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12.決別
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まだヘレンを親友だと信じていた頃からの裏切りが悲しい。それでもロニーは手紙をくれていたと知れて、あの頃の私が少しだけ救われるような気がした。
「どうして今になって分かったの?」
「君が僕に手紙を出したと言っていたのが気になっていた。それにセリーナが書いた孤児院でのバザーの報告書とヘレンが書いたと言っていた手紙の筆跡が同じことに気付いたんだ。それだけじゃない。あの美しいタペストリーもヘレンは自分が作ったものだと言って僕に渡したが、あれもセリーナが作ってくれたものだったのだろう? セリーナがバザーの寄付のために刺繍したハンカチの見本とヘレンがくれたタぺトリーの刺繍のデザインが同じだと気づいて不審に思った。すぐにヘレンを問い質したら嘘をついていたことを認めたよ」
私は悲しみよりも苦い気持ちが浮かんだ。あの思いを込めたものはヘレンからのものとしてロニーの手に渡っていた。私の気持ちは何も届いていなかった。
私はもう一度自分の書いた手紙に目を通した。手紙はところどころ不自然に文字が潰されている。ヘレンは私が書いたものだと分からなくするために意図的に改ざんしたのだろう。結びの名前はヘレンになっていた。そこだけ文字が違うのにロニーは気付かなかったのか。ヘレンの文字は悪筆でいつも教師に叱られていたから、一目見れば違うことに気付きそうなものだ。その違いに気付かないほどロニーは私に興味がなかったとしか考えられない。
「ロニー。私たちはわりと頻繁に手紙をやり取りしていたのに私の文字だと気づかなかったの?」
ロニーは気まずそうに目を伏せた。
「その、ヘレンに自分が書いたと渡されて信じてしまった」
思わず呆れてしまった。
「そう……」
今更彼を責める気にはならない。私にも落ち度はある。内気だから恥ずかしいからと言葉を尽くさずに、相手が自分の気持ちを汲んでくれることを期待して過ごしてきた。手紙を書いたから言わなくても分かってもらえると甘えていた。
「セリーナ。すまない……すまなかった。僕はずっと君が僕を蔑ろにしていると思いヘレンの言葉に惑わされてしまった。君のくれた手紙もタペストリーも本当に嬉しかったんだ。僕にとってかけがえのない宝物だ。怪我が治るまで毎日眺めて励みにしていた。本当だ。あのときは誤解もしていたし僕にもプライドがあって歩み寄れなかった。今ではそれをとても後悔している」
「どんな形でもあれが……あなたの支えになったのなら……嬉しいわ」
「君からの贈り物だと知っていたら僕は間違いなく君を愛した。ヘレンを愛したりしなかった。セリーナ、お願いだ。僕は君とやり直したい。もう一度だけチャンスをくれないか?」
私は不思議な気持ちでロニーを見た。
「ロニーは物をくれたからヘレンを好きになったの?」
「いや、その美しい手紙やタペストリーを作ってくれた真心に惹かれた。だが、ヘレンのそれは偽りで――」
「確かに手紙もタペストリーもヘレンが用意したものではなかったけれど、ヘレンが嘘をついてまでロニーに捧げた気持ちは本物なのでしょう? だからあなたはヘレンに惹かれた。贈り物がヘレンではなく私からだと分かったから本当は私を好きだと言われても、到底信じることは出来ない。それに何を言われても離婚の意志は変わらない。蒸し返してもどうしようもないわ」
「僕は、君と別れたくない。これからも側にいて欲しい。セリーナを愛しているんだ。頼む、頼むからチャンスを―」
「ロニー。やめましょう」
私は彼の懇願をバッサリと切り捨てた。どうして今なのか。彼からの「愛している」を聞いても喜びは湧き上がらない。ずっと聞きたかった言葉なのにむしろ心が冷えていくばかりだ。
揺るがない私にロニーは悲壮感を浮かべている。
「セリーナ……」
ロニーは立ち上がり私の前に膝を突いて真剣な瞳で私を見上げる。その行動に私は面食らった。正直、彼がここまでするとは思わなかった。ロニーにだってプライドがある。自ら非を認めて謝罪する姿に驚いてしまう。
「セリーナ。僕はもう一度パーカー侯爵邸の花壇を君と眺めて過ごしたい。覚えているかい? 初めて君と会った時に僕が案内して二人で黄色い薔薇を眺めていろいろな話をした。もう一度、あのときのように一緒に――」
「ええ。覚えているわ。黄色い薔薇がたくさん咲いて……綺麗だった。懐かしい」
あの時、私に話しかけてくれるロニーは頼もしかった。純粋な気持ちで慕っていた。
「僕はあの時、セリーナを守りたいと思っていた。それなのに君を裏切り傷つけてしまった。誤解があったとはいえ僕の責任だ。すまなかった」
「ロニー、もう謝らないで。たとえ誤解が解けてもあなたがヘレンを愛していた事実は消せない。そうでしょう?」
私はあなたがヘレンを愛していることを嫌というほど思い知らされ悲しみ苦しんだ。その過去が消えることはない。ロニーは顔を歪めた。
「あれは間違いだったんだ。ようやく気付いた。僕はヘレンを愛していない。セリーナ、君を愛している。今度こそ君を幸せにすると誓う。だから離婚を思い留まってくれ。そして僕ともう一度あの庭の薔薇を一緒に眺めて暮らそう」
あれほどヘレンに愛情を向けていたのにその変わりようが薄気味悪く感じた。それに私に侯爵家の仕事をさせたい打算が見える気がして、本当に愛情があるのか疑わしく思える。
「ねえ、ロニー。あの花壇の薔薇はこれからも何度だって咲くわ。でも、一度散った花と同じ花は二度と咲かない。翌年の花と散った花は違う命なの。私のあなたへの恋と言う花も、枯れて散ってしまった。二度と咲くことはないわ。もうあなたを愛せない」
「そんな、セリーナ……」
私は胸に自分の手をそっと添えた。彼を拒絶しても心が痛むことはない。
「全部、終わったのよ……」
「セリーナ。もう、僕に望みはないのか? 何か君に出来ることはないのか?」
「それなら……離婚届にサインをして下さい」
ロニーが苦しそうに喘ぐ。
「そんな……どうあっても駄目なのか?」
私は肯定の意味を込めてそっと微笑んだ。ロニーは目をぎゅっと閉じ静かに立ち上がると奥歯を噛みしめ部屋を出ていった。
私たちは誤解が解けた上で、本当の意味で終わる。これが私とロニーの決別となった。
後日、パーカー侯爵様が私に会いに来た。
「離婚が正式に成立したよ。セリーナ。うちの息子が本当に申し訳ない。噂を聞いて注意をしていたが、私が領地で事業にかまけていたばかりに君を苦しめてしまった」
パーカー侯爵様は頭を下げ何度も謝ってくれた。
「私こそ……至らないことが多くて。私は臆病なまま傷つくのを恐れて彼と向き合わなかった。彼だけでなく私にも責任があったのです。だからもう謝らないで下さい」
「ありがとう……。セリーナと本当の親子になれると楽しみにしていたのに悲しいな……」
「私も残念です……」
寂し気な後姿のパーカー侯爵様に私はそっと頭を下げて見送った。
「どうして今になって分かったの?」
「君が僕に手紙を出したと言っていたのが気になっていた。それにセリーナが書いた孤児院でのバザーの報告書とヘレンが書いたと言っていた手紙の筆跡が同じことに気付いたんだ。それだけじゃない。あの美しいタペストリーもヘレンは自分が作ったものだと言って僕に渡したが、あれもセリーナが作ってくれたものだったのだろう? セリーナがバザーの寄付のために刺繍したハンカチの見本とヘレンがくれたタぺトリーの刺繍のデザインが同じだと気づいて不審に思った。すぐにヘレンを問い質したら嘘をついていたことを認めたよ」
私は悲しみよりも苦い気持ちが浮かんだ。あの思いを込めたものはヘレンからのものとしてロニーの手に渡っていた。私の気持ちは何も届いていなかった。
私はもう一度自分の書いた手紙に目を通した。手紙はところどころ不自然に文字が潰されている。ヘレンは私が書いたものだと分からなくするために意図的に改ざんしたのだろう。結びの名前はヘレンになっていた。そこだけ文字が違うのにロニーは気付かなかったのか。ヘレンの文字は悪筆でいつも教師に叱られていたから、一目見れば違うことに気付きそうなものだ。その違いに気付かないほどロニーは私に興味がなかったとしか考えられない。
「ロニー。私たちはわりと頻繁に手紙をやり取りしていたのに私の文字だと気づかなかったの?」
ロニーは気まずそうに目を伏せた。
「その、ヘレンに自分が書いたと渡されて信じてしまった」
思わず呆れてしまった。
「そう……」
今更彼を責める気にはならない。私にも落ち度はある。内気だから恥ずかしいからと言葉を尽くさずに、相手が自分の気持ちを汲んでくれることを期待して過ごしてきた。手紙を書いたから言わなくても分かってもらえると甘えていた。
「セリーナ。すまない……すまなかった。僕はずっと君が僕を蔑ろにしていると思いヘレンの言葉に惑わされてしまった。君のくれた手紙もタペストリーも本当に嬉しかったんだ。僕にとってかけがえのない宝物だ。怪我が治るまで毎日眺めて励みにしていた。本当だ。あのときは誤解もしていたし僕にもプライドがあって歩み寄れなかった。今ではそれをとても後悔している」
「どんな形でもあれが……あなたの支えになったのなら……嬉しいわ」
「君からの贈り物だと知っていたら僕は間違いなく君を愛した。ヘレンを愛したりしなかった。セリーナ、お願いだ。僕は君とやり直したい。もう一度だけチャンスをくれないか?」
私は不思議な気持ちでロニーを見た。
「ロニーは物をくれたからヘレンを好きになったの?」
「いや、その美しい手紙やタペストリーを作ってくれた真心に惹かれた。だが、ヘレンのそれは偽りで――」
「確かに手紙もタペストリーもヘレンが用意したものではなかったけれど、ヘレンが嘘をついてまでロニーに捧げた気持ちは本物なのでしょう? だからあなたはヘレンに惹かれた。贈り物がヘレンではなく私からだと分かったから本当は私を好きだと言われても、到底信じることは出来ない。それに何を言われても離婚の意志は変わらない。蒸し返してもどうしようもないわ」
「僕は、君と別れたくない。これからも側にいて欲しい。セリーナを愛しているんだ。頼む、頼むからチャンスを―」
「ロニー。やめましょう」
私は彼の懇願をバッサリと切り捨てた。どうして今なのか。彼からの「愛している」を聞いても喜びは湧き上がらない。ずっと聞きたかった言葉なのにむしろ心が冷えていくばかりだ。
揺るがない私にロニーは悲壮感を浮かべている。
「セリーナ……」
ロニーは立ち上がり私の前に膝を突いて真剣な瞳で私を見上げる。その行動に私は面食らった。正直、彼がここまでするとは思わなかった。ロニーにだってプライドがある。自ら非を認めて謝罪する姿に驚いてしまう。
「セリーナ。僕はもう一度パーカー侯爵邸の花壇を君と眺めて過ごしたい。覚えているかい? 初めて君と会った時に僕が案内して二人で黄色い薔薇を眺めていろいろな話をした。もう一度、あのときのように一緒に――」
「ええ。覚えているわ。黄色い薔薇がたくさん咲いて……綺麗だった。懐かしい」
あの時、私に話しかけてくれるロニーは頼もしかった。純粋な気持ちで慕っていた。
「僕はあの時、セリーナを守りたいと思っていた。それなのに君を裏切り傷つけてしまった。誤解があったとはいえ僕の責任だ。すまなかった」
「ロニー、もう謝らないで。たとえ誤解が解けてもあなたがヘレンを愛していた事実は消せない。そうでしょう?」
私はあなたがヘレンを愛していることを嫌というほど思い知らされ悲しみ苦しんだ。その過去が消えることはない。ロニーは顔を歪めた。
「あれは間違いだったんだ。ようやく気付いた。僕はヘレンを愛していない。セリーナ、君を愛している。今度こそ君を幸せにすると誓う。だから離婚を思い留まってくれ。そして僕ともう一度あの庭の薔薇を一緒に眺めて暮らそう」
あれほどヘレンに愛情を向けていたのにその変わりようが薄気味悪く感じた。それに私に侯爵家の仕事をさせたい打算が見える気がして、本当に愛情があるのか疑わしく思える。
「ねえ、ロニー。あの花壇の薔薇はこれからも何度だって咲くわ。でも、一度散った花と同じ花は二度と咲かない。翌年の花と散った花は違う命なの。私のあなたへの恋と言う花も、枯れて散ってしまった。二度と咲くことはないわ。もうあなたを愛せない」
「そんな、セリーナ……」
私は胸に自分の手をそっと添えた。彼を拒絶しても心が痛むことはない。
「全部、終わったのよ……」
「セリーナ。もう、僕に望みはないのか? 何か君に出来ることはないのか?」
「それなら……離婚届にサインをして下さい」
ロニーが苦しそうに喘ぐ。
「そんな……どうあっても駄目なのか?」
私は肯定の意味を込めてそっと微笑んだ。ロニーは目をぎゅっと閉じ静かに立ち上がると奥歯を噛みしめ部屋を出ていった。
私たちは誤解が解けた上で、本当の意味で終わる。これが私とロニーの決別となった。
後日、パーカー侯爵様が私に会いに来た。
「離婚が正式に成立したよ。セリーナ。うちの息子が本当に申し訳ない。噂を聞いて注意をしていたが、私が領地で事業にかまけていたばかりに君を苦しめてしまった」
パーカー侯爵様は頭を下げ何度も謝ってくれた。
「私こそ……至らないことが多くて。私は臆病なまま傷つくのを恐れて彼と向き合わなかった。彼だけでなく私にも責任があったのです。だからもう謝らないで下さい」
「ありがとう……。セリーナと本当の親子になれると楽しみにしていたのに悲しいな……」
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