君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第8章 さよならの予感

8

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美夜とは毎年みんなで会っていたのに、今年は東京に来ないなんて、何かあったのかな。

今夜はすき焼きだ。範子さんは、鍋とすき焼きが大好きなので、みんなが揃うと必ずその二択になる。すき焼きとなると、祐は静岡の祖父母に教えてもらったと言って、妙に張り切ってすき焼き奉行になる。

何か拘りがあるらしいので、具材をいれたりするのには、祐に全部任せることにする。範子さんと雪子が卵を運んでくると、

「圭太。美夜となんかあったの?」

と雪子が訊ねると、祐の隣に座っていた圭太はギクリとしたように一瞬びびって硬直した。祐はチラッと横目で圭太を見ているが、何も言わない。滋はムッとしたように、そんな圭太の頭を小突いた。

「お前。何してんだよ」

「べ、別に何も……」

と言いかけて言い及んでいる。俺には分からなくて首を捻っていると、祐が俺のグラスにビールを注いでくれた。

「美夜は…元気出たのかよ」

俺が言うと、祐は苦笑いしてビールを飲んで、すき焼き用の牛肉を鉄鍋に入れて軽く焼いている。範子さんは眉をしかめて圭太を睨み、

「誰かさんがまた悲しませてるんだろうな」

と意味深な言葉を吐き出した。

「なんだ?なんかあったのか?話が見えないな」
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