君につづく道〜禁断の13〜

第9章 再会の取調室

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「渡部さん。大変！会計課の横田さんが横領したらしいの。持ち逃げして、現在行方不明なんだって。お金だけじゃなく、どうやらデータも盗まれたみたいよ。それで、早朝から役員会議が行われてるの」

「それって犯罪？！それはやばいですね。警察には」

「もちろん、今警察関係の人たちもたくさん来てる。これから社内捜査に入ると思う。パソコンとかも全部。倒産するかもね。危険だわ…。今日も、これじゃ仕事どころじゃないでしょ。渡部さん、横田さんと仲良かったでしょ？取り調べされるかもね」

「取り調べ？！最悪…」

私は思わず頭を抱えてしまった。

そう。たしかに会計課の横田恵美は二つ年上だけど同期で、よく話をした。ランチを一緒にとるくらいの関係だけど。最近クレジットの返済が追いつかなくて大変だって話は聞いたことがある。まさか、そこまで追い詰められていたなんて…。

そんなことを思っていると、やっと会議室のドアが開いて、役員や上席たちが出てきた。そして、みんなの後から現れたのは警察関係者たち。制服警官もいるし、おそらく刑事が…。



そう思いながら、思考回路が停止した。



理が、警察官の中に混ざって、会議室から出てきたんだ。

「！！？」

思わずデスクに手をついて立ち上がると、理も気がついて私を見るなり驚いて、目を丸く見開いていた。


そう。


会いたかった。





ずっと、あなたに会いたかったよ。