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10.未来の義妹からの提案(オーディス)
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オーディスがバルウィンを注意する前にアデラはすくっと立ち上がった。そしてバルウィンに向かって顔を上げると鋭く睨みつけた。
「冗談じゃないわ! 私にだって選ぶ権利があるのよ。ヘタレな男はお断り」
アデラの感情を爆発させた声に、バルウィンとオーディスは目を丸くして呆気に取られた。ここまでくると不敬とか気にならない。アデラは一見大人しそうな雰囲気で大声を出すような女性には見えないのに、男相手に怯むことなく睨みを利かせている。
(これは……幻か? 幻聴か?)
「確かにオーディスはヘタレだが……。じゃあ、何しに来たんだ?」
オーディスは心で突っ込む。
(おい! バルウィン。そこはヘタレじゃないとフォローするところだろう? 認めるなよ!)
アデラはバルウィンの質問をしれっと無視してオーディスを見る。
「あなたがさっさと結婚しないからお姉様が婚約者を決められないでいるのよ。さっきの様子だとウエーバー公爵子息様はまだお姉様が好きなのでしょう? それならお姉様に結婚を申し込むか、別の女性とさっさと結婚するか、どちらかに決めて下さい!」
オーディスは絶句した。アデラの言葉の意味を理解すると狼狽える。
「あなたは、その、なぜ、私がヴァネッサ様を好きだと知っているんだ?」
アデラはツンとすました顔で言い放つ。
「以前、ウエーバー公爵子息様が私とお姉様を馬車に乗せて下さった日のことを覚えていますか? ウエーバー公爵子息様がお姉様に好意を抱いていることはすぐに分かりました。だからてっきり学園卒業後にお姉様に婚約を申し込むのかと思っていたら、音沙汰なし! きっと伯爵家の娘程度では公爵家に相応しくないと判断されたのだと思っていました。ですが公爵子息様はその後も恋人も婚約者も作らない、浮名を流すでもない。見合いはすべて断っている。令嬢たちの中では公爵子息様は男色家との噂もあります。そこは正直どうでもいいですけれど、このままだとお姉様の結婚の話がまとまらないのです」
「な、なるほど?」
オーディスはアデラの勢いに完全に呑まれた。バルウィンは驚きのあまり目をむいてアデラを見ている。
「今日はこの状況を打開するために来ました。もしも公爵子息様がお姉様に未練を……まだ思ってくださっているのならある提案を、ないのなら私が婚約を申し込んで断られて帰るつもりでした」
バルウィンはくつくつと笑う。
「断られて帰る?」
「だって今日訪ねたそれらしい理由が必要でしょう?」
「あははは。アデラ様との結婚をオーディスが承諾するとは思わなかったのか?」
「ええ。しないと思いました。万が一話が進んだら適当に嫌われれば破談になるので問題ありません」
「いやいや、アデラ様はなかなかあっぱれなお嬢さんだ。オーディス。ぐうの音も出ないな?」
「ぐう……」
オーディスは絶句したまま。バルウィンはすごく楽しそうだ。アデラは不愉快そうにバルウィンを睨むとぐっと眉を寄せ再びオーディスを見る。
「それでどうしますか? あなたが決断するなら私も覚悟を決めます」
「覚悟? どんな?」
「それはあなたの返事を聞いてから答えます」
アデラは見かけと違いすぎる。小柄で華奢で天使のような姿のアデラから放たれるとは思えない遠慮のない言葉に耳を疑う。いや、でも最初にアデラはすごく大切なことを言っていた。
「さっき……アデラ様は、私が結婚しないせいでヴァネッサ様が婚約者を決められないと言ったな?」
アデラは口を引き結んだ。返事をしないということらしい。オーディスは確かにそう聞いた。自分の都合のいいことはしっかりと聞き取っているのだ。アデラの顔には四の五の言わずにさっさと決断しろと書いてある。
(そうか。ヴァネッサ様は私を好いてくれているのか)
オーディスの心は決まった。
「オーディス?」
バルウィンがにやにやと笑いながら返事を促して来た。オーディスはアデラを真っ直ぐ見て言った。
「アデラ様。私は今からヴァネッサ様に婚約を申し込む!」
勢いよく宣言すれば即座に拒否された。
「今はまだ駄目です」
焚きつけておいてそれはない! この流れなら賛成して応援してもらえるはずだった。
「えっ……どうしてだ?」
「その前に私に力を貸して下さい。お姉様の能力ならきっと公爵家に嫁いでもやっていけると思います。ですが今の私では伯爵家を継ぐだけの能力がありません。今から独学で学んでも間に合わない。このままではきっとお姉様は私を心配してお嫁に行くと言わないでしょう。跡継ぎとしての責任を優先するはずです。ですから卒業までの一年間、私は猛勉強します。そして卒業テストで一番を取ります。そうすればお姉様は私でも継げると納得するでしょう。むしろそうしないとお姉様を説得できません。だから学力アップさせるための家庭教師をウエーバー公爵子息様がつけて下さい! もちろん無料で!!」
アデラは思いがけない頼みごとをしてきた。確かにヴァネッサは伯爵家を継ぐために今まで一生懸命学んできた。オーディスはもちろんそれを知っている。図書室で相談にも乗った。その責任感の強さにも惹かれた。アデラいわくアデラの能力に不安があると、ヴァネッサはオーディスとの結婚を決断しないということらしい。それは困る!
「あっはっはっは――。無料ときたか! いいだろう。俺が勉強を見てやる。いいな。オーディス」
「ああ……バルウィン……頼む……」
バルウィンは入学から卒業までの間、ずっとトップの成績だった。オーディスは一度も勝てなかったのだ。だから任せるにはうってつけだ。その後、二人はオーディスを置いてけぼりにして今後の計画を立てていく。
(もう……二人に任せよう……)
豪快に話を進める二人を見ながらオーディスは行動しなかったことを反省した。
それからアデラはウエーバー公爵邸に通うことになった。変な噂が立つと困るからとアデラが懇意にしている貸衣装屋で男の子の服に着替え変装してから公爵邸を訪れる。それはそれで可愛らしい少年で別の心配をした方がいいような気もする。するとバルウィンがアデラの送迎を申し出てくれた。
その行動以外にもアデラの振る舞いにオーディスは驚きの連続だった。彼女は豪快な性格で根性がある。バルウィンも気に入ったのか熱心に勉強を見ている。アデラが勉強に飽きてくると気分転換にと庭で剣術を教えている。頻繁に「とおーー!」「やあーー!」という女性の雄叫びが聞こえてくる……。
「でもこのことはお姉様には内緒にして下さいね。呆れられたら嫌なのです。お姉様に……嫌われたくないの」
上目遣いで頼む姿はあざとい。どうやらアデラはヴァネッサの前では猫を被っているらしい。アデラのヴァネッサに対する愛情は重い……いや深い。だがそのおかげでオーディスはヴァネッサに結婚を申し込むチャンスを得られるのだ。行動してくれたアデラには心から感謝している。お礼を言えばオーディスのためではないと言われた。
「私の行動はすべてお姉様のためです! その代わり、責任をもってお姉様を幸せにしてくださいね」
「ああ、もちろんだ。全力で幸せにする」
そう宣言したがアデラはどこか胡乱気な目をしていた。本気なのだが……。
そして一年後、アデラは見事に卒業テストで奇跡の一番を取ったのだ。(今までの成績は中の中くらいだったそうだから、驚くべき結果だろう)
結果が出るとアデラに花屋に呼び出された。
「お姉様は赤い薔薇を捧げられてプロポーズをされるのが夢なのです。あっ、店員さん。この赤い薔薇を大きな花束にして下さい。リボンはピンク色で。支払いはウエーバー公爵家でお願いします!」
アデラの細かい指示を受けながらプロポーズの準備を進める。これで断られたらオーディスはもう生きていけないだろう……。
「オーディス様。ピシッと決めてくださいね」
アデラとはすっかり打ち解けた。未来の義妹との関係は良好で安心だ。いつでもお義兄様と呼んで欲しい。
「任せてくれ!」
のちにこのやり取りを遠くからヴァネッサが見ていて、とんでもない誤解をされていたことを知ることになる。
それはさておき、とうとうヴァネッサにプロポーズをする日が来た。オーディスは正装に身を包み、薔薇の花束を抱えた。振られる心配がないと安心し、満を持してヴァネッサにプロポーズをしたのだった。
「冗談じゃないわ! 私にだって選ぶ権利があるのよ。ヘタレな男はお断り」
アデラの感情を爆発させた声に、バルウィンとオーディスは目を丸くして呆気に取られた。ここまでくると不敬とか気にならない。アデラは一見大人しそうな雰囲気で大声を出すような女性には見えないのに、男相手に怯むことなく睨みを利かせている。
(これは……幻か? 幻聴か?)
「確かにオーディスはヘタレだが……。じゃあ、何しに来たんだ?」
オーディスは心で突っ込む。
(おい! バルウィン。そこはヘタレじゃないとフォローするところだろう? 認めるなよ!)
アデラはバルウィンの質問をしれっと無視してオーディスを見る。
「あなたがさっさと結婚しないからお姉様が婚約者を決められないでいるのよ。さっきの様子だとウエーバー公爵子息様はまだお姉様が好きなのでしょう? それならお姉様に結婚を申し込むか、別の女性とさっさと結婚するか、どちらかに決めて下さい!」
オーディスは絶句した。アデラの言葉の意味を理解すると狼狽える。
「あなたは、その、なぜ、私がヴァネッサ様を好きだと知っているんだ?」
アデラはツンとすました顔で言い放つ。
「以前、ウエーバー公爵子息様が私とお姉様を馬車に乗せて下さった日のことを覚えていますか? ウエーバー公爵子息様がお姉様に好意を抱いていることはすぐに分かりました。だからてっきり学園卒業後にお姉様に婚約を申し込むのかと思っていたら、音沙汰なし! きっと伯爵家の娘程度では公爵家に相応しくないと判断されたのだと思っていました。ですが公爵子息様はその後も恋人も婚約者も作らない、浮名を流すでもない。見合いはすべて断っている。令嬢たちの中では公爵子息様は男色家との噂もあります。そこは正直どうでもいいですけれど、このままだとお姉様の結婚の話がまとまらないのです」
「な、なるほど?」
オーディスはアデラの勢いに完全に呑まれた。バルウィンは驚きのあまり目をむいてアデラを見ている。
「今日はこの状況を打開するために来ました。もしも公爵子息様がお姉様に未練を……まだ思ってくださっているのならある提案を、ないのなら私が婚約を申し込んで断られて帰るつもりでした」
バルウィンはくつくつと笑う。
「断られて帰る?」
「だって今日訪ねたそれらしい理由が必要でしょう?」
「あははは。アデラ様との結婚をオーディスが承諾するとは思わなかったのか?」
「ええ。しないと思いました。万が一話が進んだら適当に嫌われれば破談になるので問題ありません」
「いやいや、アデラ様はなかなかあっぱれなお嬢さんだ。オーディス。ぐうの音も出ないな?」
「ぐう……」
オーディスは絶句したまま。バルウィンはすごく楽しそうだ。アデラは不愉快そうにバルウィンを睨むとぐっと眉を寄せ再びオーディスを見る。
「それでどうしますか? あなたが決断するなら私も覚悟を決めます」
「覚悟? どんな?」
「それはあなたの返事を聞いてから答えます」
アデラは見かけと違いすぎる。小柄で華奢で天使のような姿のアデラから放たれるとは思えない遠慮のない言葉に耳を疑う。いや、でも最初にアデラはすごく大切なことを言っていた。
「さっき……アデラ様は、私が結婚しないせいでヴァネッサ様が婚約者を決められないと言ったな?」
アデラは口を引き結んだ。返事をしないということらしい。オーディスは確かにそう聞いた。自分の都合のいいことはしっかりと聞き取っているのだ。アデラの顔には四の五の言わずにさっさと決断しろと書いてある。
(そうか。ヴァネッサ様は私を好いてくれているのか)
オーディスの心は決まった。
「オーディス?」
バルウィンがにやにやと笑いながら返事を促して来た。オーディスはアデラを真っ直ぐ見て言った。
「アデラ様。私は今からヴァネッサ様に婚約を申し込む!」
勢いよく宣言すれば即座に拒否された。
「今はまだ駄目です」
焚きつけておいてそれはない! この流れなら賛成して応援してもらえるはずだった。
「えっ……どうしてだ?」
「その前に私に力を貸して下さい。お姉様の能力ならきっと公爵家に嫁いでもやっていけると思います。ですが今の私では伯爵家を継ぐだけの能力がありません。今から独学で学んでも間に合わない。このままではきっとお姉様は私を心配してお嫁に行くと言わないでしょう。跡継ぎとしての責任を優先するはずです。ですから卒業までの一年間、私は猛勉強します。そして卒業テストで一番を取ります。そうすればお姉様は私でも継げると納得するでしょう。むしろそうしないとお姉様を説得できません。だから学力アップさせるための家庭教師をウエーバー公爵子息様がつけて下さい! もちろん無料で!!」
アデラは思いがけない頼みごとをしてきた。確かにヴァネッサは伯爵家を継ぐために今まで一生懸命学んできた。オーディスはもちろんそれを知っている。図書室で相談にも乗った。その責任感の強さにも惹かれた。アデラいわくアデラの能力に不安があると、ヴァネッサはオーディスとの結婚を決断しないということらしい。それは困る!
「あっはっはっは――。無料ときたか! いいだろう。俺が勉強を見てやる。いいな。オーディス」
「ああ……バルウィン……頼む……」
バルウィンは入学から卒業までの間、ずっとトップの成績だった。オーディスは一度も勝てなかったのだ。だから任せるにはうってつけだ。その後、二人はオーディスを置いてけぼりにして今後の計画を立てていく。
(もう……二人に任せよう……)
豪快に話を進める二人を見ながらオーディスは行動しなかったことを反省した。
それからアデラはウエーバー公爵邸に通うことになった。変な噂が立つと困るからとアデラが懇意にしている貸衣装屋で男の子の服に着替え変装してから公爵邸を訪れる。それはそれで可愛らしい少年で別の心配をした方がいいような気もする。するとバルウィンがアデラの送迎を申し出てくれた。
その行動以外にもアデラの振る舞いにオーディスは驚きの連続だった。彼女は豪快な性格で根性がある。バルウィンも気に入ったのか熱心に勉強を見ている。アデラが勉強に飽きてくると気分転換にと庭で剣術を教えている。頻繁に「とおーー!」「やあーー!」という女性の雄叫びが聞こえてくる……。
「でもこのことはお姉様には内緒にして下さいね。呆れられたら嫌なのです。お姉様に……嫌われたくないの」
上目遣いで頼む姿はあざとい。どうやらアデラはヴァネッサの前では猫を被っているらしい。アデラのヴァネッサに対する愛情は重い……いや深い。だがそのおかげでオーディスはヴァネッサに結婚を申し込むチャンスを得られるのだ。行動してくれたアデラには心から感謝している。お礼を言えばオーディスのためではないと言われた。
「私の行動はすべてお姉様のためです! その代わり、責任をもってお姉様を幸せにしてくださいね」
「ああ、もちろんだ。全力で幸せにする」
そう宣言したがアデラはどこか胡乱気な目をしていた。本気なのだが……。
そして一年後、アデラは見事に卒業テストで奇跡の一番を取ったのだ。(今までの成績は中の中くらいだったそうだから、驚くべき結果だろう)
結果が出るとアデラに花屋に呼び出された。
「お姉様は赤い薔薇を捧げられてプロポーズをされるのが夢なのです。あっ、店員さん。この赤い薔薇を大きな花束にして下さい。リボンはピンク色で。支払いはウエーバー公爵家でお願いします!」
アデラの細かい指示を受けながらプロポーズの準備を進める。これで断られたらオーディスはもう生きていけないだろう……。
「オーディス様。ピシッと決めてくださいね」
アデラとはすっかり打ち解けた。未来の義妹との関係は良好で安心だ。いつでもお義兄様と呼んで欲しい。
「任せてくれ!」
のちにこのやり取りを遠くからヴァネッサが見ていて、とんでもない誤解をされていたことを知ることになる。
それはさておき、とうとうヴァネッサにプロポーズをする日が来た。オーディスは正装に身を包み、薔薇の花束を抱えた。振られる心配がないと安心し、満を持してヴァネッサにプロポーズをしたのだった。
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2021/08/08
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