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第七章 母を訪ねて三千里
26.奴隷達の教育
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「借金奴隷も大きく二つに分けられます。親の都合で自らの意思に反して奴隷となってしまった子供達と、その逆で、金を得る為に自らの意思で自分の身を売って奴隷となった者達です。両者共単に “奴隷” と呼ばれますがその本質は大きく異なる者なのです。
それを踏まえた上で彼等の部屋をご覧になって頂きます」
バスチアスが木製の扉を開けると二段ベッドが両脇に一つずつ置かれただけで埋まってしまうほど狭い部屋だった。扉から正面の壁には窓があって部屋は明るく地下とは比べ物にならないほどの待遇の良さを感じる。
「ここは子供達の部屋です。ご覧の通り四人一部屋で生活をしてもらっていますが、これには理由があります。勿論、数の多い子供達の収容数の関係もありますが、理由の一つは子供達の教育の為です。
そうでない場合もありますが、奴隷というのは一人の主人が複数の奴隷を所持しており、主人の元での集団生活を余儀なくされます。奴隷として買われご主人の元に行った時にキチンとした集団生活が出来るように練習を兼ねて四人一組の部屋割りにしてあるのです。
ただ、基本的にこの部屋は寝るだけですので、これほど狭い部屋でも然程窮屈さは感じさせておりません」
先程登ってきた階段を降り三階へ着くと、バスチアスが部屋の扉を開け、中を見ろと促しながら身を退いたので遠慮無しに覗いてみれば、部屋の作りは一緒だが先程より更に狭い部屋にベッドが一つだけ、窓際に小さな机と椅子が置かれただけの簡素な部屋だった。
「この部屋は大人用です。他の奴隷業者は子供部屋のように四人や八人で生活させる所もありますし、地下のようにベッドすらない部屋に押し込める所もあるそうです。ですが我が商会は奴隷と言えども人としての尊厳を守る為に狭いながらも敢えて個室での生活をしてもらっております」
説明が終わると長居は無用とばかりに再び階段を降り始めるバスチアス。四階も三階も廊下の両脇にびっしりと扉が立ち並び、それが全て見せてもらったような奴隷達の部屋なのだろうとは容易に想像することが出来る。だが彼に続いて階段を降りながらも人気が全く無かった事が気になった。
「ここにいる奴隷達は今どこにいるんだ?」
「はい、これからお見せする二階が我が商会が誇る独自の教育の場となっております。他の奴隷業者はただ人を仕入れて売るだけの売買機関です。勿論、奴隷としての心得等の教育はされますが我がパーニョン奴隷商会では、彼等が奴隷から解放された後のことまで考えて再び奴隷となる事なく人並みの人生が送れるような教育を実施いたしております。
先程お見せした部屋は “寝る為の部屋” と申しましたように、この施設に居る間の殆どの時間はその教育に当てられているのです」
二階に着き、手前にあった扉を開いて入って行くバスチアスに続くと、縦横七メートルの部屋に二十人の男女が五人一列に並んで長椅子に座っており、前に立つ四十代の男の話に熱心に耳を傾けていた。俺達が部屋に入ったにも関わらず チラッ と横目で見ただけで特に気にする素振りもない。
彼等の前には長テーブルが置かれており、そこでメモを取っている者も見受けられることからもその真剣さが伺える。
「奴隷として主人に買われて働き始めると、普通に働くよりは遥かに少ない賃金で労働する事になります。それでも衣食住は保証される訳ですから僅かずつでも金は溜まって行きます。そして自分を買い戻せる資金を手に入れたとき奴隷という不名誉な身分から解放されるのです。
今、ここでは商業の基本について教えています。商売に失敗して奴隷となった者が殆どですが中には奴隷から解放されたら商売をと考えてこの講義を選択する者もおります」
「講義を選択?」
「はい、その通りでございます。全員統一の奴隷としてどこでも働けるような基本的な講義の他にも希望する内容の講義を受けられるようにしてあります。勿論、そういった意欲のない、又は自分が何をしたら良いのか分からないといった方もおりますので、そのような方達には満遍なく色々な講義、もしくは実習を行ってもらい、自分が何に向いているのか、何をしたいのかを判断してもらうのです」
その部屋を後にし、廊下から覗けるようになっている部屋の様子を見ながら歩いて行くと、彼の言うように色々な講義が行われているようで、様々な年齢の男女が皆一様に講師の話に聞き入っていた。
「何の匂い?何か良い匂い」
ティナが顎を突き出し小さな鼻をヒクヒクさせながら廊下に漂う微かな匂いを嗅ぎ始めると、俺の鼻にも薔薇とオレンジが混ざったような良い香りが通り過ぎて行った。
「良い匂いですね。カカさま、これは何の香りでしょう?」
「うーん、なんだろね?」
微かな匂いの元を辿ると丁度横にあった部屋の扉から漏れて来ているようだったので、廊下の窓から中を覗いてみれば講義を受ける人の横に五センチほどの陶器製の玉子型の置物があり、そこから薄っすらと煙が出ているように見える。
「お気付きになりましたか、あれは香炉です。今、この部屋では人間としての常識を解く講義が行われており、人としてどうあるべきかと言う眠たくなるような話をしているので、講義を受ける者の同意を得て我々が開発した集中力を高める香を焚いてるのです。
この香は軽い催眠効果のあるもので、つまらない話がすんなり頭に入る事から必須講義には好評なのです。勿論、人体に影響を及ぼす危険な薬物とは違い、その道の偉い学者の方数名に安全を確認していただいたキチンとした物なので皆安心して使っております。
言い方は良くありませんが彼等は人生の落伍者です。奴隷としての任期を終えた後、次の人生では二度と奴隷などにはならぬよう人として生きていく上でどうしても必要な知識はしっかり身に付けて貰う為に、こうして必要だと思われるいくつかの決められた講義には香の使用をしております」
講義の行われている十余の部屋を通り過ぎれば今度は実習の部屋になったようで、荷物の積み方から運搬の仕方、薪割りやら家具の補修作業など奴隷ってこんな仕事なんだと思いながら見て行くと、皿洗いやら野菜の下処理、窓拭きなどメイドさんの仕事なのでは?と思うような事までやっている。
「通常、力仕事や汚れ仕事が奴隷として与えられる仕事なので不思議に思われるかもしませんが、ここから巣立って行った奴隷達の努力のお陰で信頼を得ることが出来、今では最初からメイド並みの仕事を任せて貰える者も多数おります。ですので奴隷を卒業してからの事だけでなく、奴隷として働く上での教育としてこのような実習もしているのです。奴隷としてメイドのような仕事を任され、そのままメイドとして働く、そのようなケースも増えていると報告も受けております」
更に廊下を進んで行くと、今度は五歳くらいの子供達が机に向かい何やら真剣に書物をしていた。誰一人雑談する事なく熱心に取り組んでる姿に感心しているとバスチアスが満足げな顔で見てくる。
「この部屋では文字の読み書きの練習をしています。この子達位ですと早くても二十歳過ぎる頃までは奴隷として働かなくてはなりませんが、読み書きというモノが出来ないと奴隷としても、その後の生活でも不便極まりなく、読み書きの出来ない者が盗賊等、世間の外れ者になる確率が高いという学者のデータもあるくらいなのです」
「お兄ちゃんも一緒に勉強してきたら?」
「そうね、レイも字の練習が必要だと思うわ」
「この子達の方が字が綺麗だったりして?」
おいおい、それは流石に無いだろうとは思うが字が下手な自覚はあるつもりだ。
「トトさま、誰にでも得手不得手はあります。そんなに気を落とさないでください」
「なんだ、それほどまでに凄い字を書くのか?ならばお前と五歳の子供、どちらがちゃんとした字を書けるか勝負してみたらどうだ?」
「待て待てっ!冗談だろ?」
字の汚さを知らないイオネはまさか子供より汚いとは夢にも思わず面白半分にけしかけてくるが俺はこの子達にすら勝てるという自信がないので気が気では無い。
そんな俺の事情など知らないバスチアスは姫様の遊び心たっぷりの提案に乗っかり意気揚々と部屋の扉を開けると、一番後ろの一人分だけ空いていた席に紙とペンをわざわざ用意してくれて、手で座れと合図してくるので大きな溜息が出た。
せっかく集中していた子供達も突然入って来た大人達に興味をそそられ、子供用の小さな席に座った俺に注目が集まる。それでも静かに見守るだけのお行儀の良い子供達の目の前で自分の名前を書き終わると隣の席に座る女の子の紙をチラリと盗み見して愕然とした。
「あのね、お兄ちゃん。真っ直ぐな線を描くときは力を入れずにスーッと書くのよ。ほら、こうやってスーッと書くの……真っ直ぐ書けるでしょ?曲がった線も力を入れ過ぎていては上手く書けずにお兄ちゃんみたいにヘンテコになるのよ。それとね、どこに何を書くのかをイメージしてから手を動かすのよ。これは難しいから練習が必要よ?私もがんばるからお兄ちゃんもがんばってねっ」
見兼ねた隣の女の子に励まされて余計に虚しくなってくる若干十五歳の俺。だがその子は良かれと思い俺に声をかけてくれたので無下にするわけにも行かず素直にコクコクと頷いて聞いていた。
だがしかし、前の席から見ていた男の子が俺の書いた字を見た途端に思わず プッ と吹き出した。それを皮切りに幼いながらも気を遣い我慢していたであろう笑いの堰は崩壊し、たちまち笑いの渦へと飲み込まれた子供達。少し遠くに座って居た子まで席を立ちわざわざ俺の書いた字を見に来てゲラゲラ笑う始末。なんのイジメだよ!
それを踏まえた上で彼等の部屋をご覧になって頂きます」
バスチアスが木製の扉を開けると二段ベッドが両脇に一つずつ置かれただけで埋まってしまうほど狭い部屋だった。扉から正面の壁には窓があって部屋は明るく地下とは比べ物にならないほどの待遇の良さを感じる。
「ここは子供達の部屋です。ご覧の通り四人一部屋で生活をしてもらっていますが、これには理由があります。勿論、数の多い子供達の収容数の関係もありますが、理由の一つは子供達の教育の為です。
そうでない場合もありますが、奴隷というのは一人の主人が複数の奴隷を所持しており、主人の元での集団生活を余儀なくされます。奴隷として買われご主人の元に行った時にキチンとした集団生活が出来るように練習を兼ねて四人一組の部屋割りにしてあるのです。
ただ、基本的にこの部屋は寝るだけですので、これほど狭い部屋でも然程窮屈さは感じさせておりません」
先程登ってきた階段を降り三階へ着くと、バスチアスが部屋の扉を開け、中を見ろと促しながら身を退いたので遠慮無しに覗いてみれば、部屋の作りは一緒だが先程より更に狭い部屋にベッドが一つだけ、窓際に小さな机と椅子が置かれただけの簡素な部屋だった。
「この部屋は大人用です。他の奴隷業者は子供部屋のように四人や八人で生活させる所もありますし、地下のようにベッドすらない部屋に押し込める所もあるそうです。ですが我が商会は奴隷と言えども人としての尊厳を守る為に狭いながらも敢えて個室での生活をしてもらっております」
説明が終わると長居は無用とばかりに再び階段を降り始めるバスチアス。四階も三階も廊下の両脇にびっしりと扉が立ち並び、それが全て見せてもらったような奴隷達の部屋なのだろうとは容易に想像することが出来る。だが彼に続いて階段を降りながらも人気が全く無かった事が気になった。
「ここにいる奴隷達は今どこにいるんだ?」
「はい、これからお見せする二階が我が商会が誇る独自の教育の場となっております。他の奴隷業者はただ人を仕入れて売るだけの売買機関です。勿論、奴隷としての心得等の教育はされますが我がパーニョン奴隷商会では、彼等が奴隷から解放された後のことまで考えて再び奴隷となる事なく人並みの人生が送れるような教育を実施いたしております。
先程お見せした部屋は “寝る為の部屋” と申しましたように、この施設に居る間の殆どの時間はその教育に当てられているのです」
二階に着き、手前にあった扉を開いて入って行くバスチアスに続くと、縦横七メートルの部屋に二十人の男女が五人一列に並んで長椅子に座っており、前に立つ四十代の男の話に熱心に耳を傾けていた。俺達が部屋に入ったにも関わらず チラッ と横目で見ただけで特に気にする素振りもない。
彼等の前には長テーブルが置かれており、そこでメモを取っている者も見受けられることからもその真剣さが伺える。
「奴隷として主人に買われて働き始めると、普通に働くよりは遥かに少ない賃金で労働する事になります。それでも衣食住は保証される訳ですから僅かずつでも金は溜まって行きます。そして自分を買い戻せる資金を手に入れたとき奴隷という不名誉な身分から解放されるのです。
今、ここでは商業の基本について教えています。商売に失敗して奴隷となった者が殆どですが中には奴隷から解放されたら商売をと考えてこの講義を選択する者もおります」
「講義を選択?」
「はい、その通りでございます。全員統一の奴隷としてどこでも働けるような基本的な講義の他にも希望する内容の講義を受けられるようにしてあります。勿論、そういった意欲のない、又は自分が何をしたら良いのか分からないといった方もおりますので、そのような方達には満遍なく色々な講義、もしくは実習を行ってもらい、自分が何に向いているのか、何をしたいのかを判断してもらうのです」
その部屋を後にし、廊下から覗けるようになっている部屋の様子を見ながら歩いて行くと、彼の言うように色々な講義が行われているようで、様々な年齢の男女が皆一様に講師の話に聞き入っていた。
「何の匂い?何か良い匂い」
ティナが顎を突き出し小さな鼻をヒクヒクさせながら廊下に漂う微かな匂いを嗅ぎ始めると、俺の鼻にも薔薇とオレンジが混ざったような良い香りが通り過ぎて行った。
「良い匂いですね。カカさま、これは何の香りでしょう?」
「うーん、なんだろね?」
微かな匂いの元を辿ると丁度横にあった部屋の扉から漏れて来ているようだったので、廊下の窓から中を覗いてみれば講義を受ける人の横に五センチほどの陶器製の玉子型の置物があり、そこから薄っすらと煙が出ているように見える。
「お気付きになりましたか、あれは香炉です。今、この部屋では人間としての常識を解く講義が行われており、人としてどうあるべきかと言う眠たくなるような話をしているので、講義を受ける者の同意を得て我々が開発した集中力を高める香を焚いてるのです。
この香は軽い催眠効果のあるもので、つまらない話がすんなり頭に入る事から必須講義には好評なのです。勿論、人体に影響を及ぼす危険な薬物とは違い、その道の偉い学者の方数名に安全を確認していただいたキチンとした物なので皆安心して使っております。
言い方は良くありませんが彼等は人生の落伍者です。奴隷としての任期を終えた後、次の人生では二度と奴隷などにはならぬよう人として生きていく上でどうしても必要な知識はしっかり身に付けて貰う為に、こうして必要だと思われるいくつかの決められた講義には香の使用をしております」
講義の行われている十余の部屋を通り過ぎれば今度は実習の部屋になったようで、荷物の積み方から運搬の仕方、薪割りやら家具の補修作業など奴隷ってこんな仕事なんだと思いながら見て行くと、皿洗いやら野菜の下処理、窓拭きなどメイドさんの仕事なのでは?と思うような事までやっている。
「通常、力仕事や汚れ仕事が奴隷として与えられる仕事なので不思議に思われるかもしませんが、ここから巣立って行った奴隷達の努力のお陰で信頼を得ることが出来、今では最初からメイド並みの仕事を任せて貰える者も多数おります。ですので奴隷を卒業してからの事だけでなく、奴隷として働く上での教育としてこのような実習もしているのです。奴隷としてメイドのような仕事を任され、そのままメイドとして働く、そのようなケースも増えていると報告も受けております」
更に廊下を進んで行くと、今度は五歳くらいの子供達が机に向かい何やら真剣に書物をしていた。誰一人雑談する事なく熱心に取り組んでる姿に感心しているとバスチアスが満足げな顔で見てくる。
「この部屋では文字の読み書きの練習をしています。この子達位ですと早くても二十歳過ぎる頃までは奴隷として働かなくてはなりませんが、読み書きというモノが出来ないと奴隷としても、その後の生活でも不便極まりなく、読み書きの出来ない者が盗賊等、世間の外れ者になる確率が高いという学者のデータもあるくらいなのです」
「お兄ちゃんも一緒に勉強してきたら?」
「そうね、レイも字の練習が必要だと思うわ」
「この子達の方が字が綺麗だったりして?」
おいおい、それは流石に無いだろうとは思うが字が下手な自覚はあるつもりだ。
「トトさま、誰にでも得手不得手はあります。そんなに気を落とさないでください」
「なんだ、それほどまでに凄い字を書くのか?ならばお前と五歳の子供、どちらがちゃんとした字を書けるか勝負してみたらどうだ?」
「待て待てっ!冗談だろ?」
字の汚さを知らないイオネはまさか子供より汚いとは夢にも思わず面白半分にけしかけてくるが俺はこの子達にすら勝てるという自信がないので気が気では無い。
そんな俺の事情など知らないバスチアスは姫様の遊び心たっぷりの提案に乗っかり意気揚々と部屋の扉を開けると、一番後ろの一人分だけ空いていた席に紙とペンをわざわざ用意してくれて、手で座れと合図してくるので大きな溜息が出た。
せっかく集中していた子供達も突然入って来た大人達に興味をそそられ、子供用の小さな席に座った俺に注目が集まる。それでも静かに見守るだけのお行儀の良い子供達の目の前で自分の名前を書き終わると隣の席に座る女の子の紙をチラリと盗み見して愕然とした。
「あのね、お兄ちゃん。真っ直ぐな線を描くときは力を入れずにスーッと書くのよ。ほら、こうやってスーッと書くの……真っ直ぐ書けるでしょ?曲がった線も力を入れ過ぎていては上手く書けずにお兄ちゃんみたいにヘンテコになるのよ。それとね、どこに何を書くのかをイメージしてから手を動かすのよ。これは難しいから練習が必要よ?私もがんばるからお兄ちゃんもがんばってねっ」
見兼ねた隣の女の子に励まされて余計に虚しくなってくる若干十五歳の俺。だがその子は良かれと思い俺に声をかけてくれたので無下にするわけにも行かず素直にコクコクと頷いて聞いていた。
だがしかし、前の席から見ていた男の子が俺の書いた字を見た途端に思わず プッ と吹き出した。それを皮切りに幼いながらも気を遣い我慢していたであろう笑いの堰は崩壊し、たちまち笑いの渦へと飲み込まれた子供達。少し遠くに座って居た子まで席を立ちわざわざ俺の書いた字を見に来てゲラゲラ笑う始末。なんのイジメだよ!
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