君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
250 / 260
最終話 光のジャスミン

13

しおりを挟む
ヤツは俺に向かって銃の引き金を引こうとするが、俺はその前に踏み出してそいつの銃身を狙い発砲した。銃声が辺りに響き渡り、ヤツの手から銃が落ちると、銃弾は手には当たっていないはずだが、ジンジンと痺れているのだろう。右手を押さえながら蹲って、俺をギロッと睨みつけて、

「この野郎!」

と殴りかかってきた。あえて避けず、一発だけ拳を受け入れた。ガツッと鈍い音がする。俺の真後ろにいた松林も驚いて、

「坂井さん?!」

と言うと、他にもパトカーが二台ほどやってきた。ヤツは懲りずにもう一発殴ろうと右腕を振り上げるが、俺はその前にそいつの左頬を思い切り殴り飛ばした。ヤツはその場に尻餅をつくように背中から倒れると、俺はヤツの上に馬乗りになって、

「公務執行妨害だよな!殴ったよな?俺を!!お前から手を出したんだ」

と胸倉を掴んで顔を近づけながら言うと、ヤツは驚いて動揺していた。

「え?え?!」

「もっと殴らせろよ!この野郎!!」

俺はそう怒鳴り、もう一発同じところを殴りつけた。

「お前のせいで出産に間に合わなかったら、どうしてくれるんだ?!あ?!!」

「坂井さーん。もうその辺で~」

後ろで松林が小さく声をかけてくる。
しおりを挟む

処理中です...