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第12章 聖なる夜
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「マジで何言ったんだろ、坂井さん」
「同棲初日に喧嘩するか?普通」
「…うーーーん。坂井さんだからなぁ。女絡みかなぁ?」
「うぇーーーっ」
滋と祐は顔を見合わせて苦笑いになり、玄関に入っていった。
*
雪子は実家に電話をすると言って、携帯電話を握りながら、俺の寝室ではなく雪子の荷物を置いてある部屋に入ってドアを閉めた。凜は疲れたのか、ソファに横になるとすぐに寝息を立てて寝始めた。
とりあえずデリバリーでピザを注文したので、今、ピザを待っているところだ。俺はようやくこたつに足を入れて、
「はぁ。あったけぇぇ」
と言って、ぬくぬくしたぬくもりの中、目を閉じた。やっと正座を解除してもらって、こたつの中で生き返る。隣にいる滋と向かいに座る祐は、ビールを飲みながら俺を見て身を乗り出した。
「で、喧嘩の原因、なに?」
2人が声を揃えて言うと、俺は煙草を取り出してお膳の端にある灰皿に手を伸ばした。祐が気がついて灰皿を取ってくれると、俺は「サンキュー」と言って灰皿を受け取り、タバコに火をつけた。
「さっきまで、ヤッててさー」
「おい、おっさん…!」
俺が話し始めようとすると、ドアの隙間から雪子が瞳を赤く光らせてこっちを睨んでいる。
悪魔か!
悪魔がこっちみてる!
めっちゃ見てる!!
「同棲初日に喧嘩するか?普通」
「…うーーーん。坂井さんだからなぁ。女絡みかなぁ?」
「うぇーーーっ」
滋と祐は顔を見合わせて苦笑いになり、玄関に入っていった。
*
雪子は実家に電話をすると言って、携帯電話を握りながら、俺の寝室ではなく雪子の荷物を置いてある部屋に入ってドアを閉めた。凜は疲れたのか、ソファに横になるとすぐに寝息を立てて寝始めた。
とりあえずデリバリーでピザを注文したので、今、ピザを待っているところだ。俺はようやくこたつに足を入れて、
「はぁ。あったけぇぇ」
と言って、ぬくぬくしたぬくもりの中、目を閉じた。やっと正座を解除してもらって、こたつの中で生き返る。隣にいる滋と向かいに座る祐は、ビールを飲みながら俺を見て身を乗り出した。
「で、喧嘩の原因、なに?」
2人が声を揃えて言うと、俺は煙草を取り出してお膳の端にある灰皿に手を伸ばした。祐が気がついて灰皿を取ってくれると、俺は「サンキュー」と言って灰皿を受け取り、タバコに火をつけた。
「さっきまで、ヤッててさー」
「おい、おっさん…!」
俺が話し始めようとすると、ドアの隙間から雪子が瞳を赤く光らせてこっちを睨んでいる。
悪魔か!
悪魔がこっちみてる!
めっちゃ見てる!!
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