君につづく道〜禁断の13〜

最終話 光のジャスミン

7

理のこと、こんなふうに穏やかな優しい気持ちで見つめたこと、なかったかもしれない。

「理……？」

私が話しかけると、理は気がついて私を見て、

「あ、起きた？よく寝てたね。お疲れ様。立ち会えなくてほんとにごめん。でも美夜に聞いた。頑張ったね。出産、ご苦労様。この子は元気だぞ。さっきもたくさん泣いてたって」

と言って、赤ちゃんを抱きながら私の額に口づけをしてくれた。

「うん。よかった。ほんとに、よかった」

「泣くなよ」

「だって…嬉しくて。…理も、来てくれた。ねぇ。私と理の赤ちゃんよ」

私は涙が止まらなくて、だけど嬉しくて泣き笑いになってしまうと、理はそんな私の唇をそっと塞いでくれた。

「エッチしてできたガキだぞ」

「…言い方…！」

重ねた唇の隙間から、私はそう言って理をジロッと睨みつけた。

「愛してる」

でも理のその一言で、全てが打ち消される。

「うん。私もだよ。愛してる」

愛しい、時間。

優しい、朝。

そして、新しい命の光。

生まれた子供は、女の子。私たちの、初めての子供。

名前は「光莉《ひかり》」。

「莉」はジャスミンの和名の漢字から取ったんだ。


新しく出来た家族。


これから、まだまだ困難なこともあると思う。それでも、こうして守りたいものが増えて、私は理と生きていくんだ。

この人がそばにいてくれるなら、私はこの先も強く生きていける。

私が選んだ人だもの。



変態だけどね？