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最終話 光のジャスミン
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「じゃ、名前で」
と答えると、嬉しそうに笑ってタバコを吸った。その辺は、理と似てる。理のお父さんは、普通の市役所の公務員。穏やかで物静かな人。優しい眼差しで、
「こんなセガレのとこにお嫁に来てくれるなんて、なんか悪いね」
と言って日本酒を熱燗で飲んだ。
「いや、むしろ私しかいないと思うので」
と笑って言うと、初めて声を上げて笑ってくれた。
理のお母さんとは、一度だけ東京で会った。一緒に暮らし始めてから様子を見に突然現れて、一緒にいる私を見てすごく驚いていた。年齢より若く見えて、潔癖症と言えるくらい綺麗好きっていうのは聞いていたけど、私がいつも部屋を掃除していたから、部屋を隅々まで見て満足してくれた。なので第一印象は悪くなかったと、思う。
「今度岐阜にいらっしゃいな」
といって、笑って帰っていった。
そのお母さんと岐阜で再会した時は、なんだか嬉しそうに涙ぐんでいた。
「ほんとに結婚までいくとはね。理もようやく、これでようやく父親になるんだね。なんか、大丈夫かな」
そうして、その夜は近所の親族も数人集まって、大賑わいで宴会が始まった。
結婚式は上げるつもりもなかった。理が特に嫌がった。
「やだ。あのタキシードやら礼服やら、ぜーったい着たくない」
と言うことらしい。
と答えると、嬉しそうに笑ってタバコを吸った。その辺は、理と似てる。理のお父さんは、普通の市役所の公務員。穏やかで物静かな人。優しい眼差しで、
「こんなセガレのとこにお嫁に来てくれるなんて、なんか悪いね」
と言って日本酒を熱燗で飲んだ。
「いや、むしろ私しかいないと思うので」
と笑って言うと、初めて声を上げて笑ってくれた。
理のお母さんとは、一度だけ東京で会った。一緒に暮らし始めてから様子を見に突然現れて、一緒にいる私を見てすごく驚いていた。年齢より若く見えて、潔癖症と言えるくらい綺麗好きっていうのは聞いていたけど、私がいつも部屋を掃除していたから、部屋を隅々まで見て満足してくれた。なので第一印象は悪くなかったと、思う。
「今度岐阜にいらっしゃいな」
といって、笑って帰っていった。
そのお母さんと岐阜で再会した時は、なんだか嬉しそうに涙ぐんでいた。
「ほんとに結婚までいくとはね。理もようやく、これでようやく父親になるんだね。なんか、大丈夫かな」
そうして、その夜は近所の親族も数人集まって、大賑わいで宴会が始まった。
結婚式は上げるつもりもなかった。理が特に嫌がった。
「やだ。あのタキシードやら礼服やら、ぜーったい着たくない」
と言うことらしい。
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