212 / 260
第12章 聖なる夜
9
しおりを挟む
ちくわは輪切りにして柚子胡椒を少し。私は卵焼きを食べて、「うーん。おいしいっ」と微笑んで言った。すると、ガタガタと倉庫の奥で物音がして、私は驚いて肩をすくめた。
「え?!な、なに?!!」
箸を口にくわえながら、私は硬直してしまった。
「うおおぉ!」
そう言って、ファイルの奥の隙間から、腕が見えた。この声…。私は箸を置いて奥にゆっくり歩いていくと、理がむくっと起き上がって大きなあくびをしていた。
「理…!」
「あれ、雪子?いい匂いしてると思ったら、お昼か!連絡くれたらよかったのに」
「しました。電話もメールもした!」
私は思わずムッとして言うと、理はデスクの上で私を見ると、
「え?まじで?!ごめん。寝てた」
と言ってポケットから携帯電話を取り出して、片手で開いて画面を見た。
「ほんとだ。ごめん。気づかなかった」
理はまた大きく欠伸をすると、私を見つめて手を差し伸べた。
「ちょっと、おいで」
理はそう言って、右手をデスクにつけながら、私の方に左手を差し伸べた。私はそんな理を見ると、ドキンと胸が高鳴った。
今更…なのに。
「雪子」
そんな甘い声で言われたら、キスしたくなるよ。
私は甘い声と瞳に誘われて、理のその手を握りしめると、理はにっこりと微笑んで私の腕を引き寄せて唇と唇を重ねた。
「え?!な、なに?!!」
箸を口にくわえながら、私は硬直してしまった。
「うおおぉ!」
そう言って、ファイルの奥の隙間から、腕が見えた。この声…。私は箸を置いて奥にゆっくり歩いていくと、理がむくっと起き上がって大きなあくびをしていた。
「理…!」
「あれ、雪子?いい匂いしてると思ったら、お昼か!連絡くれたらよかったのに」
「しました。電話もメールもした!」
私は思わずムッとして言うと、理はデスクの上で私を見ると、
「え?まじで?!ごめん。寝てた」
と言ってポケットから携帯電話を取り出して、片手で開いて画面を見た。
「ほんとだ。ごめん。気づかなかった」
理はまた大きく欠伸をすると、私を見つめて手を差し伸べた。
「ちょっと、おいで」
理はそう言って、右手をデスクにつけながら、私の方に左手を差し伸べた。私はそんな理を見ると、ドキンと胸が高鳴った。
今更…なのに。
「雪子」
そんな甘い声で言われたら、キスしたくなるよ。
私は甘い声と瞳に誘われて、理のその手を握りしめると、理はにっこりと微笑んで私の腕を引き寄せて唇と唇を重ねた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる