森林。見渡す限り果てしなく拡がるその姿が切立つ崖の上からはよく見える。
心地良い微風を肌に感じつつレッドドラゴン達の城パラシオの一番外の城壁に座り、森と二分された満天の星空を独り占めしていた。
「こんな所にお一人ですか?」
誰が来たのかは振り向くまでも無かったのだが、返事の代わりに首を回せば、月夜に映える白い肌の女が同じ色の太い尻尾をくねらせゆったりとした足取りで近付いて来る。
「よっと」
俺の座る城壁の外縁へと片手を突き、必要のない掛け声と共に軽い身のこなしで飛び乗る。
危なげない様子であるにも関わらず両手を広げてバランスを取る素振りを見せながら俺の隣まで歩み寄り、機嫌良さげに腰を降ろした。
「お一人なんて珍しいですね。もしかして私を待っててくれたりしたんですか?ふふふっ」
空を見上げる為に背後に突いていた俺の手に自分の手を重ねて身を乗り出せば、希望に満ちた光を携えた金の瞳が拳ひとつ分まで迫って来る。
──あぁ、これは不味い状況だな
顔を見たからと言って逃げ出す訳にも行かず、彼女のしたいようにさせた受け身の結果がコレだ。いくら鈍感な俺でも流石にこの後の展開が読めないほどではない。
「モニカは寝かしつけたがティナとエレナは部屋に戻ったのか?随分と呑んでたようだけど、また二日酔いとか勘弁してくれよ?」
わざわざ嫁の名前を出したのはせめてもの防御策。
だがそんなのは些細な事だと気にも留めず、僅かばかりの抵抗虚しく俺の肩へと頭を預けて寄り掛かって来ると、赤茶色の髪からは仄かに石鹸の香りが漂ってくる。
「レイシュア様と出会ってからの三日は短過ぎました。二百年という時を生きて来ましたが、これほど時間が惜しいと感じたのは初めての事です」
ガン無視される俺の言葉に『走り出した彼女は止まらないか』と心の中で苦笑いを浮かべてみるものの、胸に伸びた手がそっと添わされると加速して行く良くない状況に冷や汗が垂れる思いになる。
「レイシュア様がトパイアス様を打ち負かしたのを見た瞬間、雷を流したような衝撃が駆け抜けました。個の強さでは敵うはずがないと思っていた人間が、この世の中で最強種族と謳われるレッドドラゴン、それも一族の中で最強に程近い者に勝てるなどと誰が想像出来るでしょう。
そしてクラウス様をねじ伏せた鮮やかな一太刀。その時まで男性に魅力を感じることの無かった私でしたが、レイシュア様に強い興味を惹かれたのは女としての本能だったのかも知れません」
肩から向けられる艶やかな視線から逃れようとお星様へと顔を向けた。
普通から考えたらセレステルほどの美人に迫られれば諸手を挙げて喜んでもいいのだろうが、男としての本能より チクチク と胸を刺す罪悪感の方が優っており、俺の心が悲鳴をあげている。
「セレステル、ちょっと待っ……」
「レイシュア様の周りには “妻” と呼ばれる生涯を共にする約束をした女性が何人もいるのは重々承知です。ですが、今この時を逃せば私の想いが満たされる事は永遠に来ない事でしょう。ですから……」
穏やかな風の吹く二人きりの星空の下、自分の心の内を異性に告白するのにこれほど適した状況は他に無いだろう。肩に当たる彼女の顔が熱を帯び、これからの事に想いを馳せているのが伝わってくる。
それ以上を聞いてしまうとなし崩しになってしまうと耳を塞ぎたくもなったが、今日はリリィと過ごす夜だと言うのに “会談” という名の飲み会から未だ帰らぬのをいい事に、良心とは裏腹に流されそうになっている自分がいた。
しかし、彼女が最後の一歩を踏み出す為の足を上げた、そんな折りに窮地を脱する為の救いの手が差し伸べられる。
「ダーリン、待った?」
気配すら無く突然沸いたかのように、そこに現れたのは俺が待ち望んでいた女神様。
夜風に靡く金の髪を掻き上げれば左耳には俺と同じ月型のイヤリングが本物の月を写し出し、優しい光を放つ。首から吊り下がる布に包まれた豊かな胸を揺らして引き締まった腰へと片手を当てているのはセレステルへの挑発だろうか?
しなやかな脚が交互に動く度に短いスカートが揺れ動き、地面に腰を下ろす俺からはその奥に秘められたモノが見えそうで見えずといった絶妙な状況に、極間近にいるはずのセレステルを忘れさせ視線が釘付けにされてしまう。
「あら、お邪魔だったかしら?」
セレステルとは反対側に腰を降ろすと、腕を置いた俺の肩へと顎を乗せて頬へと手を伸ばし『コレは自分のモノだ』とアピールする。
「え、えぇ……なけなしの勇気を振り絞って一世一代の大勝負に出た所だったんですけど、台無しにされてしまいましたわ」
「それなら完璧なタイミングだったわね」
片手で固定された俺の顔へと迫るララの顔、長いまつ毛の生える瞼が薔薇色の瞳を覆い隠すのが目に写った次の瞬間、柔らかな感触が唇に訪れる。
「なっ!?」
リリィの身体を操るララとのキス、これも浮気にカウントされるのかとキスの最中に不謹慎な事が頭を過ぎるのだが、セレステルに迫られていた先程とは違い罪悪感は湧いてこない。
唇が触れ合っただけの長い口付けは、驚きのあまり顔を離したセレステルを余所にララという存在を存分に感じさせる。
リリィは俺の生まれた時からの幼馴染みであり、愛する妻だ。
しかし今、リリィの身体を動かしているのは彼女の祖先であるララであり、俺の妻ではなく赤の他人。言わばセレステルより少し前に知り合ったというだけで彼女と同じ立場の筈なのに、ララには唇を許すクセにセレステルは拒絶しようとする。この違いは一体何なのだろうか?
よくよく考えてみれば、虚無の魔力の影響も大きいだろうがセレステルも俺の事を真剣に考えてくれる女性だ。
出逢った順番が違ったら彼女も俺の妻になっていたかもしれない。それならば “遅かったから” と単純に切り捨てるのは如何なものなのだろうと、自分の行動に疑問を感じ始めるが現状は変えられるはずもない。
「セレステル、ごめん。俺には勿体ないくらいの君の気持ちはとても嬉しい。けど、君も知るように俺には何人も妻がいる。その妻達から注がれる愛に応えるのに今は精一杯で、君からの想いには応えてあげられる自信がない。だから……せっかくの気持ちだけど、本当にごめん」
面と向かっての初めて拒絶に無数の針が心へと突き刺さるような苦しい想いだったが、俺の胸の痛みよりもセレステルの方が遥かに大きな痛みを受けた事だろう。
その証拠に期待に胸を膨らませていただろうご機嫌だった先程までとは打って変わり、視線は遥か下にある地面へと突き刺さっている。
「そう……ですよね。レッドドラゴンの掟でも同時に囲うのは三人までとされています。レイシュア様の “妻” はそれ以上ですものね……ちょっと、浮かれてました。やっぱり私は出来損ないですね。すみません、失礼します」
視線を合わせる事なく立ち上がると、嫌なものから逃げるように足早に去って行く。小さくなって行く後ろ姿を見ながらチクチクと刺すような痛みで俺の罪を訴える心の中で『ごめん』と謝ってはみるものの、勢いを増すばかりの罪悪感は俺を許しはしないらしい。
心地良い微風を肌に感じつつレッドドラゴン達の城パラシオの一番外の城壁に座り、森と二分された満天の星空を独り占めしていた。
「こんな所にお一人ですか?」
誰が来たのかは振り向くまでも無かったのだが、返事の代わりに首を回せば、月夜に映える白い肌の女が同じ色の太い尻尾をくねらせゆったりとした足取りで近付いて来る。
「よっと」
俺の座る城壁の外縁へと片手を突き、必要のない掛け声と共に軽い身のこなしで飛び乗る。
危なげない様子であるにも関わらず両手を広げてバランスを取る素振りを見せながら俺の隣まで歩み寄り、機嫌良さげに腰を降ろした。
「お一人なんて珍しいですね。もしかして私を待っててくれたりしたんですか?ふふふっ」
空を見上げる為に背後に突いていた俺の手に自分の手を重ねて身を乗り出せば、希望に満ちた光を携えた金の瞳が拳ひとつ分まで迫って来る。
──あぁ、これは不味い状況だな
顔を見たからと言って逃げ出す訳にも行かず、彼女のしたいようにさせた受け身の結果がコレだ。いくら鈍感な俺でも流石にこの後の展開が読めないほどではない。
「モニカは寝かしつけたがティナとエレナは部屋に戻ったのか?随分と呑んでたようだけど、また二日酔いとか勘弁してくれよ?」
わざわざ嫁の名前を出したのはせめてもの防御策。
だがそんなのは些細な事だと気にも留めず、僅かばかりの抵抗虚しく俺の肩へと頭を預けて寄り掛かって来ると、赤茶色の髪からは仄かに石鹸の香りが漂ってくる。
「レイシュア様と出会ってからの三日は短過ぎました。二百年という時を生きて来ましたが、これほど時間が惜しいと感じたのは初めての事です」
ガン無視される俺の言葉に『走り出した彼女は止まらないか』と心の中で苦笑いを浮かべてみるものの、胸に伸びた手がそっと添わされると加速して行く良くない状況に冷や汗が垂れる思いになる。
「レイシュア様がトパイアス様を打ち負かしたのを見た瞬間、雷を流したような衝撃が駆け抜けました。個の強さでは敵うはずがないと思っていた人間が、この世の中で最強種族と謳われるレッドドラゴン、それも一族の中で最強に程近い者に勝てるなどと誰が想像出来るでしょう。
そしてクラウス様をねじ伏せた鮮やかな一太刀。その時まで男性に魅力を感じることの無かった私でしたが、レイシュア様に強い興味を惹かれたのは女としての本能だったのかも知れません」
肩から向けられる艶やかな視線から逃れようとお星様へと顔を向けた。
普通から考えたらセレステルほどの美人に迫られれば諸手を挙げて喜んでもいいのだろうが、男としての本能より チクチク と胸を刺す罪悪感の方が優っており、俺の心が悲鳴をあげている。
「セレステル、ちょっと待っ……」
「レイシュア様の周りには “妻” と呼ばれる生涯を共にする約束をした女性が何人もいるのは重々承知です。ですが、今この時を逃せば私の想いが満たされる事は永遠に来ない事でしょう。ですから……」
穏やかな風の吹く二人きりの星空の下、自分の心の内を異性に告白するのにこれほど適した状況は他に無いだろう。肩に当たる彼女の顔が熱を帯び、これからの事に想いを馳せているのが伝わってくる。
それ以上を聞いてしまうとなし崩しになってしまうと耳を塞ぎたくもなったが、今日はリリィと過ごす夜だと言うのに “会談” という名の飲み会から未だ帰らぬのをいい事に、良心とは裏腹に流されそうになっている自分がいた。
しかし、彼女が最後の一歩を踏み出す為の足を上げた、そんな折りに窮地を脱する為の救いの手が差し伸べられる。
「ダーリン、待った?」
気配すら無く突然沸いたかのように、そこに現れたのは俺が待ち望んでいた女神様。
夜風に靡く金の髪を掻き上げれば左耳には俺と同じ月型のイヤリングが本物の月を写し出し、優しい光を放つ。首から吊り下がる布に包まれた豊かな胸を揺らして引き締まった腰へと片手を当てているのはセレステルへの挑発だろうか?
しなやかな脚が交互に動く度に短いスカートが揺れ動き、地面に腰を下ろす俺からはその奥に秘められたモノが見えそうで見えずといった絶妙な状況に、極間近にいるはずのセレステルを忘れさせ視線が釘付けにされてしまう。
「あら、お邪魔だったかしら?」
セレステルとは反対側に腰を降ろすと、腕を置いた俺の肩へと顎を乗せて頬へと手を伸ばし『コレは自分のモノだ』とアピールする。
「え、えぇ……なけなしの勇気を振り絞って一世一代の大勝負に出た所だったんですけど、台無しにされてしまいましたわ」
「それなら完璧なタイミングだったわね」
片手で固定された俺の顔へと迫るララの顔、長いまつ毛の生える瞼が薔薇色の瞳を覆い隠すのが目に写った次の瞬間、柔らかな感触が唇に訪れる。
「なっ!?」
リリィの身体を操るララとのキス、これも浮気にカウントされるのかとキスの最中に不謹慎な事が頭を過ぎるのだが、セレステルに迫られていた先程とは違い罪悪感は湧いてこない。
唇が触れ合っただけの長い口付けは、驚きのあまり顔を離したセレステルを余所にララという存在を存分に感じさせる。
リリィは俺の生まれた時からの幼馴染みであり、愛する妻だ。
しかし今、リリィの身体を動かしているのは彼女の祖先であるララであり、俺の妻ではなく赤の他人。言わばセレステルより少し前に知り合ったというだけで彼女と同じ立場の筈なのに、ララには唇を許すクセにセレステルは拒絶しようとする。この違いは一体何なのだろうか?
よくよく考えてみれば、虚無の魔力の影響も大きいだろうがセレステルも俺の事を真剣に考えてくれる女性だ。
出逢った順番が違ったら彼女も俺の妻になっていたかもしれない。それならば “遅かったから” と単純に切り捨てるのは如何なものなのだろうと、自分の行動に疑問を感じ始めるが現状は変えられるはずもない。
「セレステル、ごめん。俺には勿体ないくらいの君の気持ちはとても嬉しい。けど、君も知るように俺には何人も妻がいる。その妻達から注がれる愛に応えるのに今は精一杯で、君からの想いには応えてあげられる自信がない。だから……せっかくの気持ちだけど、本当にごめん」
面と向かっての初めて拒絶に無数の針が心へと突き刺さるような苦しい想いだったが、俺の胸の痛みよりもセレステルの方が遥かに大きな痛みを受けた事だろう。
その証拠に期待に胸を膨らませていただろうご機嫌だった先程までとは打って変わり、視線は遥か下にある地面へと突き刺さっている。
「そう……ですよね。レッドドラゴンの掟でも同時に囲うのは三人までとされています。レイシュア様の “妻” はそれ以上ですものね……ちょっと、浮かれてました。やっぱり私は出来損ないですね。すみません、失礼します」
視線を合わせる事なく立ち上がると、嫌なものから逃げるように足早に去って行く。小さくなって行く後ろ姿を見ながらチクチクと刺すような痛みで俺の罪を訴える心の中で『ごめん』と謝ってはみるものの、勢いを増すばかりの罪悪感は俺を許しはしないらしい。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる