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第8章 さよならの予感
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「年越し蕎麦食べてたの?遅くない?」
俺の食べかけの丼を見て雪子が言うと、俺は頷いて雪子の向かいに腰を下ろして、残りの蕎麦を食べ始めた。
「さっきまで寝てた」
「グウタラだなぁ」
「暇だし」
「大掃除したの?」
「そんな暇ない。今年の汚れは来年も続行です」
俺はそう言って、蕎麦にフウッと息を吹きかけて、麺をすすった。
「一緒に住むのは、やっぱり難しそうね」
「…だな」
「私は、結婚したいなんて、思ってない。理のそばに、いたいだけよ」
雪子はそう言って、またコタツに頬を乗せている。俺はそんな雪子を見ると、腕を伸ばして雪子の頭をくしゃっと撫で回した。
「分かってるよ。でも、俺も、ごめんな」
俺が言うと、髪がボサボサになった雪子は顔を上げて俺を見た。
「俺とは、結婚するな。お前の人生がダメになるから」
「理…」
「結婚は、ちゃんとした人と、しろ。俺は、それまででいいから」
俺はそう言って蕎麦をどんどん口に運んでいって、やがて食べ終わって丼を両手で持つと、汁まで全部一気に流し込んだ。
「…先のことなんて、いいの。今は…」
雪子はそう言いかけて顔を上げた。俺は丼を置いて雪子を見ると、雪子はこたつから出て四つん這いに這いつくばりながら俺に近寄り、後ろから抱きついてきた。
俺の食べかけの丼を見て雪子が言うと、俺は頷いて雪子の向かいに腰を下ろして、残りの蕎麦を食べ始めた。
「さっきまで寝てた」
「グウタラだなぁ」
「暇だし」
「大掃除したの?」
「そんな暇ない。今年の汚れは来年も続行です」
俺はそう言って、蕎麦にフウッと息を吹きかけて、麺をすすった。
「一緒に住むのは、やっぱり難しそうね」
「…だな」
「私は、結婚したいなんて、思ってない。理のそばに、いたいだけよ」
雪子はそう言って、またコタツに頬を乗せている。俺はそんな雪子を見ると、腕を伸ばして雪子の頭をくしゃっと撫で回した。
「分かってるよ。でも、俺も、ごめんな」
俺が言うと、髪がボサボサになった雪子は顔を上げて俺を見た。
「俺とは、結婚するな。お前の人生がダメになるから」
「理…」
「結婚は、ちゃんとした人と、しろ。俺は、それまででいいから」
俺はそう言って蕎麦をどんどん口に運んでいって、やがて食べ終わって丼を両手で持つと、汁まで全部一気に流し込んだ。
「…先のことなんて、いいの。今は…」
雪子はそう言いかけて顔を上げた。俺は丼を置いて雪子を見ると、雪子はこたつから出て四つん這いに這いつくばりながら俺に近寄り、後ろから抱きついてきた。
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