君につづく道〜禁断の13〜

第5章 奇跡のあと

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そう思っていると、そこになんか奇声みたいな大声が聞こえてきて、私は驚いて目を丸くして顔を上げた。

「え、なに？今の」

すると、バタバタと大きな足音がしてバスルームのドアを開けて、坂井さんがもの凄い剣幕で現れた。

「雪子！大変だ！！」

「え。なに？どうしたの？てか、なんか着てよ。ガウンあるでしょ」

「そんなことより、今、祐から電話来た」

「え？なんて？」

私も首を傾げる。裸の坂井さんは、一緒に湯船に入ってきて、私の肩を両手で掴んだ。その瞳はキラキラしている。

「萌梨が、祐と話した！」

「えっ！？」

「思い出したんだ。話せたんだ。親子三人で抱き合って喜んだって。明日また行くぞ！」

嬉しそうに笑ってそう言って私を抱きしめると、私は驚いて呆然としたけれど、段々頭の中が霧が晴れるかのように、坂井さんの言ってる言葉を認め始めた。

「萌梨が…！ほんとなのね。本当に、治ったのね！」

「そうだよ！雪子ともまた友達になれる。みんな、揃うんだ。祐も、凜も、幸せになれる。滋も圭太も、報われるんだよ！やったな！」

坂井さんは嬉しそうに笑って言うと、私も涙がドッと溢れてきて、そんな坂井さんの肩に額をつけて泣いた。

萌梨が、帰ってくる。やっと、やっと幸せに手が届くんだ。辛かったよね。悲しかったよね。でも、もう終わりだよ。あなたが望んだ幸せな未来が、明日が、これから毎日やってくる。

良かったよ。

良かったよおぉ！