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第五章 変わりゆく関係
9.勇者と魔族
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その夜、シスターさんはテントで、モニカ達は馬車という寝室で眠る事となった。俺は魔導車の中とも考えたがまぁいいかと思い直し、一応の防犯の為に魔導車をしまうと火の側に横になる。
たまにはこうして身体を慣らさないと、贅沢が染み付いて冒険者だという自覚が無くなってしまいそうに感じたのだ。
今日は色んな事が起きた日だった。ドラゴンに会い、ケネスと殺り合い、村の埋葬をした。なんだか疲れたなぁとウトウトしながら考えているといつの間にか眠りに落ちていった。
艶やかな声が聞こえて意識が戻れば、下半身を中心に拡がる快感が身体中を支配している。
視界が戻るとそこには、目を瞑り恍惚とした表情で身体を揺らす黒髪の少女。
「朔羅」
そっと頬に手を当て名前を呼ぶと目は開き、黒い瞳がうっとりとした眼差しで見つめてくる。
顔を引き寄せ唇を重ねれば小さな舌が口の中に押し入って来るので、既にヤル気スイッチがオンになっていた俺はそれに応えて舌を絡み合わせると自分の欲望を解放し朔羅を求めた。
「また少し成長した?特におっぱい」
アハハッと軽やかに笑う朔羅の双丘を突つくと 蠅でも叩くかのように手を叩かれた。
「レイシュアはおっぱいが好きだよね?やっぱり大きい方が好みなの?レイシュアが僕の事を沢山使って沢山力をくれれば、もっと大きくなるかもよ?
でもどうしよう……牛みたいなデッカイおっぱいになっても僕の事、嫌わないで傍に居てくれる?」
俺がどう答えるのかなど分かっていて笑顔で覗き聞いてくる朔羅を抱き寄せると自分の上に乗せた。そのまま俺の胸に頬を当ててピタッとくっ付いたので、優しく頭を撫でながら彼女の求める答えを口に出す。
「馬鹿だなぁ、俺が朔羅を手放す訳ないだろ?たとえドラゴンみたいに大きくなっても死ぬまで傍に居るよ」
クスリと笑う朔羅だったが “ドラゴン” という単語に反応して顔を上げる。
俺を見つめる顔はさっきまでの幸せそうな笑顔ではなく真剣な顔だったので何か気に触ることでも言ったかと心配になったがそうではなかった。
「レイシュアの中に居る黒い力、 “欲望” に飲まれちゃ駄目ってドラゴンにも言われたよね?凄く大事な事だからちゃんと覚えておいてね。
レイシュアが黒い欲望に飲まれた時、レイシュアがレイシュアでなくなっちゃうよ。そんな事になったら僕は悲しい……。闇の力を使うのはいいけど心を強く持って、約束だからね?」
オデコにキスをして「わかった」と応えると再び俺の胸に顔を沈める朔羅。黒い艶々とした髪を撫でていれば朔羅の細い指が俺の胸をゆっくりと這い回る。
「僕の前から居くなっちゃ駄目だからね……」
寂しげな声でポツリと呟く朔羅の声が耳に付くと、ゆっくりと意識が沈んで行った。
▲▼▲▼
柔らかな感触と暖かな温もりが感じられて意識が舞い戻る。アレ?また朔羅の所か?
しかし嗅いだことの無い人の匂いがしたので目を開けてみれば、そこには寄り添うようにピッタリとくっついて眠るあのシスターさん。思わず二度見するが現実は変らず、慌てて転がり逃げると飛び起きた。
「わわわっ!!なんでこんな所で寝てるの!?」
「んん~ん、もう朝?おはようございますぅ」
俺の声が聞こえてなのか、温もりが無くなったからか、俺のマントを羽織りボヘッと起き上がったシスターさん。いくら寝ていたからと言っても警戒を全くしていなかった訳ではない、なのに俺に気付かれずに添い寝するなんて……。
そういう時に限ってタイミングよく馬車の扉が開きモニカ達が姿を見せる。その状況を見て目をパチクリさせる三人の娘達。
やがて事態が理解出来たのか、しゃがみ込む俺の前に ツカツカ とやって来て三人して腰に手を当てると ジトッ とした目で見てくる四つの青い瞳と二つの青紫の瞳……まてまてまてっ!!
「俺は何もしてないぞっ!」
「えぇ~、そんなぁ……肌を暖めあった仲じゃないですかぁ」
待てコラッ!人の布団に潜り込んでおいて何を……って間違ってないのか?いやいや、違うからっ!今その言い方、違うからっ!
「私は何も言ってませんけど?」
「別にお兄ちゃんが何処で誰と何をしようと文句ありませんが?」
「トトさまは女性なら誰でも良いのでしょうか?」
「私が見た時には仲睦まじく一緒に眠ってらっしゃいましたよ?」
赤みかがった茶色の瞳が女性陣の口撃で困り果てている俺を見てニタァっと喜んでいる。それは事実かも知れませんがね、今言わなくても良くない?
「待て、待ってくれ!何か誤解をしてるっ!俺は一人で寝てただけだ、本当だよーっ!」
「へぇ~、そぉ」
「それがどうかしたの?」
「…………」
「いやんっ、そんなに恥ずかしがらなくても良いじゃない」
両手を頬に当てイヤンイヤンと体を左右に振る姿はこんな状況でなければ可愛いと思えたかもしれない。だが今は『お前は黙れよ!糞元凶が!』と怒りしか湧いてこない。
「ねぇちゃんから離れろっ!魔族!!」
子供の声が響き振り向くと、テントの前に立つ眠り続けて起きないかと心配されていた男の子の姿があった。その顔は幼いながらも怒りに満ちていて、突き刺すように俺を睨みつけている。
どうやら俺の事を村を破壊した魔族だと思っているようだ。
サラが何か言いかけた時、二つの火の玉が俺達に向けて飛んでくるのに気が付いたがそのスピードは簡単に避けられる程ゆっくりで、戦闘用に使える魔法をようやく習得したばかりな感じがした。
コレットさんが対応しようとするのを目で制すると、モニカがシュネージュ無しで水幕を張りいとも簡単に防いでくれる。
火玉が飛んできた方向にはまだギルド登録したての十歳くらいに見える四人組パーティーが居た。こんな朝早くにこんな田舎の村に訪れるってことは村の異常を聞きつけて急いで帰ってきたこの村出身の子達だと推測が着く。
大方、テントの前に立つ男の子の叫び声で俺達……いや、俺だけ?まぁ、いいけど、俺がこの村を破壊した魔族だと判断したのだろう。
五人の若い子供達の憎しみの篭った目に晒されるとなんだか寂しいモノを感じるが、一々説明して誤解を解くのも面倒だ。シスターさんとの誤解もあやふやになった事だし、二人のことはあの若い冒険者に任せるとして俺達はお暇することにした。
「どうした?そんなものでは俺は倒せないぞ?」
『何言い出した!?』と目を丸くして振り向くサラとモニカに俺の中の魔族のイメージに合わせて ニヤリ と出来る限りいやらしく笑って見せると、小首を傾げますます訳分からないと言わんばかりの顔をしている。
コレットさんだけは俺の意図が分かったようで口に手を当て笑っていた。
心の中で『雪を頼む』と伝えるとそれを詠み取り コクリ と頷いてくれる。
後はモニカとサラを連れて適当に姿をくらませばいい。
再び火玉が飛んで来たので避けるフリして馬車の所まで転がるとサッと鞄にしまう。これで帰る準備は完了だ。鍋はまぁ、また買えばいいし、テントは少しばかり惜しいが住む場所を破壊されているこの村の唯一の家だ、残して行こう。
「力無き者はここで死ねっ!」
冒険者に走り寄ると恐怖に引きつりながらも必死の様子で火玉を飛ばし俺に対抗しようとしてくる四人組。その様子を見ると微笑ましくも思えるし、その歳で攻撃魔法を使える彼等ならある程度の魔物が来ても何とかするだろうとも思える。
なので、シスターさんと男の子を託しても大丈夫だろうと判断した。
飛んで来た火玉が当たる寸前で魔法を奪い取ると、魔力を注いで爆発させ、土煙で全員の視界を奪った。
シスターさんの所に走り寄ると少しばかり金貨の入った皮袋をその手に押し込み耳元で「じゃあな」と別れを告げる。
「さよならコレットお姉様、お幸せに」
そんな俺になど目もくれず、何処か切な気な目でコレットさんを見つめてポツリと呟くシスターさんの声が耳に付いたが構わず離れ、モニカとサラを両脇に抱えると土煙が晴れる前に急いでその場から走り去った。
▲▼▲▼
「お兄ちゃん、さっきの下手くそなお芝居は何?」
村から見えない場所まで走り魔導車に乗り込んだ途端に聞いてくるが、そんなこと聞かなくても分かってる癖に……。
「村を破壊した魔族と、それを撃退してお姫様を救った勇者の物語ですよ、お嬢様」
「ぷっ、何よそれ。それにしても、もう少しマシな演出は無かったのですか?アレでは子供の演劇より酷いですよ」
そんなこと言われても俺にそういうセンスが無いというだけの話だろう?俺は冒険者だ、そんな才能無くてもいいんだよ。
それはそうと……
「コレットさん、あのシスターさんの知り合いだったの?別れ際に「お幸せに」とか言ってたよ?」
「はい?」と小首を傾げるコレットさんだが、あのシスターさんは確かにそう言っていた。二度と会うことも無いだろうし、コレットさんが知らないのなら別にいいかと勝手に飲み込んでおく。
「今日くらいにはレピエーネに辿りつけるのかな?」
「ティナ元気かなぁ、私達のこと解ってくれるといいね」
そう言って操作球に乗る俺の手にモニカの左手が重なった。その薬指には俺とお揃いの銀の指輪が嵌り、太陽の光を反射してその存在をアピールしているように見えた。
たまにはこうして身体を慣らさないと、贅沢が染み付いて冒険者だという自覚が無くなってしまいそうに感じたのだ。
今日は色んな事が起きた日だった。ドラゴンに会い、ケネスと殺り合い、村の埋葬をした。なんだか疲れたなぁとウトウトしながら考えているといつの間にか眠りに落ちていった。
艶やかな声が聞こえて意識が戻れば、下半身を中心に拡がる快感が身体中を支配している。
視界が戻るとそこには、目を瞑り恍惚とした表情で身体を揺らす黒髪の少女。
「朔羅」
そっと頬に手を当て名前を呼ぶと目は開き、黒い瞳がうっとりとした眼差しで見つめてくる。
顔を引き寄せ唇を重ねれば小さな舌が口の中に押し入って来るので、既にヤル気スイッチがオンになっていた俺はそれに応えて舌を絡み合わせると自分の欲望を解放し朔羅を求めた。
「また少し成長した?特におっぱい」
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「レイシュアはおっぱいが好きだよね?やっぱり大きい方が好みなの?レイシュアが僕の事を沢山使って沢山力をくれれば、もっと大きくなるかもよ?
でもどうしよう……牛みたいなデッカイおっぱいになっても僕の事、嫌わないで傍に居てくれる?」
俺がどう答えるのかなど分かっていて笑顔で覗き聞いてくる朔羅を抱き寄せると自分の上に乗せた。そのまま俺の胸に頬を当ててピタッとくっ付いたので、優しく頭を撫でながら彼女の求める答えを口に出す。
「馬鹿だなぁ、俺が朔羅を手放す訳ないだろ?たとえドラゴンみたいに大きくなっても死ぬまで傍に居るよ」
クスリと笑う朔羅だったが “ドラゴン” という単語に反応して顔を上げる。
俺を見つめる顔はさっきまでの幸せそうな笑顔ではなく真剣な顔だったので何か気に触ることでも言ったかと心配になったがそうではなかった。
「レイシュアの中に居る黒い力、 “欲望” に飲まれちゃ駄目ってドラゴンにも言われたよね?凄く大事な事だからちゃんと覚えておいてね。
レイシュアが黒い欲望に飲まれた時、レイシュアがレイシュアでなくなっちゃうよ。そんな事になったら僕は悲しい……。闇の力を使うのはいいけど心を強く持って、約束だからね?」
オデコにキスをして「わかった」と応えると再び俺の胸に顔を沈める朔羅。黒い艶々とした髪を撫でていれば朔羅の細い指が俺の胸をゆっくりと這い回る。
「僕の前から居くなっちゃ駄目だからね……」
寂しげな声でポツリと呟く朔羅の声が耳に付くと、ゆっくりと意識が沈んで行った。
▲▼▲▼
柔らかな感触と暖かな温もりが感じられて意識が舞い戻る。アレ?また朔羅の所か?
しかし嗅いだことの無い人の匂いがしたので目を開けてみれば、そこには寄り添うようにピッタリとくっついて眠るあのシスターさん。思わず二度見するが現実は変らず、慌てて転がり逃げると飛び起きた。
「わわわっ!!なんでこんな所で寝てるの!?」
「んん~ん、もう朝?おはようございますぅ」
俺の声が聞こえてなのか、温もりが無くなったからか、俺のマントを羽織りボヘッと起き上がったシスターさん。いくら寝ていたからと言っても警戒を全くしていなかった訳ではない、なのに俺に気付かれずに添い寝するなんて……。
そういう時に限ってタイミングよく馬車の扉が開きモニカ達が姿を見せる。その状況を見て目をパチクリさせる三人の娘達。
やがて事態が理解出来たのか、しゃがみ込む俺の前に ツカツカ とやって来て三人して腰に手を当てると ジトッ とした目で見てくる四つの青い瞳と二つの青紫の瞳……まてまてまてっ!!
「俺は何もしてないぞっ!」
「えぇ~、そんなぁ……肌を暖めあった仲じゃないですかぁ」
待てコラッ!人の布団に潜り込んでおいて何を……って間違ってないのか?いやいや、違うからっ!今その言い方、違うからっ!
「私は何も言ってませんけど?」
「別にお兄ちゃんが何処で誰と何をしようと文句ありませんが?」
「トトさまは女性なら誰でも良いのでしょうか?」
「私が見た時には仲睦まじく一緒に眠ってらっしゃいましたよ?」
赤みかがった茶色の瞳が女性陣の口撃で困り果てている俺を見てニタァっと喜んでいる。それは事実かも知れませんがね、今言わなくても良くない?
「待て、待ってくれ!何か誤解をしてるっ!俺は一人で寝てただけだ、本当だよーっ!」
「へぇ~、そぉ」
「それがどうかしたの?」
「…………」
「いやんっ、そんなに恥ずかしがらなくても良いじゃない」
両手を頬に当てイヤンイヤンと体を左右に振る姿はこんな状況でなければ可愛いと思えたかもしれない。だが今は『お前は黙れよ!糞元凶が!』と怒りしか湧いてこない。
「ねぇちゃんから離れろっ!魔族!!」
子供の声が響き振り向くと、テントの前に立つ眠り続けて起きないかと心配されていた男の子の姿があった。その顔は幼いながらも怒りに満ちていて、突き刺すように俺を睨みつけている。
どうやら俺の事を村を破壊した魔族だと思っているようだ。
サラが何か言いかけた時、二つの火の玉が俺達に向けて飛んでくるのに気が付いたがそのスピードは簡単に避けられる程ゆっくりで、戦闘用に使える魔法をようやく習得したばかりな感じがした。
コレットさんが対応しようとするのを目で制すると、モニカがシュネージュ無しで水幕を張りいとも簡単に防いでくれる。
火玉が飛んできた方向にはまだギルド登録したての十歳くらいに見える四人組パーティーが居た。こんな朝早くにこんな田舎の村に訪れるってことは村の異常を聞きつけて急いで帰ってきたこの村出身の子達だと推測が着く。
大方、テントの前に立つ男の子の叫び声で俺達……いや、俺だけ?まぁ、いいけど、俺がこの村を破壊した魔族だと判断したのだろう。
五人の若い子供達の憎しみの篭った目に晒されるとなんだか寂しいモノを感じるが、一々説明して誤解を解くのも面倒だ。シスターさんとの誤解もあやふやになった事だし、二人のことはあの若い冒険者に任せるとして俺達はお暇することにした。
「どうした?そんなものでは俺は倒せないぞ?」
『何言い出した!?』と目を丸くして振り向くサラとモニカに俺の中の魔族のイメージに合わせて ニヤリ と出来る限りいやらしく笑って見せると、小首を傾げますます訳分からないと言わんばかりの顔をしている。
コレットさんだけは俺の意図が分かったようで口に手を当て笑っていた。
心の中で『雪を頼む』と伝えるとそれを詠み取り コクリ と頷いてくれる。
後はモニカとサラを連れて適当に姿をくらませばいい。
再び火玉が飛んで来たので避けるフリして馬車の所まで転がるとサッと鞄にしまう。これで帰る準備は完了だ。鍋はまぁ、また買えばいいし、テントは少しばかり惜しいが住む場所を破壊されているこの村の唯一の家だ、残して行こう。
「力無き者はここで死ねっ!」
冒険者に走り寄ると恐怖に引きつりながらも必死の様子で火玉を飛ばし俺に対抗しようとしてくる四人組。その様子を見ると微笑ましくも思えるし、その歳で攻撃魔法を使える彼等ならある程度の魔物が来ても何とかするだろうとも思える。
なので、シスターさんと男の子を託しても大丈夫だろうと判断した。
飛んで来た火玉が当たる寸前で魔法を奪い取ると、魔力を注いで爆発させ、土煙で全員の視界を奪った。
シスターさんの所に走り寄ると少しばかり金貨の入った皮袋をその手に押し込み耳元で「じゃあな」と別れを告げる。
「さよならコレットお姉様、お幸せに」
そんな俺になど目もくれず、何処か切な気な目でコレットさんを見つめてポツリと呟くシスターさんの声が耳に付いたが構わず離れ、モニカとサラを両脇に抱えると土煙が晴れる前に急いでその場から走り去った。
▲▼▲▼
「お兄ちゃん、さっきの下手くそなお芝居は何?」
村から見えない場所まで走り魔導車に乗り込んだ途端に聞いてくるが、そんなこと聞かなくても分かってる癖に……。
「村を破壊した魔族と、それを撃退してお姫様を救った勇者の物語ですよ、お嬢様」
「ぷっ、何よそれ。それにしても、もう少しマシな演出は無かったのですか?アレでは子供の演劇より酷いですよ」
そんなこと言われても俺にそういうセンスが無いというだけの話だろう?俺は冒険者だ、そんな才能無くてもいいんだよ。
それはそうと……
「コレットさん、あのシスターさんの知り合いだったの?別れ際に「お幸せに」とか言ってたよ?」
「はい?」と小首を傾げるコレットさんだが、あのシスターさんは確かにそう言っていた。二度と会うことも無いだろうし、コレットさんが知らないのなら別にいいかと勝手に飲み込んでおく。
「今日くらいにはレピエーネに辿りつけるのかな?」
「ティナ元気かなぁ、私達のこと解ってくれるといいね」
そう言って操作球に乗る俺の手にモニカの左手が重なった。その薬指には俺とお揃いの銀の指輪が嵌り、太陽の光を反射してその存在をアピールしているように見えた。
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