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Chapter_2:コーズ&エフェクト
Sub-Note_2. 朝の果物は金
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朝日は壁に遮られ、街灯を頼りに人は歩んでいく。下を見れば暗闇に満ちている。しかし、上を見上げれば、青空が徐々に見えてくる。
その青空にいち早く気づいたのは、キャンソン姉弟の弟、サドであった。
カーテンを開けて青く彩る空を堪能する。取りあえずはカーテンを閉めて、ベッドから落ちたレオを戻し、優しく布団をかける。
再びタブレットを起動して、傍受を行う。
空が青くなり、どんどん白く輝く。次に起床してきたのがライラであった。ライラは静かに起き上がり、取り敢えずサドに声をかける。
「おはよ、サド君。」
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「おかげさまで。シャワー浴びに行くから……」
「待ってください!昨夜にレオと一緒に買った服です。古着ですが、少しでも力になれば……」
「助かる~!……あの服、大切にしたかったから……良かった~!代わりの服ができて。」
これ以上、服が傷まずに済むのは彼女にとって幸運である。ライラは早速シャワー浴びにバスルームへ入る。
「……あれ?……あっ……」
サドはある重要な事に気がつく。
すっかり空も明るくなり、朝と言うには申し分ない空の輝きようである。レオはまたベッドから落ちて寝ている。
サドが券を片手に持って、レオの目覚ましをチェックする。どうやら9時起きらしい。
サドは端末をすり替えて、7時起きにする。モーニングの時間は7時半からだ。早めに行かないと大きく出遅れてしまう。
丁度良く、ライラがシャワーから上がる。ライラが古着を見せてくる。サドが着心地について尋ねる。
「どう……ですか?もし、お気に召されないようでしたら、すぐに……」
「ちょっと胸がきついけど……まあ、ちょっと余裕あるし許容範囲ね!せっかく、レオさんとサド君が選んでくれたから、心配いらないよ!」
「そ、そうですか……ごめんなさい。要望に応えられず……」
「え?いや、そういう意味じゃなくて、別におっぱいの大きさがどうとかってだけで、許容範囲ってそれだけだから!それ以外は大丈夫だから!」
ライラは説得する。どうやらサドがレオに聞いて選んだもののようだった。
…改めて、サドは重要な事をライラに尋ねる。
「ライラさん……朝食の券はある?」
ライラは手で口を覆う。どうやら途中入場の輩には渡されていないらしい。
「ど、どうしよう……レオさんもサド君も持ってるんだよね?朝ご飯、後でもいいかな……。」
「……なら、好都合ですね。はい、どうぞ。」
サドが食券をライラに手渡す。
「えっ、サド君は大丈夫なの?」
「心配いりません。僕のエネルギーは、最低限このコーヒーを摂れば大丈夫ですので。食事は僕が我慢すればいいだけです。交渉に必要なスキルの、おまけみたいなものです。
ロボはそうですが、人は違います。朝食は一日のエネルギー……重要な用事を控えていらっしゃるのなら、尚更摂るべきです。」
ライラは涙を滲ませ、鼻をすする。
「……色々、尽くしてくれて……」
「今日はみんなで勝ちますよ。」
サドは作業に戻る。丁度良く、目覚ましが鳴り始める。
「……んんっ?」
レオがベッドの上の端末を寝ながら探す。全然届いていない。サドは手慣れているように、端末を近づけてレオの手に届ける。
レオは手元の端末を確認した。
「……もう7時か……うっ……」
「おはよう、レオ。」
「おっはあぁ……ん?これ私のじゃ……」
レオは端末に違和感を持つ。サドが注意する。
「レオ……目覚まし9時に設定されてたよ。」
「……は?」
サドがレオの端末をちらつかせる。
「……人のを勝手に盗むんじゃねぇよ……。」
「はい、起きたからどうぞ。」
サドは端末と食券を一緒に渡す。レオは端末を掻っ攫う。
「朝食は7時半からだから、ライラさんと一緒に遅れずに行ってね。」
「お前は?」
「敵の警備網を確認する。一応レオはリーダーだし……積もる話もあるだろうし。依頼者との貴重な時間ってことで。」
「興味ないな。まあ、あんたが行かないなら別にいいけど。」
ライラには目もくれず、シャワールームにそのまま足を運んだ。
「……まあ……いつもああいう感じですね。」
「ハ……ハハ……」
サドはライラの表情を伺う。彼の手に余るのだから、無論ライラにとっても難題だろう。ライラもぎこちない笑顔を作る。
_____
ライラは主食、主菜、副菜、スープ、デザートと綺麗に皿を分けて盆の上に並べる。一方でレオはスープとデザートを除いて、一つの皿にまとめている。
ライラが食パンにジャムを付けて食べようとするとき、レオはクロワッサンを手に取って食べる。
ライラはレオに聞く。
「あのさ、この服を見繕って買ってくれたのは、あなたなのですか?」
「それがどうした。」
「買ってくれて、ありがとうございます。以前に着ていた服は、入学祝いにおばあちゃんが買ってくれたお気に入りの服だったんです。
攫われたときに伸ばされたり、切られたりされて、大切にしていたのに……」
「……服なんかどっかで直せるだろ。」
(扱いが雑過ぎる。)
レオは話を続ける。
「それに、命までは奪われなかったんだ。歯向かって腕を斬られるより全然マシだろ。」
「えっ……もしかしてその左腕は……」
「………。」
レオは真剣な表情になり、話し始める。
_____
連れ去られてすぐのことだ。私は牢屋みたいな場所にぶち込まれて、何かされることを覚悟していた。そこには鞭とか、焼入れとか、ハンマーとか、刀とか、色々あった。おそらく、反抗的な奴を黙らせるつもりだったんだろうな。
私はそこで経営している工場で、何年間か入れ知恵搾りながら働いていた。
気に食わなかった。私らを踏み躙った奴らの下で働いていることが……。
身内を足蹴にされて黙っているつもりはなかった。痺れを切らして奴をやろうとした。何度でもやろうとした。
……でも、すぐ掴まれて牢屋で宙吊りにされた。そして奴も私と同じように痺れを切らして……
_____
ライラは自分の足元を見た。彼女も同様に辛い過去を背負って生きている、悲劇的だが、勇敢な女性であることを身に沁みて実感する。
「……それで、左腕を……」
「いや、左腕は元から無いけどな。」
「さっきの話は一体何だったのよ!?」
「仕返しに給料ゼロにされて、実質タダ働きにされた話。」
(腕一切関係なかったわ……)
レオは話を繋げる。
「……そもそも、五体満足で産まれてくる人なんざ、今の時代は稀有だってことぐらい周知の事実だろ。私はそれが左腕だっただけ。
でも、緊張はほぐれたろ。別に朝食なんか無くたって元気にはなれる。サドは大げさなんだよ。
戦闘で一番ヤバいのは、固まって動けなくなること……一方的に狙われて終わりだ。猪突猛進とまでは言わないけど、いつでも動ける余裕は作っておくことだ。」
「まあ、そりゃあそうですけど……。」
戦いの心得を諭された。一応守られる側の立場だが、最悪を避けるためだ。
レオはデザートのグレープフルーツにかぶりつく。飲み込んでから話を続ける。
「……でも、私は他の部位を失くした人達を何度も見てきた。失っていくたびに……自分を人間として認めず、義肢を恐れずに使う傾向がある。
武器に変えて生まれ変わる人もいれば、違和感を受け入れて諦める人もいる。
私はどっちでもない。これ以上失って、自分を変えるのが怖い。だから意地を張ったし、残りの体すべて守るつもりで戦う。
……あんたを守るときも、一緒だ。」
レオは決意の眼差しでライラを見つめる。ライラは最後に残っているヨーグルトの器を持つ。
「……私だって仲間のために、この足で一生懸命頑張るもん!」
ヨーグルトを一気に口に入れる。レオが立ち上がって皿を返却する。
「先に戻ってる。」
「待って!」
ライラも返して席を後にした。
その青空にいち早く気づいたのは、キャンソン姉弟の弟、サドであった。
カーテンを開けて青く彩る空を堪能する。取りあえずはカーテンを閉めて、ベッドから落ちたレオを戻し、優しく布団をかける。
再びタブレットを起動して、傍受を行う。
空が青くなり、どんどん白く輝く。次に起床してきたのがライラであった。ライラは静かに起き上がり、取り敢えずサドに声をかける。
「おはよ、サド君。」
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「おかげさまで。シャワー浴びに行くから……」
「待ってください!昨夜にレオと一緒に買った服です。古着ですが、少しでも力になれば……」
「助かる~!……あの服、大切にしたかったから……良かった~!代わりの服ができて。」
これ以上、服が傷まずに済むのは彼女にとって幸運である。ライラは早速シャワー浴びにバスルームへ入る。
「……あれ?……あっ……」
サドはある重要な事に気がつく。
すっかり空も明るくなり、朝と言うには申し分ない空の輝きようである。レオはまたベッドから落ちて寝ている。
サドが券を片手に持って、レオの目覚ましをチェックする。どうやら9時起きらしい。
サドは端末をすり替えて、7時起きにする。モーニングの時間は7時半からだ。早めに行かないと大きく出遅れてしまう。
丁度良く、ライラがシャワーから上がる。ライラが古着を見せてくる。サドが着心地について尋ねる。
「どう……ですか?もし、お気に召されないようでしたら、すぐに……」
「ちょっと胸がきついけど……まあ、ちょっと余裕あるし許容範囲ね!せっかく、レオさんとサド君が選んでくれたから、心配いらないよ!」
「そ、そうですか……ごめんなさい。要望に応えられず……」
「え?いや、そういう意味じゃなくて、別におっぱいの大きさがどうとかってだけで、許容範囲ってそれだけだから!それ以外は大丈夫だから!」
ライラは説得する。どうやらサドがレオに聞いて選んだもののようだった。
…改めて、サドは重要な事をライラに尋ねる。
「ライラさん……朝食の券はある?」
ライラは手で口を覆う。どうやら途中入場の輩には渡されていないらしい。
「ど、どうしよう……レオさんもサド君も持ってるんだよね?朝ご飯、後でもいいかな……。」
「……なら、好都合ですね。はい、どうぞ。」
サドが食券をライラに手渡す。
「えっ、サド君は大丈夫なの?」
「心配いりません。僕のエネルギーは、最低限このコーヒーを摂れば大丈夫ですので。食事は僕が我慢すればいいだけです。交渉に必要なスキルの、おまけみたいなものです。
ロボはそうですが、人は違います。朝食は一日のエネルギー……重要な用事を控えていらっしゃるのなら、尚更摂るべきです。」
ライラは涙を滲ませ、鼻をすする。
「……色々、尽くしてくれて……」
「今日はみんなで勝ちますよ。」
サドは作業に戻る。丁度良く、目覚ましが鳴り始める。
「……んんっ?」
レオがベッドの上の端末を寝ながら探す。全然届いていない。サドは手慣れているように、端末を近づけてレオの手に届ける。
レオは手元の端末を確認した。
「……もう7時か……うっ……」
「おはよう、レオ。」
「おっはあぁ……ん?これ私のじゃ……」
レオは端末に違和感を持つ。サドが注意する。
「レオ……目覚まし9時に設定されてたよ。」
「……は?」
サドがレオの端末をちらつかせる。
「……人のを勝手に盗むんじゃねぇよ……。」
「はい、起きたからどうぞ。」
サドは端末と食券を一緒に渡す。レオは端末を掻っ攫う。
「朝食は7時半からだから、ライラさんと一緒に遅れずに行ってね。」
「お前は?」
「敵の警備網を確認する。一応レオはリーダーだし……積もる話もあるだろうし。依頼者との貴重な時間ってことで。」
「興味ないな。まあ、あんたが行かないなら別にいいけど。」
ライラには目もくれず、シャワールームにそのまま足を運んだ。
「……まあ……いつもああいう感じですね。」
「ハ……ハハ……」
サドはライラの表情を伺う。彼の手に余るのだから、無論ライラにとっても難題だろう。ライラもぎこちない笑顔を作る。
_____
ライラは主食、主菜、副菜、スープ、デザートと綺麗に皿を分けて盆の上に並べる。一方でレオはスープとデザートを除いて、一つの皿にまとめている。
ライラが食パンにジャムを付けて食べようとするとき、レオはクロワッサンを手に取って食べる。
ライラはレオに聞く。
「あのさ、この服を見繕って買ってくれたのは、あなたなのですか?」
「それがどうした。」
「買ってくれて、ありがとうございます。以前に着ていた服は、入学祝いにおばあちゃんが買ってくれたお気に入りの服だったんです。
攫われたときに伸ばされたり、切られたりされて、大切にしていたのに……」
「……服なんかどっかで直せるだろ。」
(扱いが雑過ぎる。)
レオは話を続ける。
「それに、命までは奪われなかったんだ。歯向かって腕を斬られるより全然マシだろ。」
「えっ……もしかしてその左腕は……」
「………。」
レオは真剣な表情になり、話し始める。
_____
連れ去られてすぐのことだ。私は牢屋みたいな場所にぶち込まれて、何かされることを覚悟していた。そこには鞭とか、焼入れとか、ハンマーとか、刀とか、色々あった。おそらく、反抗的な奴を黙らせるつもりだったんだろうな。
私はそこで経営している工場で、何年間か入れ知恵搾りながら働いていた。
気に食わなかった。私らを踏み躙った奴らの下で働いていることが……。
身内を足蹴にされて黙っているつもりはなかった。痺れを切らして奴をやろうとした。何度でもやろうとした。
……でも、すぐ掴まれて牢屋で宙吊りにされた。そして奴も私と同じように痺れを切らして……
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ライラは自分の足元を見た。彼女も同様に辛い過去を背負って生きている、悲劇的だが、勇敢な女性であることを身に沁みて実感する。
「……それで、左腕を……」
「いや、左腕は元から無いけどな。」
「さっきの話は一体何だったのよ!?」
「仕返しに給料ゼロにされて、実質タダ働きにされた話。」
(腕一切関係なかったわ……)
レオは話を繋げる。
「……そもそも、五体満足で産まれてくる人なんざ、今の時代は稀有だってことぐらい周知の事実だろ。私はそれが左腕だっただけ。
でも、緊張はほぐれたろ。別に朝食なんか無くたって元気にはなれる。サドは大げさなんだよ。
戦闘で一番ヤバいのは、固まって動けなくなること……一方的に狙われて終わりだ。猪突猛進とまでは言わないけど、いつでも動ける余裕は作っておくことだ。」
「まあ、そりゃあそうですけど……。」
戦いの心得を諭された。一応守られる側の立場だが、最悪を避けるためだ。
レオはデザートのグレープフルーツにかぶりつく。飲み込んでから話を続ける。
「……でも、私は他の部位を失くした人達を何度も見てきた。失っていくたびに……自分を人間として認めず、義肢を恐れずに使う傾向がある。
武器に変えて生まれ変わる人もいれば、違和感を受け入れて諦める人もいる。
私はどっちでもない。これ以上失って、自分を変えるのが怖い。だから意地を張ったし、残りの体すべて守るつもりで戦う。
……あんたを守るときも、一緒だ。」
レオは決意の眼差しでライラを見つめる。ライラは最後に残っているヨーグルトの器を持つ。
「……私だって仲間のために、この足で一生懸命頑張るもん!」
ヨーグルトを一気に口に入れる。レオが立ち上がって皿を返却する。
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