195 / 260
第11章 お仕置きです!
11
しおりを挟む
次郎さんが言うと、その後ろで、
「私がいるんだから、そんなことさせないけどね!」
と範子さんが怒鳴っている。真波さんも笑いながら俺の手を取ると、両手でそっと握りしめてくれた。
「あなたと雪子の思いは、同じでしょ?言ってみて。どうしたいか」
「…俺は…」
俺は、ゴクリと生唾を飲んで二人を見つめると、病室から祐と滋も出てきて、みんなは顔を見合わせて微笑みながら、また俺を見つめた。
*
翌日。
雪子は無事退院し、俺は雪子を車に乗せて病院を出た。雪子の左腕にはまだ包帯が巻かれているが、何だか嬉しそうに笑って寄り添っている。
「あれ?うちに向かってるんじゃないの?」
雪子の自宅に向かっていると思ったのか、車の窓から外の景色を眺めて、振り向いて俺をみた。
「どっか、寄るの?」
「さあね」
「え?なに?隠し事?」
「人聞き悪いこと言うなよ」
「??」
意味がわからない、と言ったような眼差しで俺の顔を覗き込んでくる。そうして、午前中のうちに、俺の自宅であるマンションに到着した。駐車場はマンションの外にあるので、駐車場に車を置くと、俺は雪子の手を繋いでエントランスに入りエレベーターで7階に上がった。
「お父さんたちも心配してるのよ。まず最初は、うちに帰るべきじゃないの?もうっ」
と言って、雪子が膨れている。
「私がいるんだから、そんなことさせないけどね!」
と範子さんが怒鳴っている。真波さんも笑いながら俺の手を取ると、両手でそっと握りしめてくれた。
「あなたと雪子の思いは、同じでしょ?言ってみて。どうしたいか」
「…俺は…」
俺は、ゴクリと生唾を飲んで二人を見つめると、病室から祐と滋も出てきて、みんなは顔を見合わせて微笑みながら、また俺を見つめた。
*
翌日。
雪子は無事退院し、俺は雪子を車に乗せて病院を出た。雪子の左腕にはまだ包帯が巻かれているが、何だか嬉しそうに笑って寄り添っている。
「あれ?うちに向かってるんじゃないの?」
雪子の自宅に向かっていると思ったのか、車の窓から外の景色を眺めて、振り向いて俺をみた。
「どっか、寄るの?」
「さあね」
「え?なに?隠し事?」
「人聞き悪いこと言うなよ」
「??」
意味がわからない、と言ったような眼差しで俺の顔を覗き込んでくる。そうして、午前中のうちに、俺の自宅であるマンションに到着した。駐車場はマンションの外にあるので、駐車場に車を置くと、俺は雪子の手を繋いでエントランスに入りエレベーターで7階に上がった。
「お父さんたちも心配してるのよ。まず最初は、うちに帰るべきじゃないの?もうっ」
と言って、雪子が膨れている。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる