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第10章 歪んだ愛は狂喜
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これは私が撒いた種なんだ。だから、こんなことをされてもしょうがない。それでも、理以外の人に触れられるくらいなら、私はこの体も命も、いらない。
いらない…!!
「うわああっ!!雪子っ!!」
赤い血を見て、久我さんは気が狂ったかのように泣き叫んだ。私はゆっくりとその場に倒れて、意識が遠のいていった…。
ごめん。
理、ごめんなさい。
こんな風にしか、守らなかった。
自分の気持ち。私の心の弱さが、こんなモンスターを生み出したんだ。
そこに、ドアを蹴破る音がして数人の足音が部屋に入ってきたのが分かった。
「雪子…!…てめぇ、雪子に何したんだ!」
遠のく意識の中で、理の声を、聞いた。
え、理?何故、ここにいるの?理…?助けに来てくれたの?ホントは、いつもそばに、あなたはいてくれたんだね。
私はそう思うと、やがて目を閉じて気を失った。
「雪子!!」
理の優しい腕が、私を抱きしめてくれる。
大好きな人。
私。
こんな風に誰かと恋愛できるなんて、思わなかったのよ。理に会うまでは。
あの頃…、萌梨は、自分の恋をひたすら大事にしてた。羨ましいくらいに。迷うこともあったけど、最後にはやっぱり、たった1人の人を愛してたよね。今なら私にも、その気持ちがよく分かる。寂しかった心の隙間に、入り込んだだけ。
私も、この思いを大切にしたい。
この恋を守りたいの。
この命に変えても…!
いらない…!!
「うわああっ!!雪子っ!!」
赤い血を見て、久我さんは気が狂ったかのように泣き叫んだ。私はゆっくりとその場に倒れて、意識が遠のいていった…。
ごめん。
理、ごめんなさい。
こんな風にしか、守らなかった。
自分の気持ち。私の心の弱さが、こんなモンスターを生み出したんだ。
そこに、ドアを蹴破る音がして数人の足音が部屋に入ってきたのが分かった。
「雪子…!…てめぇ、雪子に何したんだ!」
遠のく意識の中で、理の声を、聞いた。
え、理?何故、ここにいるの?理…?助けに来てくれたの?ホントは、いつもそばに、あなたはいてくれたんだね。
私はそう思うと、やがて目を閉じて気を失った。
「雪子!!」
理の優しい腕が、私を抱きしめてくれる。
大好きな人。
私。
こんな風に誰かと恋愛できるなんて、思わなかったのよ。理に会うまでは。
あの頃…、萌梨は、自分の恋をひたすら大事にしてた。羨ましいくらいに。迷うこともあったけど、最後にはやっぱり、たった1人の人を愛してたよね。今なら私にも、その気持ちがよく分かる。寂しかった心の隙間に、入り込んだだけ。
私も、この思いを大切にしたい。
この恋を守りたいの。
この命に変えても…!
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