君につづく道〜禁断の13〜

最終話 光のジャスミン

12

「あれか…！挟み撃ちするぞ」

俺は無線で挟み撃ちの作戦を要請し、反対側にも車を待機させた。そこに無線がまた届いた。榊原警部からだ。

「お前は、早く病院行かないのか？そこまで追い詰めれば」

と榊原警部が言いかけているところを、俺はムッとしながら、

「こんなところでやめられるか！」

と言って無線を切った。松林も隣で笑って頷いている。

「早く、捕まえますよ！坂井さん！」

「当たり前だ…！」

そうして、ヤツの車を挟み打ちにして逃げ場を無くすと、ヤツは後部座席の窓を開けて銃をこっちに向けた。

「あの馬鹿…！」

松林も気がついて、咄嗟に一瞬車をぐらつかせた。狙いをさだめさせないためだ。俺も銃を取り出して、奴を狙う。が、狙いを変更して車のタイヤに向かって発砲することにした。前輪と後輪に一発ずつ。すると、ヤツの乗った車はガードレールに擦り付けながらスピンして、ようやく止まった。松林はヤツの車の真横に車を止めると、俺は助手席から飛び出して銃を構えながら、ヤツが乗っている後部座席に向かった。すると、後部座席のドアが開いて、ヤツが「うおおお！」と叫びながら飛び出してきた。三十代前半の見た目まだ若い青年のようだ。