君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
125 / 260
第8章 さよならの予感

5

しおりを挟む
「年越し蕎麦食べてたの?遅くない?」

俺の食べかけの丼を見て雪子が言うと、俺は頷いて雪子の向かいに腰を下ろして、残りの蕎麦を食べ始めた。

「さっきまで寝てた」

「グウタラだなぁ」

「暇だし」

「大掃除したの?」

「そんな暇ない。今年の汚れは来年も続行です」

俺はそう言って、蕎麦にフウッと息を吹きかけて、麺をすすった。

「一緒に住むのは、やっぱり難しそうね」

「…だな」

「私は、結婚したいなんて、思ってない。理のそばに、いたいだけよ」

雪子はそう言って、またコタツに頬を乗せている。俺はそんな雪子を見ると、腕を伸ばして雪子の頭をくしゃっと撫で回した。

「分かってるよ。でも、俺も、ごめんな」

俺が言うと、髪がボサボサになった雪子は顔を上げて俺を見た。

「俺とは、結婚するな。お前の人生がダメになるから」

「理…」

「結婚は、ちゃんとした人と、しろ。俺は、それまででいいから」

俺はそう言って蕎麦をどんどん口に運んでいって、やがて食べ終わって丼を両手で持つと、汁まで全部一気に流し込んだ。

「…先のことなんて、いいの。今は…」

雪子はそう言いかけて顔を上げた。俺は丼を置いて雪子を見ると、雪子はこたつから出て四つん這いに這いつくばりながら俺に近寄り、後ろから抱きついてきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました

utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。 がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

処理中です...