君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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最終話 光のジャスミン

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ところで。

ここでちょっと時間を遡って…。

雪子の出産1日前。

俺は警察署の中の喫煙所にいて、袴田とタバコを吸っていた。松林は禁煙者だから、自分のデスクにいるだろう。

「え?雪子ちゃん、もうそろそろ出産?!早いな」

「そうなんだよ。少し早まりそうってさっきメール来てさ」

俺はそう言ってタバコを吸っていると、袴田は腕を組みながら頷き、

「そっか。そしたら今夜だって油断できないぞ。帰らなくていいのかよ」

と聞くと、俺は眉をしかめた。

「俺だって帰りたいよ。あの馬鹿が逃亡しなきゃな。あのまま大人しく捕まってくれてればいいのに。何が悲しくて、逃亡されて、追いかけて、また逃げられて…って、こんな時に…!恨むぞ、あの野郎ッ!」

「でもさ。最初の出産の時くらいは、そばについてなきゃ駄目駄目!」

「うん…。そう、だよなぁ」

俺はため息をついてタバコを口から取ると、煙を一気に吐き出した。

ここのところずっと追っていた事件はそろそろ局面を迎えて、被疑者がクラブに逃げ込んだところを逮捕したのだが、移送中に逃亡されてしまった。トイレに行くと言って、トイレの窓から逃げられたのだと言う。見張りの奴らも何やってんだよ!!それがなければ、無事に家に帰れたし、万が一急遽出産となっても、付き添ってあげられる。
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