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第一章 動き出した運命の輪
22.リリィの魔法
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「レイが着る服こんなのはどお?似合うと思うんだけどなぁ」
人形のように立たされ採寸してもらってる俺の前に来てはいくつもの見本絵を見せてくるティナ。俺としては服に興味が無くぶっちゃけると何でもいいんだが、女にとってはそうではないらしい。早く終わってシュテーアに会いに行きたいんだけどなぁ、などと考えながら窓から見える綺麗な青い空に浮かぶ雲を眺める。
「ティナはどんなの着るんだ?」
「え?私?」
顎に人差し指を当てて考え込むところを見るとまだ決めてないのか?
アルはクロエさんと楽しそうに喋りながら採寸してもらってる。昔からあいつはクロエさんと仲が良いな、気が合うのかな?
採寸と言う名の軽い拷問が終わり出されたお茶を片手に一息ついていると、ユリ姉とリリィも採寸とドレス決めが終わったみたいで楽しそうな顔で戻って来た。
「二人はどんなドレスにしたの?」
顔を見合わせた二人はフフッと笑い合うと声を合わせて『内緒』と言いやがった。なんで秘密なのさ!別にいいけど。
「ウォルマーさんお久しぶりです。シュテーア元気してます?」
ようやく解放されてやって来た牧場、厩舎の中を見回してもシュテーアが見当たらなかったが……どこ行った?
「やぁ元気そうだね、また何日かコッチに居るのかい?アイツは今、外だよ」
お礼を言って外に出ると青空の下、緑の草原を自由に駆ける焦げ茶色の馬がいた。遠くから見ていると仲間の馬達と楽しそうにしている。
そう上手くはない指笛だが無事聞こえたらしく、外でのんびりしていた全ての馬が一斉にこちらを向いて小さな耳を ピクピク 動かしてる。いや、呼んだのはシュテーアだけなんだけど……聞こえたら『なんだ?』って思うよね、ゴメン。
「シュテーアっ!」
名前を呼ぶと俺が分かったみたいで物凄い速さで一目散に駆けてきた。おぉっヨシヨシ可愛い奴め、そんなに俺が恋しかったか。ゴメンなぁ、たまにしか来れなくて。本当はずっとここに居たいんだけどそれは無理なんだよ。
擦り付けてきた首や身体を撫でてやると気持ち良さそうにブルブル言って甘えてくる、んん~っお前はこの世で一番可愛いよ!
「寂しい思いさせてごめんな。でもまた遠くに旅に出なきゃならなくて今回は今日しか会えないんだ」
その一言でシュテーアの動きが ピタリ と止まり、つぶらな黒い瞳が俺を見つめる──ああっ、そんな目で見ないでくれよ、俺だって寂しいんだ。でもなドジで間抜けな兎娘が俺達の助けを待ってるんだ。終わったらまたすぐに会いに来るから待っててくれよぉ。
気持ち冷たい目になると鼻頭でビシビシと俺をド突き「プシュブルルッ」と抗議の声を挙げ始めたシュテーアは、俺の腕にかぶりつき ハムハム とし出す……痛いです、加減してくれてても痛いですっ!ごめん、なるべく早く来るから許してくださいっ。
健康的な歯でしばらく消えないだろう痛々しい痕を付け終わると、フンッとそっぽを向いてしまった。耳をパタンと後ろに倒し『私怒ってるんだからっ!』とアピールをしてる。
「ごめんな、今度ちゃんと埋め合わせするから許してくれよぉ、な?」
鼻を鳴らして返事をすると、軽く鼻頭をぶつけて来たので優しく抱き留めてオデコにキスをする。首を スリスリ してきたので、一先ず許してくれたのだろう。よかったよかった。また今度、目一杯遊ぼうな!
早朝、カミーノ邸の玄関前には黒くて大きな馬車が止まっていた。
流石は貴族様の持ち物、車輪のついた木の箱なのは同じなのに細かい細工が至る所に施されていて乗合馬車とは雰囲気からして段違いだ。
外観で大きく異なるのは、外の景色が眺められるように開閉式の窓が設置されていることだ。馬車で移動するときってやること無いもんな、俺はいつも寝てる気がする。
中に入れば六つも取り付けられた小さなシャンデリア、恐らくあれは魔導具なのだろう。艶々に磨かれた壁板も凄いが、黒革の張られた椅子がフッカフカ!これなら車輪から伝わる振動も軽減されるので長時間乗っていてもお尻が痛くならないかもしれない。
この豪華な馬車にカミーノ家のランドーアさん、クレマリーさんにティナ、お世話係兼御者でクロエさんとメイドさん三人、それに俺達四人で乗り込みベルカイムを経由してオークションの開催されるアングヒルへと向かうことになった。
ゴトゴトと街道を進んでいくカミーノ家の馬車、御者はなんとこの俺。馬に乗れるようになったのでやってみたいと言い出したらクロエさんが指導してくれる運びとなったのだ。
街道は殆ど真っ直ぐで人通りなど皆無なので、御者と言ってもお馬さん任せでただ手綱を持って座っているだけの簡単なお仕事だ。
暖かな日差しの中、長閑な平原を真っ直ぐに進んで行く……やべっ、平和すぎて眠くなってきたぞ?
「レイ、眠いんでしょ」
なぜか俺に付き合い、一緒に御者席に座ったティナが横っ腹を突ついてくる。だが言われているのは否定する余地がないこと、ぐうの音も出ず肯定するしかない。
「何もすることないからな、御者さんはこれに何日も耐えてるなんて凄いよ、尊敬するわ。あ~あ、これなら何か襲ってこないかなぁ」
「こらっ!御者がなに不謹慎な事言ってるのよ。そういうのをフラグって巷では言うらしいわよ?そういう事言ってると本当にそんな事が起きちゃうんだって」
棒突きの飴ちゃんを咥えたリリィが馬車の出入り口から顔を覗かせ最近仕入れた知識をひけらかす──へぇ、そんな事があるんだ。なら、早く襲って来てくれよ。眠くて死にそうだ……。
「アンタが言い出したんだから今日一日くらいはちゃんとやりなさいよ?ぷぷぷっ、口は災いの元とはよく言ったものね~」
飴ちゃんを振りかざして俺を指し、馬鹿にしたように見てくる──くぁぁぁ!反論できねぇっ!こんな事なら御者やるなんて言わなければ良かったぁっ。
しかしそんな折、ビビビッと俺の第六感が何かの襲撃を感知した。内にいる人達に負担をかけないよう緩やかに馬車を減速させつつ、何が出て来るのかなと期待に胸を膨らませる。
「何で止めるのよ?」
出入り口に掴まり不満げな顔つきで文句を言ってくるが、まず馬車を止めないと降りれないから襲撃に対応出来ないぞ?
森から出てきたのは街道ではお馴染みのハングリードッグちゃん、十匹ちょっといるかな?
よしよし、丁度良い目覚ましになるぞと意気込み馬車から飛び降りようとしたとき、仄かに光る透明な板が何枚も現れる──これは……結界魔法!
即座に後ろを振り返れば澄まし顔で咥えていた飴ちゃんの付いた棒を音楽の指揮を執るかのように クルクル と振り回している。俺の視線に気付きはしたが『文句ある?』って顔をされた……文句有り有りだぞ!俺の運動するチャンス、返せ!
宙を舞う透明な板は合計十二枚。人を襲い餌とする為にやって来た犬達ではあったが空飛ぶ不可解なモノに逃げ惑う羽目となり、元来た場所へ戻ろうとするも行手を阻まれ行き場を失う。
器用に一所に集め終わると形を変えて部屋のようになり、外敵から身を守るための結界を形作るが、その内にいるのは倒すべきハングリードッグ達。
「なにしてんだ?」
何でわざわざ捕まえたんだろうと疑問を口にするが、飴ちゃんを口に入れたリリィは答える気がないようだ。
仕方なくそのまま見ていると、右往左往する犬達のすぐ上、結界の中心に現れる小さな青い炎──かと思った次の瞬間、全ての犬達が突然弾け飛び、透明な結界の壁が血とミンチになった肉片とで赤く染まった。それは凄惨という表現がピタリと当てはまるほど見るも無残で、魔物の死体など見飽きた俺でも吐き気を催すほどの光景だ。
隣でそれを目の当たりにしてしまったティナは「キャッ!」と見開いた目を顔ごと手で覆い、クロエさんですら驚きを隠せない様子でいつもの眠たげな目が大きく開かれている。
結界を作る透明な板が消えると辺り一面に濃い血肉の匂いが漂い、弱った胃腸に追い打ちをかけてくる。
「行きましょ」
短く言い放ったリリィはいつもと変わらぬ様子で何事もなかったかのように馬車の中へと戻って行った。
人形のように立たされ採寸してもらってる俺の前に来てはいくつもの見本絵を見せてくるティナ。俺としては服に興味が無くぶっちゃけると何でもいいんだが、女にとってはそうではないらしい。早く終わってシュテーアに会いに行きたいんだけどなぁ、などと考えながら窓から見える綺麗な青い空に浮かぶ雲を眺める。
「ティナはどんなの着るんだ?」
「え?私?」
顎に人差し指を当てて考え込むところを見るとまだ決めてないのか?
アルはクロエさんと楽しそうに喋りながら採寸してもらってる。昔からあいつはクロエさんと仲が良いな、気が合うのかな?
採寸と言う名の軽い拷問が終わり出されたお茶を片手に一息ついていると、ユリ姉とリリィも採寸とドレス決めが終わったみたいで楽しそうな顔で戻って来た。
「二人はどんなドレスにしたの?」
顔を見合わせた二人はフフッと笑い合うと声を合わせて『内緒』と言いやがった。なんで秘密なのさ!別にいいけど。
「ウォルマーさんお久しぶりです。シュテーア元気してます?」
ようやく解放されてやって来た牧場、厩舎の中を見回してもシュテーアが見当たらなかったが……どこ行った?
「やぁ元気そうだね、また何日かコッチに居るのかい?アイツは今、外だよ」
お礼を言って外に出ると青空の下、緑の草原を自由に駆ける焦げ茶色の馬がいた。遠くから見ていると仲間の馬達と楽しそうにしている。
そう上手くはない指笛だが無事聞こえたらしく、外でのんびりしていた全ての馬が一斉にこちらを向いて小さな耳を ピクピク 動かしてる。いや、呼んだのはシュテーアだけなんだけど……聞こえたら『なんだ?』って思うよね、ゴメン。
「シュテーアっ!」
名前を呼ぶと俺が分かったみたいで物凄い速さで一目散に駆けてきた。おぉっヨシヨシ可愛い奴め、そんなに俺が恋しかったか。ゴメンなぁ、たまにしか来れなくて。本当はずっとここに居たいんだけどそれは無理なんだよ。
擦り付けてきた首や身体を撫でてやると気持ち良さそうにブルブル言って甘えてくる、んん~っお前はこの世で一番可愛いよ!
「寂しい思いさせてごめんな。でもまた遠くに旅に出なきゃならなくて今回は今日しか会えないんだ」
その一言でシュテーアの動きが ピタリ と止まり、つぶらな黒い瞳が俺を見つめる──ああっ、そんな目で見ないでくれよ、俺だって寂しいんだ。でもなドジで間抜けな兎娘が俺達の助けを待ってるんだ。終わったらまたすぐに会いに来るから待っててくれよぉ。
気持ち冷たい目になると鼻頭でビシビシと俺をド突き「プシュブルルッ」と抗議の声を挙げ始めたシュテーアは、俺の腕にかぶりつき ハムハム とし出す……痛いです、加減してくれてても痛いですっ!ごめん、なるべく早く来るから許してくださいっ。
健康的な歯でしばらく消えないだろう痛々しい痕を付け終わると、フンッとそっぽを向いてしまった。耳をパタンと後ろに倒し『私怒ってるんだからっ!』とアピールをしてる。
「ごめんな、今度ちゃんと埋め合わせするから許してくれよぉ、な?」
鼻を鳴らして返事をすると、軽く鼻頭をぶつけて来たので優しく抱き留めてオデコにキスをする。首を スリスリ してきたので、一先ず許してくれたのだろう。よかったよかった。また今度、目一杯遊ぼうな!
早朝、カミーノ邸の玄関前には黒くて大きな馬車が止まっていた。
流石は貴族様の持ち物、車輪のついた木の箱なのは同じなのに細かい細工が至る所に施されていて乗合馬車とは雰囲気からして段違いだ。
外観で大きく異なるのは、外の景色が眺められるように開閉式の窓が設置されていることだ。馬車で移動するときってやること無いもんな、俺はいつも寝てる気がする。
中に入れば六つも取り付けられた小さなシャンデリア、恐らくあれは魔導具なのだろう。艶々に磨かれた壁板も凄いが、黒革の張られた椅子がフッカフカ!これなら車輪から伝わる振動も軽減されるので長時間乗っていてもお尻が痛くならないかもしれない。
この豪華な馬車にカミーノ家のランドーアさん、クレマリーさんにティナ、お世話係兼御者でクロエさんとメイドさん三人、それに俺達四人で乗り込みベルカイムを経由してオークションの開催されるアングヒルへと向かうことになった。
ゴトゴトと街道を進んでいくカミーノ家の馬車、御者はなんとこの俺。馬に乗れるようになったのでやってみたいと言い出したらクロエさんが指導してくれる運びとなったのだ。
街道は殆ど真っ直ぐで人通りなど皆無なので、御者と言ってもお馬さん任せでただ手綱を持って座っているだけの簡単なお仕事だ。
暖かな日差しの中、長閑な平原を真っ直ぐに進んで行く……やべっ、平和すぎて眠くなってきたぞ?
「レイ、眠いんでしょ」
なぜか俺に付き合い、一緒に御者席に座ったティナが横っ腹を突ついてくる。だが言われているのは否定する余地がないこと、ぐうの音も出ず肯定するしかない。
「何もすることないからな、御者さんはこれに何日も耐えてるなんて凄いよ、尊敬するわ。あ~あ、これなら何か襲ってこないかなぁ」
「こらっ!御者がなに不謹慎な事言ってるのよ。そういうのをフラグって巷では言うらしいわよ?そういう事言ってると本当にそんな事が起きちゃうんだって」
棒突きの飴ちゃんを咥えたリリィが馬車の出入り口から顔を覗かせ最近仕入れた知識をひけらかす──へぇ、そんな事があるんだ。なら、早く襲って来てくれよ。眠くて死にそうだ……。
「アンタが言い出したんだから今日一日くらいはちゃんとやりなさいよ?ぷぷぷっ、口は災いの元とはよく言ったものね~」
飴ちゃんを振りかざして俺を指し、馬鹿にしたように見てくる──くぁぁぁ!反論できねぇっ!こんな事なら御者やるなんて言わなければ良かったぁっ。
しかしそんな折、ビビビッと俺の第六感が何かの襲撃を感知した。内にいる人達に負担をかけないよう緩やかに馬車を減速させつつ、何が出て来るのかなと期待に胸を膨らませる。
「何で止めるのよ?」
出入り口に掴まり不満げな顔つきで文句を言ってくるが、まず馬車を止めないと降りれないから襲撃に対応出来ないぞ?
森から出てきたのは街道ではお馴染みのハングリードッグちゃん、十匹ちょっといるかな?
よしよし、丁度良い目覚ましになるぞと意気込み馬車から飛び降りようとしたとき、仄かに光る透明な板が何枚も現れる──これは……結界魔法!
即座に後ろを振り返れば澄まし顔で咥えていた飴ちゃんの付いた棒を音楽の指揮を執るかのように クルクル と振り回している。俺の視線に気付きはしたが『文句ある?』って顔をされた……文句有り有りだぞ!俺の運動するチャンス、返せ!
宙を舞う透明な板は合計十二枚。人を襲い餌とする為にやって来た犬達ではあったが空飛ぶ不可解なモノに逃げ惑う羽目となり、元来た場所へ戻ろうとするも行手を阻まれ行き場を失う。
器用に一所に集め終わると形を変えて部屋のようになり、外敵から身を守るための結界を形作るが、その内にいるのは倒すべきハングリードッグ達。
「なにしてんだ?」
何でわざわざ捕まえたんだろうと疑問を口にするが、飴ちゃんを口に入れたリリィは答える気がないようだ。
仕方なくそのまま見ていると、右往左往する犬達のすぐ上、結界の中心に現れる小さな青い炎──かと思った次の瞬間、全ての犬達が突然弾け飛び、透明な結界の壁が血とミンチになった肉片とで赤く染まった。それは凄惨という表現がピタリと当てはまるほど見るも無残で、魔物の死体など見飽きた俺でも吐き気を催すほどの光景だ。
隣でそれを目の当たりにしてしまったティナは「キャッ!」と見開いた目を顔ごと手で覆い、クロエさんですら驚きを隠せない様子でいつもの眠たげな目が大きく開かれている。
結界を作る透明な板が消えると辺り一面に濃い血肉の匂いが漂い、弱った胃腸に追い打ちをかけてくる。
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短く言い放ったリリィはいつもと変わらぬ様子で何事もなかったかのように馬車の中へと戻って行った。
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