君につづく道〜禁断の13〜

第7章 結婚と同棲

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「はい。誰っすかー？」

「きゃっ。出た！坂井さんですよね？私ですよ、私！」

なんかすっげえ黄色い声が耳元で響いて、思わず電話を耳から離した。

誰だ？！

俺は眉根を寄せてまた訊ねると、

「え？！本当にわからないんですか？！同じ屋根の下で寝た仲ですよ？！」

とその女が言うと、隣にいる松林にも聞こえて、松林は顔を上げて俺を見つめた。俺も驚いて松林を見ると、はあっと深く息を吐き出した。

「何人もいるけど」

「確かに～～！！」

そういって、キャハハと声を上げて笑っている。あ、この会話が成り立たない人は、1人だけ思いついた。

「西片麻美か」

「フルネーム？！そうそう。そうよ。恋人の西片麻美です」

プチっ。

通話を強制的に終了した。

「何、この女」

俺は舌打ちして、またデスクに顔を埋めて目を閉じた。松林もデスクに肘をついて、

「なんか、完全にターゲットにされてますね。雪子ちゃんと付き合ってるって言わないんですか？」

と訊ねると、俺はピクッと反応してしまった。が、

「うーーーーっ」

と唸って目をギュッとつぶり、また携帯電話を取り出して雪子の名前を検索した。が、なんて言えばいいのかは、分からなかった。

「女の熾烈な戦いは、歴史に残る戦いより恐ろしいんだぞぉ」