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Chapter_3:機械工の性
SP. 王室の会話 Part.1
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『……王よ、戻った。』
『マークⅡ。どこへ飛んでいた。』
『我が同胞の気配がしてな。是非とも会って話をしたいと思ったまでよ。』
『機械霊に反応など示さなかったくせに、やけに珍しいな。兆しとしては、やはりあの流星か?お前も気づいたのか。』
『……いかにも。』
『正体は?』
『……想定通り、新たなP-botだ。』
『正直に話せるな。今や、俺はこの星を仕切る王だ。勝手にさせないよう、お前の動きを封じ込むことだってできる。』
『貴殿にそれができるなら、我はここに来るはずもない。
……できないだろう。そんな事など、貴殿の生い立ちを知れば、自明の理よ。』
『………。』
『何も、貴殿を冷やかしに来たわけではない。“政府のP-bot”として、同胞の情報を得ることができた。』
『……聞かせてくれ。』
『新たなP-bot、【P-bot_mk.Ⅲ】がこの星に来た。奴の正体は……2人目の【完全体】、【サド・キャンソン】に違いない。』
『それは間違いないのか!?』
『少なくとも、我が瞳にはそう映った。』
『……彼らは常に自己犠牲を厭わない。“普通の人間”になろうと皆に尽くしていた。誰にも劣らぬ才能もあった!
なのに……なぜ斯様な人ばかりが、犠牲になるのだ!今の私が……なぜ王になっているのだ……。私よりなるべきものがいたというのに……。』
『それが、我が主とでも言うか。』
『他に……誰がいる。』
『……主君の立場ともなれば、必ずやその首を狙うものもいよう。それに相応しい者達ならば尚更だ。
要件は伝えた。貴殿もまた主君。我が主を泣かせるようなことはするなよ。』
『……15時に緊急の閣議を行う。ポーラとシリウス、そして【シータス家】の大議員、カイトと共に【マルクート家】のネットワークを通して例の特注のアプリを使うよう伝えよ。』
『かしこまりました。』
『マークⅡ、もう行ってもいい。
……俺の身内の事は、あまり気負うな。』
『………。』
『早く行け。お前と話せば、他の貴族が俺達に“あの逆襲”の罪を擦り付けてくる。いま他の奴らに見られたら、もう二度と会えない。
……行ってくれ。』
『マークⅡ。どこへ飛んでいた。』
『我が同胞の気配がしてな。是非とも会って話をしたいと思ったまでよ。』
『機械霊に反応など示さなかったくせに、やけに珍しいな。兆しとしては、やはりあの流星か?お前も気づいたのか。』
『……いかにも。』
『正体は?』
『……想定通り、新たなP-botだ。』
『正直に話せるな。今や、俺はこの星を仕切る王だ。勝手にさせないよう、お前の動きを封じ込むことだってできる。』
『貴殿にそれができるなら、我はここに来るはずもない。
……できないだろう。そんな事など、貴殿の生い立ちを知れば、自明の理よ。』
『………。』
『何も、貴殿を冷やかしに来たわけではない。“政府のP-bot”として、同胞の情報を得ることができた。』
『……聞かせてくれ。』
『新たなP-bot、【P-bot_mk.Ⅲ】がこの星に来た。奴の正体は……2人目の【完全体】、【サド・キャンソン】に違いない。』
『それは間違いないのか!?』
『少なくとも、我が瞳にはそう映った。』
『……彼らは常に自己犠牲を厭わない。“普通の人間”になろうと皆に尽くしていた。誰にも劣らぬ才能もあった!
なのに……なぜ斯様な人ばかりが、犠牲になるのだ!今の私が……なぜ王になっているのだ……。私よりなるべきものがいたというのに……。』
『それが、我が主とでも言うか。』
『他に……誰がいる。』
『……主君の立場ともなれば、必ずやその首を狙うものもいよう。それに相応しい者達ならば尚更だ。
要件は伝えた。貴殿もまた主君。我が主を泣かせるようなことはするなよ。』
『……15時に緊急の閣議を行う。ポーラとシリウス、そして【シータス家】の大議員、カイトと共に【マルクート家】のネットワークを通して例の特注のアプリを使うよう伝えよ。』
『かしこまりました。』
『マークⅡ、もう行ってもいい。
……俺の身内の事は、あまり気負うな。』
『………。』
『早く行け。お前と話せば、他の貴族が俺達に“あの逆襲”の罪を擦り付けてくる。いま他の奴らに見られたら、もう二度と会えない。
……行ってくれ。』
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