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第一章 動き出した運命の輪
6.一般常識
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早朝、乗合馬車の集合場所に行けば二頭の馬の引く四輪荷馬車と、馬車に繋がれてない馬が二頭用意されていた。馬車の周りには既に人が集まっていたので受付をしに行くと、どうやら俺達で最後らしくすぐに出発するとのこと。
繋がれていない馬はどうやら護衛の冒険者が乗るみたいだ。
さっそく馬車に乗り込もうとすると馬に乗った護衛の人が近寄って来る。見た感じ俺より少し年上でガッチリとした体格、使い込まれた皮の鎧を上半身だけに着けていて馬に乗る姿が様になっている。この人の護衛があるなら安心、そう思わせる雰囲気を醸し出している男だった。
「よぉっ。昨日はあのクソ野郎をぶっ飛ばせなくて残念だったな。俺はケネット、今回の護衛パーティーのリーダーをしてる。よろしくな」
俺達の前で馬を降りニカッと豪快な笑顔を浮かべると、俺に向かって手を差し出してきたのでそれに応えて握手する。
「俺はレイだ。こっちはユリアーネ。昨日のってギルドの話か?」
「そうそう。あの貴族野郎、気に入った女には見境なくてな。お前みたいに連れが居ようが居まいがお構い無しなんだよ。貴族らしいから扱いに困るんだが、あんまり酷いんでみんな煙たがっているんだ。 うちのも奴にしつこくされてな、いつかシメテやりたいって思ってたのさ。
お前ならヤッてくれるとみんな期待して見てたんだぜ?」
そんなこと言われてもな……また機会があればぶっ飛ばすけど、もう近寄って来て欲しくないな。
俺が苦笑いしているとケネットさんはユリ姉をチラ見して言葉を続けた。
「今更だけどよ、俺達のアイドルだったユリアーネちゃんをモノに出来たお前さんは羨ましい限りだねぇ。ユリアーネちゃん、今度俺と一緒に食事にでも行かないかい?」
「そうねぇ、また今度ね」と軽く遇らうユリ姉だが、俺は「ちょっと待った!」と思わず口にしてしまう。
「ユリ姉?この人とご飯行くの!?」
「レイ……」
「あのなぁ……お前、今ここでこんなこと言うのも何だが、社交辞令って知ってるか?お前の女、盗りゃしねーよっ」
呆れ顔で二人に見られる俺。心配しただけじゃんかっ!ユリ姉が誰とご飯食べに行ってもいいんだけど……気になるんだよっ!
「そ、それよりさ、ユリ姉がアイドルって何の事?」
「あぁ昔な、お前らのパーティーに入る前はユリアーネちゃん争奪戦があったのよ。ユリアーネちゃんって美人で強くて、しかもソロだったからな。みんなパーティーに入れたくてアタックしてたんだが、誰一人成功しなくて物の見事に全員撃沈しててな……そんな時に新参のお前のパーティーにすんなり入ったもんだから、それはもうみんなで闇討ちするかって話になったくらいなんだぜ?」
ゲラゲラ笑いながら話すケネット。闇討ちってなんだよ……っつか、ユリ姉はそこまで人気者だったんだな。ちょっと誇らしい。
「ちょっと!いつまで喋ってるの?早く出発するよ!」
御者席から来た姉御風のお姉さんに怒られた。分厚めの皮の鎧を部分的に身に纏っているのが褐色の肌によく似合う。露出が高く刺激的な格好だがスタイルの良さが際立って見えるので形のいい大きなお胸様に思わず目を奪われた。
「ちょっとくらい良いじゃねーか!すまねーな、あいつ真面目でよ。まぁ行こうか。何かあった時はよろしく頼むよ」
再び馬に乗ると馬車の前の方へと歩いて行くケネットを両手を腰に当てて仁王立ちで睨みつけるお姉様。
「ったく、すまないねぇあんたら。あいつお喋りでさ、困っちまうよ。あたしはサシャだ、よろしくなっ。まぁ出発するんで取り敢えず乗っとくれよ」
そのまま御者席に戻っていくサシャさんの後ろ姿を見送り、俺達も馬車に乗り込む事にした。
馬車の中は真ん中に通路があり、通路を挟んで両脇に二人掛けの席が三列並んでいる十二人乗りの一般的な馬車だ。
俺達が一番後ろに座ったのを確認すると馬車が走り出す。
この馬車には俺達の他に二組の若い男女と、父母と娘二人の親子が乗っていた。娘二人は旅が楽しいのか俺達のすぐ前の席で キャッキャ と賑やかに騒いでる。その様子を微笑ましそうに見つめる父母、仲の良さそうな親子だ。見ている俺もほっこりしてくる。
馬車の中は特にやることもなく ゴトゴト 揺られていると気持ち良くなり、いつも睡魔に襲われる。なんとか我慢していたつもりだったがどうやら耐えきれなかったようで、いつのまにか眠ってしまっていたみたいだ。
馬車の揺れに変化があり意識が戻ると、心地の良い感触と共に良い匂いが鼻をくすぐる。目を開けば寝ている間にユリ姉の肩にもたれ掛かっていたようだ。
ハッ!としユリ姉を見ると「よく寝てたねぇ」とにっこり微笑まれた。天使の笑顔頂きました!
周りを見ると前の席の子供達も騒ぎ疲れたのか、はたまた飽きてしまったのか、今はお昼寝の最中のようで二人で仲良さげに寄り添っているので、馬車の中は静まり返っている。
「馬車止まってるけど、襲撃?」
「大丈夫、獣が四匹ってところかなぁ」
小声で聞けばにこやかに返事をくれたので俺達が加勢に行くまでもないらしい。
しばらくすると馬車はゆっくりと動き出したので、無事に処理出来たみたいだな。
その後は何事もなく一日目の宿場に辿り着きキャンプの準備をした。俺は焚き火の為の枯れ木を集めに森に入りしばらく歩いてみたが、森の中は静まり返っており特に危険を感じなかったので、ある程度拾えたところで帰ることにした。
焚き木自体も常備品があったらしく、戻ると既に火が付いていた。ケネットが火の番をしていたので声をかけてみる。
「焚き木有ったのか、用意がいいんだな。あのさ、昼間の襲撃って何が来たんだ?」
「焚き木は乗合馬車ならある程度準備してあるんだが、まさか知らなかったのか?どっちにしても多い方が助かるから使わせてもらうよ。それより襲撃だけどな、なんと〈シビルボア〉が四匹だったぞ。二匹しか持ってきてないけど今夜の晩飯は焼肉だ!腹一杯食ってくれ」
親指を立てて和かにウインクする。やった!焼肉食べ放題!満面の笑みで俺も親指を立て返した。
シビルボアは体長一メートル程の猪で、少数の群れで移動する。馬車に突進し横転させる事も出来るくらい力が強く、駆け出し冒険者にとっては少々荷が重い相手なのだがケネット達にとっては楽勝だったようだな。その肉は美味く、お肉屋さんにも並んでいるくらいポピュラーな奴だ。それが今日は無料で食べ放題だっ、ラッキー!
馬車の方から皮を剥がれたシビルボアが護衛の残り二人、ビルとクリスの手で運ばれてくる。
焚き火から少し離れたところにある大きめの石の前に立ったユリ姉は、愛刀、白結氣の柄を握った次の瞬間、鍔鳴りのチンッという小気味良い音を立てて振り返った。
「レイ~、これどけてぇ」
石をバシバシ叩きながらにこやかな笑顔、ケネットに手伝ってもらい一瞬にして綺麗に切られた石の上側の要らないところを二人でえっちらおっちら邪魔にならない所に捨ててくる。そう、ユリ姉特製の即席調理台の出来上がりである。
唖然としている他の人を尻目に石の上に置かれたシビルボアが捌かれて行く様子をみんなして見守る。そのナイフ捌きはまるで熱したナイフでバターを切るかの様にスルスルと肉の間を走り、でかかったシビルボアが見る見るうちに細かくなっていくので感嘆の声が上がった。
俺は端っこで人参、南瓜、玉葱を取り出して皮を剥いてから適当な大きさに切る。いくら美味しい肉でも、肉ばかりだとどうしても飽きてくるので口直しの野菜は必要不可欠なのだ。
鞄から持ち手が木で出来た鉄の串を取り出し、小さくなった肉を刺していく。肉だけ刺した串と、肉と野菜を交互に刺した串を作り、それを見ていたカップルに「こんな感じでよろしく」と残りの串を渡して続きを頼む。
焚き火に戻ると、今度は鉄製の串置き台を取り出して設置した。
普通焼肉と言えば、今回みたいに細かく切った肉を木の枝に刺してそれを火の周りの地面に刺して焼くか、尻から口まで木を通して一匹丸ごと回しながら焼いて行くかのどちらかだろう。
だがこれは串の先端と根元部分を支える為の専用の台で串を横にして並べて置けるので一度に沢山、そして早く焼くことが出来るから俺はコレが好きなのだ。
「便利な物持ち歩いてるな。ってかよぉ、二人とも魔法の鞄を持ってるとは恐れ入るぜ」
「この鞄高いもんな。有ると便利だけど、なかなか手が出ないよなぁ」
「一つは持ってるぜ?ただ四人で一つだからな、そんな物入れておける余裕はねぇよ」
羨ましそうにケネットが言うが、ごもっともな意見だな。俺達のパーティーは一人一つ、空間魔法のかかった鞄を持っている。ケネット達に比べたら単純に考えて四倍の物が持ち運べる事になる。
しかも俺達が持っている物は市販品より良い物だったので元々容量が大きかった上にルミアが魔改造を施したので、もう通常品の何倍になっているのか分からないくらい沢山の荷物が入る。だからこんな、普通では要らない物まで鞄に入っているのだ。贅沢な使い方してるよな俺、自重しよう。
繋がれていない馬はどうやら護衛の冒険者が乗るみたいだ。
さっそく馬車に乗り込もうとすると馬に乗った護衛の人が近寄って来る。見た感じ俺より少し年上でガッチリとした体格、使い込まれた皮の鎧を上半身だけに着けていて馬に乗る姿が様になっている。この人の護衛があるなら安心、そう思わせる雰囲気を醸し出している男だった。
「よぉっ。昨日はあのクソ野郎をぶっ飛ばせなくて残念だったな。俺はケネット、今回の護衛パーティーのリーダーをしてる。よろしくな」
俺達の前で馬を降りニカッと豪快な笑顔を浮かべると、俺に向かって手を差し出してきたのでそれに応えて握手する。
「俺はレイだ。こっちはユリアーネ。昨日のってギルドの話か?」
「そうそう。あの貴族野郎、気に入った女には見境なくてな。お前みたいに連れが居ようが居まいがお構い無しなんだよ。貴族らしいから扱いに困るんだが、あんまり酷いんでみんな煙たがっているんだ。 うちのも奴にしつこくされてな、いつかシメテやりたいって思ってたのさ。
お前ならヤッてくれるとみんな期待して見てたんだぜ?」
そんなこと言われてもな……また機会があればぶっ飛ばすけど、もう近寄って来て欲しくないな。
俺が苦笑いしているとケネットさんはユリ姉をチラ見して言葉を続けた。
「今更だけどよ、俺達のアイドルだったユリアーネちゃんをモノに出来たお前さんは羨ましい限りだねぇ。ユリアーネちゃん、今度俺と一緒に食事にでも行かないかい?」
「そうねぇ、また今度ね」と軽く遇らうユリ姉だが、俺は「ちょっと待った!」と思わず口にしてしまう。
「ユリ姉?この人とご飯行くの!?」
「レイ……」
「あのなぁ……お前、今ここでこんなこと言うのも何だが、社交辞令って知ってるか?お前の女、盗りゃしねーよっ」
呆れ顔で二人に見られる俺。心配しただけじゃんかっ!ユリ姉が誰とご飯食べに行ってもいいんだけど……気になるんだよっ!
「そ、それよりさ、ユリ姉がアイドルって何の事?」
「あぁ昔な、お前らのパーティーに入る前はユリアーネちゃん争奪戦があったのよ。ユリアーネちゃんって美人で強くて、しかもソロだったからな。みんなパーティーに入れたくてアタックしてたんだが、誰一人成功しなくて物の見事に全員撃沈しててな……そんな時に新参のお前のパーティーにすんなり入ったもんだから、それはもうみんなで闇討ちするかって話になったくらいなんだぜ?」
ゲラゲラ笑いながら話すケネット。闇討ちってなんだよ……っつか、ユリ姉はそこまで人気者だったんだな。ちょっと誇らしい。
「ちょっと!いつまで喋ってるの?早く出発するよ!」
御者席から来た姉御風のお姉さんに怒られた。分厚めの皮の鎧を部分的に身に纏っているのが褐色の肌によく似合う。露出が高く刺激的な格好だがスタイルの良さが際立って見えるので形のいい大きなお胸様に思わず目を奪われた。
「ちょっとくらい良いじゃねーか!すまねーな、あいつ真面目でよ。まぁ行こうか。何かあった時はよろしく頼むよ」
再び馬に乗ると馬車の前の方へと歩いて行くケネットを両手を腰に当てて仁王立ちで睨みつけるお姉様。
「ったく、すまないねぇあんたら。あいつお喋りでさ、困っちまうよ。あたしはサシャだ、よろしくなっ。まぁ出発するんで取り敢えず乗っとくれよ」
そのまま御者席に戻っていくサシャさんの後ろ姿を見送り、俺達も馬車に乗り込む事にした。
馬車の中は真ん中に通路があり、通路を挟んで両脇に二人掛けの席が三列並んでいる十二人乗りの一般的な馬車だ。
俺達が一番後ろに座ったのを確認すると馬車が走り出す。
この馬車には俺達の他に二組の若い男女と、父母と娘二人の親子が乗っていた。娘二人は旅が楽しいのか俺達のすぐ前の席で キャッキャ と賑やかに騒いでる。その様子を微笑ましそうに見つめる父母、仲の良さそうな親子だ。見ている俺もほっこりしてくる。
馬車の中は特にやることもなく ゴトゴト 揺られていると気持ち良くなり、いつも睡魔に襲われる。なんとか我慢していたつもりだったがどうやら耐えきれなかったようで、いつのまにか眠ってしまっていたみたいだ。
馬車の揺れに変化があり意識が戻ると、心地の良い感触と共に良い匂いが鼻をくすぐる。目を開けば寝ている間にユリ姉の肩にもたれ掛かっていたようだ。
ハッ!としユリ姉を見ると「よく寝てたねぇ」とにっこり微笑まれた。天使の笑顔頂きました!
周りを見ると前の席の子供達も騒ぎ疲れたのか、はたまた飽きてしまったのか、今はお昼寝の最中のようで二人で仲良さげに寄り添っているので、馬車の中は静まり返っている。
「馬車止まってるけど、襲撃?」
「大丈夫、獣が四匹ってところかなぁ」
小声で聞けばにこやかに返事をくれたので俺達が加勢に行くまでもないらしい。
しばらくすると馬車はゆっくりと動き出したので、無事に処理出来たみたいだな。
その後は何事もなく一日目の宿場に辿り着きキャンプの準備をした。俺は焚き火の為の枯れ木を集めに森に入りしばらく歩いてみたが、森の中は静まり返っており特に危険を感じなかったので、ある程度拾えたところで帰ることにした。
焚き木自体も常備品があったらしく、戻ると既に火が付いていた。ケネットが火の番をしていたので声をかけてみる。
「焚き木有ったのか、用意がいいんだな。あのさ、昼間の襲撃って何が来たんだ?」
「焚き木は乗合馬車ならある程度準備してあるんだが、まさか知らなかったのか?どっちにしても多い方が助かるから使わせてもらうよ。それより襲撃だけどな、なんと〈シビルボア〉が四匹だったぞ。二匹しか持ってきてないけど今夜の晩飯は焼肉だ!腹一杯食ってくれ」
親指を立てて和かにウインクする。やった!焼肉食べ放題!満面の笑みで俺も親指を立て返した。
シビルボアは体長一メートル程の猪で、少数の群れで移動する。馬車に突進し横転させる事も出来るくらい力が強く、駆け出し冒険者にとっては少々荷が重い相手なのだがケネット達にとっては楽勝だったようだな。その肉は美味く、お肉屋さんにも並んでいるくらいポピュラーな奴だ。それが今日は無料で食べ放題だっ、ラッキー!
馬車の方から皮を剥がれたシビルボアが護衛の残り二人、ビルとクリスの手で運ばれてくる。
焚き火から少し離れたところにある大きめの石の前に立ったユリ姉は、愛刀、白結氣の柄を握った次の瞬間、鍔鳴りのチンッという小気味良い音を立てて振り返った。
「レイ~、これどけてぇ」
石をバシバシ叩きながらにこやかな笑顔、ケネットに手伝ってもらい一瞬にして綺麗に切られた石の上側の要らないところを二人でえっちらおっちら邪魔にならない所に捨ててくる。そう、ユリ姉特製の即席調理台の出来上がりである。
唖然としている他の人を尻目に石の上に置かれたシビルボアが捌かれて行く様子をみんなして見守る。そのナイフ捌きはまるで熱したナイフでバターを切るかの様にスルスルと肉の間を走り、でかかったシビルボアが見る見るうちに細かくなっていくので感嘆の声が上がった。
俺は端っこで人参、南瓜、玉葱を取り出して皮を剥いてから適当な大きさに切る。いくら美味しい肉でも、肉ばかりだとどうしても飽きてくるので口直しの野菜は必要不可欠なのだ。
鞄から持ち手が木で出来た鉄の串を取り出し、小さくなった肉を刺していく。肉だけ刺した串と、肉と野菜を交互に刺した串を作り、それを見ていたカップルに「こんな感じでよろしく」と残りの串を渡して続きを頼む。
焚き火に戻ると、今度は鉄製の串置き台を取り出して設置した。
普通焼肉と言えば、今回みたいに細かく切った肉を木の枝に刺してそれを火の周りの地面に刺して焼くか、尻から口まで木を通して一匹丸ごと回しながら焼いて行くかのどちらかだろう。
だがこれは串の先端と根元部分を支える為の専用の台で串を横にして並べて置けるので一度に沢山、そして早く焼くことが出来るから俺はコレが好きなのだ。
「便利な物持ち歩いてるな。ってかよぉ、二人とも魔法の鞄を持ってるとは恐れ入るぜ」
「この鞄高いもんな。有ると便利だけど、なかなか手が出ないよなぁ」
「一つは持ってるぜ?ただ四人で一つだからな、そんな物入れておける余裕はねぇよ」
羨ましそうにケネットが言うが、ごもっともな意見だな。俺達のパーティーは一人一つ、空間魔法のかかった鞄を持っている。ケネット達に比べたら単純に考えて四倍の物が持ち運べる事になる。
しかも俺達が持っている物は市販品より良い物だったので元々容量が大きかった上にルミアが魔改造を施したので、もう通常品の何倍になっているのか分からないくらい沢山の荷物が入る。だからこんな、普通では要らない物まで鞄に入っているのだ。贅沢な使い方してるよな俺、自重しよう。
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