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第六章 ダンジョンはお嫌い?
58.バッタもん
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リズミカルに鳴り響く銃声とほぼ同時、三つの薪が ポーンッ と軽快に弾き飛ばされる。
「モニカ様、やりますわね。では次は四連続で行きましょう。私からやりますね」
俺達の中で一番上手くなったのはモニカだった。最初こそ反動に腕を取られていたがすぐに慣れてしまい、ベルと遜色無いほどの命中精度を叩き出してしまったのだ。
そうなるとベルの闘志にも火が着いてしまい、二人で『どっちが上手いのか』の、サドンデスマッチが始まった。
ある程度遊んで飽きたのかアルとクロエさんは既に姿を消したので二人の時間を楽しんでいるのだろう。
リリィとティナも二人で何処かに行ったので、夜毎やっているという秘密の特訓中だと思う。
足を投げ出して座る俺を背もたれにしてお菓子を食べる雪の両脇には、紅茶を飲むサラと、お茶菓子を頬張るエレナがおり、すぐ近くにコレットさんも座ってモニカ達の様子を微笑ましげに見ている。
こうして見ていると仲の良い姉妹がスポーツの練習でもしているように見えてくるな。
二人を眺めていて、ふと思い付いた事があったので体を起こすと雪を少し持ち上げ胡座をかいた。
「トトさま、どうかしましたか?」
鞄を漁り、手にした物を見せると キョトン とした顔で見上げて来る。まぁ、物を見せられただけでは分かる筈もないか。
「コレはサソリの殻ですよね?また何かお造りになるのですか?」
案外キチンと俺の思考を読んでくるあたり、伊達に俺の娘をやっていないなと感心してしまった。
不敵な笑いを浮かべることで雪の考えを肯定すると、モラードゾンガルの殻に土の魔力を流し始める。
二回目の加工という事もあり、どの程度の魔力が必要かの感覚が分かっていたので最初から光の魔力入りのフルパワーでやれば今度は割とあっさり魔力が満たされた。
仄かに茶色の光を放つ粘土のように柔らかくなった殻をコネコネしてだいたいの形を作ると、目を瞑りイメージを流しこんで丁寧に整える。
「これは……?」
出来上がったのは長さ十五センチ、太さ一センチ程の筒っぽ。片方の端は穴が塞がれているがもう片方は空洞のままだ。
「まぁ見てな」
四人が注目する中、小さな水玉とその筒にぴったり入る大きさの土玉を魔法で作り、順番に奥まで転がし入れた。
「よぉ~し、行くぞ」
片手を雪のお腹に手を乗せ、もう片方の手で雪の見える位置に筒を持ち、一番端に立っていた薪に狙いを定めると魔力を込めた。
シュボッ
筒の先から物凄い勢いで飛び出した土玉は薪へと向かうが、なぜか狙ったのとは違う薪に命中し コーンッ! と小気味良い音を立てて吹っ飛ばした。
突然の事にびっくりしたのはモニカとベル、音を辿ってこちらに振り返るが、二人して呆気にとられた顔をしていたので笑いが込み上げてくる。
お揃いの顔色を見てると、なんだか益々姉妹に見えてくるな。
俺が作ったのは銃の心臓部であるバレル。ベルが得意げに仕組みまで教えてくれたので『それなら魔法でも出来るんじゃね?』と思えてきて実践してみたのだ。
超火力の火魔法にも平然と耐え、一部例外が有ったものの他の魔法もほぼ効かない。朔羅の斬撃ですら跳ね返したモラードゾンガルの殻であれば、よっぽどのことがない限り壊れることは無いだろう。
水玉を火薬代わりに入れ、次に弾丸の代わりに土玉を入れて準備完了。あとはトリガーの代わりに水玉の中心に超高温の火を作ってやれば水玉が一瞬で水蒸気に変わり、その圧力で土玉が押されて飛び出して行くという感じだ。
「お兄ちゃん!」
俺の説明を聞き終わった途端にモニカが縋り付くように飛び付いて来て、両手を組んで キラキラ とした目を向けて来る。
「コレ、作って!」
そう言って手渡されたのはさっきまで撃ちまくっていた銃、あまりの勢いに今度は俺がびっくりしてしまい ポカン とする番だった。
「トトさま、作ってあげたらどうですか?」
作ると言っても本物の銃のように細かい仕組みがあるわけでもないので、後は持ちやすいように外側を作るだけなのだが……それでいいのか?
しかも撃つためには毎回コロコロと水玉と土玉を入れなければならないので連続して撃てる本物と比べるとかなり面倒くさいと思う。……と説明したのだが、本物は持ち出し禁止とベルに言われているので「それでも良いから!」と懇願されてしまい、ならば外見だけでもと少し時間をかけて、見た目は本物そっくりになるようにと頑張ってみた。
「どお?モニカ、俺の力作……どぉ?」
形は勿論のこと、艶有り艶消しの部分まで真似て出来上がった見た目は本物そっくりの濃い紫色をした俺お手製の銃。自分で言うのもなんだが、かなりの出来栄えで芸術的一品だと思う……見た目は。
モニカにあげるのが惜しくなってくるぐらいだが、コレはモニカの為に作ったのだと自分に言い聞かせて泣く泣く手渡してしまう。
ついでに自慢すると本物より優れた部分がある──それは重量だ。
素材が素材なだけに金属と違い、目を瞑ると持っているのかすら分からなくなるほどに軽い。
もう一つある、強度だ。
このままぶっ叩いたとしても武器になるだろうと思える程に強固なボディは超近距離戦で役に立つ……かもしれない。その前に普通に魔法でなんとかしろよって事は言わないでおいてくれ。
銃を作る一部始終を見ていたモニカは待ちきれないとばかりに、完成の声がかかるとすぐに出来たての銃擬きをひったくって行く。
「うわ~、うわ~、カッコいい!ねぇ、お兄ちゃん、撃ってみても良い?」
土玉と水玉を渡すと嬉しそうに コロンッコロンッ と銃口から転がし入れる。その様子を見ていると……なんだかなぁと、何とも言えない感じがした。やはり本物の銃のようにある程度の数の弾が勝手に装填される方がカッコ良いな。でも残念ながら『バネ』という伸縮性のあるモノが作れない上に代用品が見つからないので今の仕様のままだ。
嬉しそうな顔から一転し真剣な面持ちで銃擬きを構えたモニカ、狙いを定め、トリガーにかけた指に軽く力を込める……が、動かない。
「アレ?」
不思議そうな顔で俺を見るので「それは飾りだぞ」と言うと少し残念そうな顔をしたが、すぐに再び真剣な顔になり狙いを定めると火の魔力を銃へと込めた。
ポンッ
可愛らしい音と共に飛び出した土玉は五メートル程進んで着地すると、銃口からは ポチョン と水が滴り落ちる。
「んんっ?」
「くすくすくすっ、モニカっ、それではダメですよ。ちょっと貸してごらんなさい」
渋々差し出された銃擬きを受け取ったサラは、俺から受け取った新しい水と土の玉を銃口から入れると両手を突き出し薪に向かい構えをとった。
シュボッ!
音の差は火薬か、水玉かでの違いはあれど、耳が痛くなるような音でない分、俺はこっちの方が良いと思う。
本物と遜色ないほどの勢いで射出された土玉は最初に俺の撃ち出した時とは違い、ベルの助言で新たに加えられたバレル内部の浅い溝により高速回転を与えられると、狙い通りの薪へと真っ直ぐに飛んで行く。
着弾部から細かな木片を撒き散らしながら薪を弾き飛ばすと、振り返ったサラは得意げに笑みを漏らした。
「火魔法の鍛錬が足りないわよ?モニカ」
モニカの撃った時は発射の要である火魔法が弱くて水玉が完全に気化されず、土玉を飛ばす為のエネルギーが足りてなかったのだ。
サラの持つコルペトラのように火魔法の威力を上げるブースターがあれば今のモニカでもこの魔法で放つ銃を撃てるだろうが、それを探すよりも出来れば自力で飛ばせるようになってもらう方が望ましい。
「目標が出来て良かったじゃないか。まぁ、頑張れよ」
ぶすっと膨れっ面のモニカの頭をポンポンと叩いてから、サラから銃擬きを返してもらう。
「まだやってたの?飽きないわね」
「飽きないのはアンタも一緒でしょ?早く飽きてくれると私はゆっくり出来るんだけどぉ?」
「ちょっとリリィ……それは言わない約束でしょ?」
「はいはい、分かってるわよ。それで、ソレは何なの?」
鍛錬を終えて帰って来た二人だったが、リリィが俺の持つ紫の銃を目敏く見つけて指を指してきたので二人の驚く顔が見れる事に顔がにやけてしまった。
得意げな顔でこれ見よがしに俺の力作の銃擬きを見せつけると、薪に向けて腕を突き出す。
シュボッ! パカーン!
シュボッ! パカーン!
シュボッ! パカーン!
「おおっ!やるじゃないっ、もしかしなくてもレイが造ったの?」
「お、お、お、お兄ちゃんっ!?」
若干呆れ顔のリリィと予想通りのティナの絶賛に益々顔をニヤケさせると、何やら動揺するモニカが詰め寄って来た。
「何?どうした?」
「い、今……水玉も土玉も入れずに連続して撃ったよね!?」
「そりゃあ撃てるだろ。考えても見ろよ、魔法だぞ?バレルの中に直接水玉やら土玉を作ればいいだけの事だろ?」
「やっぱりそうなの!?ね、ねぇ、つまりそれって、魔力が続く限り無限に撃てるって事じゃないの?」
「ん?……まぁそう言うことだな。でもモニカは土魔法が使えないから無理じゃないか?シャロのところに行ったら相談してみるから、それまで火魔法の練習を頑張れよ」
魔法が上手く使えないのなら出来るようになるまで手伝ってやる事も出来るが、適性が無くてまったく使えないのではどうにもしようがない。
激しくショックを受けた様子のモニカに銃を渡しティナの肩に手を回すと風呂へと向かった。
「モニカ様、やりますわね。では次は四連続で行きましょう。私からやりますね」
俺達の中で一番上手くなったのはモニカだった。最初こそ反動に腕を取られていたがすぐに慣れてしまい、ベルと遜色無いほどの命中精度を叩き出してしまったのだ。
そうなるとベルの闘志にも火が着いてしまい、二人で『どっちが上手いのか』の、サドンデスマッチが始まった。
ある程度遊んで飽きたのかアルとクロエさんは既に姿を消したので二人の時間を楽しんでいるのだろう。
リリィとティナも二人で何処かに行ったので、夜毎やっているという秘密の特訓中だと思う。
足を投げ出して座る俺を背もたれにしてお菓子を食べる雪の両脇には、紅茶を飲むサラと、お茶菓子を頬張るエレナがおり、すぐ近くにコレットさんも座ってモニカ達の様子を微笑ましげに見ている。
こうして見ていると仲の良い姉妹がスポーツの練習でもしているように見えてくるな。
二人を眺めていて、ふと思い付いた事があったので体を起こすと雪を少し持ち上げ胡座をかいた。
「トトさま、どうかしましたか?」
鞄を漁り、手にした物を見せると キョトン とした顔で見上げて来る。まぁ、物を見せられただけでは分かる筈もないか。
「コレはサソリの殻ですよね?また何かお造りになるのですか?」
案外キチンと俺の思考を読んでくるあたり、伊達に俺の娘をやっていないなと感心してしまった。
不敵な笑いを浮かべることで雪の考えを肯定すると、モラードゾンガルの殻に土の魔力を流し始める。
二回目の加工という事もあり、どの程度の魔力が必要かの感覚が分かっていたので最初から光の魔力入りのフルパワーでやれば今度は割とあっさり魔力が満たされた。
仄かに茶色の光を放つ粘土のように柔らかくなった殻をコネコネしてだいたいの形を作ると、目を瞑りイメージを流しこんで丁寧に整える。
「これは……?」
出来上がったのは長さ十五センチ、太さ一センチ程の筒っぽ。片方の端は穴が塞がれているがもう片方は空洞のままだ。
「まぁ見てな」
四人が注目する中、小さな水玉とその筒にぴったり入る大きさの土玉を魔法で作り、順番に奥まで転がし入れた。
「よぉ~し、行くぞ」
片手を雪のお腹に手を乗せ、もう片方の手で雪の見える位置に筒を持ち、一番端に立っていた薪に狙いを定めると魔力を込めた。
シュボッ
筒の先から物凄い勢いで飛び出した土玉は薪へと向かうが、なぜか狙ったのとは違う薪に命中し コーンッ! と小気味良い音を立てて吹っ飛ばした。
突然の事にびっくりしたのはモニカとベル、音を辿ってこちらに振り返るが、二人して呆気にとられた顔をしていたので笑いが込み上げてくる。
お揃いの顔色を見てると、なんだか益々姉妹に見えてくるな。
俺が作ったのは銃の心臓部であるバレル。ベルが得意げに仕組みまで教えてくれたので『それなら魔法でも出来るんじゃね?』と思えてきて実践してみたのだ。
超火力の火魔法にも平然と耐え、一部例外が有ったものの他の魔法もほぼ効かない。朔羅の斬撃ですら跳ね返したモラードゾンガルの殻であれば、よっぽどのことがない限り壊れることは無いだろう。
水玉を火薬代わりに入れ、次に弾丸の代わりに土玉を入れて準備完了。あとはトリガーの代わりに水玉の中心に超高温の火を作ってやれば水玉が一瞬で水蒸気に変わり、その圧力で土玉が押されて飛び出して行くという感じだ。
「お兄ちゃん!」
俺の説明を聞き終わった途端にモニカが縋り付くように飛び付いて来て、両手を組んで キラキラ とした目を向けて来る。
「コレ、作って!」
そう言って手渡されたのはさっきまで撃ちまくっていた銃、あまりの勢いに今度は俺がびっくりしてしまい ポカン とする番だった。
「トトさま、作ってあげたらどうですか?」
作ると言っても本物の銃のように細かい仕組みがあるわけでもないので、後は持ちやすいように外側を作るだけなのだが……それでいいのか?
しかも撃つためには毎回コロコロと水玉と土玉を入れなければならないので連続して撃てる本物と比べるとかなり面倒くさいと思う。……と説明したのだが、本物は持ち出し禁止とベルに言われているので「それでも良いから!」と懇願されてしまい、ならば外見だけでもと少し時間をかけて、見た目は本物そっくりになるようにと頑張ってみた。
「どお?モニカ、俺の力作……どぉ?」
形は勿論のこと、艶有り艶消しの部分まで真似て出来上がった見た目は本物そっくりの濃い紫色をした俺お手製の銃。自分で言うのもなんだが、かなりの出来栄えで芸術的一品だと思う……見た目は。
モニカにあげるのが惜しくなってくるぐらいだが、コレはモニカの為に作ったのだと自分に言い聞かせて泣く泣く手渡してしまう。
ついでに自慢すると本物より優れた部分がある──それは重量だ。
素材が素材なだけに金属と違い、目を瞑ると持っているのかすら分からなくなるほどに軽い。
もう一つある、強度だ。
このままぶっ叩いたとしても武器になるだろうと思える程に強固なボディは超近距離戦で役に立つ……かもしれない。その前に普通に魔法でなんとかしろよって事は言わないでおいてくれ。
銃を作る一部始終を見ていたモニカは待ちきれないとばかりに、完成の声がかかるとすぐに出来たての銃擬きをひったくって行く。
「うわ~、うわ~、カッコいい!ねぇ、お兄ちゃん、撃ってみても良い?」
土玉と水玉を渡すと嬉しそうに コロンッコロンッ と銃口から転がし入れる。その様子を見ていると……なんだかなぁと、何とも言えない感じがした。やはり本物の銃のようにある程度の数の弾が勝手に装填される方がカッコ良いな。でも残念ながら『バネ』という伸縮性のあるモノが作れない上に代用品が見つからないので今の仕様のままだ。
嬉しそうな顔から一転し真剣な面持ちで銃擬きを構えたモニカ、狙いを定め、トリガーにかけた指に軽く力を込める……が、動かない。
「アレ?」
不思議そうな顔で俺を見るので「それは飾りだぞ」と言うと少し残念そうな顔をしたが、すぐに再び真剣な顔になり狙いを定めると火の魔力を銃へと込めた。
ポンッ
可愛らしい音と共に飛び出した土玉は五メートル程進んで着地すると、銃口からは ポチョン と水が滴り落ちる。
「んんっ?」
「くすくすくすっ、モニカっ、それではダメですよ。ちょっと貸してごらんなさい」
渋々差し出された銃擬きを受け取ったサラは、俺から受け取った新しい水と土の玉を銃口から入れると両手を突き出し薪に向かい構えをとった。
シュボッ!
音の差は火薬か、水玉かでの違いはあれど、耳が痛くなるような音でない分、俺はこっちの方が良いと思う。
本物と遜色ないほどの勢いで射出された土玉は最初に俺の撃ち出した時とは違い、ベルの助言で新たに加えられたバレル内部の浅い溝により高速回転を与えられると、狙い通りの薪へと真っ直ぐに飛んで行く。
着弾部から細かな木片を撒き散らしながら薪を弾き飛ばすと、振り返ったサラは得意げに笑みを漏らした。
「火魔法の鍛錬が足りないわよ?モニカ」
モニカの撃った時は発射の要である火魔法が弱くて水玉が完全に気化されず、土玉を飛ばす為のエネルギーが足りてなかったのだ。
サラの持つコルペトラのように火魔法の威力を上げるブースターがあれば今のモニカでもこの魔法で放つ銃を撃てるだろうが、それを探すよりも出来れば自力で飛ばせるようになってもらう方が望ましい。
「目標が出来て良かったじゃないか。まぁ、頑張れよ」
ぶすっと膨れっ面のモニカの頭をポンポンと叩いてから、サラから銃擬きを返してもらう。
「まだやってたの?飽きないわね」
「飽きないのはアンタも一緒でしょ?早く飽きてくれると私はゆっくり出来るんだけどぉ?」
「ちょっとリリィ……それは言わない約束でしょ?」
「はいはい、分かってるわよ。それで、ソレは何なの?」
鍛錬を終えて帰って来た二人だったが、リリィが俺の持つ紫の銃を目敏く見つけて指を指してきたので二人の驚く顔が見れる事に顔がにやけてしまった。
得意げな顔でこれ見よがしに俺の力作の銃擬きを見せつけると、薪に向けて腕を突き出す。
シュボッ! パカーン!
シュボッ! パカーン!
シュボッ! パカーン!
「おおっ!やるじゃないっ、もしかしなくてもレイが造ったの?」
「お、お、お、お兄ちゃんっ!?」
若干呆れ顔のリリィと予想通りのティナの絶賛に益々顔をニヤケさせると、何やら動揺するモニカが詰め寄って来た。
「何?どうした?」
「い、今……水玉も土玉も入れずに連続して撃ったよね!?」
「そりゃあ撃てるだろ。考えても見ろよ、魔法だぞ?バレルの中に直接水玉やら土玉を作ればいいだけの事だろ?」
「やっぱりそうなの!?ね、ねぇ、つまりそれって、魔力が続く限り無限に撃てるって事じゃないの?」
「ん?……まぁそう言うことだな。でもモニカは土魔法が使えないから無理じゃないか?シャロのところに行ったら相談してみるから、それまで火魔法の練習を頑張れよ」
魔法が上手く使えないのなら出来るようになるまで手伝ってやる事も出来るが、適性が無くてまったく使えないのではどうにもしようがない。
激しくショックを受けた様子のモニカに銃を渡しティナの肩に手を回すと風呂へと向かった。
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